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変態讃歌/おばけちゃん的小说

変態讃歌  变态赞歌

15,105字30分钟

1P目の注意書きをご覧ください。  请参阅第一页的注意事项。

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気持ち悪い。  恶心。
ぐちゅぐちゅとローションの音が響く。  黏腻的润滑液声在房间里回荡。
凛が俺の上で腰を振っている。俺は凛の顔を見つめた。カッケェな、と思う。腰を振りながら悩ましげに眉を顰めて息を乱す姿は、男の俺から見てもセクシーだ。
凛骑在我身上扭动着腰肢。我凝视着凛的脸庞。真他妈帅啊,我心想。他蹙眉喘息着摆动腰身的模样,就连身为男人的我都觉得性感至极。

「……っ」  「……嗯」

奥を突かれて思わず声が出る。  被顶到深处时不禁漏出呻吟。

「……声我慢すんな」  “……别忍着声音”

凛が囁く。気持ち良いからではなく、身体の奥を突かれた衝撃で声が出る時があるのだけど、凛はそれは気持ち良いから出る声だと思っているらしい。俺が声を出すたびに凛はあからさまに興奮する。
凛低声说道。有时并非因为舒服,而是被顶到深处的冲击让我忍不住出声,但凛似乎以为那是舒服的呻吟。每次我发出声音,凛都会明显兴奋起来。

「潔、潔……っ」  “洁、洁……”

凛が俺の身体を抱きしめて腰の動きを早くする。ラストスパートらしい。俺も凛の身体を抱きしめた。分厚い身体。汗ばんでいる。脂肪が少なくてガッチリとした硬い身体も匂いも完全に男のものだ。女の子とは全然違う。いくら目を瞑ってどうにかやり過ごそうとして誤魔化せないくらい男。
凛紧紧抱住我的身体加快腰部的动作。看来是最后冲刺了。我也回抱住凛的身体。厚实的躯体。汗涔涔的。脂肪很少的结实肌肉,无论是触感还是气息都充满雄性特征。和女孩子完全不同。就算闭上眼睛自欺欺人也无法忽视这份强烈的男性气息。

凛が低くうめいたかと思うと腰の動きが止まった。無事にイけたらしい。その瞬間、俺はホッとする。良かった。
凛低声呻吟着,腰部的动作突然停了下来。看来是顺利到达高潮了。那一瞬间,我松了口气。太好了。

凛はしばらく俺を抱きしめたまま息を整えた後に身体を起こした。ずるっと凛のモノが俺の中から抜けていく。俺はそれから思わず目を逸らしていた。
凛抱着我调整了一会儿呼吸,随后撑起身体。他的性器从我体内滑出时,我不由自主别开了视线。

コンドームの処理をした後に凛が俺と向き直る。ベッドに身体を投げ出したままの俺の性器を凛が握る。
处理完避孕套后,凛重新转向我。他握住仍瘫在床上的我的性器。

未だに俺は中ではイけないので、最後は凛が手で抜いてくれるのが恒例になっている。凛の手は俺よりも大きくて力が強くて、自分以外の人間に触られてる、って感じがする。
因为我始终无法在体内达到高潮,最后总是由凛用手帮我解决。他的手比我的更大更有力,被自己以外的人触碰的感觉格外鲜明。

凛の唇が近付いてくるので、それを受け止める。  凛的嘴唇靠近,我迎了上去。
――キスは好きなんだけどな。  ——虽然我很喜欢接吻。
そう思いながら俺は目を閉じた。  这样想着,我闭上了眼睛。


ブルーロックプロジェクトが終了後、俺はとある欧州のプロチームと契約した。1年遅れて、凛も欧州のチームと契約した。
蓝色监狱计划结束后,我和某支欧洲职业球队签约了。一年后,凛也签约了欧洲的球队。

その後、数年が経ち、ある年のオフに俺のもとに移籍のオファーが届いた。今いる国とは別の国のチームだった。提示された条件は申し分のないものだったが、ようやく今の国に慣れてきたところで別の国からのオファー。悩んでいた俺に、オファーしてきたチームの首脳陣が言った。
几年后,某个休赛期我收到了转会邀约。那是来自另一个国家——与我现效力国不同的球队。开出的条件无可挑剔,但偏偏在我刚适应这个国家时收到异国邀约。正当我犹豫之际,那支球队的高层对我说:

「これは内密にしてほしいのだが、糸師凛にも同じオファーを出していて、もうすぐ合意出来そうだ」
"希望你能保密——我们同样向糸师凛发出了邀约,很快就能达成协议了"

俺は一転してそのチームと契約した。心変わりの理由は紛れもなく「凛がいるから」であった。
我当即转变心意签下合约。改变主意的理由毫无疑问是"因为凛在那里"。

凛といると俺は強くなれる、凛から学びたいことはまだまだいっぱいある、だから俺もお前と同じチームに行くことにした。と俺が凛に報告した時、アイツはあからさまに嫌そうな顔をした。
和凛在一起我会变强,还有太多想向凛学习的东西——所以我决定和你加入同一支球队。当我向凛报告时,那家伙明显露出了嫌恶的表情。

移籍してすぐにぶつかるのは言語の壁だ。最初は俺のことなんて眼中にない、みたいな顔をしていた凛も、次第に「やむ負えない」みたいな苦虫を噛み潰したような顔で「さっき、コーチなんて言ってた。聞き取れなかった」とか「お前、スパイクとかどこで買ってんだ」とか声を掛けてくるようになった。俺はそれに「俺も聞き取れなかったから一緒にコーチに聞きに行こ」とか「いい感じのショップ教えてもらったんだよね。場所を説明するの難しいから休みの日に一緒に行こうぜ」とか返すようになった。
刚转会就碰上了语言障碍。最初凛那家伙还一副"你算老几"的表情,后来渐渐变成"真拿你没办法"的苦瓜脸,开始主动搭话说"刚才教练说什么没听清",或是"你球鞋哪儿买的"。我就回他"我也没听清一起去问教练吧",还有"知道家不错的店,位置说不清休息日带你去啊"。

ある日のオフの日、凛の部屋でまったり映画なんて観ていると、急に凛が言った。
某个休息日在他房间懒洋洋看电影时,凛突然开口。

「お前、俺のことが好きなのか」  "你是不是喜欢我"

俺は凛と同じマンションの一室を借りていたので、必然的に練習の行きも帰りも食事も一緒で。休みの日も、暇だったら人恋しくて凛の部屋に押しかけたりしていた。凛からしたら「コイツやたらと俺にまとわりついて来るな。俺を追っかけて移籍してきたくらいだし、よっぽど俺のことが好きなんだな」なんて感じだったんだろう。
因为租了和凛同栋公寓,自然训练往返吃饭都在一起。休息日闲着没事也会想找人陪,就跑去他房间。在凛看来大概是"这家伙怎么老缠着我,都追着我转会了,肯定特别喜欢我吧"。

「え、なに急に……まあ、好きだけど」  "诶,怎么突然问这个...不过,确实喜欢啦"

好きか嫌いかって言われたらそりゃあ好きだ。練習日ならともかく休みの日まで嫌いな奴の家に入り浸る人間なんていないだろう。
要问喜欢还是讨厌的话那当然是喜欢。练习日也就算了,休息日还赖在讨厌家伙家里的人根本不存在吧。

凛は映画から目を離して俺を見て言った。  凛把视线从电影移开,看着我说。

「他の奴らよりもか」  "比其他家伙更喜欢?"

他の奴?誰?と、脳内に?が浮かぶ。  其他人?谁啊?——脑海中浮现出问号。
取り敢えず、俺は凛の質問に答えようと頭の中で考えた。今いるチームの中で一番仲良いのは凛であることは間違いない。チームに溶け込めるように俺なりにチームメイトとコミュニケーションを取ろうとはしているし、最近は友好的に接してくれる奴らも多いが、やはり会話のしやすさで言ったら同じ母国語を持つ凛に軍配が上がる。他に友人として思い当たるのはブルーロック時代に仲が良かった蜂楽とか氷織とか黒名とかだけど、あいにく今はその3人ともあまり連絡は取れていない。
总之,我决定先回答凛的问题。目前在队里关系最好的毫无疑问是凛。虽然我也在努力以我的方式与队友沟通以便融入团队,最近对我态度友善的家伙也变多了,但要说聊天最顺畅的果然还是同母语的凛更胜一筹。其他能想到的朋友只有蓝色监狱时期关系不错的蜂乐、冰织和黑名,可惜现在和那三个人都很少联系了。

そんな状況を鑑みると、現在、一番友好的な関係を築けている人物は凛ではないか。例えば、いま急に凛が移籍だのなんだので俺の側からいなくなったりしたら俺はとても困ると思う。まあいなくなっても、どうにかこうにかしてやっていくとは思うけど、それはそうとして寂しいし心細い気持ちになると思う。
考虑到这种状况,现阶段建立起最友好关系的应该就是凛了吧。比如说,要是凛突然因为转会什么的从我身边消失,我肯定会非常困扰。虽说就算真消失了也能想办法应付,但果然还是会感到寂寞不安吧。

「……まあ、今は凛が一番かな」  "……嗯,现在应该就是凛了"

凛も「俺たち一番の友達だよな」なんて会話を誰かとしたい時があるんだな、なんて俺は思った。凛は俺の顔をジッと見ていた。
凛这家伙也会有想和别人说"我们是最好的朋友吧"这种话的时候啊,我暗自想着。凛正死死盯着我的脸。

「テメェなんだその言い方。潔のクセにヤリチンみたいなこと言いやがって」
"你这混蛋什么口气。区区洁居然敢用种马似的口吻说话"

「えっ!?そうかなぁ?」  "诶!?有吗?"
「"今は"って言い方が気に入らねぇ。今後変わる予定があるみたいな言い方しやがって」
"老子最烦'现在'这种说法。搞得好像以后会变似的"

「……そうか?なんかごめん」  “……是吗?抱歉啊”

そもそも友達に一番とか二番とか順番つけるのがダメなんじゃないかなぁと思ったけど。凛は俺の顔を見下して言った。
我本来觉得给朋友排什么第一第二的就不太合适。凛俯视着我的脸说道。

「これからもずっと俺を一番にするって言え」  “从今往后你都要说永远把我放在第一位”

凛もこんなこと言うんだ。なんか意外。凛が誰かの一番になりたがるのが意外で、その相手に選ばれたのが俺だということも意外。
没想到凛也会说这种话。既意外他会在意成为某人心中首位,更意外那个被选中的人居然是我。

「……分かった。お前のことをずっと一番にする」  “……明白了。我会永远把你放在第一位”
「一生か」  “一辈子吗”
「お前の発想ってゼロかヒャクだよな。ぶっ飛んでるつーか極端つーか」
“你这人想法不是零就是一百啊。该说是天马行空还是极端呢”

「約束出来ねぇなら意味がない」  “做不到的承诺就没有意义”
「分かった分かった。約束するって」  "知道了知道了。我答应你"

そういえば凛ってこういう奴だった、と俺は思い出した。ブルーロック時代に、一緒に死ねって言われたなぁなんて思い出す。凛は俺の顎をグッと掴んで言った。
这时我才想起来,凛就是这样的家伙。在蓝色监狱时期,他还说过要和我一起死之类的话。凛用力捏住我的下巴说道。

「反故にしたら殺す」  "敢反悔就杀了你"

そう言って凛の顔が近付いてくる。呆然としている俺を放って凛の唇が俺の唇に重なった。
说着凛的脸凑了过来。不顾愣住的我,凛的嘴唇覆上了我的唇。

驚きで何度も瞬きをしながら、俺の脳は猛烈な勢いで今の状況を整理し始めた。どうやら凛の言っていた「好き」と俺の言っていた「好き」は意味が違ったらしいということ。俺は知らずにとんでもない約束をしてしまったようだということ。
我惊讶地眨了好几次眼,大脑开始以惊人的速度梳理现状。看来凛所说的"喜欢"和我所说的"喜欢"含义似乎不同。我好像在不经意间许下了不得了的约定。

凛が何度も唇を離してはくっ付ける。混乱したままの頭の片隅で、物騒なこと言ってた割に可愛いキスするじゃん、なんて思った。
凛反复地离开又贴上我的嘴唇。在混乱的思绪角落,我暗自想着:明明说了那么危险的话,接起吻来倒是挺可爱的嘛。

――そういや、今日観てる映画は珍しく恋愛映画だった。
——说起来,今天看的电影居然是罕见的爱情片。

俺はソファに押し倒されながら思った。いつも凛と映画を観る時は、ホラー映画かサメ映画か胸糞悪くなるようなスリラー映画ばっかりだったのに。何故か今日は急にラブロマンスをチョイスされて珍しいなと思ったのだった。
被推倒在沙发上的我这样想着。平时和凛看电影时,总是恐怖片、鲨鱼片或是让人反胃的惊悚片。不知为何今天突然选了爱情浪漫片,真是稀奇呢。

「死ぬまで俺を一番にしろ」  “到死都要把我放在第一位”

凛が言う。どうやっても今更「勘違いしました」なんて言い出せるような雰囲気でもない。俺は一瞬逡巡した後に「分かった」と答えてしまったのだった。
凛这么说道。事到如今,无论如何也不像是能说出“我误会了”这种话的氛围。我犹豫了一瞬,最终还是回答“知道了”。


『いくら流されやすくても限度があるでしょ』なんて蜂楽に言われて「……だよな」と返すしかなかった。
被蜂乐说「再怎么随波逐流也该有个限度吧」,我也只能回答「……是啊」。

『女の子相手なら流されて付き合うってのもアリだとは思うけど、男同士ってやっぱ難しいと思うよ。潔って別に男が好きなわけじゃないでしょ』
「如果是和女孩子交往的话随波逐流倒也没什么,但男男之间果然还是很难吧。洁你本来就不喜欢男人不是吗」

「……まあ」  "……这个嘛"
『具体的に言うとさ、キスとか出来んの?凛ちゃんと』
具体来说,你们能接吻吗?和凛酱

「……結論から言うと出来た」  "……结论是做到了"
『あらまあ』  哎呀呀

昨日、なんだかんだで凛とは普通にキスが出来てしまった。嫌悪感もなく。そのまま夕飯も一緒に食べて、寝る時は流石に自分の部屋に帰ったけど。
昨天不知怎么的,就和凛正常接吻了。完全没有厌恶感。之后还一起吃了晚饭,睡觉时虽然还是回了自己房间。

今朝会った時の凛は普通だった。驚くくらいいつも通り。なんだか昨日あったことは夢だったのかと思うくらいに。誰かに相談したくなった俺は、練習の合間を縫って遠く離れた地にいる蜂楽に久しぶりに電話をしたのだった。
今早见到凛时一切如常。平常得令人惊讶。简直让人怀疑昨天发生的事是不是梦境。想找人商量的我,趁着训练间隙给远在他乡的蜂乐打了通久违的电话。

『キス出来たなら大丈夫なのかも?』  既然能接吻的话应该没问题吧?
「……昨日思ったんだけどさ、凛ってよく見たら顔は綺麗なんだよな。清潔感あるし。だからキスされても気持ち悪いみたいな感情はわかなかった」
"……昨天突然发现,仔细看凛其实长得挺好看的。很有清爽感。所以被他亲的时候也没产生什么恶心的感觉"

『凛ちゃんがイケメンなことに今頃気付いたのは日本中探しても潔くらいだよ』
『全日本恐怕只有洁会迟钝到现在才发现凛酱很帅这件事』

蜂楽は『凛ちゃんっていつでも本気(マジ)だし、一生って約束しちゃったんならちゃんと責任取ってあげなきゃダメだよ』なんて言う。俺は「分かってる」と返して通話を切った。
蜂乐说『凛酱无论什么时候都很认真(认真),既然约定了一辈子就必须好好负起责任才行』。我回了句「我知道」就挂断了电话。

切った後で考える。本当に俺は分かっているのだろうか。一生凛と一緒にいるって約束してしまった。そんな覚悟もなかったのに。蜂楽の言う通り、凛は本気だ。俺が約束を反故したりしたならば、本当に俺を殺しにくるだろう。俺って一生凛の隣にいなきゃいけないのか。きっと今後女の子と恋愛や結婚も出来ないだろう。
挂断后我开始思考。我真的明白吗。已经承诺要和凛共度一生了。明明连这种觉悟都没有。正如蜂乐所言,凛是认真的。如果我违背约定的话,他真的会来杀了我吧。我这辈子都必须待在凛身边吗。今后肯定也没法和其他女孩子恋爱结婚了吧。

そのことについて少し考えた後に、まあ、それでもいいか。と、俺はすんなり思った。別に今好きな女の子がいるわけでもないし。というか生きてきて女の子を好きになったこともない。
稍微思考这件事后,啊,不过这样也行吧。我意外坦然地接受了。反正现在也没有喜欢的女生。或者说活到现在从来就没喜欢过女孩子。

凛と一緒にいるのは楽しい。ワクワクする。最近は居心地の良ささえ感じる。じゃあ凛と一緒にいるのに何の不都合もないのだ。
和凛在一起很开心。让人心跳加速。最近甚至开始感到一种舒适感。那么和凛在一起就没什么不方便的了。

なんだか覚悟を決めたら無性に凛に会いたくなってきた。
不知怎么的,下定决心后突然就特别想见凛。

――今日は自分からキスしてみようかな、そしたら凛は喜ぶかな、なんて浮かんできた考えに少しだけワクワクしつつ、俺は練習に戻ったのだった。
——今天要不要主动亲他一下呢,那样凛会高兴吧,脑海中浮现出这样的念头让我有点小兴奋,于是我又继续练习去了。


その日の夜も俺と凛は一緒に夕飯を食べた。凛の部屋で。食後、いつもなら俺はすぐに自分の部屋に戻るんだけど、その日はなんとなくソファでお茶なんか飲んでみたりして、タイミングを見て俺から顔を近づけてキスをしてみたら凛は目をまんまるくしていた。初めて見る凛の表情に俺は笑ってしまった。
那天晚上我和凛也一起吃了晚饭。在凛的房间里。饭后,平时我都是马上回自己房间的,但那天不知怎么就在沙发上喝了会儿茶,看准时机主动凑过去亲了他一下,结果凛的眼睛瞪得圆圆的。第一次见到凛露出这种表情,我不由得笑了出来。

「付き合ってるんだからいいだろ」  "既然在交往了就没关系吧"

そう言うと、凛は「別に嫌がってはないだろ」なんて言って、今度は凛の方から顔を近づけてきた。凛とキスをしながら、なんだか満たされる、と俺は思った。俺を一番にしろ、と凛が言うくらいなのだから、凛の一番好きな人間も俺なんだろう。もしかしたら凛のことだから「兄ちゃんは別だ」とか言いそうな気もするけど、まあ兄ちゃんとキスしたりとかはしないだろう。そう考えると妙な優越感さえ感じる。この世に俺を一番好きな人がいるらしい。家族じゃなくて、他人で。それが凛であるということ。単純に嬉しい。
凛说着"反正你也不讨厌吧"这样的话,这次主动把脸凑了过来。和凛接吻时,我莫名感到一种满足感。既然凛能说出"你要把我放在第一位"这种话,那么凛最喜欢的人应该也是我吧。虽然以凛的性格说不定会补一句"哥哥除外",但反正他也不会和哥哥接吻。这么想着甚至涌起奇妙的优越感。这个世界上似乎有人最重视我。不是家人,而是毫无血缘关系的他人。而那个人正是凛。单纯觉得开心。

「りーん。好きだよ」  "凛——最喜欢你了"

我ながら調子が良いとは思うが俺はすっかり凛のことを恋愛的な意味で好きになってしまっていた。凛は俺の言葉に「……アホ面」なんて可愛くない返事をしたけど、どことなくその顔は嬉しそうだった。
连我自己都觉得这话说得太顺口,但确实已经彻底以恋爱感情喜欢上凛了。虽然凛用"......傻样"这种不可爱的回答回应我的告白,但那张脸怎么看都透着高兴。

そんな感じで脳内花畑でアホな俺は、その時まで全く分かっていなかった。男同士で付き合うことの意味を。
就这样,在脑内花田犯傻的我,直到那一刻才真正明白。两个男人交往意味着什么。


恋人になって最初のオフの日。恋人になる前もよくオフの日は二人で過ごしていたから、その日も当たり前のように朝から凛の部屋に行った。いつもなら「練習日でもねぇのにお前の顔見なきゃなんねぇのかよ」などと憎まれ口を叩く凛も、流石に今日は何も言わなかった。
成为恋人后的第一个休息日。其实在交往前我们也经常一起度过休息日,所以那天我也理所当然地从早上就去了凛的房间。往常总会说"又不是训练日非得看你这张脸不可"之类毒舌的凛,今天倒是异常安静什么都没说。

朝は二人で近所を散歩がてらランニングをして、ランチを食べて、昼過ぎからいつものように部屋で映画を観た。その日の映画は新作のホラー映画だった。ラブロマンスはやはり凛の好みではなかったらしい。
早晨我们一起去附近散步兼跑步,吃完午餐后,下午照例在房间里看电影。那天看的是新出的恐怖片。看来爱情浪漫片果然不合凛的胃口。

途中、飲んでいたお茶を飲み干してしまったので映画を止めてキッチンでお湯を沸かした。次はコーヒーにしようかななんて凛の部屋のキッチン棚を漁っていたら、後ろからぎゅっと何かが覆い被さってきた。
中途喝完茶后暂停电影去厨房烧水。正想着要不要改泡咖啡而在凛的厨房柜里翻找时,突然有东西从背后紧紧抱了上来。

「うおっ」  「哇啊」

何か、なんて凛しかいないんだけど。キスはしたけどハグをされるのは初めてで、俺は思わず変な声をは出してしまった。凛は甘えるように俺を抱きしめたいまま頭を擦り付けてくる。猫みてぇ。いや猫なんて可愛いもんじゃないか。虎とかそこら辺だな、なんて思いながら顔だけ後ろを向く。
这里除了凛还能有谁。虽然接过吻但被拥抱还是第一次,我不由得发出怪声。凛像撒娇般紧抱着我,还把脑袋蹭过来。简直像只猫。不对,猫哪有这么可爱。应该是老虎之类的吧——我边这么想着边把脸别过去。

キスは慣れたもんだ。笑いながら唇を合わせる。映画を観ている最中は少しも触れてこなかったくせに。もしかしたらタイミングを見計らってたのかな、なんて思う。案外可愛いところがあるんだよなぁ、なんて思っていたら、腰辺りに何かが当たった。
接吻倒是习以为常了。我们笑着唇齿相缠。明明看电影时连碰都不碰我一下。说不定是在等待时机呢,这么想着竟觉得他意外地可爱。正出神时,腰间突然碰到个硬物。

そのゴリっとした感触に俺はフリーズをした。なんか固いものが当たってる気がする。何それ。凛、ポケットになんか入れてた?スマホ?なんて思ったけど、凛は構わず腰を俺に擦り付けてくる。
那坚硬的触感让我瞬间僵住。有什么硬邦邦的东西顶着我。该不会是...凛口袋里装了手机?刚这么想,他的胯部就贴着我腰际磨蹭起来。

「潔」  「洁」

凛の声が低い。呼吸も心なしが早い気がする。ぎゅっと抱きしめられたままキスをされて舌が入ってきた。
凛的声音低沉。呼吸似乎也略微急促。被他紧紧抱住亲吻时,舌头突然探了进来。

わけもわからず口の中を蹂躙されながら、今までのキスってキスじゃなかったのかも、とその時思った。凛の舌が俺の口の中を荒らす。これがキスなら、今までの触れるだけのキスはただの皮膚接触だ。手を握るのと一緒。肌が触れてただけ。凛は唾液を交換するかのように口を大きく開けて俺の舌を飲み込みながらなおもゴリゴリと股間を擦り付けてくる。
在不明就里地被蹂躏口腔时,我突然意识到——原来之前的接吻根本算不上接吻。凛的舌头在我口中肆虐。如果这才是接吻,那之前浅尝辄止的唇瓣相触不过是皮肤接触罢了。就像握手一样。仅仅是肌肤相贴。凛像要交换唾液般张大嘴吞吮我的舌头,同时胯部仍不断粗暴地磨蹭着。

怖い、と思った。  好可怕——我这样想着。
今更だけど、凛ってちんこついてるんだ。そりゃそうか。あと俺相手に勃つんだ。俺相手に勃たせてどうすんの?とも思う。俺、女の子じゃないから勃たせたところでそれを挿れる場所もないんだけど。
虽然现在才意识到,但凛确实长着那玩意儿。想想也是。而且还会对着我勃起。虽然我会想"对着我硬起来又能怎样呢"。毕竟我又不是女孩子,就算让你硬起来也没地方可插啊。

「ベッド」  "床"

一瞬、唇を離して凛が熱っぽく囁く。ベッドがどうした。そこで何が行われるんだ、と固まってる俺を放って凛は俺の腕を引っ張る。
凛短暂地离开嘴唇,用灼热的声音低语。我僵在原地想着"床怎么了?要在那里做什么",凛却不管不顾地拽起我的手臂。

――約束しちゃったんならちゃんと責任とってあげなきゃダメだよ、という蜂楽のセリフが頭に蘇る。
——"既然答应了就要好好负起责任才行啊",蜂乐说过的话在脑海中复苏。

その言葉が、俺の退路を断ってくる。抵抗なんて出来るわけもなく、俺はしっかりと自分の足で歩いて寝室に向かったのだった。
那句话彻底断绝了我的退路。我根本无法抵抗,只能迈着自己的双腿老老实实走向卧室。


男同士でもセックスは出来るらしいこと。ケツの穴を使うらしいこと。男のアナルには前立腺という快感を感じる箇所があるらしいこと。を、俺は凛から教わった。
男人之间也能做爱。据说要用屁股上的洞。据说男性肛门里有处叫前列腺的快感带。这些都是凛教会我的。

凛は当たり前のように俺に欲情するらしい。男の俺に。初めてベッドで裸にされた時。凛も同じように裸になったのだが、凛の性器は触ってもいないのに完全に勃ち上がっていた。
凛似乎会理所当然地对我产生欲望。对身为男人的我。第一次在床上被脱光时。虽然凛也同样赤裸着身体,但他的性器明明没被触碰却已经完全勃起了。

正直、ちょっと怖い、と思った。自分の考えが甘かったことも痛感した。子供みたいなキスをして、凛のこと好きだ、なんて言葉にして、俺は全然分かっていなかった。男同士で付き合うってことを。
说实话,我有点害怕。同时也痛感自己想法太天真。像小孩子般接吻,说什么喜欢凛之类的话,其实我根本什么都不懂。关于两个男人交往这件事。

初めてのセックスは、俺が呆然としているうちに終わった。気持ち良いなんて一ミリも感じる暇もなく終わった。正直とても痛かった。血も出たし。
第一次做爱,在我还茫然无措时就结束了。连一丁点舒服的感觉都没来得及体会就结束了。说实话非常痛,还流了血。

一回こなせば、凛はそれから当たり前のように何度も俺をセックスに誘ってきた。セックスに誘われるたび、俺の頭に浮かぶのは「責任を取らなきゃ」だった。凛の一生の責任。覚悟もなく易々と引き受けてしまった罰だった。何より、出来もしないことを安請負した無責任な奴だと凛に思われるのは嫌だった。
有了第一次之后,凛就开始理所当然地频繁找我做爱。每次被他邀请时,我脑海里浮现的都是"必须负起责任"。要对凛的一生负责。这是我没做好觉悟就轻易答应的惩罚。更重要的是,我不想被凛当成那种随便承诺又做不到的没担当的家伙。

そんなに俺が何に恐怖を感じていたからというと、凛が「俺に欲情すること」だった。何で凛は俺に興奮できるのだろう。胸もない、ちんこがついてる、顔だって絶世の美男子ってわけでもない。そんな俺に何で興奮出来るのか。
要说我究竟在恐惧什么,那就是"凛对我产生欲望"这件事。为什么凛能对我兴奋起来呢?没有胸部,长着阴茎,脸也算不上绝世美男子。这样的我究竟有什么值得兴奋的?

俺は次第に凛の性器が気持ち悪いと感じるようになってしまった。俺に欲情している凛の性器が気持ち悪い。俺の中に種付けしようとしている凛の性器。意味が分からない。俺は男なのに。俺に興奮したところで、俺の中に挿れたところで、子供が出来るわけでもないのに。
我渐渐开始觉得凛的性器很恶心。那个对我产生欲望的凛的性器很恶心。那个试图在我体内播种的凛的性器。完全无法理解。明明我是男人。就算对我兴奋,就算插进我体内,也不可能怀孕啊。

今日も凛が俺を抱く。セックスも回数をこなして、俺はなんとなくアナルで快感を拾えるようになってきていた。ただ、凛の性器が気持ち悪い。俺の中でビクビクと生き物みたいに震えて硬くなり精液を吐き出す。そんなことしたって無意味なのに。優秀な遺伝子を持ち合わせているであろう凛の無数の精子は、何度俺の中に入ってきても、結局コンドームから出してもらえることもなく息絶える。文句があるなら俺ではなくお前の親である凛に言ってくれ、と思う。
今天凛又抱了我。做爱的次数多了,我渐渐能从肛门感受到快感了。只是凛的性器实在令人不适。在我体内像活物般抽搐颤抖着变硬,然后吐出精液。明明做这种事毫无意义。凛那些携带着优秀基因的无数精子,无论在我体内射入多少次,最终都逃不过被避孕套困住而消亡的命运。要抱怨的话别找我,去找你亲爹凛说吧。

凛のことは好きだ。別に別れたいわけでもない。サッカーの相棒としては唯一無二の存在だし、日常で一緒にいるのは愛おしいし癒される。キスをするのも好きだ。だけどそんな恋人の性器を気持ち悪いと感じてしまう。なんて自分は酷い人間なのだろう、と俺は日に日に病んでいった。
我喜欢凛。并不是想分手。作为足球搭档他是独一无二的存在,日常生活中和他在一起也让我感到珍贵又治愈。我也喜欢和他接吻。但偏偏会对恋人的性器产生厌恶。我真是个糟糕的人啊——我这样想着,日渐消沉下去。


『正直、そうなると思ってた』なんて蜂楽に言われた。俺は「そっか……」とため息を吐いた。
说实话,我早料到会这样。"蜂乐这么对我说。我叹了口气回道:"这样啊......

『でもまあ、今すでにだいぶ悩んでるっぽい潔にこれ以上追い討ちをかけるのはやめとくね』
不过嘛,看洁你现在已经够烦恼了,我就不再补刀啦。

「……マジで助かる」  "……真的帮大忙了"
『まあこんなもんいくら悩んでも解決なんて出来ないよ』
反正这种事再怎么烦恼也解决不了啦

解決出来ない、と蜂楽に言われて目の前が真っ暗になる。練習終わり、いつもなら凛の部屋に行くところだけど「今日は体調が悪い」と言って一緒に食事をするのは断った。代わりに電話で話を聞いてもらっているのが蜂楽だった。
被蜂乐断言"解决不了"的瞬间,眼前顿时一片漆黑。训练结束后,本该像往常一样去凛的房间,今天却以"身体不舒服"为由婉拒了共进晚餐的邀请。取而代之的是通过电话倾听我诉苦的蜂乐。

『凛ちゃんに正直に話すしかないんじゃない?』  不如直接和凛酱坦白比较好吧?
「……でもそうなったら別れることになるよな」  "……但要是变成那样的话就只能分手了吧"
『別れたいんじゃないの?』  你不是想分手吗?
「……酷いこと言ってるのは百も承知なんだけど、俺は別れたいわけじゃないんだよ」
"……我知道说这种话很过分,但我并不是想分手啊"

凛のことは好きだ。それは躊躇せずに断言出来る。流されて始まったらのは確かにそうなんだけど。
我喜欢凛。这点我可以毫不犹豫地断言。虽然确实是被气氛带着开始的这段关系。

『別れたいわけじゃなくてセックスなしで付き合い続けたいってこと?流石、エゴイストだね』
不是想分手而是想继续交往但不要做爱?不愧是自私鬼呢

蜂楽の最後の言葉は褒め言葉なんかじゃなくて皮肉だってことは分かっている。俺は「そうだよな」とため息を吐いた。
我清楚蜂乐最后那句话并非赞美而是讽刺。我叹了口气说"确实啊"。

『……まあ、凛ちゃんにそう言ってみたら?ワンチャン、それでも良いって言ってくれるかも』
……要不,你去跟凛酱说说看?说不定她会同意这样也行

「……」  "……"

とてもじゃないけど、俺はそんな風には思えなかった。セックスをするようになって分かったけど、凛の性欲ってだいぶ強い。そんな凛に「明日からセックスなしな」なんて言ったところで簡単に「分かった」なんて言うとは思えない。理由だって聞かれるはずだ。その時に適当な言い訳をしたところで凛は納得するだろうか。それに、恋人に嘘を吐くのは不誠実な行為なのではないか、とも思う。
我实在没法那么想。自从开始做爱后才明白,凛的性欲其实相当旺盛。对这样的凛说"从明天开始禁欲",他怎么可能轻易就回答"知道了"。他肯定会追问理由。就算随便编个借口,凛会接受吗?而且对恋人撒谎,总觉得是不诚实的行为。

『……正直に話すしかないんじゃない?振られたら慰めてあげるよ』
……不如老实说出来?要是被甩了我会安慰你的

蜂楽が珍しく優しい声色で言う。  蜂乐难得用温柔的声线说道。
親友のそんな言葉に、俺はここ数日ささくれ立っていた心が少しだけ癒されて、素直に「うん」と言うことが出来た。
听着挚友这番话,连日来烦躁不安的心稍稍得到抚慰,我老实地应了声"嗯"。

通話を切った後、俺はベッドにダイブした。しばらく横になったまま考える。凛とは別れたくない。何度考えたってそういう結論になってしまう。約束したから、なんてそんな義務感みたいな理由じゃなくて、俺はもう充分に凛の色んな表情を知ってしまっていた。意外とスキンシップが好きで、映画を観る時だって肩をピタっと合わせたがるところとか、意外とキス魔で二人っきりの時は隙あらばキスをしたがるところだとか、どんな顔をして俺を抱くのかだとか。あの大型の肉食動物みたいな体躯の男が、俺に擦り寄ってくる。肌が触れ合うのは気持ちが良い。凛の肌は甘い匂いがする。もし凛と別れてしまったら、凛が抱くのは俺じゃなくなるってこと。凛が甘える相手は俺じゃなくなって、俺は凛に触れることも出来なくなって――。
挂断电话后,我猛地扑倒在床上。躺着思考了很久。我不想和凛分开。无论考虑多少次都会得出这个结论。不是因为什么"约定好了"的义务感,而是我已经充分见识过凛的各种表情——意外地喜欢肢体接触,看电影时总要把肩膀紧贴过来;出人意料地爱接吻,独处时逮到机会就想亲热;还有他拥抱我时会露出怎样的表情。那个有着大型肉食动物般体格的男人,总是主动蹭过来。肌肤相触的感觉很舒服,凛的皮肤带着甜香。如果和凛分手,被他拥抱的人就不再是我了。撒娇的对象不再是我,我也再不能触碰凛——

そこまで考えてゾッとしていたら、部屋のチャイムが鳴った。
想到这里突然打了个寒颤,门铃响了。

「え?」  "哎?"

思わず時計を見ると21時半過ぎ。こんな時間に部屋を訪問してくる奴なんて一人しかいない。俺は思わず走って玄関に向かった。扉を開けると案の定、凛が立っていた。
下意识看钟,已经晚上九点半多了。这个点会来我家的只有一个人。我情不自禁跑向玄关。开门一看,果然是凛站在那里。

「……顔色は悪くねぇな。熱は測ったのか」  "……脸色看起来不算差啊。量过体温了吗"

そう言われて最初意味が分からなかった。しばし考えて、そう言えば俺は体調不良だと言って凛との食事を断っていたのを思い出した。
听到这话时我一开始没反应过来。愣了片刻才想起,自己确实以身体不适为由推掉了和凛的饭局。

「あ、うん。熱とかはないんだよ。ちょっと疲れてたみたいで」
"啊、嗯。没发烧什么的。就是有点累而已"

「飯食ったのか。……適当に作った」  "吃过饭没。......随便做了点"

そう言って凛が視線を落とす。俺も凛の視線を追いかけると、凛は蓋の乗った小さな鍋を持っていた。凛の部屋で何度か見たことがある。
凛说着垂下视线。我也顺着凛的目光看去,发现他手里端着一个带盖的小锅。在凛的房间里见过好几次。

「……飯、持ってきてくれたの?」  "......这是给我带的饭?"
「まだ何も食ってねぇんだろ」  "你还没吃东西吧"

胸がきゅうんと締め付けられる。凛にそんな人並みの優しさがあったことに驚くと同時にこれが「恋人」だからだと分かっている。恋人だから、凛は特別に優しいのだ。別れてしまったら。
胸口突然一阵发紧。惊讶于凛竟会有这般寻常人的温柔,同时也很清楚这是因为"恋人"的关系。因为是恋人,凛才会特别温柔。如果分手的话。

「……ありがと。凛。部屋入る?」  “……谢谢。凛。要进房间吗?”
「体調大丈夫なのかよ」  “你身体真的没事吗”
「うん。熱はないしちょっと疲れてただけなんだよ。シャワー浴びたら割とスッキリしたし、いま腹ペコ」
“嗯。没发烧只是有点累而已。冲完澡感觉清爽多了,现在肚子超饿”

「ふん」  “哼”

凛はそう言って部屋の中に入ってきた。俺は扉を閉めて思わずその背中に抱きついていた。
凛说着走进房间。我关上门,不由自主地从背后抱住了他。

凛はシチューを作ってくれていた。なんとなく身体が温まって栄養がありそうな物、で思いついたのがシチューだったらしい。体調不良なんて嘘だった俺はそれをペロリと平らげた。
凛正在为我做炖菜。似乎是想做些能让身体暖和又有营养的东西,于是想到了炖菜。其实根本没生病的我,把炖菜吃得干干净净。

食後、凛は部屋に戻ろうとしていたが、泊まってけば?と言えば、少し考えて「そうする」と頷いた。凛もシャワーは既に浴びていたので並んで歯磨きをしてすぐにベッドに向かった。基本的にセックスはオフ日の前日にしかしないから今日誘われることはない。セックスはないと分かっている俺は思いっきりベッドの中で凛に甘えた。日中の練習の話をしながらキスをして、次のオフは何して過ごす?なんて話をしながら足を絡めて、新作のホラー映画の評判が良いらしいなんて話をしながら手を繋ぐ。しばらくイチャイチャしていたら段々と眠くなってきた。身体は暖かいし、お腹は満たされているし。今日も日中はよく動いた。瞼が自然と閉じていく。そのまま寝ても良いかな、なんて思いながら夢現のままうとうとしていると、凛が俺の身体を抱き締めてきた。
饭后,凛正要回自己房间时,我说"要不留下过夜?",他稍作思考后点头说"好"。凛也已经洗过澡,我们并排刷完牙就立刻上床了。原则上我们只在休息日的前一天做爱,所以今天不会被邀请。知道不会有亲密行为的我,在床上尽情向凛撒娇。我们边聊白天的训练边接吻,讨论下次休息日要做什么时双腿交缠,说起新上映的恐怖片口碑不错时十指相扣。腻歪了一会儿后渐渐有了睡意。身体暖烘烘的,肚子也饱饱的。今天白天确实运动量很大。眼皮自然地垂下来。正想着就这样睡着也不错,在半梦半醒间,凛突然紧紧抱住了我的身体。

凛が下半身を俺に擦り付けてくる。  凛用下半身磨蹭着我。
セックスをしないと決めている日でもイチャイチャしていたら凛の性器は勃ってしまうようで、凛は恥ずかしげもなく「勃った」と俺に言ってくることがある。あわよくば、なんて考えてはいるんだろう。
即便在约定好不做爱的日子里,只要亲热一会儿凛的下身就会硬起来,他还会毫不羞耻地告诉我"硬了"。这家伙肯定在盘算着"说不定能得逞"之类的念头吧。

その日もいつも通り「明日も練習だからな」と優しくかわして寝てしまえば良かったのに。夢と現実の境目にいて頭が回っていなかったらしい。俺は反射的に言ってしまっていた。
那天本可以像往常一样温柔地推拒说"明天还要训练呢"然后睡觉就好。我似乎正处在梦境与现实的交界处,脑子完全转不动。那句话完全是脱口而出。

「気持ち悪い」  "好恶心"

言った後に数秒の沈黙。そしてようやく俺は自分が言った言葉を理解した。勢いよく顔を上げると凛は目を見開いて俺を見ていた。
说完后是几秒钟的沉默。等我终于意识到自己说了什么时,猛地抬头看见凛正睁大眼睛瞪着我。

サーッと血の気が引くのが自分でも分かった。あわあわと「違う。間違えた」なんて小さく呟くが後の祭り。
我清楚地感觉到自己的血液瞬间凝固。只能小声嘟囔着"不对、搞错了"之类的话,但为时已晚。

凛は静かな声で言った。  凛用平静的声音说道。

「お前、なんて言った?」  "你刚才说什么?"
「……ごめん。寝ぼけてた」  "......抱歉。我睡迷糊了"
「何が気持ち悪い?俺か?」  "什么恶心?是我吗?"

いつの間にか凛は俺の肩を掴んでいた。俺は必死に頭を回転させたが、恋人に気持ち悪いと言ってしまった場合のフォローなんて一つも思い浮かばない。
不知不觉间凛已经抓住了我的肩膀。我拼命转动脑筋,却想不出任何补救措施——当你对恋人说"恶心"之后该怎么办。

「凛は気持ち悪くない」  "凛不恶心"
「じゃあセックスか」  "那就是做爱恶心了"
「……違う」  "……不是的"

凛の目を見れずに否定したが、バレバレだったと思う。凛は静かに俺を見ていたかと思うと、静かに言った。
虽然避开凛的目光否认了,但肯定完全暴露了吧。凛静静地注视着我,片刻后轻声说道。

「じゃあ今からヤるか。気持ち悪くねぇんだろ」  "那现在就来吧。反正你不觉得恶心吧"
「明日、練習……」  "明天还要训练……"
「なら舐めろ」  "那就舔吧"

そう言うと、凛は膝立ちになりボトムスと下着をずり下げてきたので俺はギョッとした。凛の半勃ちの性器が顔を出す。首を振りながらベッドに肘をついて後ずさる。
凛说着便跪立起身,将外裤与内裤一并褪下,我不由得一惊。他那半勃的性器赫然显露。我摇着头,用手肘抵着床铺向后退缩。

「し、したことない」  "我、我没做过"
「知ってる。別に咥えろなんて言ってねぇ。舐めるだけで良い」
"知道。又没让你含进去。舔舔就行"

凛は俺の上半身に乗り上げてきた。腕で出来る限り凛の身体を押すがびくともしない。
凛跨坐在我的上半身上。我用手臂尽力推拒着他的身体,却纹丝不动。

「いやだ。そんなのしたくない」  "不要...我不想那样做"

凛の性器が俺の顔の数センチのところにある。半勃ちだったはずの性器は何故かさっきよりも勃ち上がっていた。
凛的性器悬停在我脸庞数厘米处。方才还只是半勃的器官,不知为何此刻竟比先前更加坚挺。

凛が無理矢理俺の唇にそれを擦り付ける。思わず至近距離でソレを見てしまって、全身に鳥肌が立った。凛の性器はグロテクスなのだ。俺にも同じものがついているが、とても同じ器官には思えない。凛のはデカくて、浅黒くて、それ一つで単体の生き物みたい。そんな凛の性器が、自分の子種をばら撒きたいたいとよだれを垂らしている。
凛强行将那物抵上我的嘴唇。在极近距离被迫直视那东西,我浑身泛起鸡皮疙瘩。凛的性器堪称狰狞。虽然我身上也长着同样的器官,却完全无法认同这是同类事物。他的那话儿硕大黝黑,活像独立存在的生物。此刻这头怪物正垂涎欲滴,渴望在我体内播撒它的种子。

凛はイヤイヤと首を振る俺の口を無理やり掴んで指を突っ込んできた。今までフェラチオをしろなんて言われたことなかったのに、何で今日に限って凛がこんなにしつこいのか分からない。少しだけ空いた隙間に凛の性器が捩じ込まれる。噛むわけにもいかない。でも口の中にも入れたくない。俺はパニックになった。舐めるだけで良いって言ってたのは何だったんだよ。
凛强行掰开我抗拒摇头的嘴,把手指插了进来。明明从来没被要求过口交,为什么偏偏今天凛这么执拗。稍纵即逝的缝隙间,他的性器硬生生挤了进来。不能咬。但也不想含在嘴里。我彻底慌了神。说好只要舔舔就够的承诺算什么啊。

唇と舌の感触が気持ち悪い。視界にチラリと映るビジュアルも気持ち悪い。それが俺の口の中に入ってるなんて。
嘴唇与舌头的触感恶心至极。余光瞥见的视觉画面也令人作呕。那种东西居然在我口腔里进出。

「……っ、ぉえ」  「……呜、恶」

俺は何度もえずいた。凛に申し訳ないとは思うが生理現象だから仕方がない。勝手に涙も浮かんでくる。凛が俺の口の中に指を数本入れて顎を掴んでいるせいで口が閉じられない。まるで道具のように扱われながら凛の性器が口の中を出入りする。俺の顔は涎とか涙とかでぐちゃぐちゃだったと思う。とても見れたものじゃないはずなのに、凛は興奮した顔で俺を見下ろしながら腰を振っていた。
我干呕了好几次。虽然对凛很抱歉但这是生理反应没办法。眼泪也不受控地涌出来。凛几根手指卡在我嘴里扣着下颌,让我根本合不上嘴。像对待道具般任他的性器在口腔里抽插。我的脸肯定糊满了唾液和泪水。明明该是惨不忍睹的模样,凛却用兴奋的表情俯视着我继续摆腰。

何分くらい経ったのか分からないが、満足したらしい凛がようやく性器を口から抜いた。
不知过了多久,满足了的凛终于将性器从我口中抽出。

俺はベッドの上に涎を垂らしながら、ゼェゼェと息をした。拷問だ。付き合ってから割と優しくて紳士的だった凛とは別人のようだった。
我瘫在床上流着口水,大口喘息。简直是酷刑。和交往时那个温柔绅士的凛判若两人。

ベッドの上でぐったりしたまま動けないでいると、凛が俺のボトムスをずり下げてきた。
当我瘫软在床上动弹不得时,凛开始褪下我的下装。

何度も瞬きをして涙を拭う。慣れた手つきで凛がローションを使って俺のアナルをほぐし始める。
我不断眨眼拭去泪水。凛用娴熟的手法涂抹润滑剂,开始扩张我的后穴。

本当にするのか、と思った。始まる前からこんな状態で。明日も練習日なのに。
真的要做吗?还没开始就已经这样了。明天还有训练呢。

「凛、俺……」  "凛,我……"

何を言えば良いのか分からない。やめてくれ、と言ったところで凛が聞き入れてくれるとは思わない。凛は俺の穴をほぐしながら顔を近づけてきた。ベトベトの俺の頬を凛が舐める。そのまま唇を合わせていると凛が俺の足を持ち上げた。
不知道该说什么好。就算喊停,凛也不会听我的吧。凛一边用手指开拓着我的后穴,一边把脸凑近。他舔着我湿漉漉的脸颊,就这样唇齿交缠时,凛突然抬起了我的腿。

「潔。見ろ」  "洁,看着"

凛が俺の腰を持ち上げて穴に性器を擦り付ける。俺は「ヒッ」と息を呑んだ。血管の浮き出た凛の性器が今にも俺の中に入ろうとしている。俺は凛の肩を掴んだ。
凛抬起我的腰,用性器摩擦着我的穴口。我倒吸一口凉气"咿——"。青筋暴起的凛的性器眼看就要进入我的身体。我紧紧抓住凛的肩膀。

「い、いやだ……!」  "不、不要......!"
「気持ち悪ぃか」  "觉得恶心吗"
「コンドームは!?」  "避孕套呢!?"
「いらねぇだろ、んなもん」  "不需要那种东西吧"

今まで、凛が生で俺の中に挿れたことなんて一度もなかった。ハッハッと息が浅くなる。凛はそんな俺の顔を見て酷薄な笑みを浮かべた。
至今为止,凛从未直接进入过我的体内。呼吸变得急促起来。凛看着我这副模样,露出了残酷的冷笑。

「お前の中に俺のが入るのよく見とけよ」  "给我好好看清楚你的身体是怎么接纳我的"

凛がググッと腰を進める。なんとか逃げようと身体を捻ったが、全力で押さえつけられて逃げられない。俺の抵抗も虚しく、凛のものは完全に俺の中に入ってきてしまった。
凛猛地挺进腰身。我试图扭动身体逃脱,却被全力压制无法挣脱。徒劳的抵抗中,凛的东西已经完全进入了我的体内。

「っ、やめ……!」  「住、住手……!」

そのまま凛が腰を振る。俺の頭の中は凛のものが今コンドームもなしに生で入ってきている、ということで頭がいっぱいだった。
凛就这样扭动着腰肢。我的脑海里完全被"凛的那东西现在正毫无阻隔地直接进入"这个念头填满了。

「気持ち悪ぃか」  「觉得恶心吗」

凛が聞く。俺は思わず口走っていた。  凛问道。我不由自主地脱口而出。

「気持ちわるいぃ……っ!」  「好恶心……!」

そう言った瞬間、凛が「……っ」と低く呻いた。腰が止まる。俺は思わず凛の顔を見上げていた。
话音刚落,凛就「……!」地低吟了一声。腰部动作戛然而止。我不由自主地抬头望向凛的脸。

凛は息を荒げて俺を見ていた。試合中のアドレナリンがドバドバ出まくっている時の凛と同じ顔だった。
凛正喘着粗气凝视我。那表情和比赛中肾上腺素狂飙时的他一模一样。

凛の目は、まるで獲物を仕留める直前の肉食動物のようだった。死を悟った獲物である俺と、その獲物の首元に噛み付いて相手を仕留める直前の肉食動物の凛。
凛的眼神活像锁定猎物的肉食动物。而我就是那头意识到死亡的猎物,他则是即将咬住猎物咽喉完成猎杀的猛兽。

「もっと言え」  「再多说点」

凛が腰を振りながら身体を倒して俺の耳たぶを喰む。凛の荒い息が俺の耳をくすぐる。俺は思わず言っていた。
凛一边扭动腰肢一边俯身咬住我的耳垂。凛粗重的呼吸搔弄着我的耳朵。我不由自主脱口而出。

「っ、気持ち悪いって言われて興奮してんじゃねぇよ……!変態……っ!」
「呃、被说恶心就兴奋起来了是吧……!变态……!」

凛は興奮していた。俺が凛の性器を気持ち悪いと表情に出すたび、口にするたびに、明らかに興奮していた。凛が笑う。
凛确实在兴奋。每次我脸上露出嫌恶凛性器的表情,每次脱口而出厌恶的话语,凛都明显更加兴奋。凛笑了起来。

「あ?変態はどっちだよ」  "哈?到底谁才是变态啊"

凛がガンガンと腰を振る。奥を思いっきり突かれて、思わず「あ゛……っ」と声が出た。
凛用力地摆动腰部。被深深顶到最里面,不由得发出"啊……"的呻吟。

「その変態のちんこで気持ち良くなってるくせに」  "明明正在被这根变态的肉棒弄得舒服得要死"

そう言われて思わず凛の顔を凝視してしまった。凛は舌を出してペロリと唇を舐めた。
被这么一说不由得凝视起凛的脸。凛吐出舌头色气地舔了舔嘴唇。

「知ってんだよ。お前がちんこで気持ち良くなってんのは」
"我早就知道了。你就是用鸡巴爽到的吧"

凛が俺を抱き締めて今までにないくらい激しくピストンをする。
凛紧紧抱住我,以从未有过的激烈速度抽插着。

「ひっ……ぁ」  "呜……啊"
「このまま中に出すからな」  "就这样射在里面了"
「やめろ……っ!」  「住手……!」
「そう言う割には気持ち良さそうだけどな」  「嘴上这么说,身体倒是很享受嘛」

ぐりっと乳首をつねられて腰が抜けるかと思った。俺の視界で俺の足が宙浮いているのが見える。つま先がピンと伸びて射精に耐えている。
乳头被狠狠拧了一下,我差点瘫软下去。视野里能看见自己的双腿悬在半空,脚趾紧绷着抵抗即将到来的高潮。

「あっ、あ゛……っ」  「啊、啊……」
「気持ち悪ぃんじゃねぇのかよ、潔。アヘってんじゃねぇぞ」
"恶心死了吧,洁。别给我发浪啊"

頭の中が「イきたい」でいっぱいになる。気持ち悪いのに。生で挿れられるのなんて絶対に嫌だったのに。
满脑子都是"想要"。明明觉得恶心。明明最讨厌被直接插入了。

「う゛ぅ……っ!」  "呜……!"
「潔」  "洁"

凛が俺の名前を呼ぶ。顔を掴まれて無理やり唇が合わさる。キスは好きだ。凛も好きだ。俺は夢中で凛と唇を合わせながら思わず凛に縋りついていた。
凛呼唤着我的名字。被他抓住脸庞,嘴唇被迫相贴。我喜欢接吻。也喜欢凛。我沉醉在与凛唇齿交缠中,不自觉地紧紧攀附住他。

今まで凛より先にイったことなんてなかった。もしかして凛は手加減をしてくれていたのかもしれない。こんな強制的に気持ち良くさせられたことなんて過去になかったからだ。凛が思いっきり奥を突いた瞬間、俺の背中が浮いた。
过去从未比凛先到达高潮。说不定凛一直都在手下留情。毕竟从未有人能这般强制地让我如此舒服。当凛全力贯穿深处的瞬间,我的脊背猛然弓起。

「っ、ああ゛ぁっ……!」  "啊、啊啊啊……!"

目の前が真っ白になる。凛は俺がイっている間も容赦なく腰を振り続ける。
眼前一片空白。即便在我高潮时,凛仍毫不留情地持续摆动腰肢。

気が付いたら凛の腰も止まっていた。尻の中に熱さを感じる。アナルの中に出されると分かる、と聞いたことがあるけど、本当にそうなんだ、と思った。
回过神来时,凛的腰也停止了摆动。后穴里传来灼热的触感。听说被内射时能感觉到,原来是真的啊——我恍惚地想着。

ぼうっと宙を見つめている俺の顔を凛が覗き込む。その顔は今までにないくらいに興奮していた。
凛凑过来凝视着我失焦望向虚空的脸。那张脸上带着前所未有的兴奋神情。

「変態はどっちだよ」  "到底谁才是变态啊"


その後、中を掻き出すと言って風呂に連れて行かれたが、お互い中々熱が引かず、そこでももう一回後ろから抱かれた。
之后他说要清理里面就把我拖进浴室,结果两人都迟迟冷静不下来,在那里又被从后面抱了一次。

お互いぐちゃぐちゃのまま、何とかシャワーだけ浴びて裸のままベッドに転がる。明日も練習なのに、と思いながらベッド脇で水を飲んでいる凛を見上げた。
浑身黏腻腻的状态下,好歹冲完澡就光溜溜地瘫倒在床上。明明明天还有训练——我边这么想着边抬头望向正在床边喝水的凛。

「……俺も」  "……我也"
「飲むか」  "要喝吗"

凛から渡されたペットボトルを受け取りそれを飲む。一気に半分くらい飲んでようやく喉の渇きが治った。
接过凛递来的塑料瓶灌了下去。一口气喝掉半瓶后,喉咙的干渴终于缓解了。

凛が俺から水のペットボトルを受け取り棚の上に置いてくれる。俺はそんな凛の綺麗な横顔を見ながら言った。
凛从我手中接过矿泉水瓶,轻轻放在架子上。我望着他精致的侧脸说道。

「……凛ってさ、産まれた時からその顔面だから、今まで人から『気持ち悪い』って言われたことないだろ」
"……凛啊,你从出生起就顶着这张脸,应该从来没被人说过'恶心'吧"

俺なら恋人――じゃなくても他人に「気持ち悪い」とか言われたら普通に傷付く。間違えても興奮したりなんか絶対にしない。
换作是我——就算不是恋人,被其他人说"恶心"也肯定会受伤。就算听错了也绝对不可能兴奋起来。

凛は自分が他人から「気持ち悪い」と評される外見でないのを分かっているから、その言葉を言われても傷付いたりしないのかも、と俺は思った。
或许凛很清楚自己并非会被人评价为"恶心"的长相,所以即使听到这种话也不会受伤吧,我暗自思忖。

凛は「あ?」と不可解そうな顔をした後に言った。  凛露出"啊?"的疑惑表情后说道。

「……別に。舌出してサッカーした後に『気持ち悪い』って言われたことならある」
"……没什么。倒是有次吐着舌头踢完球被人说'恶心'"

「あ、なるほど……。それにムカついたり傷付いたりしねぇの?」
"啊,原来如此……。不会觉得火大或者受伤吗?"

「試合に負けたモブに何言われても負け惜しみにしか聞こえねえ」
"比赛输了的杂鱼说什么都像在找借口"

「強ぇー」  「好厉害啊」

凛が俺の横に寝転び、俺の髪に手を伸ばして撫でてくれる。その手つきが優しくて、俺は思わず懺悔するかのように胸の内を話していた。
凛躺在我身旁,伸手轻抚我的头发。那动作温柔得让我不由自主地像忏悔般吐露心声。

「……俺、ずっと悩んでたんだよ。凛のこと好きなのに、気持ち悪いって思っちゃうから……」
「……其实我一直在烦恼。明明喜欢凛,却总觉得这种感情很恶心……」

「そんなの当たり前だろ。ちんこなんて見て気持ち良いもんじゃねぇ」
「这不是很正常吗。看着鸡巴怎么可能觉得舒服」

「でも凛は俺のちんこ舐めたりするじゃん」  "可是凛会舔我的鸡巴啊"

凛は平気で俺の全身を舐めるし、頼んでもないのに平気で俺のちんこをしゃぶる。その度に、それが出来ない俺は凛のことを愛していないのだろうか、と悩んでいたのだ。凛は俺の鼻を軽く摘んで言う。
凛能面不改色地舔遍我全身,甚至未经请求就理所当然地含住我的阴茎。每次这种时候,无法做到同样举动的我总会陷入"难道我不够爱凛吗"的苦恼。凛轻轻捏住我的鼻子说道。

「俺だってそこらへん歩いてる奴のちんこは舐めれねぇし気持ち悪ぃ。……だからお前が俺のちんこを気持ち悪いって思う気持ちは分かる」
"我也没法去舔路边随便哪个家伙的鸡巴啊,太恶心了。......所以我能理解你觉得我的鸡巴很恶心的心情"

「凛はそこら辺を歩いてる奴じゃなくて恋人なのに?」
"可凛又不是路边随便哪个家伙,是恋人吧?"

「そのうち慣れるだろ」  "慢慢就会习惯的吧"
「そうかなぁ」  "真的会吗"
「……別に慣れなくてもいい」  "……其实不习惯也没关系"
「……気持ち悪いって言われるのも興奮するから?」  "……因为被说恶心反而更兴奋了?"

凛が否定しないので、俺は思わず笑ってしまった。  凛没有否认,我不由得笑了出来。
俺が思っているより、凛の愛は深かったらしい。振られるかも、なんて悩んでいた数時間前の自分に「凛ってお前が思ってるより俺のことを好きでいてくれるみたいだから安心しろ」と言いたい気分。「あとお前が思ってるよりお前の恋人は変態だぞ」とも補足したい。
看来凛对我的爱比我想象的还要深。真想对几小时前还在担心会被甩的自己说"凛比你想象的更喜欢我,放心吧"。还想补充一句"而且你的恋人比你想象的更变态"。

話が終わったと思ったらしい凛が眠そうにあくびをするのを見ながら、俺は「そういえば」と言った。
看着以为话题已经结束、正困倦打哈欠的凛,我开口道:"话说"。

「もうお前、生で挿れるのはやめろよ。ただでさえ意味ねぇことしてんのに」
"你以后别再不戴套就插进来了。本来就在做毫无意义的事。"

「……意味ねぇこと?」  "……有什么意义吗?"

凛が眉を顰める。俺は言った。  凛皱起眉头。我说道。

「ただでさえ男同士でセックスしても何も産まれねぇのに中で出すのなんて更に意味不明だろ」
"本来男人之间做爱就什么都生不出来,还要在里面射精不是更莫名其妙吗"

「……あ?男女でヤってる奴らも別に子作りのためだけにセックスしてるわけじゃねぇだろ」
"……哈?那些男女搞在一起的家伙也不是单纯为了造人才做爱的吧"

「そうだけどさー。……凛は虚しくならねぇの?」  "话是这么说啦...凛你不会觉得空虚吗?"

凛は不快そうに顔を顰めたままだった。「気持ち悪い」と言った時には全く怒らなかったくせに、何故だか今の凛は怒っているように見えた。
凛依然皱着眉头,一脸不悦。明明说"恶心"的时候完全没有生气,不知为何现在的凛看起来却像是在发怒。

「なるわけねぇ。第一セックスに意味なんてねぇだろ。気持ち良いから突っ込んで腰振るだけだ。それ以上もそれ以下もねぇ」
"怎么可能。首先做爱根本没什么意义。只是因为舒服才插进去扭腰而已。仅此而已"

「……うん」  "...嗯"

そう言われてもやはり俺は気になってしまう。何にモヤモヤしていたのか自分でも今まで分からなかったが、今は何となく分かった気がした。
即便被这么说我还是会在意。之前连自己都不明白在烦躁什么,但现在似乎隐约懂了。

「俺、凛の子供産めねぇし」  "我又不能给凛生孩子"
「はあ?」  "哈啊?"

凛が素っ頓狂な声を上げた。珍しく。凛のそんな声を聞くのは初めてで、俺は自分がとんでもない馬鹿なことを言ってる気持ちになった。
凛发出怪异的叫声。真稀奇。第一次听见凛这样的声音,让我觉得自己说了极其愚蠢的话。

「いやだってそうじゃん?だから余計に罪悪感があったのかも。凛とセックスすることに。なんか申し訳ないみたいな……」
"因为事实就是这样吧?所以可能让我更有负罪感。和凛做爱这件事...总觉得很对不起..."

凛は絶句、とでも言うように口を開けたまま俺を見ていた。俺はその顔が見ていられなくて布団の中に逃げた。
凛像是哑口无言般张着嘴盯着我。我受不了那个表情,躲进了被窝里。

「……潔。待て。何考えてんだテメェは」  "...洁。等等。你这混蛋在想什么"
「俺、ごめんけど、覚悟なくお前と付き合ったんだよ。本当ごめん」
"我...虽然很抱歉,但我是没做好觉悟就和你交往的。真的对不起"

気が付いたらそこまで懺悔していた。凛は無言だったが、しばらくして静かに言った。
回过神来时,已经忏悔到了这种地步。凛虽然沉默不语,但过了一会儿轻声说道。

「知ってた」  "早就知道了"
「……え?」  "......诶?"
「テメェが最初は特に俺のことを好きじゃねぇのくらい知ってた」
"打从一开始就知道你这混蛋没那么喜欢我"

「……マジで」  “……认真的吗”

俺は思わず振り返って凛の顔を見た。凛は何でもないことのように言った。
我不由得回头看向凛的脸。凛却若无其事地说道。

「だからお前が俺を気持ち悪いって言うのも仕方ないことだと思ってる」
“所以你说我恶心也是没办法的事”

「……別に凛を気持ち悪いなんて思ったことない」  “……我从来没觉得凛恶心”
「テメェはその流されやすいのをどうにかしろ。一晩でころっと『好きだ』とか言い始めた時は本気でアホだなと思った」
“你这家伙能不能改改那随波逐流的毛病。一晚上就轻易说出‘喜欢’的时候,我真觉得你蠢透了”

どうやら俺も秘密を抱えていたのと同じように、凛も秘密を抱えていたらしい。俺の身体の力がら抜けていく。凛が呆れたように言う。
看来就像我怀揣着秘密一样,凛似乎也藏着心事。我浑身的气力突然被抽空。凛用厌烦的语气说道。

「テメェはもう何も考えるな。子供がどうだとかセックスの意味だとか。本気でくだらねぇ」
“你他妈什么都别想了。小孩子怎样啊性爱的意义啊,简直无聊透顶”

「……うん」  “……嗯”
「俺は別に子供なんていらない。……死ぬまで一緒にいるって言っただろうが」
"我本来就不想要孩子。......不是说好了要在一起直到死亡吗"

そう言われて思い出す。凛との約束。死ぬまで俺を一番しろ、だったっけ。
听到这句话让我想起。和凛的约定。是要到死都把我放在第一位来着。

「……それって、俺がいればもう他には何もいらないって意味?」
"......那意思是,只要有我在其他什么都不需要?"

凛は顔を顰める。  凛皱起了眉头。

「死ね。自惚れんな」  “去死吧。别自恋了”
「いや、そういう意味じゃん」  “不,我就是这个意思”
「……もう寝るぞ。明日も練習があるってうるさかったのお前だろ」
“……我要睡了。明天还有训练,吵吵嚷嚷的不就是你吗”

凛の顔は怖いけど、それは照れ隠しなのが分かった。俺は笑いながら正面から凛に抱き付いた。
虽然凛的表情很可怕,但我知道那是在掩饰害羞。我笑着从正面抱住了凛。

「……なんか悩んでたの全部なくなった」  “……所有烦恼好像都消失了”
「そうかよ」  “这样啊”
「どうするよ?明日から俺が『凛のちんこ大好き♡』とか言い出したら?」
“怎么办?要是我从明天开始天天喊‘最爱凛的小鸡鸡♡’呢?”

凛は鼻でハッと笑う。  凛从鼻腔里发出一声轻笑。

「もう既に大好きだろうが。風呂場でケツ振りまくってたくせに」
"明明早就喜欢得不得了吧。在浴室里扭屁股扭得那么欢"

「ハァ?んなわけねぇだろ変態!」  "哈啊?怎么可能啊变态!"
「もう一回ヤるか?」  "要再来一次吗?"
「明日、練習日!」  "明天还要训练!"
「じゃあ次のオフの前の日だな」  "那就定在下一次休假的前一天吧"

凛の目が一瞬だけ肉食動物の目に戻った。  凛的眼神瞬间又变回了肉食动物般的目光。

「お前が気持ち悪ぃって言ってるちんこで犯してやるよ変態」
"就用你说恶心的这根东西来侵犯你哦变态"

その声色に、俺の背中がゾクっと甘い痺れが走った。  听到那个声线,我后背窜过一阵甜美的战栗。












※このお話で私が何を書きたかったかという補足説明(本文で表現したかったけど語彙力がなかったため)※
※关于这个故事我想表达的核心思想补充说明(因词汇贫乏未能在正文中充分呈现)※

・男同士で付き合う覚悟がなくてちんこが気持ち悪いって思っているのにその気持ち悪いちんこで気持ち良くなってるよいちくん
·明明没有做好与同性交往的心理准备、觉得男性生殖器很恶心,却还是被那根恶心的东西弄得舒服起来的洁世一

・気持ち悪いって思っているちんこで気持ち良くなってるよいちくんを見て興奮する凛ちゃん
·看着用那根被自己嫌弃的生殖器获得快感的洁世一而兴奋的凛

・凛ちゃんは自分でもちんこはグロいと思っているので(別に凛ちゃんのちんこがどうってわけではなく一般的にという視点で)そのグロちんでよいちくんを犯すことに興奮している凛ちゃん
·凛自身也认为男性生殖器很丑陋(并非特指凛的器官,而是普遍认知层面),但正是用这丑陋的器官侵犯洁世一的行为让他感到兴奋的凛

・よいちくんに「気持ち悪いんだよ変態」って言われて興奮するちょっとMな凛ちゃん
・被优一说"好恶心啊变态"反而兴奋起来的有点 M 属性的凛酱

・変態は恋人に何を言われても興奮できるから最強だよ
・变态恋人无论被说什么都能兴奋起来所以是最强的

评论

  • bllhakooshi
    3月13日回信  3 月 13 日回信
  • もあ  

    さいっこうです💓  最棒了💓

    2月13日回信  2 月 13 日回信
  • しらたき  白泷

    めっちゃ好きなりぃさでした。「お前の中に俺のが入るのよく見とけよ」これ最高すぎて原作で見た気がしました。いや見ました。本当にありがとうございました。
    超喜欢这样的凛酱。「好好看着我的东西进到你里面」这段简直神还原原作既视感。不对就是原作。真的太感谢了。

    2月5日回信  2 月 5 日回信
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