潔選手の趣味 洁选手的爱好
凛が好き過ぎるあまり無意識のうちに貢いでる潔と、そんな潔に対して色々もやもやしてる凛です!!
因为太过喜欢凛而在不知不觉间就宠溺起来的洁,以及面对这样的洁感到各种纠结的凛!!
潔の趣味が散歩ということで、何か新しく別の趣味ができてもいいよな〜と思って色々付け足した結果、見事なキャラ崩壊が完成しました。どうしてこうなった…。潔が好きな人になんでもしてあげたくなるタイプだと最高ですね。(諦め)
既然洁的爱好是散步,那让他培养点新兴趣也不错嘛~抱着这样的想法给他添加了各种设定,结果就完美地造成了角色崩坏。为什么会变成这样…。洁就是那种让人忍不住想为他做任何事的类型,真是太棒了。(放弃治疗)
とは言え、やっぱり凛潔のすれ違いは何回でも何パターンでも見たいので満足です…!!
话虽如此,果然凛洁的擦肩而过无论看多少次、多少种模式都让人满足啊…!!
最近アニメも本誌も熱くてすごく楽しい毎日なんですが、本誌の展開でなかなかに悩まされる毎日でもあります。果たして私の書く凛潔はちゃんと凛潔なのか…。不安になりますが、とりあえずは私の書きたいものを書くしかないので、本誌をちょっとずつ飲み込みながら上手く見たいものが書けるといいな…と思います!
最近无论是动画还是原作都让人热血沸腾,每天都过得非常开心,但原作的剧情发展也让我每天都相当苦恼。我笔下的凛洁到底算不算真正的凛洁呢...虽然会感到不安,但总之只能先写自己想写的东西,希望能一边慢慢消化原作,一边写出自己理想中的故事!
過去作への反応などありがとうございます!! 感谢大家对过往作品的支持与反馈!!
楽しんでいただけますように!! 希望您能喜欢!!
お借りした表紙→illust/76670995 借用的封面→illust/76670995
- 730
- 888
- 12,962
「あれ、最近編みもの流行ってんの?」 "咦,最近织毛衣很流行吗?"
「あーなんか潔選手がハマってるらしいよ!そっから火が着いたらしい!」
"啊——听说是因为洁选手迷上这个了!好像是从他那里开始火起来的!"
とある電車の中にて。そんな若い女性二人の会話を隣でさり気なく聞きながら、凛はギリリと歯を噛んだ。凛の怒りのまま歯に力が込められるせいで、少しばかり歯のエナメル質が欠けてしまいそうだったが、凛は知ったこっちゃない。そんなこと、今の凛の頭の中には微塵もなかった。
某节电车车厢内。凛不动声色地听着身旁两位年轻女孩的对话,牙齿咬得咯咯作响。由于愤怒过度用力,牙釉质都快被咬崩了,但凛根本不在乎。这种事,此刻的凛脑子里连一丁点都没考虑过。
最近になって、こうして凛が潔に対して腹を立てる機会は以前よりも確実に増えている。それも、とんでもないスピードで。
最近这段时间,凛像这样对洁生气的次数确实比以前多了。而且是以惊人的速度在增加。
頻度をグラフ化すると、急にグラフが上向きに急上昇を始めていることが明白だろう。凛はろくに授業を聞いていなかったためグラフ化する術を持っていなかったが、現在の状況からはそんなこと些細な問題に過ぎなかった。
将频率绘制成图表的话,能明显看出曲线突然开始急剧上升。凛因为平时不好好听课所以根本不会画图表,但在当前情况下这种问题根本不值一提。
とにかく、最近は一人ブチギレる頻度が多すぎる。 总之,最近独自暴怒的频率实在太高了。
主に、というか全て潔世一という一人の男のせいで。 主要——或者说全都是因为一个叫洁世一的男人。
「チッ」 "啧"
(ぜんぶ、クソ潔のせいだ……!!!) (全都怪那个该死的洁……!!!)
凛の頭の中に、「凛!」と呼ぶ潔の顔が浮かんでくる。憎たらしいほどのこの世の全てを凌駕するほどの可愛いらしさを備えた潔の笑顔だ。脳内でも凛の内心なんて少しも思いやらないその無能さにこれまた腹が立ち、思わず凛の拳が震える。この怒りを収めるには、ここで一発その潔を殴るでもしないと腹の虫がおさまらないだろう。
凛的脑海中浮现出洁呼唤"凛!"时的笑脸。那张可恨到极点的笑脸,偏偏带着足以超越世间万物的可爱。即使在脑内幻想里,这个混蛋也完全不会体谅凛的心情,这种无能感让凛更加火大,拳头不自觉地颤抖起来。要平息这股怒火,除非现在立刻给洁来上一拳,否则根本无法解气。
だが、あいにく現在プロとして活躍する潔はドイツにいる。対して同じくプロである怒れる凛はフランス。直接殴りに行くには時間がかかりすぎるため、仕方なく却下する他なかった。
但遗憾的是,现役职业选手洁目前身在德国。而同样身为职业选手的愤怒凛则驻扎法国。直接飞过去揍人耗时太长,凛只能无奈放弃这个念头。
腹いせにも満たないがとりあえず鋭く舌を打って、凛はワイヤレスイヤホンを耳に装着する。こういう時は、なんだかんだ気に入っている曲を聞くのが一番の最適解だ。これ以上潔の話を聞かないようにするためでもあったが、なんだか行動の一つ一つを潔に支配されているような気がして、余計にむしゃくしゃした。即座に頭から消し飛ばす。
虽然连泄愤都算不上,凛还是狠狠咂了下舌,将无线耳机塞进耳朵。这种时候,听点自己喜欢的曲子才是最佳解决方案。虽然本意是为了不再想起关于洁的任何事,但总觉得连这种行动都像是被洁支配着,反而更加烦躁。他立刻把这个念头从脑海中驱逐出去。
そうして何度も繰り返される凛の銃声のような舌打ちに、女性たちが会話に夢中で気づかなかったのが救いであった。…まあ、顔の良さで全てを許されてしまいそうだが。
凛那如同枪声般反复响起的咂舌声,幸好女人们聊得正欢没有注意到……不过话说回来,凭他那张帅脸恐怕做什么都会被原谅吧。
凛はイヤホンから聞き馴染みのあるイントロが流れ始めたのを確認し、画面をホームへと戻す。
凛确认耳机里传来熟悉的前奏后,将手机画面切回主界面。
ちょっとした買い出しのため、久しぶりに鉄道を利用したのだが生憎ストに巻き込まれ、10分前から電車は行き詰まっている。今回のストはなかなかに大規模なようで、いつ頃に再び運行が再開するのか目処は立っていないらしい。
为了一点小采购难得乘坐电车,偏偏遇上罢工被堵在半路,列车已经停滞不前十分钟了。这次罢工规模似乎相当大,何时能恢复运行完全没个准信。
唐突に降って湧いた暇に、凛はしばらくスマホを無意味に弄っていたが、それにも呆きる。特段気になるニュースも、見たい試合動画も見つからなかった。
突然多出大把无聊时光,凛漫无目的地刷了会儿手机也腻了。既没有感兴趣的新闻,也找不到想看的比赛视频。
仕方なしに、タブを全て消したそのままの流れるような動作でオレンジや紫が入り混じったカラフルなアイコンをポンとタップする。
无奈之下,我清空了所有标签页,流畅地轻点那个橙紫交织的彩色图标。
スポーツ選手というものは、ただスポーツをするだけでは生きていけないのが悲しいながらも現実である。どれだけサッカーが上手くとも、最低限の人気獲得のためのファンサービスは必要不可欠だし、自身に投資をしてくれるスポンサーの存在はほいそれと切り捨てることはできない。自分の満足いく舞台で、自分の満足いくようにプレーをするには、ある程度の見返りがいるのだ。サッカーもそれ以外も、とにかく自分の価値を磨いていかなくてはならない。チームにとって選手は商品であるし、話題性や人気の高い選手を獲得するのも一種の手だった。
可悲却现实的是,运动员仅靠运动本身是无法生存的。无论球技多么精湛,至少需要做些粉丝服务来维持人气,更不能轻易抛弃那些投资自己的赞助商。想要在满意的舞台上随心所欲地表现,就必须付出相应的代价。无论是足球还是其他领域,都必须不断打磨自身价值。对球队而言球员就是商品,而签下话题度高、人气旺的选手也是一种策略。
だが、凛は糸師家の男である。 但凛是糸师家的男人。
否、糸師冴の弟であった。 不,应该说是糸师冴的弟弟。
兄のように基本気に入らないことはやらない主義だし、わざわざ空気を読むつもりもない。価値なんて己のサッカーで十分見いだせる。そう舞い込んでくる仕事をパスし続けた結果、メディアにろくに出演もせず(ただ呼ばれないだけというのもある)、SNSの個人アカウントも基本マネージャーに丸投げしたいして動かさず、かろうじて凛自身の気に入ったブランドの顔になるぐらいというのが凛の現状だった。別にそのことに不満も不服も何も感じていない。
他奉行着"像兄长那样只做自己喜欢的事"的原则,也懒得刻意察言观色。足球本身就能让他找到足够的价值。由于持续推掉各种邀约,导致他很少在媒体露面(当然也有根本没人邀请的因素),社交账号基本都丢给经纪人打理几乎不更新,勉强只接些自己钟爱品牌的代言——这就是凛的现状。但他对此既无不满也无怨言。
だがそれに対し、フィールドを降りた瞬間無自覚のお人好しな好青年へと変貌してしまうあのエゴイストは凛の真反対の場所にいた。アンバサダーは凛のほうが少し多いにしても、現役の選手にしてはそこそこの頻度でバラエティからニュース番組まで出演しているし、SNSだって頻繁に、それも多分自分で動かしている。
然而那个在离开球场瞬间就会无自觉切换成老好人模式的利己主义者,却站在与凛完全相反的立场。虽然品牌代言数量凛略胜一筹,但作为现役球员而言,他上综艺和新闻节目的频率相当可观,社交媒体更是频繁更新——而且多半是亲自运营。
おそらく、基本的におとなしくマネージャーやチームが言う通りにしているのだろう。本人が理解しているのかは定かではないが、目的は他でもないファンの獲得と人気のため。サッカーとビジネスは切っても切り離せない関係でもあるし、ファンが落としてくれるお金でクラブは運営されている。そう見れば、潔世一という選手はクラブにとっては非常に美味しい選手である。その証拠に、ブルーロックの申し子と言われても納得できるほど、最近の数多の選手の中でも潔は人気が高かった。
大概是因为他本质上就会乖乖听从经纪人和球队安排。虽不确定本人是否理解,但这些行为无疑都是为了吸粉和维持人气。毕竟足球与商业本就密不可分,俱乐部运营全靠球迷消费。从这个角度看,洁世一确实是俱乐部求之不得的优质资产。作为佐证,即便被称为蓝色监狱的宠儿也毫不夸张,近年来众多选手中就属他人气最高。
そんな潔のアカウントには、懐かしのブルーロックメンツやその他の有名選手との交流を切り取った写真をあげられていたり、はたまた自身の趣味らしい散歩で見つけたものが載せてられていたりと、まことに潔らしさが全開であった。
洁的账号上既有与蓝色监狱老队友及其他知名球员的互动抓拍,又充斥着散步途中发现的趣味见闻,可谓将个人特色展现得淋漓尽致。
少し前にマネージャーからお手本だと見せられ、凛から見ても非常に親しみやすさを感じさせられたのは記憶に新しい。
不久前经理展示给他看的模范案例,就连凛也觉得格外亲切——这记忆还历历在目。
美味しいジャムがゲットできたという投稿に不服ながらもほっこりしてしまった過去を素知らぬ顔でなかったことにしながら、凛は検索バーにお馴染みの名前を叩き込む。
虽然对那篇炫耀买到美味果酱的贴文心有不甘,却又莫名感到温馨。凛佯装不知这段往事,在搜索栏熟练地敲下那个熟悉的名字。
予測変換でそれはすぐさま表示され、凛のお目当てのアカウントへと画面は移動した。
预测输入功能立刻显示出结果,画面跳转到了凛心心念念的那个账号。
実は言うと、凛は潔のアカウントの存在を知ってから、ちょくちょく潔のアカウントを覗いていた。もちろんフォローやいいねなどの反応は面倒くさいためしていないし、知ったからといって潔をマニュアルにしてアカウント運用をするつもりもなかったが、潔のことを知るには最高に便利なツールであった。さすがはネット社会。なんともお手軽にプライベートを覗き見することができる。
老实说,凛自从知道洁的账号存在后,就经常偷偷浏览。当然他嫌麻烦从不点赞关注,也没打算把洁当作账号运营的教科书,但这确实是了解洁的最佳工具。不愧是网络社会,轻轻松松就能窥探他人私生活。
連絡先は交換しているにしろ、近況報告を話し合う関係でも、凛自身積極的に人を遊びに誘うようなタイプでもない。
虽然交换了联系方式,但凛本就不是那种会主动邀人出游的类型,更谈不上会互相聊近况的关系。
それでも、凛は潔の周辺のことは隅から隅まで知っておきたかった。凛が認めた宿敵であるくせに、例えば離れたドイツの地で恋愛だとかに現を抜かしていたりしたら許さない。
即便如此,凛仍想对洁周遭的一切了如指掌。既然是被自己认可的宿敌,要是这家伙在遥远的德国沉迷恋爱什么的,绝对不可饶恕。
そんな少々難しい欲望を抱えている凛にとって、その潔の運営するアカウントはなんとも言えない程に好都合すぎるアカウントであった。デジタルストーカーなんて言葉が頭を過ぎるが、この凛の行動はどちらかと言えば、潔がよそ見していないかの監視であるため、問題ない。
对怀揣着这般微妙执念的凛而言,洁运营的这个账号简直便利到难以形容。虽然脑海中闪过"数字跟踪狂"这样的字眼,但凛的行为更接近于监视洁有没有分心,所以完全没问题。
そしてわざわざ潔のアカウントを見ているのも全て凛が潔にただならぬ感情を向けているからであるが、本人ですらそれに気付く気配もなかった。
而特意关注洁账号的举动,归根结底都源于凛对洁怀有非同寻常的感情——只是当事人自己都尚未察觉罢了。
今日も今日とて、潔のアカウントの投稿欄をスクロールする。習慣のようにして染みついてしまったような気がしなくもないが、潔の近況を知るためには仕方ないことだった。頭の中でつらつらと誰にともなく言い訳を連ねる。
今天也一如既往地滑动着洁的账号动态栏。虽然感觉这已成了根深蒂固的习惯,但为了了解洁的近况也是无可奈何。我在脑海中絮絮叨叨地向并不存在的对象辩解着。
そして、しばらく画面をスクロールしていれば、何度も見ては自分の目を疑った例の写真が目に留まる。
继续滑动片刻后,那张让我反复查看、甚至怀疑自己眼睛的照片又跃入眼帘。
今までの他のプロサッカー選手や両親との写真や料理、気まぐれに撮られたであろう写真ばかりだった投稿の中で、それは異色のオーラを放っていた。
在满是与其他职业球员、父母的合影、料理照和随手抓拍的照片中,这张散发着截然不同的气息。
『俺の好きな人に似合いそうな色だったので買ってみましたー!』
『感觉这个颜色会很适合我喜欢的人就买啦——!』
そうタイトル付けられた写真の中心部には、鮮やかな浅葱色をした毛糸玉があった。潔の手のひらから溢れているほどの大きさを見る限り、どうやら本格的な編みもの用の毛糸らしい。凛は人生で編みものなんていうどう頑張ってもイライラしてくる手作業に手を出したことがないため詳しくは分からないが、マフラーの一本ぐらいは余裕で編めそうだった。
照片中央那团鲜艳的浅葱色毛线球格外醒目。从洁掌心快要满溢出来的分量来看,这显然是专业编织用的毛线。凛这辈子从没碰过编织这种怎么努力都会让人烦躁的手工活,所以不太了解具体行情,但看这分量织条围巾应该绰绰有余。
だが、凛が注目したのはそこではない。 但凛在意的并不是这个。
「好きな人」に似合いそう? "像你心上人会喜欢的款式?"
…は? …哈?
そう。コンマ1秒で否定を含んだ声が溢れてしまうほど、その四文字が凛にとってひどく気に食わなかった。
没错。那四个字让凛不爽到极点,以至于否定的话语在 0.1 秒内就脱口而出。
約3カ月前にされたこの投稿だが、この投稿によって凛の機嫌が超絶不機嫌へとテンプレ化されてしまったのだ。おかげさまで凛のキレグラフは常に上を向いているし、周囲からは若干いつもに輪をかけて腫れ物扱いを食らう羽目になっている。
这篇发布于三个月前的帖子,彻底将凛的心情模板化为"极度不悦"。多亏它,凛的怒气值曲线始终居高不下,周围人不得不变本加厉地把他当作易爆品来小心对待。
浅葱色が似合いそうな人物は今のところ浮かんできそうにないが、とにかく潔にとってそういう存在がいるという事実が、凛にとってはなかなかに許し難いものであった。自分の生命を賭けて凛のサッカーを喰らいにくると宣言したはずの宿敵が、なんだか変な方向によそ見しているのである。そもそもの潔は周囲から言葉に形容しがたいほど複雑でぐちゃぐちゃとした矢印を向けられど、自ら矢印を飛ばすような奴ではなかったはずだ。なのに、潔が誰かにピンク色のふわふわした想いを抱えている。
虽然暂时想象不出适合浅葱色的人物,但洁心里存在这样一个人物的事实,对凛而言实在难以容忍。本该赌上性命宣言要吞噬凛的足球的宿敌,现在却莫名其妙地分心看向别处。原本的洁明明是个被众人贴上"难以形容的复杂混乱"标签,却从不主动对他人投射箭头的家伙。可如今,洁居然怀抱着粉红色的柔软心思惦记着某人。
そんな、唐突に凛の元に飛び込んできた新事実。 这个突然砸向凛的新事实。
どこ見てんだタコ、お前が見ていいのは俺だけだろ。 你这章鱼在看哪里?能看你的只有我吧。
そう言えればどれほど良かったことか。 要是能这么说该有多好。
それ以降から最近までの投稿はどれもセーターの進捗状況を知らせるものばかりで、上に行くにつれて徐々にただの毛糸玉だったはずのそれが、素人から見ても分かるほどに形を成していくのが見てとれた。所々に潔とブルーロックメンツが遊んだ報告の写真など以前のような投稿も混ざるが、やはり大体の部分を締めているのはそのセーターの写真で凛は非常に気に食わなかった。
从那之后到最近的动态,全都是汇报毛衣编织进度的内容。随着时间推移,原本只是毛线团的东西逐渐成型,连外行人都能看出轮廓。虽然偶尔夹杂着洁和蓝色监狱成员玩耍的照片这类以往风格的动态,但占据主页大半的依然是那些毛衣照片——这让凛感到极其不快。
今までの潔ならきっと、セーターではなく、ふと寄ったパン屋の写真だったり上手くできた料理の写真を上げたりしていた。それを見ては、キリリと緊張した凛のなかの何かが、ゆるりと力を抜くことができていた。
若是以前的洁,上传的肯定是偶然路过的面包店照片,或是精心烹制的料理成品照。每当看到这些,凛紧绷的神经深处总有某个角落会悄然松弛下来。
例えそれがサッカーに関係なくとも、凛は確かにほんのりとだが価値を感じていたというのに。その潔の私生活を少しだけ覗き見できる投稿に口にせずともありがたみを感じていたのに、今ではさっぱりだ。
即便那与足球毫无关联,凛也确实隐约感受到了其中的价值。他本应对这些能窥见洁私生活片段的投稿心怀感激——即便不言明——如今却只剩索然无味。
潔の近況は今まで以上に知れなくなるし、肝心な潔はどこのどいつかも分からない奴なんかのためにセーターを編んでいる。
不仅洁的近况比以往更难获悉,最可气的是那家伙居然在给某个来历不明的混蛋织毛衣。
最近になってろくに連絡も取ってこなかった冴やブルーロックメンツからは、謎に「まだ冬服は買うな」と千度というほど言われていることも相まって、凛のイライラムカムカはやはり過去最高潮にまで達していた。なぜお前らみたいな奴に俺の行動を制限されなければならない。そう反発心で頭がいっぱいだったが、結局おとなしく聞いている自分にも腹が立つ。ただでさえ沸点が人より低いのに、ここまで常に薄っすらと苛立っているのは初めてかもしれない。
最近几乎断绝联系的冴和蓝色监狱那帮人还莫名其妙地反复强调"千万别买冬装",种种因素叠加之下,凛的烦躁指数果然突破了历史峰值。凭什么要被你们这种家伙限制行动?虽然满脑子都是叛逆念头,最终却只能憋屈地乖乖听话,这让他更加火大。本来就是个一点就炸的脾气,像这样持续处于低燃点状态恐怕还是头一遭。
次潔の家に行ったときあたりに、燃やしてやろうか。 下次去洁家的时候,干脆一把火烧了算了。
ふとそんなことを思うが、なんとか思い留まる。あれだけ時間や労力をかけているだけあって、潔の編むセーターにはそれこそかなりの密度の愛が共に編み込まれているのだろう。大袈裟に言えば、我が子も同然。そんなセーターを灰にしてしまった時の潔の反応は、例え国語が2である凛にだって容易く想像できるものだった。
突然冒出这样的念头,但又勉强按捺住了。毕竟洁选手倾注了那么多时间和精力编织的毛衣,想必每一针每一线都织进了浓得化不开的爱意吧。夸张点说,简直像对待亲生孩子似的。要是把这样的毛衣烧成灰,洁选手会有什么反应——就连国语只考 2 分的凛都能轻易想象出来。
凛の頭の中に、キュッと唇を噛み締め、その大きな瞳に涙を溜める潔が思い起こされる。
凛的脑海里浮现出洁紧咬嘴唇、大眼睛里蓄满泪水的模样。
凛は潔をサッカーで殺したいし泣かせたいが、別に日常生活で悲しませたい訳ではない。逆にいつもヘラヘラしている潔が悲しそうな顔をしているとらしくもなく戸惑ってしまう自信もあるし、潔の泣き顔はフィールド以外ではベッドの上ぐらいでしか見たくもない。まあ、そもそもの話凛と潔は付き合えていないけど。
凛虽然想在球场上杀得洁片甲不留、想看他哭,但日常生活中并不想惹他伤心。相反,他很有自信——要是看到整天傻乐的洁露出悲伤表情,自己肯定会手足无措;而且除了球场之外,他只想在床上看洁的哭脸。不过说到底,凛和洁现在根本还没交往呢。
そう悶々としながら投稿の数々を見ていると、不意に新規の投稿がされた通知が入る。恐る恐る覗いてみれば、やはりそれはセーターのことで凛は少し肩を落とした。
正当他心烦意乱地刷着帖子时,突然弹出新投稿通知。战战兢兢点开一看,果然又是关于毛衣的事,凛不由得肩膀一垮。
『あと少しで完成です!』 『马上就完成了!』
そういう跳ねるような言葉と共に、典型的な形のセーターの写真が載せられている。もう完成と言っても過言ではなさそうなセーターを媒体越しに見つめ、凛は大きくため息をつく。
伴随着这句雀跃的话语,配图是一件标准款式的毛衣照片。凛透过屏幕凝视着这件几乎可以说已经完成的毛衣,深深叹了口气。
これをプレゼントするとき、潔の恋は叶ってしまうのだろうか。
当这份礼物送出去时,洁的恋情就能实现了吗?
年甲斐もなく地面に寝転がり駄々を捏ねたいような、どうしようもないほどの拒絶感が凛を支配する。
一股令人羞耻的抗拒感完全支配了凛,让他简直想像不懂事的孩子般躺在地上耍赖。
それでも、潔に一言メッセージを入れるという簡単な行為を行うためのちょっぴりの勇気が足りないせいで、凛は恨みがましく潔の好きな人に似合うらしいセーターを見つめることしかできない。
即便如此,凛却连发一句简短消息给洁的微小勇气都提不起来,只能满心不甘地盯着那件据说很配洁心上人的毛衣。
(やっぱ今から燃やしに行くか…) (要不现在就去烧掉算了…)
そう決断しようにも、頭に潔の泣き顔が過ぎって唇を噛む。
刚下决心,脑海中却闪过洁哭泣的脸,凛不由得咬住嘴唇。
お気に入りのはずのプレイリストもいつの間にか変わっていたらしく、凛の好みでもなんでもない大衆ウケしただけの曲を垂れ流している。虚しい。
本该是最爱的播放列表不知何时也变了调,流淌着根本不符合凛品味的庸俗流行曲。真空虚。
殺意に駆られては消沈。そんなことを何度か繰り返して、やっぱり凛はため息をつくしかなかったのだった。
被杀意驱使后又陷入消沉。如此反复几次后,凛终究只能无奈地叹了口气。
◯
パシャリと写真を撮り、慣れた調子で言葉を打ち込み投稿ボタンを押す。
咔嚓一声拍下照片,以熟练的动作输入文字按下发送键。
残すは飛び出た糸処理のみとなったところで、潔は一度完成間近のセーターを机に置き、大きく伸びをした。同じ体勢を保つのはなかなかにキツいものだが、熱中していればあっという間に時なんて過ぎ去ってしまう。もはや寝る前のヨガのように、潔にとっての一種の習慣になり始めていると言っても過言ではないかもしれないぐらいだった。
当只剩下处理外露线头的工作时,洁将即将完成的毛衣暂时放在桌上,大大地伸了个懒腰。保持同一姿势确实相当吃力,但专注其中时时间总是转瞬即逝。甚至可以说,这已开始成为洁睡前瑜伽般的一种习惯。
変なもつれや糸が重複している箇所がないことを確認しつつ、どこか愛着が湧いたこのセーターをさらりと手のひらで撫でる。
确认着没有奇怪的线结或重叠线头的同时,他轻轻用手掌抚过这件已生出几分爱意的毛衣。
ここまで編み上げるまで、約三ヶ月かかった。 完成这件编织品花了将近三个月时间。
元よりプロサッカー選手というそこまで暇を持て余していない職種に就いているからか、目安として表示されていた一ヶ月を優に超えていた。潔が選んだ毛糸の太さがそこまで細くないものであった上そこまで複雑な編み方は選んでいなかったため、初心者でもまだ早く編めると思っていたが、全然そうでもなかった。潔なりに搭乗中や寝る前のちょっとした時間など、編める時間は捻出していたつもりだったが、なかなかそう上手くはいかないものらしい。
或许因为职业足球运动员本就不是个能闲到发慌的工作,实际耗时远远超过了预估的一个月期限。虽然洁选择的毛线不算太细,编织手法也不算复杂,初学者应该能更快完成才对,但现实却截然不同。洁自认为已经充分利用了航班途中和睡前零碎时间,但显然事情没那么顺利。
潔の内側に積もる達成感と共にここ数週間の潔の隙間時間を共にした毛糸の塊を眺めながら、とある人物のことを思い浮かべる。
当洁凝视着这团陪伴他度过无数碎片时间的毛线球,成就感油然而生的同时,某个人的身影浮现在脑海。
浅葱色のセーターが似合いそうな、潔の好きな人。 那是个很适合穿浅葱色毛衣的人——洁心之所系。
最初からスルスル編めていたという訳ではなく、最初は何度も糸を掛ける場所を間違えたし、仮にも人に贈るものであるため下手な出来では満足できず、ほどいて一からやり直したなんてことも何度もある。編み方がわからなくて繰り返し動画を見たりもしたし、それ以外にもなかなかに面倒臭いことは沢山あった。
并非从一开始就能顺顺利利地编织,最初也多次弄错挂线的位置。毕竟是要送人的东西,做得太差自己也不满意,拆掉重来的情况也发生过好几次。看不懂编织方法就反复观看视频教程,除此之外还遇到过不少麻烦事。
でも、全ては凛の笑顔を見るため。 但这一切,都是为了看到凛的笑容。
きっと始まりは、多く焼きすぎたクッキーを凛にお裾分けした時だった。
一切的开始,肯定要追溯到那次把烤多的饼干分给凛的时候。
いつだったか、気まぐれに甘いものが食べたくなり、潔が母にいいレシピがないかとチャットアプリで尋ねたことがあったのだ。母は日本を離れて久しい息子からの連絡に、快くいつも作っていたクッキーのレシピを送ってくれた。
记不清具体什么时候,洁突然心血来潮想吃甜食,就用聊天软件问母亲有没有好的食谱。离开日本已久的儿子难得联系,母亲高兴地把常做的饼干配方发了过来。
今思えば、それが全ての発端だったのだと思う。 现在回想起来,那才是一切的开始。
所々にシミのついた母の手書きのレシピを見るに、ちょうど一人暮らしの潔の冷蔵庫の中身でもちゃんと作れそうなものだったため、潔は特に深く考えることなくそのレシピ通りに計量を始め、生地を練り始めた。
看着母亲那本沾着点点污渍的手写食谱,正好连独居的洁冰箱里现有的材料都能凑齐,他便不假思索地按方子称量起来,开始揉搓面团。
結果を言わせてみれば、クッキーは無事に焦がすこともなく焼き上げることができた。それも百枚に近い数を。
要说结果的话,饼干倒是平安无事地烤好了。而且将近一百块。
潔だって、多少引っかかるものが少しもなかったわけではなかった。なんだか小麦の量が多すぎるような気もしたし、粘土のように崩れない程度のゆるさになった生地の予想よりもデカい塊にやや不安を覚えていた。だが、まあ大丈夫だろうと楽観的に捉えた結果がこの大量のクッキー。おそらく、母は家族3人分が食べ切れる量と仲のいいご近所さんに配る量を合わせた材料の記載をしていたのだろう。流石に潔も自身の甘さを痛感するしかなかった。
其实洁也不是完全没有疑虑。总觉得面粉量似乎太多了些,揉成黏土般紧实却又不至于散开的面团,最终形成的巨大块头也让他隐隐不安。但"应该没问题吧"的乐观想法,最终造就了这堆成小山的饼干。想必母亲记载的配方量,是算上了够一家三口吃完再加分给要好邻居的分量吧。事到如今,洁也只能痛感自己太过天真了。
ちょっとした小腹の足しにしようと作り始めたわけだが、こんな店を開けるほどの数を欲していたわけではない。なんとか食べきれないことも無さそうだったが仮にもそうした場合、潔の甘い物好きゆえにいつもオーバースレスレのカロリー制限をゆうに超えてしまうことは火を見るよりも明らかだった。またクラブお抱えの管理栄養士にどやされてしまう未来が脳裏を掠める。
原本只是想做些小点心垫垫肚子,没想到竟做出了足以开店的分量。虽说也不是完全吃不完,但考虑到洁那嗜甜如命的性子,这种份量绝对会让他突破本就岌岌可危的卡路里限制——这简直比火焰还要显而易见。脑海里已经浮现出俱乐部专属营养师怒目圆瞪的画面了。
さて、どうしたものか…。ケーキのような生物ではないにしろ、素人の手作りクッキーなんて早めに消費してしまったほうが色々と面倒にならなくていい。
这下可如何是好...虽说不是蛋糕那种娇贵的点心,但业余手工制作的饼干还是趁早解决为妙,省得夜长梦多。
適当にとりあえず保存方法でも調べるか…と、オーブンに生地を入れてからは放置していたスマホを手に取る。するとちょうど、ロック画面にポコンと明日のスケジュールが通知バーに表示された。その文字をなんとなしに読んで、ちょうど明日は飲料水の広告塔のイメージモデルとして共に起用されている凛との撮影日であったことに気づく。スマホのスケジュール帳を開き再度確認するが、そうで間違いない。わざわざターコイズ色の印を使っているため、見間違いの可能性もなかった。
随便查查保存方法吧...他抓起从把面团放进烤箱后就搁置一旁的手机。恰在此时,明日行程的通知"噗"地跳上了锁屏界面。漫不经心扫过那行文字时,突然想起明天正是与共同担任矿泉水广告形象代言人的凛的拍摄日。点开日程表再三确认,确实如此——特意标注的绿松石色标记,绝无看错的可能。
潔の中で、標的が定まった瞬間だった。 洁的脑海中,顿时锁定了目标。
凛になら気兼ねなく渡せる。 给凛的话就不用顾虑太多。
そう思い立てば、すぐさまそこそこの数のクッキーを乾かしとあった適当なタッパーに詰め込んだのだった。
这么想着,他立刻把相当数量的饼干塞进了随手找到的保鲜盒里。
不味ければ捨てるだろうし、カロリーの観点から問題があるなら、やっぱり捨ててくれるだろう。そういう信頼のもと撮影終わりの凛にそこそこの数のクッキーを渡したのだが、予想外なことに凛はその場でその大量のクッキーを食べ切った。潔も知らなかったが、凛は意外とモリモリと食べる人間らしい。監獄では確かに口いっぱいにご飯を詰め込みおかわりを何杯かしていた気もするが、本人に言わせてみれば「それでも足りねぇのに、資金がなんだとか言われて回数を制限されてた」らしい。その見た目ではあまり想像がつかなかったが、言われてみれば潔も羨ましくなるほどの恵体であるのも納得できる。十枚ほどで甘党の潔でもギブアップしたようなクッキーを、凛がサクサクサクサク小気味良い音を立てながら食べていく様子は、潔に驚きと共になんだかくすぐったいような嬉しさももたらしたのだった。
如果难吃的话她肯定会扔掉,从热量角度考虑有问题的话,最终也会被处理掉吧。怀着这样的信任,他在拍摄结束后把数量可观的饼干交给了凛,没想到凛当场就把那堆饼干消灭得一干二净。洁并不知道,凛意外地是个大胃王。仔细想想,在监狱里她确实总把饭菜塞满嘴巴还要添好几碗,但据本人说"就那样还是不够吃,他们老拿经费说事限制加餐次数"。从她外表实在难以想象这点,不过转念一想,那具连洁都羡慕的完美身材倒也能解释得通。看着凛咔嚓咔嚓地吃着连甜食派的洁吃到十块左右都要投降的饼干,那清脆的声响不仅让洁惊讶,还莫名让他心头涌起一阵酥酥麻麻的喜悦。
だが、その出来事で印象的だったのはそれだけではない。
但这件事最令人印象深刻的还不止于此。
差し出したタッパーを訝しそうに見つめ、「なんだこれ」と眉を顰めた凛に対して「く、クッキー作ったんだけど、良かったら食べない?」と恐る恐る口にした後の凛の顔。
凛狐疑地盯着递过来的保鲜盒,皱着眉头说了句"这是什么啊",听到对方怯生生地说"那个...我做了些饼干,不介意的话要尝尝吗?"之后露出的表情。
じんわりとはにかむような、褒められた後に見せるような、内側にこっそり喜びを隠そうとする絶妙な笑顔。その笑顔を見た瞬間、潔の中には確かに何か雷のようにビビッとくる大きな衝撃が駆け抜けたのだった。
那是一种微微腼腆的、像是受到夸奖后想要偷偷把喜悦藏起来的绝妙笑容。看到这个笑容的瞬间,洁的内心确实被某种闪电般"啪"地击中了。
それが恋に落ちた証拠だったと気づかないほど、潔は鈍感ではなかった。
洁还不至于迟钝到察觉不到这就是坠入爱河的证明。
気づけば気まぐれで焼いていたはずのクッキーが凛のためになり、プレーンという適当な味から抹茶やココアなどのひと手間加える味へと変化した。
不知不觉间,原本只是随性烤制的饼干变成了专为凛而做,口味也从最初随便应付的原味逐渐升级成需要费心制作的抹茶和可可风味。
それだけでは飽き足らず、最近の潔の趣味はどうすれば凛の笑顔が引き出せるか試行錯誤の繰り返し。凛のために焼いたクッキーを食べてくれた時、凛が好きそうなドレッシングを見事当てた時、決まってその潔が見たい笑顔は浮かべられる。
光是这些还无法满足,最近洁的兴趣变成了反复尝试如何才能逗凛露出笑容。当凛吃下他亲手烤的饼干时,当他完美猜中凛喜欢的沙拉酱时,那个洁最想看到的笑容必定会浮现。
多分、本人もそんな柔らかく甘い表情を浮かべてるなんて思ってもいない。潔はそこまで凛の表情のレパートリーを知らないし、もしかしたら凛の笑顔はそれではないのかもしれないけれど、潔が凛に唐突なクッキーのお裾分けに対して見せた顔が、潔にとっては宝箱に仕舞いたくなるほど大好きだったのだ。
或许当事人自己都没意识到会露出如此柔软甜蜜的表情。洁并不完全了解凛所有的表情变化,说不定那根本算不上凛的笑容,但凛在收到洁突然分享的饼干时露出的神情,对洁而言却是想珍藏进宝箱般的珍贵存在。
お互い多忙であるためそう簡単に会うことはできないけれど、できるならもっとたくさん見たい。
虽然两人都忙得难以经常见面,但若有可能的话真想多看几次那样的表情。
クッキー、手料理……あまりにも食べ物ばかりでは食い意地が張っていると勘違いされかねないため、何か別にないかと探しているところに飛び込んできたのが、この浅葱色の毛糸玉だったのだ。
饼干、手作料理……总送食物恐怕会被误会成贪吃鬼,正当他寻找其他礼物时,这团浅葱色的毛线球突然闯入了视线。
あまりにも散歩一択だった自分とは思えないほどの豊富になってしまった趣味の種類に、恋は人を馬鹿にするなんて言葉が頭を過ぎった。
难以置信自己竟会从只爱散步变得拥有如此丰富的兴趣爱好,脑海中闪过"恋爱让人变傻"这句话。
「よし…」 "好了..."
ひとしきり凝り固まった筋肉や関節を簡易的にほぐし、潔は鮮やかな浅葱色のセーターをそっと撫でる。特に反抗することもなく、編み目たちはさらりと潔の手のひらを滑っていく。
简单活动了下僵硬的肌肉和关节,洁轻轻抚过那件鲜艳的浅葱色毛衣。编织纹路温顺地滑过他的掌心,没有丝毫抗拒。
想像以上の柔らかな手触りに潔の頬が思わず緩んだ。 超乎想象的柔软触感让洁不自觉地放松了脸颊。
きっと、このセーターを着る凛はとてつもなくかっこいいのだろう。あわよくば潔と会うときに来てきてほしいのだが、それは少し願いすぎだろうか。
凛穿上这件毛衣一定帅气得不得了。要是能趁机和洁见面时穿就更好了,不过这个愿望是不是有点太贪心了?
「早く気づけよな……」 "快点发现啊……"
「凛ちゃんに根回ししとく!」と親指を立てていた蜂楽や「それとなく伝えておこう。愚弟を任せた」というメッセージを送ってきた冴が脳裏に過ぎる。他にも潔の投稿に対して温かい反応をくれた者は沢山いたが、肝心な本人は潔の抱える恋に気づく素振りも見せない。
脑海中闪过蜂乐竖起大拇指说"我去给凛酱打点铺垫!"的画面,以及冴发来的那条"我会委婉转达的。我那蠢弟弟就拜托了"的信息。虽然还有很多人对洁的帖子给予了温暖回应,但最关键的那个人却丝毫没有察觉到洁怀揣的恋心。
これほど周知されてる恋はないだろというほど、最近は吹っ切れてそこそこなりふり構わずにアピールしているつもりだが、やはりやり方が悪いのだろうか。例の鈍感にぶちん野郎の言葉を借りるとするならば、まだ「ぬりぃ」のかもしれない。
这大概是最人尽皆知的单恋了吧——最近洁已经彻底放开了手脚,不顾形象地展开攻势,但果然还是方法不对吗?用那个迟钝混蛋的话来说,可能还处在"黏糊糊"的阶段。
ともかく、このセーターを渡す時にはちょっとでも気づいてくれるといいけど。
总之,希望递出这件毛衣时他能稍微察觉到我的心意。
そう密かに思いながら、潔は毛糸用にと用意したハサミを手に持つ。一時期はきちんと間に合うか不安だったが、この調子ならギリギリ凛の冬服の仲間に入れてもらえそうだ。
怀着这样隐秘的期许,洁握紧了为织毛衣准备的剪刀。虽然一度担心能否赶得及,但照这个进度应该勉强能让凛在冬天穿上。
窓の外を打つ柔らかな潔の好きな季節の雨の音が、微かにその空間に響き渡っていた。
窗外飘着洁最爱的绵绵细雨,温柔的雨声在房间里轻轻回荡。
別名∶周囲に隠さず恋してることをアピールする潔さんと、一人だけ気づいて(気づけ)ない凛ちゃんさんの話。
又名:毫不掩饰恋爱心情的洁先生,与唯一没察觉(快察觉啊)的凛小姐的故事。
pixiv
Sketch
FANBOX
FANBOXプリント FANBOX 印刷品
pixivコミック pixiv 漫画
百科事典 百科全书
BOOTH
FACTORY
pixivision
sensei 老师
VRoid
Pastela