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【助けて】オレの恋人が粗チンかもしれん/一縷的小说

【助けて】オレの恋人が粗チンかもしれん  【救命】我的男友可能是处男

86,437字2小时52分钟

ギャグです。なんでも許せる向け  纯属恶搞,仅供娱乐向

・類が序盤不憫、中盤妄想力豊かすぎ、後半不憫  ・前期可怜兮兮,中期妄想力爆棚,后期又惨兮兮
・司が序盤無神経な王様、中盤メス⚪︎ギ、後半不憫  ・司:前期是没心没肺的国王,中期变成发情母狗,后期沦为可怜虫
・彰人が序盤無神経なラッパー、中盤終盤不憫  ・彰人:前期是没心没肺的说唱歌手,中后期变成可怜虫
・粗チンだのちんぽだの汚い言葉が飛び交いまくります
・满嘴都是"烂鸡巴""肉棒"之类的脏话

・キャラ崩壊  ・角色形象崩坏
・本番シーン(妄想)フェラ顔射(現実)表現あり  ・实际场景(妄想)口交颜射(现实)描写存在
・自慰表現あり  ・自慰描写存在
・序盤アツ(冗談)中盤ルア(事故)があります  ・开场高能(玩笑)中段展开(意外事故)请注意
・最後のページ目におまけで冬彰があります  ・末页附赠冬彰小剧场
・推敲していません、何かあればコメント欄DMで教えていただければ幸いです
・未经仔细推敲,如有不妥之处欢迎通过评论区或私信告知


・あまり深く考えずお読みください

たまにはこんなハッピー類司をかきたいなと思っていたので書きました。もうすぐ2024年も終わりを告げますね、近頃は急に冷えてますし皆様も体調にどうかお気をつけください。
2025年も類司と皆様に幸あれ!

1
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東雲彰人は放課後、静かになった教室でただ1人椅子に腰かけていた。なんとなく開いたノートには、家庭科のある問題の答えが自信なさげな筆圧で書かれている。
东云彰人放学后独自坐在已归于寂静的教室里。随意摊开的笔记本上,用缺乏自信的笔迹写着家政课某道习题的答案。

「…貧血予防の食べ物…?知らねーよ。あ、これか?」
"…预防贫血的食物…?谁知道啊。啊,是这个吗?"

自分はあまり静寂が好きでは無い。喧騒は心を昂らせるし、静寂は失敗の証だった。遠くではグラウンドから部活に熱中する声が聞こえるが、教室に届く声はひとつ膜が貼ったようだ。活力に満ち溢れた声から隔絶されていると感じる。この後来るであろう彼はこの静けさをかき消してくれはするだろうが、しかしそれは自分が望むものとは違う。自分の息遣いだけが妙に教室内に響く。大きな窓からは沈みゆく夕日が見え、それは教室全体を黄金色に照らしていた。所在なさげにペンを弄んでいると、乾いた音を立てて勢いよく扉が開かれる。
他其实并不喜欢寂静。喧嚣能让心潮澎湃,而寂静总伴随着挫败感。远处操场传来社团活动的喧闹声,但传到教室时仿佛隔了一层膜。他感觉自己被隔绝在那些充满活力的声音之外。虽然待会儿要来的那个人肯定会打破这份寂静,但那并非他所期待的。此刻唯有自己的呼吸声在教室里异常清晰。从大窗户能看到西沉的夕阳,将整个教室染成金色。正当他百无聊赖地摆弄着钢笔时,教室门突然发出干涩的声响被用力推开。

ギョッとしてそちらを振り向くと、そこには堂々とした態度の男が、――――天馬司がいた。
我猛地转头望去,只见一个气宇轩昂的男人站在那里——正是天马司。

「彰人!!!!類が…類のちんぽが……短小かもしれん!!!!」
"彰人!!!类他...类的鸡鸡...可能是短小症!!!!"

「お前ここ学校だぞほんとふざけんな!!!」  "你他妈看清楚这里是学校啊开什么玩笑!!!"


……………



「んで…なんなんすか?急に呼び出して」  “所以……到底什么事啊?突然把我叫出来”
向かい合って座る司は、幾分か落ち着きを取り戻したようだった。落ち着きというより、過剰なほどの声のデカさをやっと抑えられたという感じだった。彰人が注意をしてからしばらく申し訳なさそうに目線をウロウロとさせていたが、やがて神妙な面持ちで、司は彰人の方を向き直った。
坐在对面的司似乎恢复了几分镇定。与其说是镇定,不如说是终于控制住了那过分洪亮的嗓门。被彰人提醒后,他目光游移不定地愧疚了一阵子,最终换上严肃的表情重新面向彰人。

「…類が……」  “……类他……”
「…………」  “…………”
彰人は先程の大声から、なんとなくであるが、今から司の口から話される内容を察していた。
彰人从刚才的大嗓门里,已经隐约猜到司接下来要说的内容。

くだらない、ぜったいに、くだらない事だ。今日が偶然練習が休みであったことを心底悔やむ。叶うことなら昨日にでも戻って練習の約束を取り付けてしまいたい。しかし彰人にはそれが出来なかった。
无聊,绝对,是无聊的事。他打心底后悔今天碰巧练习休息。要是能回到昨天,他恨不得立刻约好练习时间。但彰人做不到。

もちろん曖昧に対応するとか、そもそもこの教室で待たないという手はあった。しかし、誠実では無い。誠実さは大事だ。特に人同士のつながりが強いあの街において、約束を反故にするというのは信頼の失墜に繋がる。そうすれば箱にも呼んで貰えない。
当然可以含糊应对,或者干脆别在这教室等。但那不够诚实。诚实很重要。尤其在人际关系紧密的那条街上,毁约意味着失信。那样连箱子都不会再叫他。

まずはこのセンパイの約束さえ守れないでどうする。  连和学长的约定都守不住,像什么话。
「それで?神代センパイがどうかしたんすか」  "所以呢?神代学长出什么事了吗?"
彰人は努めてだるそうに司に次の言葉を促した。意を決したように司は口を開く。
彰人故意摆出一副不耐烦的样子催促司继续说下去。司像是下定决心般开口道。

「…類のちんぽが………!短小かもしれん!!!!!!!!」
"...阿类的鸡鸡...可能是短小!!!!!!!!"

「………ふ、は、ッはははは!!!!あははは!!!」
"......噗、哈、哈哈哈哈!!啊哈哈哈!!!"

意を決した結果がそれなのか。唐突に神代類の食えない顔が思い起こされ、彰人はとうとう耐えきれず、弾けるように笑い転げた。椅子がひっくり返るのではないかという勢いで笑う彰人に、司は「なぜ笑うんだ!」と立腹していた。
这就是你深思熟虑的结果吗?神代类那张令人火大的脸突然浮现在脑海,彰人终于憋不住,爆发出惊天动地的笑声。眼看彰人笑得快把椅子掀翻,司恼怒地吼道:"有什么好笑的!"

とんでもない。これで笑わない男子高校生がいるだろうか?
开什么玩笑。这种场面哪个男高中生能忍住不笑?

「っぐ、はははっ!!!」  "噗、哈哈哈!!!"

誠実さなどは建前に過ぎない。教室に入ってきた時のあの発言まで、彰人は司を放置して帰ろうかと思っていた。しかし聞くからに面白そうな内容、いつも飄々としているあのセンパイの秘密。是非とも聞きたい。つい先日も彼の爆発騒ぎで鼓膜が破れそうになったのだ。別に誰かにばらす訳でもない。少なくとも責任はこうやって喋っている司の方が重大だろう、いくらでも言い訳はできる。
所谓诚实不过是场面话。从司踏进教室那刻起,彰人原本打算放任他自生自灭。但听起来实在太有趣了——那位总是云淡风轻的学长竟藏着这样的秘密。无论如何都要问出来。前几天才被他搞出的爆炸震得鼓膜生疼。反正又不会到处宣扬。说到底责任全在主动爆料的司身上,借口要多少有多少。

彰人はこう思った。退屈はしないだろう、と。  彰人这样想着。应该不会无聊吧。


「まあ、ほら、オレたちが付き合っていることは知っているだろう?」
"那个...你看,大家都知道我们在交往吧?"

「まあ…あんたが言いまくってますからね」  "这个嘛...因为你一直在到处宣扬啊"
天馬司と神代類は付き合っている。神高では今や公然の事実と認識されている。とりあえずキスをするところまでは行ったらしい。なぜ知っているかといえば、司センパイが大声でばらしまくっているからだ。一方の神代センパイといえば、とにかく秘密主義である。司とのエピソードを根掘り葉掘り聞きまくっている3年をのらりくらりと笑顔でいなす。本当に対称的だと思わず感心するほどだ。流石に神代センパイのちんぽが短小だとまでは大声で言いふらさなかったようだが…。
天马司和神代类正在交往。在神高这已经是公开的事实了。据说两人至少已经发展到接吻的程度。之所以知道这些,是因为司学长一直在到处大声宣扬。而神代学长则完全相反,是个彻头彻尾的神秘主义者。面对三年级学生刨根问底的追问,他总是用笑容巧妙回避。这种反差简直让人佩服。不过至少司学长还没到处宣扬神代学长那里短小就是了...

「1週間前、ついに初…キッスをしたんだが…」  「一周前,终于第一次…接吻了…」
「キッスってなんだよ」  “接吻到底是什么啊”
「え、じゃあ初チューのほうがいいか?」  "诶,那初吻比较好吗?"
「いやそういう話でもないですね」  "不,也不是那个意思啦"
もうツッコミに疲れてきた。話を聞く対価として差し入れてもらったポッキーをつまみながら、この妙に言葉が古臭くてうぶすぎるセンパイを眺めた。
我已经懒得吐槽了。一边嚼着作为倾听报酬的百奇饼干,一边打量着这位用词老土得过分又纯情得要命的前辈。

「それで…一昨日オレは言ったんだ」  “所以…前天我就说了”
司の顔が急に真っ赤になってモジモジとし出す。嫌な予感に彰人は鳥肌が立った。
司的脸突然变得通红,开始扭扭捏捏起来。一股不祥的预感让彰人起了一身鸡皮疙瘩。

「…なにを?」  "…干嘛?"

「セックスしないかって」  "要不要做爱?"
彰人は勢いよく席を立った。  彰人猛地从座位上站了起来。
「もう帰っていいすか?」  "我可以回去了吗?"
「まて!まて!」  "等等!别走!"
カバンを掴んで帰ろうとする彰人に、司は必死にしがみつく。
司拼命抓住正拎着包要走的彰人。

…なんて馬鹿力なんだ、全く進まない。しかし彰人の方も必死である。
...这家伙力气也太大了,根本拽不动。但彰人也在拼命挣扎。

「嫌!嫌です!!助けてくれ冬弥!センパイ同士のこんな話聞きたくないです!!やめろ!!離せ!!というかそれでってなんだよ!キスした一週間後にムードもなくセックス持ちかける男がどこにいるっていうんだよ!聞きたくない!離せ!とう、冬弥ーーー!
“不要!不要啊!!救救我冬弥!我不想听前辈之间这种话题!!住手!!放开我!!话说那算什么啊!哪有人接吻一周后毫无氛围就直接提出要做的啊!不想听!放开!冬、冬弥——!”


「頼む頼む頼む!!お前にしか言えないんだ!!ちんぽの経験が豊富そうなお前にしか!!」
“求你了求你了求你了!!这话我只能跟你说!!只有看起来经验丰富的你才能懂!!”

「ちんぽの経験が豊富ってなんだよ失礼すぎだろ!男同士とかしらねーよ!!!」
“说老子鸡巴经验丰富也太失礼了吧!男同什么的根本不懂啊!!!”

「まて彰人!!誤解だ!!そういうことではなく…連れションとか行きそうだろう!?だから沢山見た事があるんじゃないかって…しかも、このままではオレがただ単に類のちんぽの話をバラしただけになってしまうではないか!ここまで聞いたんだろう!?頼む!笑ってたじゃないか!!」
"等等彰人!!这是误会!!不是你想的那样...就是男生不都会一起上厕所嘛!?所以我才说可能看过很多次...而且这样下去不就变成我在到处宣扬别人的老二尺寸了吗!你都听到现在了吧!?求你了!刚才你不是还在笑吗!!"

ぎくり。痛いところをつかれた彰人は、心の底から漏れ出たようなため息をはいて、もう一度座り直す。
彰人猛地一颤。被戳中痛处的他,从心底发出一声叹息,重新坐直身子。

「……………まあ、失礼な発言をしたことは許してあげますよ……………」
"……………好吧,我就原谅你刚才的失礼发言……………"

もうげっそりだ。精根尽き果てた。しばらく2人とも荒い息を吐くばかりだったが、彰人が諦めたのを見ると、司も席についた。
我已经精疲力竭了。两人都只是喘着粗气,当彰人放弃后,司也坐回了座位。

「それで、そういう提案をしたんだが」  "所以,我就提出了那样的建议"
「……」
「類がッ…」  "类...啊..."
「…はい」  "...嗯"
「急に焦りだしたんだ」  "突然就着急起来了呢"
「…ふっ」  "...呵"
彰人は下を向いて、思わず笑った。その場面を想像したら元気が出てきた。自分はなんて現金なヤツなのだと彰人は思った。もう聞きたくないかと思えば、また聞きたくなってくる。
彰人低下头,忍不住笑了出来。光是想象那个场景就让他精神为之一振。自己还真是个现实的家伙啊,彰人这么想着。明明觉得已经不想再听了,却又忍不住想继续追问。

「あのセンパイが焦るなんて、逆に見てみたいですけどね」
"要是能看到那位学长慌张的样子,反而更想见识一下呢"

「本当に可哀想なぐらいだった…明らかに汗の量が凄くなって、声が震えてて」
"真是可怜到让人心疼的程度...明显汗如雨下,连声音都在发抖"

「ええ…?」  "诶...?"
「自分の股間とオレの股間を交互に見て、それから『それはまた今度にしたほうがいいかもね』って」
"她来回看着自己的胯下和我的胯下,然后说'这个还是留到下次比较好呢'"

したほうが良い『かもね』ってなんなんだ。  "也许"这样比较好到底是什么意思啊。
どういう心境でそれいったんだあのセンパイは。  那位学长到底是怀着怎样的心情说出那句话的。
心底みたい、その場面を心底みたい。出来ることなら当時の神代センパイの焦りを覗いてみたい。
真想亲眼看看,真想亲眼见证那个场景。如果可能的话,好想窥探当时神代学长焦灼的内心。

「その場で話は終わったんだが…」  "当时谈话就结束了…"
「まだ続くんですか!?」  “还没结束吗!?”
「何を言う!ここからが本番だ!そしてその後…昨日だな。昨日も放課後類の部屋で過ごしていたんだが、気になることが出来て…。類のパソコンを借りようと思ったんだが、そこでオレは検索履歴を見てしまったんだ」
"你在说什么!现在才是重头戏!然后接下来…昨天吧。昨天放学后也在类房间里待着,结果发现了一件在意的事…。本来想借类的电脑用,结果不小心看到了搜索记录。"

「うわ………………」  “呜哇………………”
思春期の男子高校生のパソコンを勝手に見るとかありえねぇだろこのセンパイ、という顔をした彰人に、司は慌てて弁解した。
彰人一脸"这个前辈怎么可能擅自偷看青春期男高中生的电脑"的表情,司慌忙辩解道。

「ちゃんと借りるって言ったんだ!!!類は飲み物を取りに行っていてその場には居なかったんだが」
"我明明好好说了要借用的!!!类当时去拿饮料了不在场啊"

「聞こえてねえじゃねぇか」  "根本没人听见好吧"
「…それで、その検索履歴が………」  "...所以,那个搜索记录是......"
司はそこで1度話を止めた。いつもきりっとした眉が、並行、いや少し下がっている。気になるタイミングで言い淀んでしまった司に対し、話をするよう促す。
司在这里停顿了一下。总是英挺的眉毛此刻平行——不,微微低垂着。面对在关键处突然语塞的司,我催促他继续往下说。

「…続けてください」  「……请继续」
「検索履歴が…検索履歴が…」  “搜索记录…搜索记录…”
司は手で顔をおおった。  司用手捂住了脸。

「検索履歴が……『陰茎 小さい』『陰茎 小さい 好まれる』『陰茎 小さい メリット』『陰茎 大きい デメリット』『愛撫だけ』だったんだ………………」
「搜索记录里全是……『阴茎 短小』『阴茎 短小 受欢迎』『阴茎 短小 优点』『阴茎 巨大 缺点』『只靠爱抚』这些………………」

「…ぐ!!!」  「…唔!!!」

耐えろ。このセンパイは真剣なんだ。神代センパイも真剣なんだ。誰よりも真剣だ。分かるだろ東雲彰人。見てなかったのか、あのピアノを弾く司センパイ、足をくじいてもショーに出演しようとする神代センパイ。ああ、検索がちんぽとかちんことかちんちんとかではなく陰茎なのは神代センパイが理系だからなのかと考えると…だめだ。笑ってしまう。司センパイに話をもちかけられたあと、必死の形相でちんぽの小さいことによるメリットを検索する神代センパイを思い浮かべてしまってすこし苦しくなった。
忍住。这位学长是认真的。神代学长也是认真的。比任何人都认真。你明白的吧,东云彰人。难道没看见吗?那位弹钢琴的司学长,即使扭伤脚也要坚持演出的神代学长。啊,想到神代学长搜索时用"阴茎"而不是"鸡鸡"或"小弟弟"这类词,是因为理科生的缘故吗...不行。要笑出来了。想象着司学长找他商量后,神代学长一脸拼命地搜索"阴茎短小有什么好处"的样子,突然觉得有点难受。

あの神代センパイが実は短小だなんて、どんな悲劇だ。いや面白いから喜劇か。話を聞くだけなら本当に面白い。自分がそんな立場に置かれたとしたら最悪だが。
那位神代学长居然尺寸短小,这是何等悲剧。不,或许该说是喜剧才有趣。光听故事确实很有意思。但若自己身处那种境地就太糟糕了。

腹筋に最大限まで力を込める。笑いを抑えることは2kmランニングより疲れることを今初めて知った。
我绷紧全身腹肌拼命忍笑。此刻才明白憋笑比跑两公里还累人。

「しかも………」  "而且......"
「…ッグぅ!」  “…呜嗯!”
まだ続くのかよ!!!  还没完吗!!!
「あの後…寧々…が…」  “之后…宁宁…她…”
「寧々……え?草薙?」  "宁宁……咦?草薙?"
草薙!?草薙がここで出てくるのか!?神代センパイのちんぽに関して…!?いつもオドオドしている、しかしやる時はやる草薙がここで出てくるとは、彰人は驚愕した。
草薙!?草薙居然会出现在这里!?关于神代前辈的那玩意儿…!?那个平时畏畏缩缩、关键时刻却很靠谱的草薙竟然会出现在这种场景,彰人震惊得说不出话来。

「セックスしようって言ったのは類の家だったんだが…声が大きすぎて寧々にも聞こえてたんだと思っている」
"说要做爱的是在类家...但我觉得声音太大连宁宁都听见了"

「お前最悪すぎだろ」  “你也太差劲了吧”
素でお前と言ってしまった。しかし訂正する気も起きない。草薙は確か神代センパイの幼なじみだと聞いている。家が隣でもおかしくない。多分話を聞くに…窓が空いていたんだろう。そして司センパイは張り切るあまりいつもの大声で「セックスしよう」と言ってしまったと。てかそれ草薙どころか草薙の家族にまで聞こえてるだろそれ。どうすんだよ。
我脱口而出叫了你的名字。但也没有要改口的意思。我记得草薙是神代学长的发小吧。两家住隔壁也不奇怪。听描述大概是...当时窗户开着。结果司学长一激动就用惯常的大嗓门喊了句"来做爱吧"。喂这音量别说草薙了连草薙全家都能听见吧。这可怎么办啊。

「今思えば恥じらいが足りなかったな……」  "现在回想起来,当时真是羞耻得不够啊……"
「恥じらいっつーか常識が足りませんよねそれ。というか……」
「这已经不是害羞的问题了,根本就是缺乏常识吧。或者说……」

おいまて、神代センパイは短小なんだぞ分かってんのか?
喂等等,神代学长可是短小男啊你明白吗?

いや違う、あの時は司センパイも神代センパイが短小だと分かってなかったのか。それにしても幼なじみにセックスの事を聞かれるとか最悪すぎだろう。思わず神代センパイに同情してしまった。
不对不对,当时司学长也不知道神代学长是短小男吧。即便如此被青梅竹马追问性事也太惨了。我不由得对神代学长产生了同情。

「それで…昨日の放課後寧々に呼び出されて…寧々がオレにこういったんだ……『類を嫌いにならないであげてね』って……………」
「然后…昨天放学后被宁宁叫出去…宁宁对我说了这样的话……『请不要讨厌类哦』……………」

「草薙も神代センパイのちんぽが短小なこと知ってんのかよ!!!?!?!」
"草薙该不会也知道神代前辈那玩意儿短小吧!!!?!?!"

思わず大声を上げてしまった。学校中にこだまするぐらいの声を発してしまったが、全く気にも止められなかった。それぐらいの衝撃だった。
我不由自主地喊出了声。那声音响彻整个学校,但我完全顾不上在意。冲击就是大到这种程度。

…なんだそれは?どういう事だ?まさか草薙と神代センパイは付き合っていたのか??今はそんな雰囲気ではないが昔は付き合っていて、まさか、失敗した?それが原因で?
...这到底是怎么回事?什么意思?难道草薙和神代前辈交往过??虽然现在完全没那种氛围,但以前交往过,该不会...失败了吧?是因为这个原因?

「えっ?神代センパイと草薙って付き合ってたんすか?!」
“诶?神代前辈和草薙原来在交往吗?!”

「いやそんな事実は…ないと思う。そんな雰囲気では無いし話題にも出てない」
"不,我觉得...没有这种事。完全没有那种氛围,也从来没聊到过这个话题"

「じゃあなんで」  “那为什么”
「わからん!!分からん…!!」  "搞不懂!!完全搞不懂啊…!!"
教室に沈黙が落ちる。彰人も混乱していた。なんで幼なじみにバレてんだよとか、あの神代センパイがとか、なんで司センパイは笑わずに真剣に俺に相談できるんだろうとか、そろそろ笑いを抑えるのが大変だとか、そういうことが山ほど綯い交ぜになっていた。
教室里陷入沉默。彰人自己也混乱不已。为什么会被青梅竹马发现啊、那位神代学长怎么会、为什么司学长能忍住笑意一脸认真地找我商量、差不多快憋不住笑了——诸如此类的念头在他脑海里乱成一团。

司は額に手を当てた。  司将手搭在额头上。
「ただ、類が短小なのはもう間違いがないと思っている」
「不过,我觉得类那家伙是短小这点已经毫无疑问了」

「……」

「………個室なんだ………」  “…………是单间呢………”
「…え?」  “……啊?”
「…いつも…個室なんだ…………」  “……每次……都用隔间…………”
「…………え?」  “…………哈?”

「………類は…トイレに行く時…いつも………個室なんだ………」
“………阿类…上厕所的时候…总是………用隔间………”


彰人はその日、今年で1番笑った。  那天,彰人笑得比今年任何时候都开心。



「あの………お腹が痛いんですけど」  “那个……我肚子疼”
「そんなことオレに言われても知らん」  “就算你跟我说这些我也不知道”
「いやお前らのせいなんだよ!」  "都怪你们这帮家伙!"
しばらくの間大爆笑をしていた彰人だったがついに落ち着いてきた。たまに思い出して笑ってしまうが。なるほど、個室か、個室。そもそも男は大体個室を使う機会はまあないだろう。あるにはあるがやはり小便と比べると少ない。小学生の時は個室に入るだけでずいぶん騒がれたものだ。
彰人狂笑了好一阵子才终于平静下来,不过偶尔想起又会笑出声。原来如此,单间啊单间。说到底男人基本没什么机会用单间厕所。虽然也有但比起小便次数还是少得多。小学时光是进单间就会引起轩然大波呢。

「これはもう確実に短小ですね、粗チン間違いなし!見られたくないんでしょう」
"这绝对是小丁丁没跑了,短小没商量!就是不想被人看见吧"

「そうだよな」  "可不是嘛"
司は意気消沈するばかりだ。汗ばんだ額を拭い、ネクタイを緩める。
司只能垂头丧气地坐着。他擦了擦汗湿的额头,松开了领带。

「たくさん検索するほど悩んでるんだ、オレはなんて提案を…してしまったんだろうか」
"越是拼命搜索就越烦恼,我到底...提了个什么馊主意啊"

大袈裟なように見えるが、司センパイは真剣に悩んでいるのだろう。そしてそれは神代センパイも一緒なのだ。
虽然看起来有些夸张,但司学长大概是真的很苦恼吧。神代学长也同样如此。

彰人は目を閉じて、考え始めた。  彰人闭上眼睛,开始思考。
そもそも男というのは他人のちんぽを見る機会が豊富にある。代表例としてはやはりトイレに行く時だろう。小便器をチラリと見ると、あっけなく他人のちんぽのデカさがわかる。もちろん、ちんぽの勝負所とは勃起してからが本番であることは言及せずとも皆察するだろう。しかし、勃起していない状態でデカい男が勃起してデカくないわけがない――――そんな考えから、勃起していない時にもでかいやつはそれはもう尊敬される。そして、笑われる。
男人天生就有很多机会看到别人的老二。最具代表性的场景莫过于上厕所时——只要往小便池瞥一眼,就能轻易判断出别人那话儿的尺寸。当然,谁都心知肚明真正的较量得等勃起后才见分晓。但一个软着时就很可观的家伙,硬起来怎么可能不惊人?正是基于这种认知,那些未勃起时就尺寸傲人的家伙,既会收获崇拜,也会招来嘲笑。

…でかいだけならまだいいだろう。問題は、いや悲惨なのはその逆、小さい場合だ。今まで笑って聞いていたが、真剣に神代センパイの立場を考えるとまったく笑えなくなってくる。ちんぽの大小で、男としての格というところまで論じられてしまう、男なら多少なりとも経験があることだ。でかいから女を気持ちよくさせられるだとか、小さいから無様で惨めだとか、そういう根拠のないものだ。でかいちんぽに対しての漠然とした羨ましさ、のようなものが、確かにある。
…如果只是尺寸大倒还好。真正的问题,或者说悲惨之处在于相反的情况——太小。虽然之前还能当笑话听,但认真思考神代前辈的处境后,就完全笑不出来了。用阴茎大小来评判一个男人作为男性的价值,只要是男人多少都经历过这种事。说什么大的才能让女人舒服,小的就丢人可怜之类的,根本毫无根据。但确实存在某种对大阴茎的模糊羡慕感。

司センパイが真剣に相談してくれているのは知っている。冬弥にはこんなことは相談できないだろう、当たり前だ。もしそんなことをしたら司センパイを地獄の底まで追いかけ回して必ず張り倒す。
我知道司学长是认真找我商量的。这种事当然不可能跟冬弥商量。要是真那么做了,我绝对会追到地狱尽头也要揍扁司学长。

しかし、ここで疑問が浮かんだ。相談とはなんなのだろう。まさか神代センパイが短小だということだけを伝えに来たわけではあるまい。もしそうなのだとしたら流石に無神経がすぎる。たしかに今の話はそれなりに笑えたが、よくよく考えれば神代センパイが不憫に思えてくる。そこまで思い至って、彰人は問い詰めた。
然而,此刻一个疑问涌上心头。所谓的商量究竟指什么?总不至于神代学长专程来告知自己阴茎短小吧。若真如此未免太过迟钝。方才的对话确实引人发笑,但细想之下又不禁为神代学长感到可怜。思及此处,彰人忍不住追问道。

「じゃあ、なんなんですか?神代センパイが親指サイズの短小っていうのが理由であんたら別れちゃうんですか?たかがちんぽのサイズで?」
“那到底是怎么回事?就因为神代学长的尺寸只有拇指大小,你们就要分手吗?区区一根鸡巴的大小?”

「いやそんなことは」  "不可能是这样的"
「じゃあどうしてそんな相談を俺にしたんですか?…もしちんぽのサイズが原因で別れたいとかいう話だとしたら許せませんよ」
"那您为什么要找我商量这种事?...如果是因为阴茎尺寸问题就想分手的话,我可不能原谅"

いつのまにか彰人の方に熱が入っていたようだ。余りの熱量に司はびくりと身体を震わせた。
不知不觉间彰人的语气变得激动起来。过度的热情让司吓得浑身一颤。

「彰人、いや」  “彰人、不要”
「あんた神代センパイのこと好きなんすよね?確かに体の相性は重要ですよ、本当に、それは思います。別れても仕方ないと言えば仕方ないです。でもねそれは…それはあんまりでしょう」
"你不是喜欢神代前辈吗?确实身体的契合度很重要,这点我真心认同。要说分手也是没办法的事。但是啊...这也太过分了吧"

彰人はおもむろに席を立つと、熱弁し始める。  彰人缓缓站起身,开始慷慨陈词。
「同じ男として神代センパイに同情します、もし別れたいと思うなら司センパイは俺に相談すべきじゃありませんでした。俺だったから良かったものの、他の人間にもし相談していたらどうなってたと思います?短小だってことをバラされていたかもしれません。そうしたら、バカにされることもあるでしょう。俺だってもう神代センパイが小さいって知ってしまいました、どうするんすか?」
"同为男性我很同情神代学长,如果司学长想分手的话本不该来找我商量。幸好遇到的是我,要是找其他人商量会怎样?你短小的事可能早就传开了。那样的话说不定会被嘲笑。现在连我都知道神代学长那里很小了,你说该怎么办?"

「それは」  "这个......"
「そもそもですよ?普通ケツの穴なんて出すことはあっても入れることはないじゃないですか?もし入れるならできる限り細い方がいい。細いと穴に入りやすいのなんて小学生でも分かることです、別に神代センパイが粗チンでもいいじゃないですか。一体何が問題なのか全く分かんねぇ、何が目的で俺を呼んだんですか?」
"说到底啊?正常人都是把屁股眼露出来,哪有往里塞东西的?要真得塞,那肯定是越细越好。细的容易进去,这道理连小学生都懂,就算神代学长是粗鸡巴又怎样?我完全搞不懂问题出在哪,你们到底为啥叫我过来?"

司はため息をついた。視線が机に落ちて、顔には陰鬱な影が落ちていた。固く拳を握って、かと思えば脱力する。何度かそれを繰り返し、ぽつりぽつりと話し出した。
司叹了口气。视线落在桌面上,脸上笼罩着阴郁的阴影。他时而紧握拳头,时而又无力地松开。如此反复几次后,断断续续地开始说话。

「…苦労してきたのかもしれん。オレはそう思ったことはないが、今でも別の男子が馬鹿にされてるのを見たことがある」
“…或许确实很辛苦吧。我虽然从没这么想过,但至今也见过其他男生被嘲笑的样子。”

「今までの話、神代センパイを馬鹿にしまくってたんじゃないんすか?」
“之前那些话,不都是在把神代学长当傻子耍吗?”

「何を言う!類が短小であろうが親指サイズであろうが、類本人の魅力はゆるがん!オレの演出家で、恋人だからな」
“胡说什么!就算阿类是短小也好拇指尺寸也罢,阿类本人的魅力丝毫不会减!他可是我的导演,我的恋人啊!”

「…はあ」  “…哈啊”
彰人は呆れながらも微笑んだ。そういうところは、好ましい。無神経ではあるが、優しさはある。
彰人虽然有些无奈,但还是露出了微笑。这种地方倒是挺讨人喜欢的。虽然有点迟钝,但确实很温柔。

「元気を出して欲しいんだ、類に」  "我希望类能振作起来"
「…はい」  "...嗯"
「あいつは自分が短小なことに悩んでいるのかもしれん。しかしオレは全く気にしない。でも、類が、類自身が気にしているなら、そもそもそういう行為は…するものじゃないと思うんだ」
"那家伙可能正在为自己短小的事情烦恼。但我完全不在意。不过,如果类自己在意的话,我觉得那种行为...本来就不该做"

「うーん…確かに」  "嗯...确实"

彰人は暫く悩んでいたが、ふとピンとくるものがあった。そうだ、そうではないか。そもそも男同士だ。チンポは小さい方が入りやすい。
彰人烦恼了一阵子,突然灵光一闪。对了,不正是这样吗?说到底都是男人。阴茎小些反而更容易进入。

それに、彼にはひとつ視点が抜け落ちている。  而且,他遗漏了一个关键视角。

「というかいざとなれば司センパイが神代センパイを掘れば良くないですか?」
"话说回来,实在不行让司学长去上神代学长不就好了?"

司は彰人を勢いよく見た。  彰人猛地看向司。
「…へ?」  "…啊?"
司は間抜けな声を出して、それからハッとした顔をした。顔に手をやって、そのうち覆った。
司发出傻乎乎的声音,随后突然露出恍然大悟的表情。他用手捂住脸,最后干脆把整张脸都埋了进去。

「も、盲点だった!!!盲点だった!!!」  "原、原来如此!!!完全没想到啊!!!"
司は興奮した様子で叫んだ。  司兴奋地大叫起来。
「いやなんで思いつかなかったんすか」  "为啥我就没想到呢"
「いやなんとなく」  “不,就是有点……”
「はあ…?初めから抱かれるつもりだったのかよこいつ…すごいっすね。まあ神代センパイの方が背が高いし体格もいいから当然と言えば当然なのか?」
“哈…?这家伙一开始就打算被上吗…真厉害啊。不过神代学长个子更高体格也更好,这么说来也是理所当然的吧?”

また新しく悩む彰人とは逆に、司は途端に元気を取り戻したようだ。足を組み替えては、問題解決への糸口を見つけたことに対して喜びをあらわにしている。
与再次陷入烦恼的彰人相反,司似乎突然恢复了精神。他不断变换着翘腿的姿势,为找到了解决问题的线索而喜形于色。

「…そうだ、そうじゃないか!類は粗チンかもしれないがオレは勃起時14センチ!太さは3.5!類を喜ばせることが出来るに決まっているではないか!!!どうして気づかなかったんだ!?本当に彰人…感謝する!!!」
“…没错,就是这样!阿类虽然可能是细短型,但我勃起时可有 14 厘米!粗度 3.5!绝对能让阿类爽到飞起!!!我怎么早没发现!?彰人…真的太感谢你了!!!”

「生々しいんだよやめろ!てかなんでアンタ勃起時のサイズとか知ってんだよ測ってんのか!?」
“这也太露骨了吧快住手!话说你为什么会知道我勃起时的尺寸啊?难道你偷偷量过!?”

「男子高校生なら誰でも1度はするだろ」  “是个男高中生都会有一次的吧”
「いやしねーだろ……………まあ俺は16センチですけどね」
“不会吧……………不过我有 16 厘米就是了”

「うっ!!負けた!……彰人も測ってるではないか!!!」
"呜!!我输了!……彰人你不也在量吗!!!"

「あたりめーだろ男子高校生なんだから!!!……はは、司センパイ俺に負けちゃいましたねえ?」
"这不是废话吗!男子高中生当然要比啊!!!……哈哈,司学长输给我了呢?"

彰人はいつも通り司をいじり倒す。司は「いや長さは関係ないだろ」等とごにょごにょ言い訳をするが、司のちんぽのサイズが自分より小さいことは彰人にとって僥倖だった。今まで熱心に粗チンを庇っていた彰人だったが、やはり大きい方が良いというのは事実である。きゃんきゃん吠える司を見下しながら、彰人はニヤニヤとした笑みを浮かべた。
彰人像往常一样把司欺负得够呛。司虽然嘟囔着"长度又没关系"之类的辩解,但司的阴茎尺寸比自己小这件事对彰人来说简直是天赐良机。虽然之前一直热心地为短小辩护,但果然还是大的更好这个事实毋庸置疑。看着汪汪乱叫的司,彰人脸上浮现出坏笑。

本当にいじめがいしかないな、このセンパイ。  这个学长真是欺负起来太有意思了。

「ははは!身長も俺に負けてるし本当にセンパイなんですか〜?」
"哈哈哈!连身高都输给我,你真的是学长吗~?"

「な、なにをーーー!」  “你、你在干什么——!”
「俺がセンパイかもしれませんね!ほら言ってみてくださいよ、「彰人せんぱーい」って!あはは!」
"我可能是学长哦!来试着说说看吧,‘彰人学长~’!哈哈!"

「うう!くそっ類!助けてくれ!」  “呜!可恶的混蛋!救救我!”
「ははは!叫んでみたらどうですか?ほらほら、愛しい恋人神代センパイ恋人がくやしがってますよ!あ、どうせならオレにしときます?なんなら」
"哈哈哈!要不要试着叫出声来?你看你看,你心爱的恋人神代前辈正不甘心呢!啊,要不干脆选我算了?反正都这样了"

「う、くっ!!」  「呜、啊!!」

司はガタリと立ち上がって、叫んだ。  司猛地站起身,大声喊道。

「馬鹿にするな彰人!オレはなあ!類が例え短小だろうが粗チンであろうが親指サイズであろうが半分に折れたマッチ棒であろうがなんだろうが、全て受け止める覚悟なんだぞ!こんなことで悔しくなったりせん!!」
“别小看人,彰人!我啊!就算类他是短小也好、尺寸不佳也罢,哪怕是拇指大小或是折成两半的火柴棒,我都做好了全盘接受的觉悟!才不会因为这种事就懊恼呢!!”

「あははは!!!なんだよその宣言!!……てか声でけーよ!!」
"啊哈哈哈!!!这算什么宣言啊!!……话说你声音太大了!!"

「類がたとえ、たとえ「陰茎 小さい メリット」で検索していたとしても!!!!小便の時個室だけしか使用していないとしても!!!例えEDだったとしても!!」
"就算阿类、就算阿类真的在搜索'阴茎短小的好处'!!!!就算他上厕所只用单间!!!就算他 ED 了!!"

「ぶっ、ふふ!あはは!!!やべぇ、わらっちまう」  “噗、呵呵!啊哈哈!!!糟糕,笑死我了”

「類がせめて硬さだけでもと思って、鉄分をたんまりとってたり、血流を良くするストレッチをしていても、いいんだ!!!」
"就算类君只是为了让那里变硬些,拼命补铁也好,做促进血液循环的拉伸运动也罢,都没关系!!!"

「ははは!!おもしろすぎだろこいつ!あははは!はは、は………え?」
“哈哈哈!!这也太搞笑了吧这家伙!啊哈哈哈!哈,哈……咦?”

「類がたとえ粗チンなのが恥ずかしくてオレにちんぽを見せるのが嫌だったとしても受け入れる!!!オレは類が恥ずかしいと思うところだって恥ずかしくないと言ってやれるぐらいの男だ!それぐらいにならんとスターとはいえんだろう!」
「就算类因为尺寸太小感到羞耻不愿让我看,我也能接受!!!我可是个能堂堂正正告诉类'你害羞的地方我一点都不觉得羞耻'的男人!连这点觉悟都没有还当什么明星!」

「…………お、おい………」  "…………喂、喂………"

「……はっ!!!もしかしたら類は粗チンが原因でとんでもない失敗をしてしまったのかもしれん。プライドの高い男だし、できる限りプライドを傷つけない方法がいいな!いやそれならオレのちんぽは見せない方が良いのか?いやでもな……」
"……啊!!!说不定类是因为小兄弟尺寸问题遭遇了重大挫折。他自尊心那么强,得尽量不伤他自尊才行!不对,这样的话是不是不该让他看我的家伙?但这样也…"

「………うし、うしろ……………」  "………后、后面……………"

「それについては後から考えるとするか。彰人、今回は相談に乗ってくれて助かった!16センチか、素晴らしいな!あ、それは類に言ってやるなよ、傷つくかもしれんからな!ふーははは!オレは本当に配慮ができる男だ、流石未来のスター!」
"这个问题留到后面再想吧。彰人,这次多亏你帮我出主意!16 厘米吗,太厉害了!啊这话可别告诉类,可能会打击到他!噗哈哈哈!我真是个体贴的男人,不愧是未来之星!"

「つ、司センパイ………………あの………」  「司、司学长………………那个………………」

「ではさらば!」  “那就再见啦!”


そういいながら、司は勢いよく踵を返した。正確には、かえそうとした。後ろを振り向いた司の目の前には、それはもう異様な雰囲気を醸し出した類が、満面の笑みを浮かべながらたっていた。
话音未落,司便猛地转身。准确来说,是试图转身。当司回头望去时,眼前赫然站着一位散发着诡异气息的家伙,正满脸堆笑地注视着他。


「えっ」
司が間抜けな声を出す。空気が抜けたビンのように小さく頼りなかった。先程の暴露演説とは似ても似つかない。その瞬間、彰人は凄まじい勢いで席をたち、机に置いてあった勉強道具やノートには目もくれず、急いでカバンをもった。
司发出愚蠢的声音。像漏了气的瓶子般微弱又不可靠,与方才的揭露演说判若两人。就在那一瞬间,彰人以惊人的气势从座位弹起,对桌上摊开的学习用具和笔记本看都不看,匆忙抓起了书包。

何故だろう、教室の扉があんなにも遠い。  不知为何,教室的门看起来如此遥远。
しかしここは今から戦場になる。光の速さでダッシュし、扉に手をかけようとする。
但这里即将成为战场。我以光速冲刺,试图抓住门把手。

「東雲彰人」  "东云彰人"

ピタリと動きが止まった。彰人は自分の指先に目を落とす。小刻みに震えている。いままで笑っていた影響か暖かかった体が、急激にその温度を下げていく。あっという間に出た冷や汗が止まらない。呼ばれたのはフルネームだ。司センパイの声では無い。…神代センパイの声ではないと信じたい。ここまで冷ややかな声を出せるのかと思うほど、凍えている。
动作戛然而止。彰人低头看向自己的指尖。那里正微微颤抖着。或许是方才大笑的缘故,原本温暖的身体正急剧降温。霎时间冒出的冷汗止不住地流淌。对方喊的是全名。不是司学长的声音。…他多希望这也不是神代学长的声音。那嗓音冰冷得令人发颤,简直不敢相信人类能发出如此寒彻骨髓的声音。

視線を落としたままの彰人は、浅い呼吸のまま恐る恐る神代センパイがいる方向に目線を向けようとした。
彰人低垂着视线,屏着浅弱的呼吸,战战兢兢地试图将目光转向神代前辈所在的方向。

「ひっ」
すぐ横にたっていた。神代センパイが。  神代前辈就站在我身旁。
笑みを浮かべていると思っていた神代センパイは、よく見ると左頬が口角を上げたままヒクヒクと動いている。
本以为神代前辈在微笑,仔细一看才发现他的左脸颊正随着嘴角抽搐而微微颤动。

「君たち声でかいんだよ」  “你们声音太大了”
「……」
「聞こえてるんだよ、全校生徒に」  "全校师生都听见了哦"
「……ひゅ」  "……呜"
彰人は自分の喉から変な音が出るのを聞いた。どこからだ、だなんて決まっている。どう考えても、司が教室のドアを開けて開口一番に叫んだあのセリフから、全校生徒に聞こえていたのだ。
彰人听见自己喉咙里发出奇怪的声音。这声音从哪来的根本不用问——毫无疑问,自从司推开教室门喊出那句话起,整个学校的人都听见了。

そういえば司センパイの相談に乗って暫くした後、グラウンドで部活に勤しむ声が急に聞こえなくなったことを思い出す。あの時はみんなが帰ったからだと思っていたが、時計を見てみると司センパイが教室に現れた時から30分と経っていない。
说起来,给司学长做完心理咨询后不久,操场上社团活动的喧闹声突然消失了。当时还以为是大家都回去了,可看看时钟,从司学长出现在教室到现在还不到三十分钟。

みんなが声を聞いていたのだ。黙って、あの話を。神代センパイは未だ校内にいたというのに。彰人は頭を抱えた。
大家都听到了那个声音。明明神代学长还在学校里,却默不作声地谈论那件事。彰人抱住了头。

「………最悪だ」  "……糟透了"
「それ僕のセリフだからね」  "这话该我说才对"
「…………………」司の声は未だに聞こえない。彰人が攣れた声を発する前に、またしても類は口を開いた。
"…………………"司的声音依然听不见。在彰人发出哽咽声之前,类又一次开口了。

「司くん?何を逃げようとしてるんだい?」  "司君?你究竟在逃避什么?"
ガタン!となにかが椅子にぶつかる音がした。音のする方に視線をやると、いきなり名前を呼ばれた司の体が思わず跳ねたのだろう、それが原因で足をぶつけたらしい。手には学校鞄が握られており、体勢は逃げる気満々だった。俺を置いていって自分だけ逃げるつもりだったらしい。「ぐっ……」という司を彰人は憎々しい目で見つめた。
哐当!有什么东西撞上了椅子的声音传来。循声望去,突然被叫到名字的司似乎吓得浑身一颤,大概因此撞到了脚。他手里紧抓着书包,那副架势完全就是准备逃跑的模样。看来是打算丢下我一个人开溜。"呜......"彰人用充满憎恶的眼神瞪着发出呻吟的司。

なにをではさらばしようとしてんだこの野郎、後で覚えておけよ。
你这混蛋想干什么,给我等着瞧。

ふと横を見ると、悶絶する司を類は感情のない目で見つめている。あの人が2年の初め、遠ざけられていた理由がわかる。実は粗チンであるとかそういったものはどうでもいい。神代センパイは美形だ。問題行動にプラスしてあんな無表情で無感動な瞳をされたら、誰も近寄れない。粗チンであることを全く感じさせない強者の雰囲気だ。
不经意间侧目望去,类正用毫无感情的眼神凝视着痛苦挣扎的司。我终于明白这个人为何在二年级初被大家疏远。其实尺寸短小什么的根本无关紧要。神代前辈是个美男子。再加上问题行为和那种面无表情、冷漠空洞的眼神,任谁都不敢靠近。他浑身散发着让人完全感受不到短小缺陷的强者气场。

「東雲くん」  “东云君”
フルネームではなくなった、しかしそれがなんだと言うのか。
名字已不再完整,但这又算得了什么。

「………………はい」  “………………嗯”
司の相談に乗ったことを、彰人は心底後悔した。タイムスリップできる技術でもあれば、絶対に絶対に止めてやる。勿論叶わぬ願いだ。しかし願うぐらい許される。
彰人打从心底后悔给司当参谋。要是真有穿越时空的技术,他绝对、绝对会去阻止。当然这是不可能实现的愿望。但至少允许他这样幻想吧。

一瞬にも永遠にも感じる長い無言のあと、類は言った。
在仿佛凝固成永恒的漫长沉默后,类开口说道。


「一緒に銭湯いかないかい?」  "要不要一起去泡个澡?"
「「…………えっ?」」  "「…………诶?」"

せ、銭湯?何故?なぜ彰人1人だけ?混乱するあまり声が重なった彰人と司を、類はにこやかな表情のまま見つめる。「仲良いねえ」なんて軽口を叩いて見せている。
诶、澡堂?为什么?为什么只有彰人一个人?面对因过度混乱而声音重叠的彰人和司,类依旧保持着笑眯眯的表情注视着他们。"感情真好啊"甚至还轻松地开了句玩笑。

余裕そうだ、焦りのひとつもない。しかし怒っていることだけは確実にわかる。校舎裏ではなくなぜ銭湯なのか疑問だらけではあるが、到底断れる雰囲気では無い。断るなどという選択肢をとったが最後どうなるか全く分からない。
他看起来游刃有余,丝毫不见慌乱。但唯一能确定的是他确实在生气。虽然满脑子都是为什么不是在学校后巷而是澡堂的疑问,但眼下这氛围根本没法拒绝。要是敢选择拒绝的话,最后会变成什么样完全无法预料。

「お、俺だけですか…?」  "只、只有我一个人吗...?"
頼むから司センパイも連れて行ってくれという彰人の真摯な願いは、類の非情な一言で一瞬にして打ち砕かれた。
彰人"拜托把司学长也带上吧"的诚挚愿望,被类无情的一句话瞬间击得粉碎。

「そう、僕と、君だけで」  「就这样,只有我和你就好」
「……いや…あ………はい………」  「……不…啊………好的………」
「お金は僕がだすよ」  “钱我来出”
「……いや」  “……不”
「出すよ」  「要去了」
「……はい………………」  "……嗯………………"

類の圧に彰人はもう意気消沈だ。司が混乱の声を上げる。
面对类强势的气场,彰人已经完全蔫了。司发出困惑的声音。

「お、オレは…?」  "我、我是...?"
「…君?そうだねえ」  "...你?这个嘛..."

にこやかな笑みを形作ったまま、類は吐き捨てるように呟いた。
脸上挂着和煦的笑容,类却用唾弃般的语气低语道。

「後ろ、入念に準備しておくといいよ」  "后面,记得仔细做好准备哦"





二人が銭湯に行ったあと、司はトボトボと帰路につき、しっかり風呂とご飯を食べた後、頭を抱えながら自分の部屋で悶絶していた。手がとんでもなく震え、頭の中で傷つけてしまった類のことでいっぱいだった。謝りようにも類はなぜか彰人を誘って銭湯にいっている。
两人从澡堂回来后,司垂头丧气地踏上归途,洗完澡吃完饭便抱着脑袋在自己房间里痛苦不堪。他的手抖得厉害,满脑子都是自己可能伤害了类的事。想道歉却发现类不知为何已经约了彰人一起去澡堂。

「ど、どうしたらいいんだオレはーーーーーーッ!!」
「我、我该怎么办才好啊————!!」

「おにいちゃん!うるさいよー!」  “哥哥!太吵啦——!”

今思えば、告白は類の方からだった。いつも二人で過ごす屋上で、いつも通り演出案を見ていた時のことだ。類からのこぼれ落ちたような「好きだ」に硬直した司を置いて、類は逃げた。
现在回想起来,告白是类先开口的。那是在我们经常一起度过的天台上,像往常一样讨论演出方案的时候。类那句仿佛不经意间漏出来的"我喜欢你",让愣住的司还站在原地,而类已经逃走了。

それはもう瞬足でも履いているのではないかというような速さで逃げた。
他逃跑的速度快得像是穿上了瞬足运动鞋。

勿論、追いかけた。  我当然追了上去。
やっとの思いでおいついて、顔を真っ赤にしながら頭がいいとは思えないような不器用すぎる言い訳を連ねる類にむかって、「今は考えられない」と司は言った。
好不容易追上那个满脸通红、结结巴巴说着连自己都不信的低级借口的家伙时,司对他说:"现在我没法思考"。

面白いやつではあった、だが生まれてこのかた恋というものをしたことがない司にとって、恋というのはあまり実感のない感情のままだ。今自分の感情さえもよくわかっていない自分に、類を受け入れることはできない。
确实是个有趣的家伙,但对于至今为止从未体验过恋爱的司而言,爱情仍是种缺乏实感的情感。连自己此刻的情绪都尚未厘清的他,根本无法接纳这份同类之情。

「…それは………」  "……这……"
類がショックを受けたような顔をする前に類の顔を思いっきり掴むと、司は全校生徒に聞こえるような大声で叫んだ。「だからオレを惚れさせてみろ!!類ーーーー!!」
在类露出震惊表情之前,司猛地捧住他的脸,用全校都能听见的音量大喊道:"那就让我彻底爱上你啊!!类————!!"

赤くなったり青くなったり忙しかった類の顔色は司の言葉を聞いた瞬間また赤くなる。それでも司の方をしっかりと見ながら、類は頷きながら決意を口にした。
脸色时而泛红时而发青的类,在听到司的话语瞬间再度涨红。即便如此,他仍凝视着司的方向,边点头边道出决心。

「必ず、必ず君を落として見せる」  “我一定会、一定要把你追到手”

それから類と司の距離感はすこし変わっていった。今までは何の気無しに頻繁に触れ合っていたが、その日から少しでも手の指先が当たっただけで、類がそれはもう真っ赤な顔になるのだ。
从那以后,类和司之间的距离感发生了微妙变化。原本可以毫不在意频繁肢体接触的两人,如今只要指尖稍微相碰,类就会瞬间涨红整张脸。

一度ベンチに二人で座ってだべっていた時に、偶然手の指先が触れたことがある。類ははっと息を呑んで、それから少しだけ手をもう少し触れ合わせようと動かした。そこまでいって、類はハッと息を呑むと、暴走する恋心を自制するかのようにおずおずと、触れ合っていた指を遠ざけた。
有次两人并肩坐在长椅上闲聊时,指尖偶然相触。类猛地倒吸一口气,随后鬼使神差般将手指又贴近了些。就在即将完全交叠的瞬间,他突然惊醒似地屏住呼吸,像要遏制失控的恋心般,怯生生地把相触的指尖缩了回去。

司は気づかないふりをしていたが、類が切なそうに俯きながら、いまはもうない感触を確かめるように指先を触っているのを見て、なにやら変な気持ちがした。決して不快ではなく、むしろ心をくすぐられるようにいじらしいような気持ち。
司假装没有察觉,但看到类低着头露出痛苦的表情,用手指触碰着如今已不复存在的触感时,心中涌起一种奇怪的感觉。绝非不快,反而像是被轻轻挠动心尖般惹人怜爱的情绪。

「なあ類」  “喂,类”
「…ん?どうしたんだい、司くん」  “...嗯?怎么了,司君”
司は心から思った通りのまま要求を口に出した。こてんと頭を傾けながら微笑む。その様子を見て類が体をぴくりと動かした。
司将心中所想直率地说了出来。他微微歪头露出笑容。看到这副模样,类的身体突然颤动了一下。

「もっと触らないのか?」  "不继续摸了吗?"
類の喉仏が、ゆっくり大きく上下に振れた。  类突出的喉结缓缓地上下大幅滑动。
「バ、ばれ……ん゛ん……さ、触っていいのかい?」  "被、被发现了……嗯……可、可以摸吗?"
顔を真っ赤にした類にそう言われてしまっては自分まで、こそばゆいような、恥ずかしい気持ちになってくる。司は暫くの間類のことをじっと見ながら類を観察した。
被满脸通红的类这么一说,连自己都开始感到一阵酥痒般的羞意。司静静地凝视着类,观察了他好一会儿。

「類、お前………」  “类,你这家伙……”
「えっなに?」  “诶,什么?”
「今、お前がすごく可愛く見える」  "你现在看起来超级可爱"
類は「は?」というような顔をした後困ったように微笑んで「可愛いのは君のほうだと思うな」と言った。
类露出"啊?"的表情后,困扰地微笑着说:"我觉得你才比较可爱吧。"

「本当に、いい?」  "真的可以吗?"
「いいと言っている、それに前は気兼ねなく触ってただろうが」
"我说可以就可以,而且之前你不也毫无顾忌地碰过吗"

「それはそうだけど…でも…」  "话是这么说...但是..."
類の大きく長い指がゆっくりと司の手を取っていく。まるで砂糖菓子でも触るかのような繊細さで司の肌を撫でる。暫くそうしていると手を離し、それから距離を詰めて類は司の方を向き直った。膝同士がぶつかり合う。今度は遠慮することなく、類は片手で司の頬に触れた。
类修长的手指缓缓覆上司的手背。如同触碰糖雕般小心翼翼抚过司的肌肤。这般温存片刻后松开手,拉近距离重新转向司。两人膝盖相抵。这次类不再克制,单手抚上司的脸颊。

「でももう、僕が司くんのことを好きだって知ってるだろう?」
“可你不是已经知道我喜欢司君了吗?”

類の熱い体温が感じ取れてしまって、司の胸が跳ねる。息が詰まった司に、類は別の意図を感じ取ったようだった。
感受到类炽热的体温,司的心跳加速。面对呼吸困难的司,类似乎察觉到了另一种意图。

「鈍感な司くんだって流石にわかるだろう。もうそういう意図で触ってるんだよ。だからもう、僕を惑わすようなこと言わないで」
"就算是迟钝的司君也该明白了吧。我就是怀着那样的意图触碰你的。所以别再对我说那些迷惑人心的话了"

類はそう言うと司と露骨に距離をとって、口をもにょもにょさせた。動揺が顔に出ている、動揺しているのはこちらの方だと言うのに。
类这么说着,刻意与司拉开距离,嘴巴蠕动着。脸上明显露出动摇的神色,明明该动摇的是我才对。

類は最近、司と会うたびに顔を真っ赤にしてばかりだ。
最近每次和司见面,类总是满脸通红。

「………なあ類」  "……喂,类"
「…なに、もう愛想が尽きたっていうのかい」  "怎么,已经对我厌烦了吗"
司は勢いよく起立した。呆然としながらも様子を伺う類の前に立つと、司は叫んだ。宇宙まで届くような大きい声だった。
司猛地站起身来。他站在茫然不知所措的类面前,用足以传遍宇宙的洪亮声音喊道。

この心のムズムズこそ、恋だ!  这份心痒难耐的感觉,就是恋爱!

「類、好きだーーーーー!!!!付き合おう!!!!」
“类,我喜欢你————!!!!和我交往吧!!!!”

「…え!?!?」  “……诶!?!?”


類と付き合うようになっても、類が司に触れる度に顔を真っ赤になり続けている。司がふと悪戯心で類に抱きつくと、「あっ」だの「わっ」だの言いながら硬直し、それから司をしっかりと抱きしめ返す。その力の強さがたまらなかった。司の耳元で今までの『神代類』としての余裕なんぞ露と消えた、焦がれるような「好きだよ」には、とんでもない魔力があった。
即便开始和类交往,每次类碰到司时,脸还是会变得通红。当司突然恶作剧地抱住类时,类会发出"啊"或"哇"的声音僵住,然后紧紧回抱住司。那份力道让司无法抗拒。在司耳边响起的、褪去了往日"神代类"那份从容的、充满渴求的"喜欢你",蕴含着不可思议的魔力。

「好きだ、好きだ、すき、司くん、君だけが僕には…」
“喜欢你、喜欢你、好喜欢、司君、只有你对我来说…”

「………ああ、オレもだ!」  “………啊,我也是!”
普段冷静で振り回す側である類が、自分の何気ない行為によってとんでもなく翻弄されて全く取り繕えていない様子が、司にはたまらない。類が司によって心を乱される度に司には悪戯心と恋心がしんしんと降り積っていく。
平日里总是冷静自持、掌控全局的类,此刻正因为自己无心之举被搅得方寸大乱,那副完全无法掩饰的狼狈模样让司感到无比愉悦。每当类因他而心神动摇时,司心底的恶作剧心思与恋慕之情便如初雪般层层堆积。

それは両親や咲希や冬弥、えむや寧々に抱くものとはまた違う質感の情動だった。
那是一种与对父母、咲希、冬弥、笑梦和宁宁所怀有的情感截然不同的情绪质感。


「お兄ちゃん、最近すごく笑顔だね!」  "哥哥,最近你笑得特别开心呢!"
自分が得た新しい感情に、家に帰ってもしばらくニヤニヤがとまらなかった。そんな様子は咲希や両親には丸わかりだったようで、付き合って1週間もする頃、咲希にそう言われるまで気づかなかったが。
对于自己获得的这份新感情,回到家后仍止不住地傻笑。这般模样似乎被咲希和父母完全看穿了,直到交往一周左右被咲希点破才意识到。

「そ、そうか!?」  “是、是这样吗!?”
「うんうん、お兄ちゃんが幸せそうでアタシも嬉しいな!るいさんの影響かな?」
"嗯嗯,哥哥看起来好幸福,我也很开心呢!是类君的影响吗?"

「!!!そうかもしれん!オレが抱きつくと類はすごくオドオドして恥ずかしそうなんだ。それを見るのが好きでな」
"!!!说不定真是!我一抱住类,他就特别慌张害羞的样子。我最喜欢看他这样了"

「ふーん?でもわかるかも!アタシもしほちゃんに抱きつくとしほちゃんがきゅーって最初に目をつぶるのが可愛くて!えへへ、もっと抱きつきたくなるよね!すっごくわかるよ!アタシたちやっぱり兄妹なんだね〜!」
“嗯?不过我能理解哦!我抱住诗穗的时候,她也会先‘唔——’地闭上眼睛,超可爱的!嘿嘿,让人更想抱紧她了对吧!完全懂你!我们果然是兄妹呢~!”

「さ、さき!」  “啊、啊先!”
そうして2人は抱きしめあった。  两人就这样紧紧相拥。
幸せな時間だ、最近ずっと幸せだ。あたたかい温度を感じる度、司はハグが好きだなあと思うのだった。
真是幸福的时光啊,最近一直都很幸福。每当感受到这份温暖的体温,司都会觉得拥抱真是件美好的事。

「それにしても、類があんなに奥手とはな…」  "不过真没想到,类居然这么害羞..."
その夜ベッドに寝転びながら司は思案していた。付き合ってそれからすることと言えばキスだろう。しかし手を繋ぐことさえも類がドキドキしっぱなしなのだから、これは未来のスターであるオレこそがリードしてやらねばなるまいと気合いをいれる。
那晚躺在床上的司暗自思忖。交往之后理所当然该接吻了吧。但连牵个手都能让类心跳加速成这样,看来必须由我这个未来之星主动引领才行啊。他暗自鼓足了干劲。

もちろん手を繋ぐのは司も胸高鳴る行動ではあるが、類ほどでは無いだろう。手を離したあと、類の手汗でベタベタになった自分の手の感触を思い出す。
当然,对于司而言牵手也是令人心跳加速的举动,但应该不至于像类那样激动。松开手后,他还能回想起自己那只被类手汗浸得黏糊糊的手的触感。

「はは、あの時はオレよりも類の方が居心地が悪そうだったな」
“哈哈,那时候类比我还显得更不自在呢”

そんなに緊張するならば仕方あるまい、まってろ!類!明日にでもすぐキスをしてやる!そう決心を固めて司は布団に潜り込んだのだった。
既然你这么紧张那也没办法,等着吧类!我明天就立刻亲你!怀着这样的决心,司钻进了被窝。


「類!!キスをするぞ!!」  "类!!我要亲你了!!"
「ぶっ」
放課後またあのベンチに座りながら、司は類にそう切り出した。類は飲んでいた緑茶を吹き出して咳き込む。
放学后再次坐在那张长椅上时,司突然对类这么说道。类把正在喝的绿茶喷了出来,呛得直咳嗽。

「え!?いま、そんなムードだったかい?!」  "诶!?刚才有那种气氛吗?!"
「ああ、オレは未来のスターだからな、ムードを作るのは当然だ」
"啊,我可是未来的明星,营造气氛是理所当然的"

「ムードは作れてなかったけれど…」  "虽然气氛根本没营造起来..."
控えめに突っ込んだ類は汚れた口をゴシゴシと袖で拭って、それから司の方を向き直った。
那个含蓄吐槽的家伙用袖子使劲擦了擦脏兮兮的嘴,然后重新转向阿司。

「いいのかい」  "可以吗?"
「ああ、恋人同士なのだから当然だ」  "当然,我们是恋人啊"
「……きみは、したい?」  "……你想做吗?"
類は頭を司の肩にトン、と置いた。顔は真っ赤なのに、照れている風には見えない。体と心が剥離しているようなちぐはぐな印象だった。
司将脑袋轻轻靠在类肩上。明明满脸通红,却看不出害羞的模样。身体与心灵仿佛割裂般,透着不协调的违和感。

「どういうことだ」  “这是怎么回事”
「君が僕で遊んでるの知ってるよ」  「我知道你在玩弄我」
「遊んでいる?」  "在玩吗?"
類は自嘲した。彼の声が心做しか震えているような気がする。
类自嘲地笑了。他的声音似乎带着一丝不易察觉的颤抖。

「反応を見て………楽しんでるんだよね?」  "看你的反应......很享受吧?"
類は人をよく見ている。その異常な精度の観察眼は天才ゆえなのだろうか。類の脳内がどれだけ浮ついていたとしても、芯の冷静な部分がいつでも存在していて、それはあっという間に真実を見抜いてしまう。
类很擅长观察人。那种异常精准的洞察力或许正是天才的特质吧。无论类的内心如何躁动不安,核心处始终保持着冷静,总能在瞬间看穿真相。

「確かにな」司は首肯した。その言葉を聞いても無言を貫き、しかし肩に自分を預け続ける類を見て司はこう思う。
"确实呢"司点头应道。即便听到这句话,类依然保持着沉默,但看着持续将身体重量倚靠在自己肩头的类,司这样想道。

別れようとは言わないのだろうかと。もちろん自分も別れるのは嫌だと思うが類はプライドの高い男だ。少しでも司にそう言った意図が見えていたら、類は司を切り捨てるのではないかと思っていた。しかしそうでは無い。
他会不会提出分手呢?虽然自己也绝不愿意分开,但类是个自尊心极强的男人。只要在司身上察觉到一丝这样的意图,类大概就会果断抛弃司吧。可事实并非如此。

柔らかい髪が風に吹かれてふわふわと靡く。司は類の頭を撫でながら呟いた。
柔软的发丝在风中轻盈飘动。司一边轻抚着类的脑袋,一边低声呢喃。

「ただ、キスしたいと思うのは類だけだ」  "只不过,会想接吻的对象只有类而已"
類がぴくりと反応した。それに構わず、司は頭を撫で続ける。
类的身体明显颤动了一下。司对此置若罔闻,继续轻抚着他的头发。

「ハグも好きだぞ!手を繋ぐのも、家族や冬弥と良くしたものだが……友達にはあまりしないだろう、恋人にしかしないものだ。それぐらいの分別はある」
“我也很喜欢拥抱!虽然和家人还有冬弥经常牵手……但和普通朋友不会这么做,这是只属于恋人的特权。这点分寸我还是懂的。”

「…うん」  “…嗯”
「不安にさせたな、すまん。正直な話をするとお前の反応をみるのは楽しいぞ。普段オレが振り回されてるのに、形勢逆転できるのはいい気分だ。ただ、もっと照れる反応を見たいと思うことなんて、生まれて初めてなんだ。…なあ、これじゃ満足できないか?」
"让你不安了吧,抱歉。说实话,看你这样的反应很有趣呢。平时总是我被你牵着鼻子走,现在形势逆转的感觉真不错。不过,想看到你更害羞的反应这种事,我还是有生以来第一次...喂,这样还满足不了你吗?"

類は顔を上げた。あまりにも様々な感情が渦巻いているせいだろうか、固く結んだ口とその自信なさげに下げられた眉、そして薄い膜の貼った瞳は、どう解釈して良いのかわからない不明瞭さが積み重なっているようだった。
他抬起头。或许是因太多情感交织的缘故,那紧抿的嘴唇、低垂的犹豫眉梢,以及覆着薄翳的瞳孔,层层叠叠地堆积着令人难以解读的混沌情绪。

「ひとつ誤解してるね」  “你有点误会了”
類は体勢を戻して司の方に身を寄せると、そのまま優しく司を抱きしめた。「誤解?」類のいささか早くなった心臓の音を聴きながら、司は問いかける。その言葉に類は小さく笑うと司の耳元でこう囁いた。
类调整姿势靠近司,温柔地抱住了他。"误会?"司听着类略显急促的心跳声问道。对此类轻声笑了笑,在司耳边低语道。

「僕の方がよっぽど君に振り回されてるよ、君が思う以上に、遥かに」
“明明是我被你耍得团团转,远比你想象的还要严重得多”

「………それはないだろう」  "……这怎么可能"
「ふふ、そんなことない、ことないさ」  "呵呵,没这回事,绝对没这回事"
その声があまりにも穏やかで、優しかったからだろうか。
或许是因为那声音太过温柔平静。

どうしても顔が見たくなって司は少し身動ぎをした。それに気づいた類の腕が名残惜しそうに司を離そうとする。類の手が司の耳たぶに悪戯っぽく触れたことで思わず司の体が跳ねた。
司无论如何都想看清对方的脸,便微微挪动身子。察觉到这点的莲恋恋不舍地松开环抱的手臂。当莲的手指顽皮地触碰司的耳垂时,司的身体不由自主地颤了一下。

もう随分と余裕そうじゃないかと思った。  看起来你已经相当从容不迫了。
司が類の表情をやっと端目で把握できた時。その時ふと、美しい満月のような金瞳が――――見たこともないぐらい鋭い興奮で染まっているのが見えた。
当司终于用余光捕捉到类表情的瞬间。忽然间,那双如皎月般美丽的金色眼瞳——正因前所未见的锐利兴奋而熠熠生辉。

それを肌で感じた瞬間、司の腰にゾクゾクとしたものが駆け抜けた。
当肌肤相触的瞬间,一股战栗感从司的腰间窜过。

「は…は?」  "哈…哈?"
その感覚に1番混乱したのは司だった。ポーカーフェイスの上手い類は、司をもう一度真正面から見る頃には、その激情をめっきり隠してしまっていた。混乱する司を置き去りにして類はにこやかに微笑む。瞳に写っているのは狼狽している司の姿だけだ。
最感到困惑的其实是司。当擅长扑克脸的类再次直视他时,早已将那份激情藏得无影无踪。留下混乱的司在原地,类却绽开明媚笑容。那双眼眸里倒映的,只有狼狈不堪的司。

見間違いかと思っていたが違う。  原以为是看错了,但并非如此。
思えば司はずっと赤面する類という全体像ばかり見ていた。彼が翻弄され、照れるという現象だけを認識していた。今まで『付き合っている』という実感が妙になかったのはそのせいか。自分のことを好きだと言う類の気持ちをやっと、やっと今実感出来た気がする。
回想起来,司一直只看到类容易脸红的整体形象。我只认识到他被戏弄得手足无措、害羞的现象。至今对"正在交往"这件事缺乏真实感,或许正是这个缘故。直到此刻,我才终于、终于真切感受到了类说喜欢我的那份心意。

ああそうだ、初めから目を見ればわかったのに。  啊对了,一开始看眼睛就该明白的。

こいつ本当に、オレで興奮してるのか。  这家伙真的会因为我就兴奋起来吗。

「るい、キスして」  "琉衣,吻我"
気づけば司は、そう口に出していた。  回过神来时,司已经脱口说出了这句话。
「え?」
「してくれないならいい」  “不愿意就算了”
類のネクタイを強引に引っ張る。思いっきり前方に引っ張られたことで体勢を崩した類の唇へ、司は自分の唇を重ねた。ガツンと音を立ててぶつかりあった唇の余韻を感じることなく、類は司をおしのける。
粗暴地拽住类脖子上的领带。被猛地向前一拉失去平衡的类,嘴唇就这样被司狠狠堵住。双唇相撞发出"啵"的声响,类还来不及感受这个吻的余韵,就用力推开了司。

「ッ!?」いつも以上に赤面しながら混乱する類を、司は上目遣いで見つめる。司の口の中にじんわりとした血の味が混ざる。自分はこの味を一生忘れることはないだろうと思った。
"呜!?"司抬眼凝视着比自己更加面红耳赤、陷入混乱的类。司的口中渐渐渗入鲜血的咸腥。他心想,自己这辈子都忘不了这个味道了吧。

「類、オレのことが好きなんだな」  "类,你是喜欢我的吧"
このプライドの高い男が自分に別れを切り出さなかった理由を、今もまだ腰に残る甘い余韻が証明していた。
这个高傲的男人没有提出分手的理由,此刻仍残留在腰间的甜蜜余韵就是证明。

そしてこの甘い痺れはきっと類だけしか、与えてくれやしないのだろう。
而这种甜蜜的麻痹感,想必只有类才能给予我。

「なんども、そういって……」  "都说了...好多遍了......"
「ああ」
今自分は酷くだらしない表情をしているに違いない。興奮しきった顔を隠しもしなかった。類の乱れたネクタイを手で遊ばせながら、強気な笑みを類に向ける。
此刻我的表情一定极其放荡不堪。我毫不掩饰自己兴奋到极点的神情,一边用手指把玩着凌乱的领带,一边朝对方露出强势的笑容。

「オレもすきだ、類」  “我也喜欢你,类”
「――――っ!………は、反則じゃないかい、それは」
"――――啊!………这、这不是犯规吗?"

喉を詰まらせながら答えた類に、司はとんでもないと首を横に振った。
喉咙发紧地回答的类面前,司难以置信地摇着头。

「反則なのは類の方だろう、なあ、類」  "犯规的明明是类吧,呐,类"
「…な、なに」  "…什、什么"
「こんな感覚初めて知ったから、もっと、したい…………いろんなこと」
"第一次体会到这种感觉,所以还想...继续...尝试更多..."

司本人もその発言をする時、それなりにドキドキはした。しかしその瞬間、類が不可解な行動を取ったことで司はドキドキを中断した。類が変なポーズをとっているのである。内股になって前屈みになって股間を押さえている。
司在说出这句话时,心跳确实加速了。但就在那一刻,因为类做出难以理解的举动,司的心跳戛然而止——只见类正摆出奇怪的姿势:双腿内八字前倾,双手紧紧捂着胯部。

「………何でそんなポーズしてるんだ?」  “…………你干嘛摆这种姿势?”
自分がこのセリフを言うとは思わなかった。司の当たり前すぎる疑問に、類は「ああああ!!!これは!その!」と聞いたこともないような大声で叫んだ。「ぼ、僕帰るね!!!」そういうと類は司の方を見ずに全力でダッシュして去っていった。
我从未想过自己会说出这种话。面对司过于理所当然的疑问,类用从未听过的巨大音量"啊啊啊!!!这个!那个!"地尖叫起来。"我、我先回去了!!!"说完这句话,类连看都没看司一眼就全力冲刺着逃走了。

「…………は?」  “………哈?”
しばらくの間状況を理解できず呆然としていた司だったが、しかし馬鹿ではなかった。ふむ、と腕を組みながら司は真実を口にした。
司一时茫然无措,无法理解眼前的情况,但他并非愚钝之人。他抱着双臂沉吟片刻,终于道出了真相。

「あのポーズ……あいつ勃起してたな」  "那个姿势……那家伙勃起了啊"
心なしか顔も青かった。外で勃起してしまったのだ、焦るに決まっている。しかし類が勃起しているなら話は早い。
他的脸色似乎有些发青。在外面突然勃起了,自然会感到慌张。不过既然类也勃起了,事情就好办多了。

「ふん、次はセックスだな!!!はははは!」  "哼,接下来该做爱了!!!哈哈哈!"
司は次のステージに進んで行った。…ありとあらゆるものを置き去りにして。
司就这样迈向了下一个阶段……将一切过往都抛在了身后。


「順調な……はずだったのに……」  "明明应该很顺利的……"
そうしてセックスを切り出したのが一昨日の話だ。そして今、司は類に突き放され、意味のわからないことに―――類は彰人と銭湯に行っていると言うのだ。
提出要做爱是前天的事。而现在,司被类冷冷推开,更莫名其妙的是——类居然说要和彰人一起去泡澡。

「おれは、おれはどうしてこんなことをしてしまったんだ…」
“我、我怎么会做出这种事来……”

自分の部屋のベッドに埋もれながら、司はウンウンと唸っていた。類が粗チンであると判明して、司も司で考えたことがある。もしそう言うことにトラウマがあるのだとしたら、その提案自体がきわめて申し訳ないことだった。類がたとえば彼女がいて―――セックスすることとなった時に「これじゃあ興奮しない」だなんて言われて類が傷ついた――――そのような過去が類にあったらどうしよう。そして司は自身のあまりの声のデカさのために全校生徒に類が粗チンであることをバラしてしまったのだ。デリカシーはあるつもりだった、しかしテンションが上がりすぎてこのようなことになってしまった。彰人にも申し訳がたたない。あいつはめちゃくちゃ笑っていたが。
司蜷缩在自己房间的床上,发出痛苦的呻吟。发现类可能是早泄男后,司也暗自思忖过。如果这件事对类造成过心理创伤,那自己提出的建议本身就极其失礼。万一类曾经有过女朋友——在发生关系时被嫌弃"这样根本兴奋不起来"而受到伤害——要是类有过这样的过去可怎么办。更糟的是,由于自己嗓门太大,现在全校都知道类可能是早泄男了。本想着要顾及他人感受,可情绪一上头就酿成了大祸。虽然彰人那家伙笑得前仰后合,但实在对不住他。

「別れようと言われても……仕方ない………」  “就算你说要分手……也没办法了……”
きっとそれは泣きたくなるほどショックなことのはずだ。
这一定是件让人想哭的打击。

「……まて、だから彰人と銭湯にいくなどといったのか」
"……等等,所以你才说要和彰人一起去澡堂吗"

―――自分から彰人に乗り換えるために?  ―――是为了主动换到彰人身边吗?

その瞬間、司は勢いよくベッドから這い出て身なりを整えると、家を飛び出した。「お兄ちゃん!?」心配そうな咲希の声が響く。
就在那一刻,司猛地从床上爬起,匆忙整理好衣着后冲出了家门。"哥哥!?"身后传来咲希充满担忧的呼喊声。

「すまない咲希!オレは今すぐ銭湯に行かねばならん!すぐ帰ってくるから、母さんに心配するなと伝えてくれ!」
"抱歉咲希!我现在必须马上去澡堂!很快就回来,告诉妈妈别担心!"

振られても仕方のないことかもしれない。手遅れでもいい、自己満足だとしても、類と話をしなければ。あの時彰人と相談したかったことの一番は、類が粗チンなどという話ではないのだ。――――どんな類でも受け止めるから、オレを信じてほしい。一人で悩まないで、何かあればオレも一緒に悩む権利をくれないかという願い。
或许被拒绝也是无可奈何的事。即使为时已晚,哪怕只是自我满足,我也必须和类谈谈。当时最想和彰人商量的,根本不是什么类尺寸的问题。——无论怎样的类我都愿意接受,所以希望你能相信我。别独自烦恼,遇到什么事能不能也赋予我共同承担的权利?

幸い彰人から、「ここにいます。嫌ってないって証明出来るもの送れたら送るんであんまり悩まないでくださいね。」というメッセージとともに、二人が行った銭湯のURLが送られてきていた。
幸好彰人发来了消息:"人在这里。要是有能证明我不讨厌你的东西就发给你,所以别太苦恼了",同时还附上了他们俩去的那家钱汤的网址。

「ああっくそ、類、るいーーー!!!」  “啊啊该死,类,类——!!!”



……………



ふふ、東雲くん、そんなにガチガチにならなくてもいいのに。
呵呵,东云君,不用这么紧张啦。

はい、60分で大丈夫です、ありがとうございます。東雲くんもそれでいいよね?長居する気はないって?まあそうだよねえ…ありがとうございます、支払いは電子でお願いします。
好的,60 分钟就可以,谢谢。东云君也觉得这样就行了吧?没打算久留?啊也是呢...谢谢,请用电子支付。

支払い完了したね、はい、ありがとうございます。  支付完成了吧,好的,谢谢。
はい、鍵。無くさないようにしてね?流石に紛失した鍵の代金は払ってもらうよ。ふふ、そんなにしっかり握りしめて…隠したりなんかしないよ。
给,钥匙。可别弄丢了哦?要是真丢了的话,可是要赔钥匙钱的。呵呵,握得这么紧...我不会藏起来啦。

え?それは疑ってない?…いい人だねえ君って。  咦?你居然不怀疑吗?…真是个好人呢。

…ん?皮肉かだって?いやいやそんなこと思ってなんかないさ、あの話だって男子高校生なら誰でも盛り上がってしまうものだ。ところであの時僕は瑞希と一緒にいたんだけどね……。そんなに顔面蒼白になってどうしたんだい?
…嗯?你说这是讽刺?不不不我完全没这么想,那话题只要是男高中生都会兴奋起来吧。话说当时我可是和瑞希在一起呢……你脸色怎么突然变得这么苍白?

ん?瑞希の反応?  嗯?瑞希的反应?

うーん、僕の顔と股間を交互に見てから、ちょうど今の君みたいな顔してたねえ。それから君たちがいる場所を探し当てるまで散々色んな人に見られて、笑われたよね。でも不思議と君たちがいる教室に近づく頃にはみんな…ん?どうしたんだいそんなに怯えて…。
嗯,他先是来回看着我的脸和胯下,然后露出了和你现在一模一样的表情呢。接着在找到你们所在位置之前,被各种各样的人围观嘲笑了好久。但奇怪的是,当我快接近你们教室时,大家突然都...咦?怎么吓成这样...

え?ごめんなさい?謝ることないさ、怒ってないんだよ本当に。ただ君が司くんに「俺にしとくか」って言ってたじゃないか。
诶?抱歉什么啊,根本不用道歉,我真的没生气。只是你刚才对司君说了"要不跟我做吧"这种话对吧?

ふふ、そんなに首を横に振らなくてもいいよ、冗談なんだろう?
呵呵,不用这么拼命摇头啦,是开玩笑的对吧?

司くんは僕のペニスがどうであろうと好きだって言ってくれた、それだけで僕は充分嬉しいんだよ。それと繋がるけど…君を銭湯に誘ったのは他でもない、僕の悩みを聞いて欲しいんだよ。
司君说过无论我的阴茎怎么样都会喜欢我,光是这句话就让我很开心了。话说回来...我约你去澡堂不为别的,是想让你听听我的烦恼。

あ、スマホはちゃんと直しておくんだよ。最近のスマホは丈夫だけど濡れるのはやはり機械に悪いからね。たまに風呂あがりに濡れた手でスマホ触ったりするのも控えた方が…あれ?これやってるの僕だけなのかな?最近のスマホってすごいよね。感度がいいから水に濡れていてもすぐ反応してくれるんだ。たまーに変なところ押しちゃう時もあるけどね。
啊,手机要好好修好哦。最近的手机虽然很结实,但沾水对机器还是不好。偶尔洗完澡用湿手碰手机也要尽量避免……咦?难道只有我会这么做吗?现在的手机真厉害啊。灵敏度很高,就算沾了水也能立刻有反应。偶尔也会误触到奇怪的地方呢。

…あ、ここで着替えるんだね。ところでこういうところに行くと人の体を見てしまわないかい?鍛え上げられた体を見るとどんなメニューにしているのかなとか考えてしまうよね。…あ〜ネクタイを緩めるとさ、解放された気がするよね。僕はあんまり締め付けるような服が好きじゃなくて、中学時代の頃からネクタイは緩めてたな。流石にショーの時はきちんと締めるけれど。
…啊,在这里换衣服啊。话说去这种地方不会看到别人的身体吗?看到锻炼得很好的身材就会想他们平时都练些什么项目呢…啊~松开领带的时候,有种解放的感觉对吧。我不太喜欢勒得太紧的衣服,从中学时代起就一直把领带松着。不过演出的时候当然会好好系紧啦。

ん?脱がないの?……はは、僕はあとズボンと下着を脱いだらそれで終いだけど、君はどうなんだい?そんなに気になるかい?あーやっぱり恥ずかしいな……じゃあ脱ぐけど引かないでね。
咦?不脱吗?……哈哈,我只要再脱掉裤子和内裤就完事了,你呢?这么在意吗?啊果然还是好害羞……那我脱了可别躲开哦。


「………でッッエ…!?」  "……什、什么……!?"
彰人はもはや悲鳴をあげていた。  彰人已经发出了悲鸣。
勃起してなくてそれかよ!  连勃起都没有就这?!

その様子を、類は微妙な表情で見つめていた。  类用微妙的表情注视着这一幕。




彰人が衝撃の事実を見てしまった後、ここで屯するのもということで温泉に入ることになった。自分の方が引き締まった体はしているが、神代センパイもそこそこ鍛えているんだなとわかる肉体美だ。股間に生えているものはあまりに物騒だが、そんなものをつけている本人は綺麗な顔はしているため、そのグロテスクさがアンバランスすぎると思った。
彰人目睹了令人震惊的事实后,觉得在此处徘徊也不是办法,便决定去泡温泉。虽然自己有着更为紧实的身材,但看到神代前辈那经过适度锻炼的健美体格时,也不得不承认其魅力。只是胯间那过于骇人的物件实在令人不安——偏偏佩戴着这般狰狞之物的本人却生得一副清秀面容,这种极不协调的怪异感让他不禁皱眉。

そんな評価も程々に湯がある扉を開いた瞬間、その目の前を通り過ぎた1人の中年男性が、神代センパイの股間を見て――――悲鳴をあげたのである。中年男性が出したとは思えない「ひゃ」という声だ。思わずガン見してしまった類と彰人の目線に耐えきれなくなった中年男性は口を抑えると、自分の股間をタオルで隠しながら逃げるように入口から遠い所の温泉に浸かった。
这种评价也适可而止吧。当拉开蒸腾着热气的门扉瞬间,一位擦肩而过的中年男性瞥见神代前辈的胯下——竟发出了惊叫。那声不似中年人会发出的"咿呀"尖叫。忍不住直勾勾盯着看的中年男性终究抵不住彰人的视线,捂住嘴巴用毛巾遮住下身,逃也似地钻进远离入口的温泉池里。

「……………」
「……………」  "……………"
しばらく無言のまま2人は体を洗っていく。神代センパイのとなりに座っていた幼い男の子が神代センパイの股間を無遠慮にのぞきこみ、叫んだ。素直な尊敬の込められた「おおっーー!!」に、周囲の人間がなんだなんだとこちらに視線を向けてくる。
两人无言地继续清洗着身体。坐在神代前辈身旁的小男孩毫不避讳地窥视着他的胯间,突然惊呼出声。那声充满纯粹敬意的"哇啊——!!"引得周围人纷纷投来好奇的目光。

彰人は思った。アイドルか?このセンパイは。  彰人暗自思忖:这位前辈莫非是偶像出身?
「………」
「………」
類は苦笑いしながら彰人へ目配せした。  类苦笑着向彰人使了个眼色。
視線、目線、感嘆。最早古代中国の皇帝のお出ましかなにかのように神代センパイが歩く度に全員が神代センパイを――――いや正確には神代センパイの股間を見る。チラチラと見てバレないようには気をつけているんだろうが視線はしっかりと股間にいっている。彰人でも分かるのだ、その視線を感じている神代センパイはもっと自分の股間の注目度を分かっているはずだ。
视线交错,目光灼灼,惊叹连连。每当神代前辈走过时,众人就像迎接中国古代皇帝驾临般齐刷刷地注视着他——准确说是盯着他的胯下。虽然都装作不经意地偷瞄以免被发现,但那些火辣辣的视线分明都聚焦在同一点。就连彰人都能察觉到这份灼热,被视线包围的神代前辈想必更清楚自己裤裆此刻受到的关注度。

なんで温泉いこうなんて言い出したんだこの人。やっぱり自慢なんじゃないのか。
为什么这个人会突然提议去泡温泉。果然是在炫耀吧。

そんな疑ってかかる彰人の様子を知ってか知らずか、類は口を開いた。
彰人那副疑神疑鬼的模样,类不知是没察觉还是佯装不知,径自开了口。



神代類は神に愛された男である。体格も顔も頭も良く、健やかな体に優しい両親、美しい声も才能も、兼ね備えている。類は自分の生まれ持った才能について満足していたし、それを振り翳すこともまったく厭わなかった。
神代类是被神明宠爱的男人。体格、容貌、头脑俱佳,健康的体魄与温柔的双亲,美妙的嗓音与过人的才华,全都集于一身。类对自己与生俱来的才能感到满足,也从不吝于将其展露无遗。

凡人のくだらない嫉妬が足を引っ張ったとしても、類はそれ以上の才能で全てを蹴散らしてきた。邪魔なものはいらない、必要なものしか欲しくない。
即便凡人的无聊嫉妒会拖后腿,天才也总能以更卓越的才华击溃一切障碍。不需要碍事的东西,只渴望真正所需之物。

そして、類の人生に必要なのはショーだけだ。  类的人生只需要表演就够了。

―――――自分の演出が他人を怖がらせることを学んだあの日から、自分はずっと孤独だ。しかし他者からの理解が及ばないほどの発想力をセーブはしなかった。自分自身を曝け出して何が悪いのだろう。何故自分自身を隠さないといけないのだろう、何故馴染めない、人とは違う自分自身を恥じないといけないのだろう。何故人は誰々が変わっているだなんて、そんな当たり前でくだらないことを噂話の種にするのだろう。
————自从那天明白自己的表演会吓到别人后,我就一直孤独着。但从未压抑过那些超出常人理解范畴的奇思妙想。展现真实的自己有什么错呢?为什么必须隐藏自我?为什么要为无法融入群体、与众不同的自己感到羞耻?为什么人们总爱把"某某很古怪"这种理所当然又无聊的事当作谈资?

何十億人もいる中で全員がまったく同じである方がおかしいじゃないか。
在数十亿人中,所有人完全一模一样才更奇怪吧。

日本人男性の勃起時の平均サイズは約13㎝。自国の男性の70%は仮性包茎。男性のほとんどは他人の陰茎のサイズがどうやらなんやらをとても気にするらしい。類がそれに気づいたのは中学時代の時であった。
日本男性勃起时的平均尺寸约为 13 厘米。本国男性中 70%为假性包茎。大多数男性似乎非常在意他人阴茎的尺寸。类意识到这一点是在中学时代。

その当時――――中学の最高学年になる頃には、類は仲間を探すことに諦めきって、心身ともにすさんでいた。誰とも会話することも無く食事すら1人の生活。瑞希が屋上に居ない日は誰とも喋らず一日を終えることも少なくない。机上の紙に新たな演出案を無感動なまま書き記す毎日を過ごす類の耳に入ってくる言葉は、同級生からのくだらない噂話や、ありもしない誹謗のみである。
那时——升上初中最高年级之际,类已经彻底放弃了寻找同伴,身心都变得颓废。不与任何人交谈,连吃饭都独自一人。瑞希不在天台的日子,类经常一整天都不和任何人说话。每天机械般地在纸上写下毫无激情的演出方案,传入类耳中的只有同学们无聊的闲言碎语和子虚乌有的诽谤。

それに慣れきってしまった頃、トイレで男子の視線が自分の下の方、つまり股間に集まっていることに気づいた。
当我逐渐习惯这一切时,却在厕所里发现男生们的视线都聚焦在我的下半身——确切说是两腿之间。

慣れた手つきでベルトを弛め、緩くなったズボンや下着を少しおろし、自分の陰茎を取り出すという一連の動作。そうしている最中にふと視線を感じて横を見てみると、普段類のことを散々言っていた同級生が、自分の一物を見てギョッとした目付きをしていた。
他熟练地松开皮带,将松垮的裤子和内裤稍稍下拉,掏出了自己的阴茎。就在这一连串动作间,忽然感到有视线投来,侧目望去,发现那位平日里总爱对此类事情评头论足的同班同学,正盯着自己那话儿露出惊愕的眼神。

「え…………でっか……」  "诶…………好大……"
普段お調子者だった同級生からは想像もつかないような、小さい声だった。彼は、視線に気づいた類が胡乱げな目をするのにも気づかないまま、感嘆の声――――いや敗北の声を上げていた。彼はそれから意気消沈したように小便をする自分の一物をゆるゆると撫でるように触っている。
平日里那个总是嬉皮笑脸的同学,此刻却发出了令人难以置信的微弱声音。他甚至没注意到旁人投来的狐疑目光,只是发出了一声叹息——不,那更像是认输的哀鸣。随后他失魂落魄地抚摸着自己排尿时软垂的阳物,动作迟缓而无力。

その後もしばらく同級生の彼は類の陰茎をみては自分の陰茎と照らし合わせていた。
此后一段时间里,同班的他每次看到类的阴茎都会与自己的进行对比。

「し、しかも……ズルムケ………………」  「而、而且……滑溜溜的………………」
いちばん大きな違いと言えば、その同級生は皮を被っていたが類は勃起していなくても皮を被らず亀頭が露出している状態であったことだろうか。しかしそれも両親が衛生面を考慮して類が幼い頃に包茎手術を受けさせていたからだ。
要说最大的区别,大概就是那位同学还包着皮,而类即使不勃起也保持着龟头外露的状态。不过这都归功于父母出于卫生考虑,在类幼年时就让他接受了包茎手术。

「デカすぎだろ……」  「这也太大了吧……」
ショックを受けている同級生の反応を見ても、類は特に何も思わなかった。普通の男子中学生ならドヤ顔のひとつでもするだろうが、類にとって自分の陰茎は見慣れたものだったし類の父親もこれぐらいのサイズだったからだ。
看着受惊同学的反应,类内心毫无波澜。若是普通初中男生大概会露出得意的表情,但对类来说自己的阴茎早已看惯,况且父亲也是这般尺寸。

この同級生が小さいだけだろう、そもそも陰茎がデカいだの小さいだの論じることになんの意味があるのだろうか?どうしてショックを受ける必要があるのだろうか、一人一人遺伝子が違うのだから、身長が高かろうが低かろうが陰茎がでかかろうが小さかろうが気にする事はないはずだ。それは仕方のないことだからだ。
这个同学只是尺寸小些罢了,讨论阴茎大小本身有什么意义呢?何必因此受打击呢?每个人的基因都不同,无论身高是高是矮、阴茎是大是小,都不该为此纠结。这本就是无可奈何的事。

類はその時は特に何も考えず、しかし小さな居心地の悪さを感じながらも黙ってその場を後にした。
类当时并未多想,只是隐约感到一丝不适,便沉默着离开了那里。

そんなことがあった次の日、類がトイレに行くと、男子生徒が何人かがニヤニヤしながらその後ろを着いてきた。最初こそ意味がわからなかったが何回もやられると類にも流石に察するものがあった。男子生徒が小便器に立つ類を挟み込むように立ち、そして類の下半身に視線を寄せると、途端にその余裕ぶったにやにやした顔が一気に真顔なり顔面蒼白なり変化し、ちょっかいをかけようとしたその口を固結び、項垂れながら去っていく…そんな光景がしばらく続いたのである。
第二天发生那件事后,当类去上厕所时,几个男学生嬉皮笑脸地跟在他身后。起初类还不明白怎么回事,但被反复骚扰后终于察觉到了异常。那些男生会挤到站在小便池前的类两侧,视线往他下半身一瞥——转瞬间那些游刃有余的嬉笑表情就会突然凝固,要么面如死灰要么脸色煞白,原本想挑事的嘴巴像被打了死结,耷拉着脑袋落荒而逃……这样的场景持续了好一阵子。

「なんなんだ、これは……」  "这到底......"
類は頭を抱えていた。他人の陰茎なんぞみて何がそんなに面白いのか類には理解できなかった。類が入ってないLINEグループか、はたまた口頭でなのかは定かではないが要するに『自分の陰茎がでかい』ということが男子の間で広まったのだろう。
类抱着头苦恼不已。他实在无法理解,看别人的阴茎到底有什么好玩的。虽然不确定是通过他没加入的 LINE 群组还是口头传播,总之"自己的阴茎很大"这件事似乎在男生之间传开了。

自分はそのネタに対して鷹揚に対処もできなければ、自分自身の纏っている雰囲気や、元々の、神代類は得体の知れない人間という評価が、その噂に口を挟むことすら遠ざけてしまう。そもそもやめて欲しいと言ってやめてくれるだろうか。
我既无法对此类话题泰然处之,自身萦绕的氛围以及原本就背负着"神代类是个难以捉摸之人"的评价,更让我连插嘴澄清的勇气都没有。说到底,就算要求他们停止,真的会有人听吗?

とりあえず騒ぎが落ち着くまで大便器で用をたそうと決めた類だった。
总之,类决定在骚动平息之前先蹲在马桶上解决内急。

しかし。

「つくんだよ……」  “要去了……”
座って用を足そうとすると、亀頭が便器の底につくのである。だからと言って立って用を足そうとすると飛沫をあげるので凄まじく不衛生である。両親は衛生的でいられるように自分に包茎手術をしたというのに、まさかここで不衛生という壁にぶつかるだなんて想像もしなかった。全く本末転倒である。同じような悩みを持っているであろう父に相談しようにも、当時類は思春期まっただなかである。
一坐下如厕,龟头就会碰到马桶底部。可要是站着解决,又会溅起水花极不卫生。父母明明是为了卫生才给自己做了包茎手术,没想到竟会在这里遭遇卫生难题。简直本末倒置。想找可能有同样烦恼的父亲商量,可类正值青春期最敏感的年纪。

「無理だ………」  "没辙了......"
類は頭を抱えた。  类抱住了脑袋。

同級生たちが類のペニスを見るのと同時に、類が同級生たちのペニスを見てしまうことも増えたが、類はそこで自身の今までの考えを改めた。
同学们看到类阴茎的同时,类也越来越多地看到同学们的阴茎,但类在此刻彻底改变了自己以往的想法。

自分の陰茎のサイズは規格外であると。  我的阴茎尺寸超出常规标准。
そもそも男性の勃起時の平均が13㎝ほどであるが、類は弛緩時でも16cmはあった。あの騒動があってからふとした興味から測ってみた結果、勃起時には23㎝を超えることも判明した。
一般来说男性勃起时的平均长度约为 13 厘米,但类在松弛状态下也有 16 厘米。自从那次风波后,出于偶然的兴趣测量发现,勃起时甚至能超过 23 厘米。

確かにでかいかもなと類は思った。義務抜きをしている最中も自分のヘソの上あたりまで亀頭がくるのである。太さもそれなりにあった、大体6㎝ほどか。トイレットペーパーの芯どころの騒ぎでは無い。
类确实觉得可能有点大。在自慰过程中,龟头能顶到自己肚脐上方位置。粗细也相当可观,大约有 6 厘米左右。这可不是卫生纸卷芯那种程度的小打小闹。

普通に考えれば誇らしいことかも知れない。普段から類を遠巻きにしている連中に一泡吹かせてやれるチャンスなのだから。しかしそもそも人に興味がないのももちろん理由としてあったが、この度同級生に揶揄われて、やっと今までの不満が輪郭を成してきた。
按理说这或许是件值得骄傲的事。毕竟能让那些平时就避之不及的家伙们大吃一惊。不过说到底,我对他人本就缺乏兴趣也是原因之一,但这次被同班同学嘲弄后,积压至今的不满终于有了清晰的轮廓。

類は自分の巨根をまったく自慢しようとは思わなかった。理由なんぞひとつだった。
类从未想过要炫耀自己的巨根。理由只有一个。

――――最悪、だからである。  ————最糟糕的是,正因为如此。

類にとって巨根であることは、男子としての誇りでもなんでもなかった。人と違うと悩んでいたが、まさかここまで違うだなんて思いもしなかった。そもそもでかいことに価値なんてないだろう、邪魔なだけだ。
对类来说,拥有巨根并非作为男性的骄傲。虽然曾因与众不同而烦恼,但没想到竟会差异到这种地步。说到底,尺寸大根本毫无价值,只会碍事罢了。

そうだった、そうだ。  原来如此,是这样啊。
まずポジションに苦労する。自分の股間に常に弛緩時16センチのものがぶらついているのだ。モゾモゾしながらチンポジを治す惨めさったらない。ボクサー型のパンツは陰茎と玉がパンツからはみ出してしまうし、通気性が悪い為汗をかいたら太ももに玉が張り付くのである。その不快感ったらない。トランクス型だと素材が柔らかすぎてチンポジを直しても直ぐに戻って苦労する。
首先在姿势调整上就够呛。胯下总是晃荡着一条松弛状态下长达 16 公分的家伙。一边扭动身子一边调整老二位置的窘态简直难以言表。穿四角内裤时阴茎和蛋蛋会从裤边溢出来,而且透气性差,出汗后蛋蛋就会黏在大腿上——那种不适感简直要命。换成三角内裤又因为面料太柔软,刚调整好的老二位置马上又会跑偏,实在折腾人。

服装も気をつける必要があった。ショーの服はラインに沿ったピッタリとしたものが多いが、もうチンポジに悩むとかいうレベルではない。そのままにしても死、対応しても死。そもそもでかいのでどこにポジションがあっても邪魔すぎる。ショーの衣装を着る時なんぞ汗水たらたらである。もちろん対処しているが。
着装方面也得格外注意。演出服大多是根据身材线条设计的紧身款,这已经不止是调整老二位置的级别了。放任不管会完蛋,刻意处理也会完蛋。毕竟尺寸摆在那里,无论摆什么位置都太过碍事。每次穿演出服都汗如雨下。当然我自有应对之法。

一度ピッタリとしたズボンを着て出かけた時、視線が気になることに気づいた。女より、同性の男の視線が類の股間に刺さる。男同士だからこそ『デカイ』事がわかるのだろう。カップルのうちの男が類に―――類の股間に気づいて、女を類から遠ざけていた。
有一次穿着合身的裤子出门时,我注意到周围投来的视线。比起女性,更多是同性的男性目光直刺我的胯下。正因为都是男人,才更清楚什么是"大尺寸"吧。有对情侣中的男性注意到类——准确说是类的胯间,立刻把女伴从类身边拉开了。

「それはいささか失礼すぎないかい」  “这未免有点太失礼了吧”
確かに自分は今私服で、中学3年の頃には175cmを超えていたから成人に見られることは多々あった。それなりに整った外見だと類自身も認識しているし、いままで大人の女性から性的に誘われたりしたこともあった。
确实,我现在穿着便服,初三时就超过了 175 厘米,经常被误认为是成年人。我自己也清楚自己外表还算端正,至今为止也多次被成年女性以性暗示的方式搭讪过。

別に、恋人を取るわけでも自慢したい訳じゃないのに。
明明既不是为了抢走恋人,也不是想炫耀什么。

ぼそっと漏らした類の声は誰にも届かず消えた。  喃喃自语般的声音无人听闻便消散了。


授業中に勃起し始めた時はなんぞ正真正銘最悪だ。  上课时突然勃起绝对是货真价实的最糟糕体验。
自身の性欲が強いのかはたまた生理現象なのは知らないが、たまに学校で、特に不埒な妄想をしているわけでもないのに勃起することがある。緩く立つ程度であるが、20センチほどの棒が屹立するのである。類はその時ばかりは演出のことを何も考えられなくなり、先生に当てられないことを心の底から願いながら股間を抑えるしかなくなってしまう。そうだった、あまりに当たり前の苦労すぎて忘れていたが、皆はそんなに困ったりしないのだろう。
不知道是因为自己性欲太强还是生理现象,偶尔在学校里,明明没在想什么下流的事情,却会突然勃起。虽然只是半硬状态,但 20 厘米左右的肉棒就这么直挺挺地立着。每到这种时候,类就完全顾不上考虑表演的事,只能拼命按住裤裆,从心底祈祷老师别点自己回答问题。对了,这种理所当然的烦恼太过平常,以至于都忘记了——大家应该都不会为这种事困扰吧。

思えば銭湯にもあまり良い思い出がない。類には彰人と行った時とは違う、中学時代行きつけの銭湯があった。
回想起来,我对澡堂也没什么美好记忆。与和彰人同去的那家不同,中学时常去的那间澡堂另有一番滋味。

しかしそこがいつの間にかハッテン場と化していたことを類は知らなかった。(――――類は知らないことだが、「めちゃくちゃちんぽの大きい男がいる。しかも右耳にピアスをしている」という情報が地元密着の掲示板で広まったことが原因である。)
然而类并不知道那里不知何时已变成了猎艳场所。(——虽然类并不知晓,但起因是当地论坛流传着"有个家伙鸡巴大得离谱,而且右耳还戴着耳钉"的消息。)

いつも通り服を脱いで、痛い視線を掻い潜りながら湯に使っていると、ふと類が来る前から湯船に浸かっていた男が、類にとんでもなく近い距離まで迫っていることに気づいた。
像往常一样脱掉衣服,忍着刺痛的目光泡进浴池时,突然发现有个在类来之前就泡在浴缸里的男人,已经逼近到离类近得离谱的距离。

パーソナルスペースが皆無な男と、パーソナルスペースが広すぎる類とで左右に動いたり前後に動いたりの勝負が始まったが、遂に端に追い詰められてしまった。
一个毫无个人空间概念的男人,和一个个人空间范围过大的家伙,开始了一场左右移动前后晃动的较量,最终我被逼到了角落。

「………」
あまりの恐怖に無言の類に、男は言葉をなげかけた。  恐惧到失语的我,听见男人抛来话语。
「ねえきみ、かっこいいねえ」  "喂,你可真帅啊"
男は類の太ももを無遠慮に撫でた。背筋に悪寒が走ったが体が動かない。男が類の耳元で呟いた。
男人毫不客气地抚摸着类的腿。脊背窜过一阵恶寒,身体却动弹不得。男人在类耳边低语着。

「今夜、どう?」  "今晚,怎么样?"

男の股間を蹴り飛ばして急いで銭湯から出る。  我猛踹向男人胯下,慌忙冲出澡堂。
ゲッソリしながら家路につこうとしたとき、幼い子の何気ない言葉に傷ついたりもした。いつも通り自分の陰茎をガン見していた子供と、道端で会ったのだ。その時には疎遠になっていた寧々も偶然その場にいた。
正当我垂头丧气准备回家时,却被孩童无心的话语刺痛。那是个总爱直勾勾盯着我下体看的孩子,我们在路边偶遇。当时已与我疏远的宁宁也碰巧在场。

「あーー!あの時の!」  "啊——!就是那时候的!"
小さい男の子が自分に駆け寄ってくる。緩く笑いながら子供を迎えようとする類に、子供が純粋な一言をあびせたのである。閑静な住宅街に響く子供の無邪気でわんぱくな声。
一个小男孩朝自己跑来。正想露出温和笑容迎接那孩子时,孩童纯真的话语已如雨点般落下。宁静住宅区里回荡着孩子天真顽皮的欢叫声。

「おちんちんのでっかい男の人だーーーー!!!!」  "这家伙的鸡巴好大啊啊啊啊啊!!!!"
「えっ………こ、こら!たくや!!そんなこといっちゃだめでしょ!!!」
"诶……喂、喂!拓也!!这种话怎么能乱说啊!!!"

「えーん!だって…」  "呜哇!可是..."
「えっ、るい、っぶ…っぐブッ!!!!!!」  "啊、类、唔...呜咕!!!!!!"
「………………」


「ああ、それから最悪なことはまだあって」  "啊,还有更糟糕的事情"
体を洗ったあと湯船にゆったりと浸かりながらつらつらと語り続ける類の話を、途中から彰人は真剣に聞き入っていた。正直ここまでの苦労があるなんぞ思ってもいなかったからだ。特に草薙にバレた時だとか銭湯で男に引っ掛けられそうになったエピソードなんか最悪だ。と思ったりもしたが今度は粗チン疑惑を全生徒から向けられているのだからこのセンパイは不憫すぎる。
泡完澡后,我正悠闲地浸在浴缸里絮絮叨叨地讲着这类话题,彰人却从中途开始认真倾听起来。说实话,我完全没想到会经历这么多波折。尤其是被草薙发现的时候,还有在澡堂差点被男人搭讪的经历,简直糟透了。虽然这么想着,但此刻这位学长正被全校学生怀疑尺寸问题,实在可怜过头了。

最初こそ正直自慢に思えてしまっていた彰人だが、他人に興味のない神代センパイにとってこれは自慢にも何にもならない、れっきとした悩みなのだろう。エピソードが壮絶すぎて途中から笑えない。神はなんてものをこの高校生に背負わせてしまったんだ。
起初彰人还为此暗自得意,但对他人毫无兴趣的神代学长而言,这根本算不上值得炫耀的事,反而成了确凿的烦恼。剧情发展过于惨烈,看到中途就笑不出来了。神明究竟让这个高中生背负了怎样的重担啊。

体を洗ったあと湯船に浸かって、これまでの巨根故の苦労話を永遠に聞かされ続けていた訳だが、彰人は「巨根はそれなりに羨ましいし誇らしい」という考えを改めた。
泡完澡浸在浴缸里,被迫听他絮絮叨叨讲述这些年因为那根巨物吃尽的苦头,彰人这才重新认识到"拥有巨根其实挺让人羡慕又自豪"。

男子がちんぽの大きさでマウントをとる、ちんぽの大きさで男らしさを図る、なんとなく尊敬される。そのような風潮があることは否定出来ないだろう。
男人用那话儿的尺寸来彰显优越感,用那话儿的尺寸来衡量男子气概,莫名其妙就能获得尊敬——这种风气确实难以否认吧。

しかしここまで自慢のような事を言われても、彰人はまったく悔しくも何ともならなかった。だってここまでいってしまった巨根は、無用の長ブツであることが分かるからである。完全に要らないのである。自身の勃起時16㎝は確かに誇れるが23cmまで言ってしまうとそれは最早凶器だ。それに自分はファッションにもこだわる質だから、話を聞く限りこうやって服の種類さえも制限されてしまうだなんてとんでもない話だった。
然而即便对方如此炫耀,彰人心中也毫无不甘。因为他深知,巨根到了这种程度不过是无用之物。完全是多余的。自己勃起时 16 厘米确实值得自豪,但若达到 23 厘米那简直堪称凶器。更何况自己向来注重穿搭风格,听闻对方连服装款式都会因此受限,简直是荒谬至极。

女を取るような奴だと勘違いされるというのも最悪である。
被误以为是会抢走女人的家伙真是糟透了。

「なんか…『自分は人間と仲良くしたいのに強大な力を持つが故に謙遜されたり畏怖されたりするせいで人間と仲良くなれない怪物』みたいっすね」
“总觉得…‘明明想和人类好好相处,却因为拥有过于强大的力量而被疏远或畏惧,导致无法与人类亲近的怪物’这种感觉呢”

「うん、僕の十八番だね」  “嗯,这可是我的拿手好戏”
「………」


「苦労してんすねセンパイ」  “前辈您可真辛苦啊”
彰人は天使の笑みを浮かべながら、慰めるように類の肩に手を置いた。それと同時に彰人は司の股間を心配していた。正確に言うと心配と言うより、最早「早く逃げた方がいい」という警告をしてあげたくなった。
彰人带着天使般的微笑,安抚似地将手搭在司的肩上。与此同时,他其实更担心司的胯下——准确地说,与其说是担心,不如说是想发出"再不逃就来不及了"的警告。

ケツの穴に23cm太さ6cmのちんぽが出し入れなんてされた日には痔になるどころか股から裂けて死ぬ。司も鍛えてはいるだろうがケツの穴や粘膜まで鍛えられる訳ではあるまい。口で慰めようにも顎が外れるだろう。
要是让 23 厘米长、6 厘米粗的巨物在后庭进进出出,别说得痔疮了,怕是会直接裂胯而亡。就算司平时有锻炼身体,但后穴和黏膜总不可能也练得刀枪不入。想用嘴安慰的话,恐怕下巴都要脱臼吧。

正直、恋人にはしなくないタイプだ。  老实说,这不是我想对恋人做的事。

あまりの巨根は嫌われる、あの検索履歴の謎もわかった。『陰茎 小さい 好まれる』『陰茎 小さい メリット』というのは巨根を今まで隠していたセンパイが司センパイに嫌われると思って焦って検索してしまったものだろう。『陰茎 大きい デメリット』というのは、これまたよくある傷に塩を塗り込むような行為だ。不安な時によくやってしまう、誰にでもあるものだ。『愛撫だけ』も、巨根を見せたくない神代センパイにとっては最終手段だったのだろう。このセンパイは巨根が好かれないことを知っていたのだ。
过于巨大的阳具会遭人厌恶,那段搜索记录之谜也解开了。"阴茎 小 受欢迎"、"阴茎 小 优点"这些关键词,想必是那位一直隐藏巨根的前辈担心被司前辈讨厌而慌张搜索的吧。至于"阴茎 大 缺点",则又是常见的往伤口上撒盐行为。人在不安时总会这么做,谁都有这种经历。而"仅爱抚"对不愿展示巨根的神代前辈而言,恐怕也是最后的无奈之举。这位前辈早就知道自己的巨根不受欢迎。

彰人はちゃぷちゃぷと湯を遊ばせながら、シンプルな疑問を口にした。
彰人一边哗啦哗啦地拨弄着洗澡水,一边抛出了个简单的疑问。

「それだったら、ちゃんと言ったらいいじゃないですか」
“要是那样的话,好好说出来不就好了”

「ちゃんと?」  "真的吗?"
「…いや神代センパイが…デカいって」  "…不是,神代学长他…太大了"
そういうと類はしばらく思案したような動作の後、ゆったりと笑いながら言った。
说完这句话后,类沉思了片刻,随后舒展眉头轻笑着回应。

「正直ここまで早く司くんが僕と…えっちするなんて言うと思わなくてね」
"说实话,我没想到司君会这么快就提出要和我…做爱呢"

生々しい話になってしまったことを後悔しながら、それでも彰人は真剣に聞いていた。うんうんと頷く彰人に類は続ける。
虽然对话题变得如此露骨感到后悔,但彰人依然认真地听着。看着频频点头的彰人,类继续说了下去。

「ほら、僕のものを受け入れるってなったら、それ相当の開発はしないといけないだろう?司くん、そういうの鈍そうだから僕がなんとなーく誘導してあげようかな?って思ってたんだけどね」
“你看,既然要接受我的东西,不好好开发一下可不行吧?司君,你看起来对这种事很迟钝的样子,所以我在想是不是该由我来稍微引导你一下呢?”

なんでもない事のようにニッコリと笑った類に、彰人はゾクリとした。
彰人看着类若无其事地露出微笑,不由得打了个寒颤。

「アンタ恐ろしすぎませんか」  "你也太可怕了吧"
彰人は思わず、間髪入れず突っ込んだ。いままでの冗談ぶって湛えていた笑みは、彰人から消えていた。
彰人忍不住脱口而出。先前还佯装玩笑的笑容,此刻已从他脸上消失殆尽。

つまりなんだ、この男は元々、司センパイを抱くつもりだったのだ。自分がそういう特徴であることを承知で、司センパイを組み敷こうとしていたのだ。
简单来说,这个男人原本就打算占有司前辈。明知自己有这种癖好,却还企图将司前辈压在身下。

「あんた、本当に」  “你,真的”
「司くんを愛してるのかって?」  "你问...我爱不爱司君?"
温度が下がった。暑い湯船に浸かっているはずなのに、彰人の背筋に冷たいものが走った。
温度骤降。明明泡在滚烫的浴缸里,彰人的脊背却窜过一阵寒意。

「随分失礼な上に…愚問だね、うんもちろん、愛してなければ抱きたいとも思わないよ」
"真是既失礼又...愚蠢的问题呢。嗯当然,如果不爱的话根本不会想抱他啊"

「…そうですね、アンタはそういう人です」  “…是啊,你就是这种人”
「だろう?」  "对吧?"
「普通なら、アンタは抱かれる側にまわるべきです。負担がデカすぎる。それに司センパイの純粋な部分に付け込もうだなんて罪悪感ってもんがないんすか」
"正常情况下,你应该当受方才对。负担太大了。而且居然想利用司学长的纯真部分,你难道就没有罪恶感吗?"

「………たしかにね?」  "……确实呢?"

自分も神代センパイほど大きくは無いとしても、それなりに大きい自信はある。16㎝ほどのサイズになると女子に断られることも多いと聞く。なぜなら裂けるからだ。もちろん丁寧に愛撫していればそんなことはならないとは言え、まだ経験の浅い男にそのような我慢ができるとも思えない。特に神代センパイは欲望に忠実な側面がある。
虽然我的尺寸也不及神代学长那般夸张,但对自己的大小还算有自信。听说 16 厘米左右的尺寸经常会被女生拒绝。因为会撕裂。当然如果能温柔爱抚的话倒不至于如此,但我不认为经验尚浅的男生能忍住不冲动。特别是神代学长有着忠于欲望的一面。

しかも23㎝だ。ティッシュ箱を超えているのである。それはどう考えても司センパイを傷つける。準備すれば切れたりはしないかも知れないが、どう考えてもケツの穴に入れて良い品物ではないだろう。
而且有 23 厘米。已经超过了纸巾盒的高度。无论怎么想都会弄伤司学长。虽然做好准备或许不会撕裂,但无论如何都不该是能塞进屁眼里的东西吧。

それならば司センパイが神代センパイを抱いた方が良いはずだ。
那应该由司学长来抱神代学长才对。

それにこのセンパイはなんといった?そんな危険がある行為に司センパイを誘導しようとしたというのだ。自身の倫理観が「それはないだろう」と言っている。
而且这位学长刚才说什么?竟然想诱导司学长做那么危险的行为。我的伦理观都在说"这太过分了吧"。

冷や汗を垂らしながら、それでも異義を唱える彰人に類は面白そうな顔をした。横目でもわかる、捕まえた虫を観察するかのように、爛々としている。それがまた彰人をぞくりとさせる。
彰人冒着冷汗提出异议,类却露出饶有兴趣的表情。即使不用正眼看他,也能感受到那种观察捕获昆虫般的灼热目光,这让彰人又打了个寒颤。

これだから才能のあるやつは苦手なのだ。普段自分に歯向かってくる相手が全くいないから、いざそういう相手を見つけると面白おかしく潰そうとしてくる。今神代センパイが浮かべているのは、そういう笑みだ。
所以我才讨厌这些天才。平时没人敢违抗他们,一旦发现这样的对象就想戏弄着摧毁。现在神代学长脸上浮现的,正是这种笑容。

今、彼は彰人のことを味方と思っていない。いやでも――――それはあの、「俺にしておけば」という会話を神代センパイが聞いた時から、ずっとそう思っていたのではないか?
此刻他并未将彰人视为同伴。不,或许更早——从神代前辈听到那句"交给我来处理"的对话开始,他就一直这么认为了吧?

「ふふ、君の言っていることもわかるよ?でもね、やっぱりそれじゃ満たされないなって思うんだ」
“呵呵,你说的话我也明白哦?不过呢,果然那样还是无法满足我呢”

「満たされない?」  "还没满足吗?"
意味がわからない彰人に、類は恍惚とした表情で語りだす。それは芝居がかったように仰々しい。ゆらめく金の虹彩をみて、彰人は司を思い出した。今の神代センパイの目に自分が映っていない。映っているのはこの場にはいない司センパイのみだ。
面对不明就里的彰人,类带着恍惚的神情开始诉说。那夸张的做派简直像在演戏。望着那双摇曳着金色虹膜的眼睛,彰人想起了司。此刻神代前辈眼中根本没有映出自己——那瞳孔里只倒映着并不在场的司前辈。

「僕は司くんに受け止められたいんだなって気付いたんだ。自分の演出、自分の心、自分が司くんのことを好きだっていう気持ちすら受け止めてくれた司くんが、僕の体まで、最も汚いところまで、包み込んで受け入れてくれたら、それってとっても素敵なことじゃないかい?」
「我发现自己渴望被司君接纳。连我的表演、我的心意、甚至是我喜欢司君这份感情都全盘接受的司君,若是连我的身体——最肮脏的部分都能包容接纳的话,那不是非常美妙的事吗?」

「…………」  “…………”
「それが愛してないって言いたい気持ちもわかるよ。要するに体目当てだって言いたいんだろう?あ、それかあれだ、僕が痛い思いをしたくないがために司くんに受け入れてもらおうとしてる…ってこと?ふふ、でもそれは勘違いだよ、あくまで彼がセックスをしたいと申し出たらその時は僕が司くんを抱きたいっていう話!ふふ!勿論司くんがどうしてもと言うなら、僕が下でもまったくいいんだ!司くんが僕とセックスしたいって思ってくれたことに意義がある!」
「我明白你想说这不是爱。说白了就是想说我图他的身子对吧?啊,还是说你觉得我是因为自己怕疼,才想让司君来承受…?呵呵,但这可是误会哦,说到底如果他主动提出想做的话,那时候可是我想抱司君呢!嘿嘿!当然如果司君无论如何都坚持的话,我在下面也完全没问题!重要的是司君愿意和我做这件事!」

溌剌に笑う神代センパイなんて、恐怖でしかない。心底嬉しそうに笑う類をみて、彰人は思わず距離を取った。センシティブな話題を出しているとは思えない、真に迫った雰囲気が今の神代類にはあった。彰人にとってはまったく笑えない。
看到神代前辈笑得那么灿烂,简直让人毛骨悚然。望着那张发自内心愉悦的笑脸,彰人下意识地拉开了距离。此刻的神代类浑身散发着不容置疑的压迫感,完全不像在讨论什么敏感话题。对彰人而言,这根本不好笑。

「司くんもそういうのに興味があったんだって思った、まあ確かにそうだよね、男子高校生だもん、そりゃ性欲だってあるよね。あ゛ーー、可愛かったなあの眉がキリッとした司くん。全然セリフと表情が合ってなくてもう本当にクラクラしちゃった。でも司くんのことだから、もしかしたらただ興味があるってだけで僕にそんなこと言っちゃったのかな?と思って、でも本当に、嬉しかったあ…。僕を抱くとか、僕に抱かれるとか、そう言ったことを考えてくれてるんだって、それがどんな感情だっていいんだ、僕を全部受け止めてくれる覚悟を―――――司くんは持っているってことだよね?」
「原来司君也对那种事感兴趣啊,不过想想也是呢,毕竟是男高中生嘛,有性欲也很正常。啊——那个眉头紧锁的司君真是太可爱了。台词和表情完全对不上,看得我简直头晕目眩。但因为是司君,说不定只是出于好奇才对我说那些话?不过真的...我好开心啊。想着要抱我,或是被我抱之类的事,无论怀着怎样的感情都好,这份愿意接纳我全部的觉悟——说明司君已经做好心理准备了吧?」

「……」
ここまで饒舌なセンパイは初めて見た。もはや声も出せない彰人の様子を見て類は笑った。ニヤリとした性悪な笑みだ。少なくとも彰人にはそう思えた。
第一次见到话这么多的学长。看着彰人连声音都发不出来的样子,类笑了。那是带着几分恶意的坏笑——至少在彰人眼里是这样。

「撤回させたくないんだよ、絶対」  “我不想让你反悔,绝对不行”
低い声だ。普段の少し高い声とは全く違う。  声音低沉。与平时稍高的声线完全不同。
「僕が抱かれる方が負担がないっていうのはもちろんわかるさ、でも、自分のこんな部分まで受け入れられたいなって思ったら、やっぱり司くんを抱きたいなって思ったんだ。僕が抱かれるのもいいけれどやっぱり、僕が司くんを組み敷きたい、僕が、彼に、受け止めて、欲しいんだ」
“我当然明白被抱的那方负担更小,但是当想到连这样的自己都能被接纳时,果然还是更想拥抱司君呢。虽然被抱也很舒服...但果然还是想把他压在身下,想让他、完完全全地接纳我”

「は、はは……」  “哈、哈哈……”
彰人の口から乾いた笑いが出た。正直舐めていた、彼の欲深さ、そして彼の屈折した感情は、自分の予想を遥かに超えているようだ。
彰人发出一声干笑。说实话他低估了对方——类那深不见底的欲望和扭曲的情感,似乎远远超出了自己的预期。

類は手で喉仏から鎖骨のあたりのしきりに触っていた。他人をそれなりに観察している彰人にはその癖が一体何を意味するのかなんとなく察している。彼はキチンと襟のしまった服を嫌う。その襟やネクタイを緩めた後彼はいつも喉や鎖骨を触る。まるで暑苦しい首輪を外された開放感を存分に味わっているように、ゆったりとした手つきで。だからこの独白が事実だということは彰人にとってもう疑いようもなくなった。
类的手指不断摩挲着喉结到锁骨一带。善于观察他人的彰人隐约明白这个动作意味着什么。类讨厌系得严严实实的衣领,每次松开领口或领带后,总会像这样触碰喉结与锁骨。那从容不迫的指法,仿佛在尽情享受挣脱闷热项圈后的解放感。至此彰人已确信无疑——这段独白所述皆为事实。

類がいきなり勢いよく立ち上がった。  类突然猛地站了起来。
「司くんはさ、絶対に僕の言うとおりにしてくれるはずだ。だって司くんは、必ず僕を受け入れてくれるから」
"司君啊,绝对会按我说的去做。因为司君一定会接纳我的。"

彰人の顔に飛沫がかかって、思わず目を瞑る。もう色々と突き抜けてしまったようだ。一周回って無感情のまま顔を拭おうとして、彰人は思った。
彰人的脸上溅到了液体,他不由得闭上眼睛。看来已经彻底突破界限了。绕了一圈回到原点,彰人面无表情地擦着脸,心想。

司センパイは恋人を甘やかしすぎている。  司前辈太宠溺恋人了。
そしてこのセンパイは、『悪役を演じすぎている』。いや、見栄を張りすぎているのだろうか。
而这位前辈,“反派演过头了”。不,或许该说是太爱逞强了吧。

拭う動作のままで顔を覆い隠した状態で彰人は呟いた。
彰人保持着擦拭的动作,用手遮住脸低声说道。

「ねえセンパイ、無理しなくていいですよ」  "前辈,不用勉强自己的"
「……え?」  "……诶?"
「『明らかに汗の量が凄くなって、声が震えてた』んでしょ?」
"'明显汗量变得好厉害,声音都在发抖'对吧?"

「は…………」  "哈…………"
神代センパイの動揺する声が聞こえて、彰人はニヤリと笑った。
听到神代前辈慌乱的声音,彰人露出了坏笑。

「『自分の股間と司センパイの股間を交互に見て、それから『それはまた今度にしたほうがいいかもね』って言ったんでしょ?」
"『你来回看着自己的胯下和司前辈的胯下,然后说了句『这个还是下次再说比较好』对吧?"

「………」
「本当は司センパイに受け止めてもらえるだなんてそんな確信なんてない―――痛い思いなんて絶対させたくない―――そうでしょう?悪ぶらなくたっていいですよ、センパイ」
"其实我根本没把握司学长会接受我——绝对不想让你感到痛苦——对吧?就算不装坏也没关系哦,学长"

「………」
今度は類が押される番だった。  这次轮到类被推倒了。
彼が焦ったように足を後方に動かしたからか湯がぱちゃりと音を立てた。真相を見抜かれた証だ。副交感神経が優位なリラックスしているこの状態で真意を当てられては、流石の神代センパイも動揺を隠せなかったらしい。
或许是因为他慌张地向后挪动脚步,浴缸里的水发出哗啦的声响。这正是被看穿真相的证明。在副交感神经占主导的放松状态下被戳破真心,就连神代前辈也难掩动摇之色。

思えば様子がおかしかった。他人のことなんて気にしない彼が彰人を銭湯に誘ったのだ。確かに親しいが裸の付き合いをするほどでもない自分を誘った理由を、彰人はなんとなく察していた。あの時司センパイに対して「自分にしておけばいい」そう言った自分のほんの冗談を、この嫉妬深いセンパイは心底許せなかったのだろう。だから自分にこの逸物を見せたのだ、自分に敗北感なんてものを抱かせるために。
回想起来确实有些反常。向来对他人漠不关心的他,竟会主动邀彰人去公共浴池。虽说关系亲近,但还没到能赤诚相见的地步——彰人隐约察觉到了其中缘由。当时自己对司学长说的那句"交给我来处理就好",恐怕彻底触怒了这位醋坛子学长。所以他才会故意展示这件珍品,只为让自己品尝败北的滋味。

取ったりなんぞしない、なぜなら自分も――――。そう言いかけて、やはりやめた。
"我才不会抢呢,因为我也——"话到嘴边又咽了回去。

「ははっ本当にこいつらおもしろ…………」  "哈哈...这群家伙真是有趣......"
そう言いながら、彰人は顔にかかった水滴をもう一度拭って目を見開く。しかし言葉を続けようとした彰人は、その言葉を中断してしまった。
彰人边说边抹去脸上的水珠重新睁大眼睛。但刚要接续的话语却戛然而止。

「………いやちんぽでかすぎだろ!!!」  “…………不对,这鸡巴也太大了!!!”
目の前にあるそのご立派な逸物が目に入った途端、彰人は思わず叫んでいた。
一看到眼前那根雄伟的巨物,彰人便忍不住惊叫出声。

改めて見ると、デカすぎる。なんだあれは、玉もでかいではないか。どっしりとした睾丸、ずるむけのちんぽ、ほんのり赤い亀頭、その全てがあまりの質量だ。
仔细再看,尺寸实在夸张。那是什么啊,连蛋蛋都大得离谱吧?沉甸甸的睾丸、滑溜溜的肉棒、微微泛红的龟头,每处都充满惊人的分量感。

それなりに人がいる室内温泉に、彰人の声が響き渡る。…ちんぽでかすぎだろ!…ちんぽでかすぎだろ!という言葉が室内中に何度も何度も跳ね返って、周囲の視線が一斉に類に…正確に言えば類の股間に集中する。
在还算拥挤的室内温泉里,彰人的喊声不断回荡。"...这鸡巴也太大了!...这鸡巴也太大了!"这句话在浴场内反复反弹,周围视线齐刷刷射向同类的...准确说是同类双腿之间。

「わー!ほんとだ!あのおにいちゃんおちんちんおっきいね!お父さんとは大違い!」
"哇!真的诶!那个哥哥的鸡鸡好大!跟爸爸的完全不一样!"

「……み、みのる…お父さん傷つくよ…」  “……实、实成……爸爸会受伤的……”
子供の一人がそう大声で叫んだすると、今室内にいる全員が一斉に自分のちんぽの長さを確かめるように自分の股間をみたあと――――また神代センパイのちんぽを見た。どこからか感嘆の声があがる。
其中一个孩子这样大声喊出来后,此刻室内的所有人都不约而同地低头确认起自己胯下的长度————又齐刷刷望向神代学长的阴茎。不知何处传来惊叹的抽气声。

ハッとして思わず口を押さえてももう遅い。  回过神来慌忙捂住嘴却为时已晚。
神代センパイは神妙な顔つきをしたあと、気を取り直したかのように微笑んだ。
神代前辈神情凝重片刻后,仿佛重新振作般露出了微笑。

「……………あがろうか」  「……………要上来吗」
「………す、すんません」  "……对、对不起"



浴室から出た後二人はそそくさと着替え、少し大きいラウンジのソファに腰掛けていた。放課後のそれなりに人も多い時間帯だったので、二人は喧騒から少し離れた位置に座り、どちらからともなく誰かが口を開くのを待っていた。
从浴室出来后两人匆忙换好衣服,坐在稍大的休息室沙发上。正值放学后人流较多的时段,他们特意选了远离喧嚣的位置坐下,彼此都在等待对方先开口。

先に切り出したのは類の方だった。  先开口的是类。
「まさか見抜かれていたなんてね」  「没想到居然被看穿了呢」
120円で買った牛乳の瓶を撫でながら、類は「ふふ」と笑った。彰人はその様子を見てほっとした。
一边抚摸着花 120 日元买来的牛奶瓶,涟发出"呵呵"的轻笑。彰人看到这副模样,总算松了口气。

「…アンタは好き好んで司センパイを…『そういう風に』痛めつけるような人ではないはずだ。あんま堅苦しいのはわかんないんすけどね」
"...你明明不是那种会故意把司学长...用'那种方式'折磨的人。虽然我不太懂那些死板的规矩啦"

類の目を真っ直ぐ捉えて彰人は言った。アンバーの輝きを放った瞳には、真実しか語らないと確信させられるなにかがある。類は思わず司を思い出し、目を細めた。ゆったりとした動作で俯く。
彰人直视着涟的眼睛说道。那双琥珀色的眼眸里闪烁着某种令人确信只会诉说真相的光芒。涟不自觉地想起司,眯起了眼睛。缓缓低头垂眸。

「…そうかな、そうかなあ」  “…是这样吗,是这样啊”
「何が不満…いや不安なんすか」  "有什么不满...不,是在担心什么吗"
この後輩は賢い。類はそれを認めざるを得なかった。いや、自分が顔に出すぎているのだろうか。彼を好きになってから自分の『踏み込ませない、悟らせない』笑顔という、自己防衛のために貼り付けられた仮面が何度外されたか分からない。
这个后辈很聪明。类不得不承认这一点。不,或许是自己表现得太明显了。自从喜欢上他之后,那个为了自我保护而戴上的"不让对方察觉,不让对方靠近"的微笑面具,不知已经脱落了多少次。

司くんのことを思うとどうしても表情にでてしまう。  一想到司君的事,表情就会不受控制地显露出来。
「……あんまり気持ちのいい話じゃないんだけど、聞いてくれる?」
"......虽然不是让人愉快的话题,愿意听我说吗?"

「ここまできたなら最後まで付き合いますよ、センパイ」
“既然都到这一步了,我会奉陪到底的,前辈”

「ふふ、律儀だねえ」  "呵呵,真是守规矩呢"
彰人の返事を聞き、類は声を落とすと、おずおずと語り出した。
听到彰人的回答,类压低声音,怯生生地开始讲述。


男子高校生にもなっていままでそういう妄想をしながら抜いてこなかったと言ったら、誰しも驚くだろう。
一个男高中生至今都没边幻想边自慰过,任谁听了都会吃惊吧。

女子の裸体も、男子の裸体もまったく類を刺激しなかった。なら未成年?熟女は?老人でも良いのではないか。人形ではどうだ、いやロボットなどどうだろう?誰かの声?髪?虫?触手?いや、ドラゴンと車だろうか。せめて人間に興奮はしておきたい、そう思いながらも類は全く、それはもう恐ろしいぐらいに、性的な興奮を覚えたことがなかった。
无论是女性的裸体还是男性的裸体,都完全无法刺激类。那么未成年人呢?熟女如何?老人或许也可以?玩偶怎么样,不,机器人又如何?某个人的声音?头发?昆虫?触手?不,或许是龙和汽车吧。至少希望能对人类产生兴奋感,虽然这么想着,但类却从未体验过——甚至到了可怕的程度——任何性方面的兴奋。

中学の頃失礼な男性教論がこういっているのを聞いたことがある。
初中时曾听到过一位失礼的男教师这样说过。

「お前ら――――中学になっても女に興奮できないやつは将来犯罪者になるからな」と。
"你们这些——到了中学还对女人兴奋不起来的家伙,将来都会变成罪犯。"

そんな言葉は統計も根拠もない性愛至高主義のとんでもない考えだ。こんなものを恥ずかしげもなく言ってしまえる教師こそありえない。そう思っていながらも、それは当時普通というものに悩んでいた類にとって突き刺さって離れない言葉だった。
这种言论既无统计数据支持,也毫无根据,是彻头彻尾的性爱至上主义的荒谬观点。能厚颜无耻说出这种话的教师才真是前所未闻。虽然这么想着,但对于当时正为"普通"这个概念所困扰的类来说,这句话却成了深深刺入心中、挥之不去的阴影。

生理現象としてごくたまに、緩く屹立する自分の陰茎を握り込み、柔く掴んで上下に扱く。考えることは特になかった。触るとそれなりに気持ちよくはあったが、とにかく時間はかかった。長くて太くて挙句に遅漏気味だなんて文字通り無用の長ブツだった。グラグラとする視界、ちりちりと痛む頭、動悸までしてくる。早く終われ、早く早く――――終わってくれ。
作为生理现象偶尔会发生的,是握住自己半勃起的阴茎,轻柔地抓握着上下撸动。并没有什么特别的想法。虽然摸起来确实挺舒服的,但总之很费时间。又长又粗还偏偏有点迟泄倾向,简直就是无用的长物。摇晃的视野,隐隐作痛的头,甚至开始心悸。快点结束吧,快一点快一点——求你快点结束。

「…………」  “…………”
一瞬感じたひりついた快楽に息を止めることも無く、ティッシュの中に精液を吐き出すと、それをさっさとティッシュにくるめゴミ箱に突っ込んだ。窓は少し空けておいて換気をしておき、汚いティッシュを押し込めるようにゴミ箱に次々ゴミを突っ込んでいく。
我毫不迟疑地沉浸在那一瞬触电般的快感中,将精液吐在纸巾上后,迅速用纸巾包裹起来扔进垃圾桶。窗户微开着通风,我不断把用过的脏纸巾和其他垃圾一起塞进垃圾桶。

抜くというその動作すらめんどくさかった。しかもそれなりに疲れるし、挙句に眠くなってくる。何度も手を洗いながら、同級生がやれ今夜のオカズはどうやらあの女子の胸はえろくて抜けるやらで盛りあがっているその意味を何度も考えていた。
连自慰这个动作本身都让我觉得麻烦。而且相当耗费体力,最后还会犯困。我一边反复洗手,一边不断思考着同学们热议的话题——"今晚的配菜""那女生的胸部好色好撸"——这些话语背后的含义。

自分には共感もできない感情だったからだ。  因为那是连我自己都无法产生共鸣的感情。

でも別に、対して分かりたくもなかった。  但其实我也没有特别想弄明白。
「演出案でも考えよう…」  "不如想想演出方案吧..."
どれだけ面倒だとしても、どれほどいやでも、本能的な排泄欲には叶わなかった。他人と交流しようと思わない自分は、誰かに子供を産んで欲しいとも思わないというのに。
无论多么麻烦,多么不情愿,终究敌不过本能的排泄需求。明明是个不想与他人交流的自己,却也不希望有人为自己生孩子。

気持ちが悪かった。これから一生この感情や欲求と向き合い続けなければならないのが、どうしようもなく辛い。あまりのストレスに、思わず頭をかきむしってしまう。どれだけ出しても、どれだけ竿やら玉がすっきりしたとしても、自分の満たされない心の鬱憤は溜まったままだった。
难受极了。想到这辈子都要与这种情感和欲望纠缠不休,就痛苦得无以复加。压力大到忍不住抓挠头发。无论释放多少次,无论那话儿和囊袋如何清爽,内心那份无法餍足的郁结始终堆积如山。


「はずだったのにねえ」  “本该是这样的呢”
そう言って笑った類に、彰人は思わず息を止めた。いつの間にか手汗でスマホが濡れている。ポン、とどこかで音がした。
彰人笑着说出这句话时,类不由得屏住了呼吸。不知不觉间手机已被手汗浸湿。远处传来"砰"的声响。

彰人は自分の愛おしい相棒――――青柳冬弥のことを思い出していた。そして、杏やこはねといった仲間の事も同時に。苦労はそれなりにあっただろう、それでもそのおかげで出会えたから、そんな苦労もあって良かったと思える、大切な人。
彰人想起了自己心爱的搭档——青柳冬弥。同时也忆起杏与こはね等伙伴们。虽然一路走来确实不易,但正因为这些坎坷才能与他们相遇,所以那些艰辛也都值得,他们都是无比珍贵的人。

彰人はいつのまにか微笑んでいた。  彰人不知何时露出了微笑。
「出会ったんですね、司センパイに」  “你遇到司学长了吧”
「………うん」  “………嗯”
はにかんだような笑顔は、大胆不敵な底の知れない笑みを浮かべている普段の彼とは大違いだった。
羞涩的笑容与他平日里那种深不可测的狂妄笑容截然不同。

等身大の、恋に悩み性に悩む、男子高校生そのものだ。
活脱脱就是个为恋爱烦恼、为性事困扰的普通男高中生。


「性欲が…愛の証だなんて思わないけど」  "虽然我不认为性欲...能代表爱的证明"
「はい」
「抱きたいなって思ったのは、司くんが初めて」  "但想拥抱谁这种念头,司君是第一个让我产生这种想法的人"
「………!」  “………!”
類はもう随分ぬるくなった牛乳瓶をしきりに撫でている。小っ恥ずかしそうに頬を染めながら眉を下げる類を、彰人は初めてみた。このセンパイが司センパイを想う時ってこんな顔をするのか。普段なら気持ち悪いと一蹴するところだが、今はそんな気分にもならなかった。
类正不停地摩挲着早已不冰的牛奶瓶。彰人第一次见到这样的类——双颊泛红害羞似地低垂着眉眼。原来这位前辈思念司前辈时会露出这种表情啊。若在平时定会觉得恶心而嗤之以鼻,此刻却莫名生不出这般情绪。

「神代センパイは司センパイのことどうして好きになったんすか?どうせなら聞かせてくださいよ。」
“神代前辈是怎么喜欢上司前辈的?既然都问了,就告诉我吧。”

「その話本当に長くなるよ?いいの?」  "那件事说来话长哦?你确定要听吗?"
「まあ暇ですし?」  "反正闲着也是闲着?"
「んん、ふふ、そうだね――――」  "嗯嗯,呵呵,说得也是————"
神代センパイがつらつらと語りだす。やれハロウィンショーのこととか、修学旅行のこととか、それはもう様々なことだ。その話をする神代センパイは、見たこともないぐらい温和な表情をしていた。話を聞いていると司センパイの包容力にも驚かされる。あの人はあんななりで妙に達観しているところがあるし、そして神代センパイは大人っぽく見えて実は子供らしい一面も多い。
神代前辈絮絮叨叨地说了起来。什么万圣节表演啦,修学旅行啦,各种各样的事情。讲述这些事的神代前辈,露出了从未见过的温和表情。听着这些故事,连司前辈的包容力也让人惊讶。那个人虽然看起来那样,却莫名有着超脱的一面,而神代前辈虽然看起来成熟,实际上孩子气的地方也不少。

「…なんていうか、仲良いんすね」  "…该怎么说呢,你们感情真好啊"
「あたりまえだろう?恋人なんだもの」  "这不是理所当然的吗?我们可是恋人"
「へえ?」  "诶?"
粗チン疑惑流されたのにここまで寛容だとは驚きだ。そういう意味を込めて浮かべた笑みに神代センパイは勘づいたらしい。
明明被怀疑尺寸小却还能如此宽容,实在令人惊讶。神代前辈似乎察觉到我这个笑容里包含的这层意味。

「無理だよ」  「不行啦」
「は?」
「あんな程度じゃ、離せない」  “就这点程度,可别想让我放手”
無言になった彰人のことを気にしてか、類はそこで一旦話をとめた。温泉に入った後だからだろうか、神代センパイの白い肌がほんのり赤く色づいている。男ならまだしも、女なら見ただけで悲鳴を挙げそうなぐらいの雰囲気があった。あんな凶悪なものを下にぶら下げているとは思えない。
或许是察觉到彰人的无言以对,类暂时停下了话题。大概是因为刚泡过温泉的缘故,神代学长的白皙肌肤泛着淡淡的红晕。那种氛围夸张到——若是女性见到,恐怕会当场惊叫出声吧。实在难以想象那副温润如玉的身体下方竟悬挂着如此凶恶的器物。

彰人は自分の手汗に気づいた途端努めて大きな声を出した。虚勢と思われても良い。
彰人刚注意到自己掌心的汗渍,便刻意提高了嗓门。哪怕被看作虚张声势也无所谓。

「……はは、それ、司センパイが聞いたらどう思うんでしょうね?」
"......哈哈,要是让司学长听到这话,不知道会作何感想呢?"

「別にどうもしないだろう、そういう人だよ。むしろ怖がるんじゃないかな、彼、あまり恋愛感情みたいなものには疎いようだから」
"应该不会有反应吧,他就是那种人。倒不如说可能会害怕呢,毕竟他对恋爱感情这类事似乎相当迟钝"

…本当に?彰人には、司はもっと単純なように見えた。好意を向けられたら嬉しがり、楽しみたいことは楽しむ。無知ではあるが愚鈍ではない、そういう人間に見える。少なくとも好きでもない人間とキスをしたりセックスをしたいだなんて提案をするような人間でも無いのではないかと思った。そして、向けられた愛にきちんと応えようと努力できる人間だ。そして彼は単純だからこそ、好意を抱かれたら、いい意味で何も難しいことなど考えずに幸せになれる人間なのではないだろうか。
…真的吗?在彰人眼里,司看起来要单纯得多。被人示好就会开心,想玩的事情就尽情享受。虽然无知但并不愚钝,给人这样的印象。至少不像是会主动提出和不喜欢的人接吻或做爱的类型。而且他是个会努力认真回应他人爱意的人。正因为他如此单纯,一旦被人喜欢,反而能毫无顾虑地获得幸福——这种特质某种意义上不是很好吗?

…『これ』は、しない方がいいかも知らない。それは直接神代センパイから司センパイにつたえるべきものだ。『あるボタン』をタップしそうになった指が止まった。その『ボタン』が停止ボタンになっていることに気づかないまま。
…或许不该做『这件事』。应该由神代学长直接告诉司学长才对。差点就要按下『某个按钮』的手指停住了。浑然不觉那个『按钮』其实是停止键。

そんな彰人の考えと過ちなど露知らず、類はまたもや同じ言葉を口にした。熱烈な愛の告白だ。
彰人的想法与过错,类一无所知,再次说出了同样的话语。那是热烈的爱的告白。

「別に僕が下でもいいんだ。これは本当の本当に、本当。あくまで抱きたいってだけで、ほんとうにもう、繋がれるだけで嬉しいから……はは、こんなの後輩に言うことじゃないね」
"其实我在下面也没关系。这是千真万确的,真的。纯粹只是想要拥抱而已,光是能和你相连就足够幸福了……哈哈,这种话不该对后辈说呢"

「そんなことないっすよ」  “才没这回事呢”
彰人は思い直した。怪しいところもあるがいい人じゃないか、このセンパイは。結局あれは思った通り見栄っ張りなだけだったらしい。ふとまた、類が首筋をしきりに―――自分の首を締めるように触るのを見るまで、彰人は確かにそう思っていた。
彰人转念一想。这位学长虽然有些可疑之处,但应该是个好人吧。看来那件事果然如他所料,只是虚张声势而已。直到他无意间又看见类不断抚摸自己的脖颈——仿佛在掐自己脖子似的,彰人确实一直这么认为。


類は微笑みながら、まぶたの裏にずっと描いていた最早使い古された妄想を思い浮かべた。
类微笑着,在眼睑内侧浮现出早已反复幻想的妄想图景。

それは今までの抑圧された欲求を全て、愛おしい恋人に押し付けるような、激しく乱暴なものだ。
那是将所有压抑至今的欲望,全都倾注在可爱恋人身上的、激烈而粗暴的幻想。

幼い雰囲気を感じさせる顔ばせをがっちりと掴みながら、ただひたすらに腰を振って犯しまくる。シチュエーションなんて何もなかった。ただ自室のソファに司くんを押し倒している。合意か非合意かなんて考えもしないままの、そもそも自分の、心身の気持ちよさだけを優先した妄想だった。そこには遠慮も配慮もなく、あるのは目の前がぐらつくようなご馳走とそれに手をつける自分だけ。
我紧紧扣住那张透着稚气的脸庞,只顾一味摆动腰肢肆意侵犯。根本没有什么情境设定,只是将他按倒在自家客厅的沙发上。这不过是场全然不顾对方是否情愿,仅以自身身心快感为优先的妄想。既无顾忌也不体贴,眼前唯有令人晕眩的饕餮盛宴,以及对其大快朵颐的自己。

『あ゛ぁあ゛っ♡ぃ、いだい、いだい、るいいぃ!たすけッ♡て゛っ♡っぁ゛あ、ひ、ぃいいっ♡いだいっーー〜っ!♡やだ、あ゛っ、やだああ!♡ぐるじっ♡ごわい゛ぃいいッ♡ぁあ゛ぁあ♡♡やだ、やだ、もう、ッグひっ♡もう、ぐるじ、いや、ぁあ゛っ♡♡』
"啊♡啊♡、好大、好大、好舒服!救救我♡啊♡啊啊,要、要去了♡好大——~!♡不要、啊♡不要啊!♡好痛♡好厉害♡啊啊啊♡♡不要、不要、已经、不行了♡已经、好痛、不要、啊啊♡♡"

自分から与えられる、痛みと圧迫感と快楽に悲鳴をあげる司くんを、ただひたすらに追い詰める。苦しいのも辛いのも、それから怖いくらいの快楽も、全部僕で感じてくれたらそれでようやっと満たされる。快楽のあまり逃げを打つ体を自分の体で押さえつけて、空気さえ間に挟み込めないほど密着させる。司くんの汗ばんだ皮膚が冷たくて心地よい。司くんのナカをガンガンつくと、司くんの腹の一部がその度にぽこぽこと浮き出る。
被我所施加的痛苦、压迫与快感逼得发出悲鸣的司君,就这样被我彻底逼入绝境。无论是难受、痛苦,还是那令人恐惧的快感,只要全部由我来让他感受,我才能最终得到满足。用身体压制住因过度快感而试图逃开的躯体,紧密贴合到连空气都无法介入的程度。司君汗湿的皮肤冰凉而舒适。每当狠狠顶入司君体内时,他腹部的某处就会随之微微隆起。

『あ゛っ♡ーー〜〜ッ゛アぐっ♡ぃ゛ぃいいいッ♡♡ぎもち゛ぃいい゛♡やだッ♡あっ、ひぃ、い、ぐぅ、う、うぅ゛♡しぬっ♡しんじゃ、あ゛っ〜〜ーーッ!♡あ゛っあ、ぉお゛っ♡ぅおえ゛っえぇえッ♡じ、っぬぅ♡う゛うううっ……あっ、はあっ、あっ…、ぁ゛―――っぐ、はぅっ♡』
"啊♡~~~嗯♡好、好舒服♡♡感觉、要、要去了♡不要♡啊、哈、呜、嗯、呜♡要死了♡不行了、啊~~~!♡啊啊、哦♡呜嗯♡咿呀♡要、要去了♡呜呜呜……啊、哈啊、啊…、啊———嗯、哈♡"

彼がどんなに苦しみもがいても、あまりの快楽に思わず類を蹴り上げてしまったとしても、決して止めたりできない。遠慮なんてせず腰を振りまくると、彼のいいところに当たったのか司くんの白い喉が大きく反る。
无论他如何痛苦挣扎,甚至因过度快感而不由自主地弓起腰肢,也绝不会停下动作。毫无顾忌地摆动腰肢时,似乎顶到了敏感处,司君雪白的脖颈猛地向后仰起。

今司くんを追い詰めている僕に、人間の急所を晒すだなんて司くんはおかしい。そしておかしくしたのはこの自分だった。
将今司君逼入绝境的我,竟让他暴露出人类的弱点,今司君真是奇怪。而让他变得如此奇怪的,正是我自己。

歯が疼いて衝動的に喉元に噛み付く。司くんの柔い肌を突き破って、自分の歯形がついたことに安堵する。司くんは、肌も肉鞘も柔らかく、僕を包み込んでくれる。
牙齿隐隐作痛,我冲动地咬向他的喉结。当犬齿刺破司君柔软的肌肤,留下我的齿痕时,我竟感到一阵安心。司君的肌肤与内里都如此柔软,将我温柔包裹。

『っぁあ゛―――〜ッ♡ッぐ、ぅう!?っ…だぃ、いだいいッ!♡うぐぅう、うっ♡ぐっあっ〜っ♡♡、ぇ、くっう゛〜〜っ♡♡いっ、ぅ゛うう〜っ、ふ、ッあ、跡がッ!っ、っあ、あっ、ぐっ♡っふ、ううぅ゛っ、あ゛〜っ!♡』
『啊哈——~♡呜、嗯!?…不、不要了啦!♡呜嗯、呜♡咕啊~♡♡、呃、嗯呜~~♡♡要、呜嗯~,呼、啊、痕迹!啊、啊、哈♡呜呼、呜呜~,啊~!♡』

司くんがいやいやと首を横に振るから、それを咎めるように首を緩く絞める。司くんの細い首が震えて、その大きな瞳いっぱいに涙と僕を映し出す。それと同時に司くんのナカが許しを乞うように締まった。「ははっ…」妄想の中の自分が笑い声を上げた。酷いことをしているのにやめられない。涙を拭ってやりたいのに、それと同じくらい泣かせてしまいたい。
司君摇着头表示抗拒,我便轻轻掐住他纤细的脖颈作为惩罚。他颤抖的颈项间,那双盈满泪水的眼眸正倒映着我的身影。与此同时,他体内却诚实地绞紧讨好。「呵呵…」幻想中的自己发出轻笑。明明在做着过分的事却停不下来。既想为他拭泪,又同样渴望看他哭泣的模样。

自分の妄想の中の司くんは、性欲なんて知らない僕を不埒な地獄へ手招く悪魔みたいだ。司くんのせいでは無いことは分かるのに、司くんのことばかり考えてしまうからまったく堪らない。かつて数多の宗教が性欲を抱かせる存在を忌避した気持ちもわかるものだ。
在我幻想中的司君,就像个恶魔般引诱不知性欲为何物的我堕入淫荡地狱。明明知道这不是司君的错,却满脑子都是他,简直让人受不了。现在总算能理解为何众多宗教都将挑起情欲的存在视为禁忌。

理性も全部ぶっとんで、ただひたすら自分の好きなように司くんを解体して、隅から隅まで全部暴いて、そうして自分好みに再構築する、そんなふしだらな妄想が類を振り回して仕方がない。
理智全数飞散,只一味按自己的喜好将司君拆解,从里到外彻底暴露,再按自己的喜好重新构建——如此放荡的妄想挥之不去,实在难以自持。

でも助けて欲しくはなかった。早くなんて終わって欲しくもない、むしろこれが目の前に広がる現実であって欲しかった。
可我并不想求救。更不愿这一切过早结束,倒不如说宁愿这就是展现在眼前的现实。


「司くんのことは本当に、大切で大切で……大切にしたくて」
"阿司对我来说,真的是非常、非常、非常重要......想要好好珍惜"

自分とは別の人間が、東雲くんに語りかけているようだ、と類は思った。不埒な妄想をしている自分を取り繕って恍惚に微笑む類を見て、急に変わった雰囲気に彰人は息を呑む。
雨宫类恍惚地微笑着掩饰自己下流的妄想,东云彰人突然屏住呼吸,感觉眼前氛围骤变——仿佛此刻与司对话的是另一个完全陌生的人格。

「…だからこそとても、不安なんだ」  “…正因如此才格外不安”


その瞳には自分だけが映りたい。だから犯している間、絶対に顔を背けさせたりなんてしない。
那双眼睛里只能映出我的身影。所以在侵犯时,我绝不会让他有机会别过脸去。

がっちりと顎を掴んでこちらを向かせる。司くんが抵抗するけれど、妄想の中の自分は容易くそれを封じ込める。司くんのことを大切にしたいという思いは本当なのに、それと同時にどうしてこんなに辛くさせたいのだろう。
我用力钳住他的下巴迫使他转向这边。虽然司君在挣扎,但幻想中的我能轻易制服他。明明想好好珍惜司君的这份心意是真的,可为什么同时又会如此渴望折磨他呢。

柔く首を絞められて悲鳴をあげる司くんに強引にキスをして、存分にその唇のやわらかさを味わい、肉厚な舌を舐めとる。溢れ出た唾液を余すことなく舐め自分のものにする。
被轻柔地掐住脖子发出悲鸣的司君,被强行吻住,尽情品尝那嘴唇的柔软,舔舐厚实的舌头。溢出的唾液被毫不浪费地舔舐殆尽,据为己有。

「傷つけたくなんか全くなくて…」  「我完全没想过要伤害你…」
大事にしたい、それと同時に消えない傷を彼に彫り込みたい。自他の境界線をしっかり引く司くんが、自分が与えるものでグチャグチャになってくれたらいい。なんなら泣きわめいて欲しかった。
既想好好珍惜他,又渴望在他身上刻下永不消退的伤痕。希望那个总是划清界限的司君,能被自己给予的一切搅得乱七八糟。甚至想看他痛哭流涕的模样。

もう逃げることすら出来なくなった司くんをもっと追い詰めてしまいたくて、ふと思いついたことを実行する。今まで長いストロークでガンガン突いていたが、小刻みに腰を動かすようにする。それから自分のペニスをグッ、っと最奥に届かせるように埋め込む。司くんがよりいっそう高い悲鳴をあげて、足がピンと張って、大きく痙攣した。司くんの大きな瞳が上向きになって揺れている。自分はそれを見て、喉から捻りだしたように笑う。可哀想だと思うのにやめられない。
已经连逃跑都做不到的司君,让我更想把他逼入绝境,突然想到的主意便付诸实践。之前一直用大幅度的抽插猛烈进攻,现在改为小幅摆动腰部。接着将自己的阴茎狠狠顶入最深处。司君发出更为高亢的悲鸣,双腿绷得笔直,剧烈痉挛起来。他那双大眼睛向上翻着不停颤动。我看着这一幕,从喉咙里挤出扭曲的笑声。明明觉得可怜却停不下来。

『っお゛っぁあ゛っ―――〜〜ッ♡♡あ゛っ―――〜〜〜ッ!お゛あっ♡あ♡ッあ゛っ♡は、ああ゛あッ!ひ、っううう゛っ♡♡っは―――っ♡っがあっ、あッ♡っまっで、までっ♡やめでっ♡そこっは―――――ッ!♡いやだいやだいや゛っ♡入っちゃっ♡♡だめなッ♡っどころ、ッはっ♡』
"啊...啊...啊...♡♡不行...啊...♡♡那里...不要...♡♡停...停下...♡♡要...要去了...♡♡不...不要...♡♡进...进来了...♡♡不可以...♡♡那里...啊...♡"

ぐぽんという湿度の高い音が、司くんのナカから響く。その瞬間司くんが大きくのけ反った。司くんの喉から悲鳴にもならない空気がひゅっと漏れた。司くんの性器から薄くなった精液、いや潮のようなものが勢いよく噴射して、ソファにびちゃびちゃと当たる。
伴随着"咕噗"一声湿润的声响,从小司体内传来。那一瞬间小司猛地后仰。从小司喉咙里漏出不成悲鸣的"咻"的喘息声。从小司性器里喷出变得稀薄的精液——不,更像是潮水般的东西,激烈地溅射在沙发上发出啪嗒啪嗒的声响。

『お゛お゛っーー〜っ!♡♡あっ、あ゛ーー〜っ!あ゛ん、んぅお゛お♡いぐッ♡い゛ぐぅっ〜ーーー!♡♡むりっ♡それやばいっ♡♡むりだっ、あ゛っ!♡あ゛ーーっ♡は、ぁあ゛ッ♡っいいっ♡ぁあ゛っ〜〜〜ッ!♡♡もう゛やだっ、やっ♡ああ゛っ♡』
"啊♡♡啊、啊——!嗯、呜啊♡要去了♡要去了——!♡♡不行♡那样太刺激了♡♡受不了了、啊♡!啊——♡哈、啊啊♡好舒服♡啊啊啊——!♡♡不要了、要♡啊啊♡"

司くんが甲高い悲鳴を上げる。顎がガクガクと揺れて、節操のない口から涎がこぼれた。彼にはそれを拭う力すらない。そっと涎を拭ってやると、司くんの目に微かな光が灯る。
司发出高亢的悲鸣。下巴不住地颤抖,毫无廉耻的嘴角淌下涎水。他连擦拭的力气都没有。当我轻轻替他拭去唾液时,司的眼中闪过一丝微弱的光芒。

『っう、ぅ…?るい、い…』  "呜、嗯...?路易、好..."
『うん、うん、僕だよ。類だよ』  嗯,嗯,是我哦。是类啊
優しい手つきのまま、司くんの顎をもう一度ガッチリと掴む。絶対に目を背けさせたりなんてしない。絶対に逸らすなという意味を込めて、顎の骨をなぞった。
我仍保持着温柔的动作,再次牢牢扣住司君的下巴。绝不让他有机会移开视线。带着不容逃避的意味,指尖描摹着他下颌的轮廓。

そう、君を今、ここまで快楽地獄に突き落としているのはこの僕だ。よく見てね、絶対に、片時も、ゆめゆめ忘れないで。脳裏どころか細胞全てに焼き付けて。僕が君を押し倒すたびに、今まで与えた快楽法悦痛み苦しみ全てを思い出して。
没错,此刻将你推落至这快乐深渊的正是我。好好看着,绝对、一刻都不许忘记。不仅要刻进脑海,更要烙印在每个细胞里。每次我压住你的时候,都要想起至今给过你的所有欢愉、极乐、疼痛与折磨。

そんな思いを込めて、司くんの瞳に笑いかける。司くんが、喉からひきつったような声を出した。
怀着这样的心思,我对司君的双眸绽开笑容。司君的喉间溢出了痉挛般的呜咽。

僕だけがいい。僕だけにその権利を与えて欲しいんだ。こんな快楽を与えられるのは僕だけだ。それと同時に司くんをこんな風に卑劣に卑猥に愛せるのも僕だけだ。泣かせられるのも、過呼吸になる程追い詰めることができるのも。
只有我才行。只有我才能拥有这份权利。能给予这种快乐的只有我。同时,也只有我能如此卑鄙又下流地爱着司君。能让他哭泣的,能把他逼到近乎窒息的,都只有我。

――――並大抵の男なら届かない最奥すら、僕なら届くから。
――――因为若是普通男人无法触及的最深处,我就能到达。

彼が望もうが望むまいが、どんな快楽だって喜びだって悲しみだって痛みだって苦しみだって、全部僕が与えたい。
无论他是否渴望,所有的欢愉、喜悦、悲伤、疼痛与苦楚,我都想一一给予。

僕が与えるものだらけでとんでもなく腹がいっぱいになって、まるで妊婦みたいに膨れ上がって、僕の全てで司くんの体が埋まってしまって、僕の全てが、司くんの臓器の襞にまで染み込んでしまっても。それが現実に起こったとしても、絶対まだまだ満ち足りないんだ。
我给予的种种已让他饱胀到近乎荒谬,如同孕妇般鼓胀隆起,我的全部填满了司君的躯体,甚至渗透到他器官的每一道褶皱。即便这已成为现实,也绝对远远无法餍足。

『かわいい、かわいいね、つかさくん、つかさくん…僕だけのつかさくん、ぼくだけの、ぼくのものなんだね、ああ嬉しい』
"好可爱、好可爱啊,司君、司君…只属于我的司君,只属于我、是我的东西呢,啊啊好开心"

妄想の中の自分は、あまりに可愛い司くんを見てもうそれしか言えないままだ。
幻想中的我,望着过分可爱的司君,依旧只能说出那句话。

これは願望だった。  这曾是我的愿望。
僕だけのものになって欲しいと言う、司くんには絶対に言えない僕の望み。妄想の中でしか叶えられないと自覚した時から、類は必ず司にその言葉を投げかける。自分の妄想の中の司くんは、そんな類の願いを許して、受け入れてくれるのだ。
"希望你能只属于我"——这是我对司君绝不能说出口的渴望。自从意识到这个愿望只能在妄想中实现后,类总会对司说出这句话。在他幻想中的司君,总是会宽容地接纳类这样的心愿。

彼の涎を何度も何度も吸って満足すると、乱暴な手つきで司くんをひっくり返して、後背位の体勢にする。司くんが悲鳴を上げるのも厭わず、もっと力を入れて抜き差しする。司くんの真っ赤に熟れたアナルが自分のペニスを咥え込んで離そうとしない。熱くてほかほかしていて、これが自分だけの肉鞘なのだ、そして司くんが僕のもっともコンプレックスな部分を受け止めてくれているんだと思うと、たまらない気分になる。
我一次又一次地吮吸着他的唾液直到餍足,随后粗暴地将司君翻转过来,摆成后背位的姿势。不顾他发出悲鸣,我更加用力地抽插起来。司君那熟透泛红的肛门紧紧咬住我的阴茎不肯松开。那处温热又柔软,想到这是专属于我的肉鞘,想到司君正包容着我最自卑的部位,便感到难以自持。

司くんの白い肌が興奮で桜色に熱っている。それを見た瞬間自分の口からも涎が出てきそうになる。前立腺を自分のカリでなぞって、そして奥のこりこりした部分をひたすら突きながら、司くんの首のぽっこりとした突起や肩をひたすらに噛む。長いストロークの中で一つ抜き差しするだけで司くんが射精をかますから、ソファに精液がパタパタとかかる。
司君白皙的肌肤因兴奋而泛起樱色潮红。看到这一幕的瞬间,我嘴角几乎要淌下涎水。用龟头描摹着他的前列腺轮廓,一边不断顶弄深处硬结的部位,一边发狠啃咬司君颈间凸起的喉结与肩膀。每次长距离抽插都会让司君濒临射精,精液啪嗒啪嗒地溅落在沙发上。

『あ゛あ゛っ〜〜!!♡っあ゛ぅううう゛っ〜〜〜っ゛♡あっ゛ああ゛っーーーー〜ッ!!♡もういや、だあぁッ♡いぎだぐなッ、いぃいい゛っ♡いぎだッーー〜ッ♡ぐっ♡なっ♡い゛ぃいい♡♡るいっやだ、ぁあ゛ったすけて、たすけっ、もっ、ぐ、う♡やめてくれ、ぇ゛っ♡お゛ぅッ♡う゛っーーー〜〜!♡』
"啊~~!!♡啊啊啊~~~♡啊啊啊~~~!!♡不行了,不要啊♡要坏掉了,啊啊啊♡不行了~~~♡呜♡啊♡不要♡♡好难受,救救我,救救,呜,啊♡别这样,嗯♡啊♡呜~~~!♡"

『うん、うん』  “嗯,嗯”
助けてあげる。  我来帮你。
助けてあげるよ、何度でも。君が僕に手を伸ばしてくれたみたいに。
我会帮你的,多少次都行。就像你曾向我伸出手那样。

『やめて欲しい』『触らないで欲しい』『別れて欲しい』そんな言葉以外ならなんでも受け止める。
除了"住手"、"别碰我"、"分手吧"这类话语,其他任何话我都愿意承受。

司くんが、誰かに助けを求めるように前方に手を伸ばす。力の入っていないふらふらとした手が自分以外に伸びるのが許せなくて、強引にその手を絡め取った。後方から司くんの手をぎゅうっと握る。できるだけ強い力を込めて握りながら、自分の重くなる腰にラストスパートを悟る。終わりたくないと思いながら、司くんの真っ赤になった耳に何度も何度も染み込ませるように囁く。
司君向前伸出手,仿佛在向某人求救。我无法容忍那只虚软无力的手伸向别人,便强硬地将其扣住。从后方紧紧攥住司君的手,用尽全力握紧的同时,感受到自己愈发沉重的腰际即将迎来最后冲刺。一边想着不要结束,一边对着司君那通红的耳朵反复呢喃,让话语深深渗入。

「大好きなんだよ、すごく。すごくすごく好き。愛してる、心の底から。もう絶対離せないくらいに」
“最喜欢你了,超级喜欢。喜欢得不得了。我爱你,发自内心地爱。已经喜欢到绝对无法放手的地步了。”

自分のペニスから腰、そして脊髄、頭。その全てに震えるくらいの快楽が走る。類は声を抑えるのに必死になりながらその快楽を味わい尽くした。一等大きな快楽が自分のペニスにはしって、そんな快楽に身を委ねるまま司くんのナカの奥の奥に自分の精液が勢いよく流れ込む。その最中でもとんとんと司くんの最奥を優しくつく。司の全身が大きく痙攣するのがバックの体勢なら全て見える。自身がつけたありとあらゆる歯形も、腰を掴みすぎて自分の手形で赤くなった皮膚も、司くんの体液も全て。
从阴茎到腰部,再到脊椎,直至头顶。全身都因极致的快感而颤抖不已。类一边拼命压抑着呻吟,一边尽情享受着这份愉悦。当最强烈的快感贯穿阴茎时,他放任自己沉溺其中,将精液猛烈地射进司体内最深处。即便在这种时刻,他仍温柔地轻叩着司的最敏感处。后入体位让他能看清一切——司全身剧烈的痉挛,自己留下的所有齿痕,因过度掐握腰肢而泛红的手印,还有司分泌的体液,全都一览无余。

『っあ゛〜〜ーーー♡♡っあ゛っ、ああ゛っ、きもぢい、きもちいいぃ゛っ♡るいぃい゛っ♡っすき♡るいっ、すぎっ♡いぐっ、イくっ♡♡…あ゛!♡っお゛ーー〜!♡♡でてるっ♡いっぱいでてるっ♡オレのっナカにっ♡あ゛ついっ♡♡あづいっーーー〜ッ♡きもじぃいっ♡っいぐっんおお゛っ!?♡♡もうなかっ、ああ゛っ〜!♡何度もっ、イッ♡っは、ぁ゛あっ♡るいっ、るいいぃい♡♡』
『啊~~~♡♡啊、啊啊、好舒服、好舒服啊♡好棒♡喜欢♡太棒了、要去了♡去了、要去了♡♡…啊!♡哦~~~!♡♡出来了♡好多出来了♡在我的里面♡好烫♡♡好烫啊~~~♡好舒服♡要去了啊!?♡♡已经不行了、啊啊啊~!♡好几次、去了♡哈、啊啊♡好棒、好棒啊♡♡』

ああ、もう、なんてかわいいの。  啊啊,真是可爱到不行。

「大切にしたいって、そう思うのに。どうしてなんだろうね、妄想の中で僕はいつも司くんを酷い目に合わせてる。泣いても絶対やめてやれないぐらい。だからこそ、離してやれないのが、こわい」
“明明想要好好珍惜的。可为什么在幻想中,我总是让司君遭遇那么过分的事。就算他哭得再厉害也绝对停不下来。正因如此,才更害怕自己会放不开手。”

放心状態になって力が抜けてしまった司くんの背中に、何度も何度もキスを落とす。尿道に残った精液を出し切るように緩く腰を動かしながら、抜く時すら司くんの敏感になった前立腺をこりこりとなぞる。深い絶頂のあまり何度も脈動する司くんのナカが、またきゅうっと締まる。不意打ちの快楽に司くんの体がまた小さく跳ねて、『ひっ!?♡』と喘ぎ声を漏らした。
司君因高潮而浑身脱力,我不断亲吻着他的后背。轻轻摆动腰部,仿佛要将残留在尿道中的精液全部排出,就连抽离时也不忘细细研磨他那变得敏感的前列腺。司君体内因强烈高潮而不断收缩的甬道又一次紧紧绞住,突如其来的快感让他身体猛然一颤,漏出"呜啊!?♡"的甜腻喘息。

『つかさくん、ごめんね、ごめん。こんな酷いことをして』
司君,对不起,真的对不起...我竟然对你做了这么过分的事

司はまだ余韻に浸ったまましんどそうに仰向けに体勢を動かした。口だけの謝罪を発する類の唇を咎めるように、司は類にキスをする。キスが下手くそな司も可愛いが、こうやってセックスの後に舌を差し込む濃密なキスをせがむような、淫乱で可愛い司くんもいてくれたら、嬉しい。
司仍沉浸在余韵中,艰难地仰面调整着姿势。像是要惩罚类那只会道歉的嘴唇般,司吻上了类。虽然笨拙接吻的司也很可爱,但若能看到他在云雨过后主动索求深吻的淫乱又可爱的模样,我会更开心。

『んん、ふ、はふ、ぅ♡』  『嗯、呜、哈啊、呜♡』
『かわいい、かわいい、かわいい……』  『好可爱、好可爱、好可爱……』
鼻に抜ける音と水音が周囲にこだまする。司くんの舌が、自らの意思で自分の口内に来てくれる。それがたまらなく嬉しい。
鼻腔共鸣的喘息声与水声在四周回荡。司君的舌头正主动探入我的口腔。这让我欢喜得难以自持。

ごめんね、辛くしてごめん。過ぎた快楽は心身を蝕むね、本当に、ごめん。許してね。
对不起啊,让你这么难受真抱歉。过度的快乐会侵蚀身心呢,真的,对不起。原谅我好不好。

「僕って正直、冷静なほうだなとか性欲弱い方だなっておもってたんだけどね。もうまったく違うことに気付かされたよ。…司くんの瞳をみるとね、いかに自分が醜いか気付かされるんだ。そして、それをどこまで隠し通せるだろうかって、怖くなる」
"说实话,我一直以为自己算是比较冷静、性欲淡薄的那类人。但现在我彻底明白了事实并非如此...每当看到司君的眼睛,就会意识到自己有多么丑陋。然后就会开始害怕,不知道这份丑陋究竟能隐藏到什么时候。"

それでも最後には、司くんは全部全部、僕の醜いところすら受け止めて欲しい。どんなにひどく辛くしたって、司くんが僕にむかって手を広げてくれるといい。激烈な快楽に体を戦慄かせ、意識を飛ばすその寸前でも「類」と呼んで僕を抱きしめて欲しい。どれだけ司くんが辛そうだったとしても。
即便如此,在最后时刻,我还是希望司君能接纳我的一切,包括那些丑陋的部分。无论我让他多么痛苦难熬,都希望他能向我张开双臂。即便在激烈的快感让身体颤抖、意识即将消散的瞬间,也请呼唤着"类"的名字拥抱我。哪怕司君看起来再痛苦不堪。

行為が終わった後お互い疲れ切っても、強く抱きしめるから抱きしめ返して欲しい。司くんが一発や二発じゃ満足できなかった時は寝転ぶ僕の上に乗って、ガクつく腰を精一杯振り乱して快楽を貪って欲しい。ずっと僕にあった主導権が司くんに渡されるだなんて、本当に興奮する。性に疎い司くんが自分から快楽を味わいに行くだなんて、なんてそれは倒錯的なんだろう。
即便在行为结束后彼此都已精疲力竭,也请用力回抱我的拥抱。当司君一两发无法满足时,请跨坐在躺倒的我身上,用颤抖的腰肢竭力摆动来攫取快乐。主导权从我手中永远移交给了司君——光是想象就令人血脉偾张。那个对性事生涩的司君竟会主动索求欢愉,这是何等悖德的画面啊。

――――騎乗位の体勢では、並の男なら浅くしか腰をあげられないかもしれないが、自分は違う。他のどんな男よりも司くんを満足させてあげられる。
――――在骑乘位的姿势下,普通男人或许只能浅浅抬起腰,但自己不同。我能比任何男人都更能让司君满足。

司くんが腰をあげる度、アナルには強烈な排泄感が襲うだろう。厚く段差の激しいカリがズルズルと腸壁をなぞって、前立腺をゴリゴリ刺激する。何度も開かれてぽっかりと空いた最奥が寂しくなる前に、司くんが勢いよく腰を落とす。
每当司君抬起腰部时,强烈的排泄感便会侵袭后庭。粗壮且棱角分明的冠状沟蹭过肠壁,不断研磨刺激着前列腺。在因多次扩张而敞开的深处甬道感到空虚之前,司君又会猛然沉下腰肢。

ズパンっという肌同士が合わさる音がして、司くんが「んぉ゛っ!?♡」と声をあげて絶頂する。こちらも敏感になっているので、司くんがイクたびに歯を食いしばらないと堪えられない。何度出しても満足しない自分のペニスを、司くんがとてつもない快楽に襲われながら奉仕している。もう一杯一杯なはずなのに、ただ、自分を満足させるために。
肌肤相触发出"啪"的一声,司君"嗯啊♡"地叫喊着达到高潮。因为我也变得敏感起来,每次司君高潮时都必须咬紧牙关才能忍住。无论射出多少次都无法满足的肉棒,正被沉浸在极致快感中的司君侍奉着。明明应该已经到极限了,却只是为了让我获得满足。

ああ、かわいい、かわいい、かわいい、なんて愛おしいの。
啊啊,好可爱,好可爱,好可爱,多么惹人怜爱啊。

『っふ―――ッ♡ふ―――ッ♡んあっ♡あ―――っ、はっ、ああ゛あっ、つら、いぃ♡も、いきたぐないっ♡はやくっ、早く出してっ♡つらい、っ♡ん、だぁ♡きもちよすぎて、っい、イグっ♡くる、ぐるッ、ぅイッ♡♡うっ、―――ッ♡っんあ゛ああッ!♡あああああ゛っ―――〜〜っ!♡♡♡』
『呜嗯———♡呼———♡嗯啊♡啊———,哈,啊啊啊,好、难受♡不、不要了♡快点、快点射出来♡好痛苦、♡嗯、啊♡太舒服了、要、要去了♡来了、来了♡♡呜———♡嗯啊啊啊!♡啊啊啊啊———~~!♡♡♡』

もう力が入らないのか、類のペニスを最後まで深く咥え込んだまま、足がぺたんとソファに張り付いて動けない様子だ。腰だけが快楽を逃すためなのか、はたまた快楽を享受するためなのか揺れている。司くんの金髪の先に、汗が溜まって落ちた。ぴちゃんと言う感覚が類の肌に触れる。
或许是已经使不上力气,莱伊的阴茎被深深含住直至根部,双腿瘫软贴在沙发上动弹不得。唯有腰肢仍在摇摆,不知是为了逃离快感,还是为了沉溺其中。司君的金发梢头积聚的汗珠倏然滴落,在莱伊肌肤上溅开细微的触感。

『〜〜………♡っ、ぁ……、っ、あ゛っ〜〜〜ぁッ………っ♡』
"嗯……啊……♡、啊……、嗯啊……♡"

もう射精することもできないんだろう。快楽だけが雪のように降り積もっていくのにその快楽を放出する先がないから、司くんは最早突かれれば突かれるだけ苦しいぐらいの気持ちよさに襲われるだけになってしまう。腹に変に力が入ってしまっているのがわかる。しかもこんな大きいものをお尻につっこまれているのだ、それはとても苦しいだろう。でもそれを全て、僕のために耐えてくれているのだ。
他已经无法再射精了吧。快乐如同雪花般不断堆积,却无处释放,于是司君现在每被抽插一次,就只会被愈发强烈的快感折磨。我能感觉到他腹部不自然地绷紧。更何况后穴里还插着这么粗大的东西,一定非常痛苦。但这一切,他都在为我默默承受着。

可愛い、可愛い可愛い可愛い。可愛いよ、司くん。  可爱,可爱可爱可爱。好可爱啊,司君。

『は、かわいい、ねえ司くん、もう出せない?ザーメンだせない?っふふ、かわいそうにね、もう誰にも着床できないせーし本当にかわいそう♡その代わり僕の精液、きちんと味わってね?』
"啊、真可爱呢,司君,已经射不出来了吗?精液射不出了吗?呵呵,好可怜呀,再也无法让任何人受孕了呢真是可怜♡不过作为补偿,要好好品尝我的精液哦?"

自分で言っておきながら、僕のせいで司くんの子種汁がカラカラになってしまったと言う事実にクラクラするほど興奮する。もうこれは自分だけのものなんだ、司くんのものでもなく、自分のものだった。もうたまらなくなって、いままで動かしていなかった腰を思いっきり突き上げる。もちろん司くんのへたへたになったペニスを上下に優しく擦るのを忘れない。
明明是自己说出口的,却因意识到司君的精液因我而干涸的事实兴奋到头晕目眩。这已经完全属于我了,既不属于司君,而是专属于我的东西。再也无法忍耐,猛然挺动至今未动的腰肢。当然不忘用上下套弄的动作温柔抚慰司君那软绵绵的阴茎。

司くんが悲鳴を上げながら、たすけて、とこぼす。  司君发出悲鸣,断断续续地喊着"救救我"。
もう何ラウンドもしているから、司くんのナカはこれ以上ないくらい敏感になっていることだろう。もちろんペニスだって僕が散々いじり倒したのだから、もう意識を落としてしまいたいぐらいのキツい快楽が彼を襲っているはずだ。
已经进行了好几轮,司君的内里想必已经敏感到了极点。当然阴茎也被我玩弄了无数次,此刻他应该正被强烈到几乎要昏厥的快感侵袭着。

それでも、辞める気はなかった。  即便如此,我也没有放弃的打算。
『ほら♡だして、ね?男につっこまれながら精子無駄うちしてるってすごく惨めだね?でもすっごく気持ちいいね、ね?ほら』
『看啊♡射出来了吧?被男人插着还浪费精子的样子真是可怜呢?不过超级舒服对吧,嗯?来嘛』

『っぁあ゛っ、やめっ、やめろっんあ゛っあああっぁあッ゛♡♡あ゛あんんっ♡ッあ゛んーー〜ッ♡♡でないっ、でない!でないからもう、っやめ゛っでぇ♡♡っふ、ふぅーーー!♡がっぁあっア♡ッひ、ぃッ♡♡』
『啊♡不要、住手啊啊啊♡♡啊啊嗯♡嗯啊——♡♡不行、不行!真的不行了,住手啊♡♡呜、呜嗯——!♡啊啊啊♡♡咿、呀♡♡』

もう精液が出せないことを承知のうえで、司くんを追い詰める。親指で鈴口をぐりっと抉るように触ると、司くんのペニスがびくんと大きく痙攣して、親指の腹に水分のようなものが当たる感覚がした。その現象に類は「あはは」と笑いながら、強く鈴口を抑える。司くんが顎をガクガクさせながらのけ反った。
明知他已经射不出精液,却还是继续逼迫司君。用拇指狠狠剐蹭马眼时,司君的阴茎剧烈抽搐,拇指腹传来液体触感。类见状"哈哈哈"地笑着,用力按住马眼。司君下巴颤抖着向后仰去。

『っあ゛〜ッ!♡いやっあ゛ッ♡♡るいっでるっでちゃう、はなしてっ♡はなじでっ♡同時はやだ、同時だけはやだ、っるい、おねがい、一生のおねがいっ♡たのむから、こわいッ♡っいい、いや、ぁ゛あ…♡♡』
『啊~!♡不要啊♡♡要出来了、放开♡放开啊♡同时绝对不行、唯独同时绝对不要、求你了、一辈子就求你这么一次♡拜托了、好可怕♡啊、不行、啊啊…♡♡』

司くんは次、僕が何をするのかわかっている。司くんの表情が泣きそうになっていた。あまりの快楽に苦しくて辛そうで、これから襲うであろう気持ちよさに恐怖している。それでも腸壁が精子をくださいとばかりにうねって、類も司も自身の限界を悟る。だからこそ司くんは怖いんだろう。もう自分が崖っぷちにいることを誰よりもわかっているから。そしてもうすぐ地獄に突き落とされることも、きちんとわかっている。
司君已经预感到我接下来要做什么。他的表情泫然欲泣,在过度的快感中显得痛苦不堪,对即将袭来的极致愉悦充满恐惧。然而肠壁仍如饥似渴地蠕动着索求精液,无论是类还是司都意识到自己已到极限。正因如此司君才会害怕吧——他比谁都清楚自己正站在悬崖边缘,也无比清醒地知道自己即将坠入深渊。

『だめだよ、だめ、同時にするよ?ね、出したいよね?ね、出させてあげるからね?大丈夫だよ、気持ちいいことだけだからね』
"不行哦,不可以,要同时来吗?呐,想射出来对吧?呐,我会让你射的哦?没关系的,只会让你舒服的"

『…っいやだるい、るい、いや、いやだっ、いや、むりだっ♡っああ゛っ、やだ、いきたくないっ、いぎだっ♡あぅッ♡つくな、やだ、やだやだっ〜ーーーーッ♡♡もういや、いやだ、きもちよくなんてなりたく、ないぃ、い゛っ♡もうおなか、いっぱいでっ、つらい、つらいんだ、たすけてっ♡こわい、こわいむりっむりだ、っあ゛っーーーッ、は、っあ゛っ♡っいやだっあ゛っああっ♡』
『…呜…不要…好累…不要…不行了♡啊啊…不要…不想去…要去了♡啊呜♡不行…不要…不要不要啊~~~~♡♡已经不行了…不要…才不要…变得舒服…不要啊嗯♡肚子…已经装不下了…好难受…好痛苦…救救我♡好可怕…好可怕不行…不行啊…哈啊~~~呜♡不要…啊啊啊♡』

過呼吸になる寸前の司くんを安心させるように、開いている片方の手を恋人繋ぎにする。司くんが僕の手をぎゅうっと握って、縋るように僕の手の甲に爪を立てた。
为了让快要窒息的司君平静下来,我张开一只手与他十指相扣。司君紧紧攥住我的手,像抓住救命稻草般在我手背上留下抓痕。

それでも司くんの口から、「いやだ」と「ちがう」が漏れる。本気で怖がっている。
即便如此,司君口中仍不断溢出"不要"和"不对"的抗拒声。他是真的在害怕。

…………でもね?  …………但是呢?

それもすごく可愛いけど、でも司くんに『いやだ』って言われるのは悲しい。
虽然那样也很可爱,但被司君说"不要"还是会让我很伤心。

ねえ司くん。君が焚き付けた、僕のこの、どうしようもない心のさ。
呐,司君。被你点燃的、我这颗无可救药的心。

責任をとってくれないか。  你要不要负起责任来?

『うん、うん…怖いよね、でも気持ちいいだけだからね、怖くなんてないからね、ね、イこう、ね?一緒にっ、はっ、あ』
"嗯、嗯…很害怕吧,但只是很舒服而已,一点都不用怕哦,来、要去了、好吗?一起、哈、啊"

『っは、はっ♡あっ♡やめっ♡やめでっ♡も、いやっ♡あ゛っう♡っふ、ううっーーーーーッ♡♡…ッんお゛っ!!?♡』
"哈、哈♡啊♡不要♡停下♡不、不要♡啊♡呜♡呼、呜呜——————♡♡…嗯啊!!?♡"

自分の尿道から司くんを孕ますための精子がぐつぐつと湧き上がってくる感覚。それに従って最後に勢いよく、司くんの最奥を一切の容赦なくどつく。もちろん前立腺もガンガンと殴り倒しながら。
从自己尿道里不断涌出要让司君受孕的精液的灼热感。顺着这股冲动,最后毫不留情地狠狠捣入司君身体最深处。当然前列腺也被撞击得七零八落。

『っあ゛っーーーー〜!あ゛あっ〜ーーー!♡♡いぐ、いぐっ♡♡いっ゛♡あ゛っあっあ゛あっ♡♡やだああっ!♡♡やめでっ―――――っ♡、っ♡っくひ、っるぃい゛いぃ――〜!♡♡』
『啊、啊啊啊——!♡♡要去了、要去了♡♡♡不行啊啊啊!♡♡不要了——♡,呜♡♡咿、咿呀呀——!♡♡』

司くんが顔をぐしゃぐしゃにして泣き喚いていた。  司君哭得满脸狼藉。
どちゅん、と一層大きな水音がして、入っちゃダメなところに入ったような感覚がした。今日一番司くんのナカがぎゅう、と締まって、強すぎる快楽に類は歯を食いしばる。
咕啾,随着更响亮的水声,有种闯进了不该进的地方的错觉。今天司君体内最深处突然绞紧,过强的快感让我咬紧了牙关。

司くんのほうは、あまりの快楽に身も世もなく、そして絶え間なく絶叫していた。司くんが眉を下げて号泣しながら、それでも類のペニスを咥え込んでいる。いや、この体勢では『咥えこまされている』と言った方が適切だ。騎乗位という普通なら司くん側に主導権がある体位でも、もう全て自分の思いのままだ。ごめんね、本当にごめん。そんな気持ちを込めて、微笑む。
司君沉浸在过度的快感中忘乎所以,持续不断地发出尖叫。他蹙眉痛哭,却仍含住我的阴茎。不,这种姿势用"被强迫含住"来形容更为贴切。即便是通常由司君主导的骑乘位,此刻也完全随我心意摆布。对不起,真的对不起。我怀揣着这样的心情,露出微笑。

泣きわめきながら、類の表情を見るだけしか出来ない司くんが、悲鳴をあげた。
司君只能眼睁睁看着泪流满面的类,发出了悲鸣。

『っあ゛ーーーー〜ッ!!♡♡あ゛っーーーー!!♡♡あああ゛ッーーー!!♡♡っはっ、あっがっ♡っあ゛っーー〜っ!!♡ああ゛ぅうう〜〜ッ!!♡るい、あ゛っ〜!♡るい、るいいい゛っ』
『啊——————!!♡♡啊————!!♡♡啊啊啊————!!♡♡哈啊、啊♡啊————!!♡啊啊呜————!!♡类、啊——!♡类、类————♡』

ごめんねと、かわいそうだと、そう思っているのに。全身真っ赤にしながら快楽地獄に泣き喚く司くんを、もっと深く辛い地獄に突き落とそうとしている。奥をガンガンついて、司くんの体が揺れる。ひきつけを起こしたように体がこわばって、司くんの顔はもう涙と唾液とでぐちゃぐちゃになっていた。
明明心里想着对不起、好可怜。却把全身通红在快感地狱里哭喊的阿司,推向更深的痛苦深渊。狠狠顶到深处,阿司的身体随之摇晃。他像痉挛般全身僵硬,脸上早已糊满泪水与唾液。

それがすこしだけ可哀想だと思いながら、類は司のペニスの鈴口を覆い隠していた親指を一度だけグリっと抉って、それから離した。と、同時にまた突き上げる。ゴリっとした感覚を竿に感じて、そのあと司くんのナカがグッとしまった。
怀着些许怜惜,类用拇指重重剐蹭过一次阿司阴茎顶端的小孔后松开。同时再次向上顶入。粗硬触感沿着茎身传来,随后阿司的内里猛然绞紧。

『っ………あ゛ひっ♡』  『……啊♡』
司くんが体を大きく反らせたと同時に、敏感なペニスに閉じ込められていた透明とは言い難い薄く濁った潮が、司くんの悲鳴も聞かず勢いよく噴射される。ナカで大絶頂をかましながら、司くんはペニスでも強烈な絶頂をしている。
司君猛地弓起背脊,与此同时,那根敏感阴茎里蓄积的、难以称之为透明的浑浊液体,无视司君的悲鸣猛烈喷射而出。在体内迎来巨大高潮的同时,司君的阴茎也正经历着强烈的绝顶快感。

『っお゛っ…はっ……はっ?♡♡っあ、あ゛っ、ぁぁ、ッ♡』
"啊…哈……哈?♡♡啊、啊、啊啊、♡"

しかも射精とちがって潮は出す量が全く違うから、射精の快楽が何秒にもわたって続くようなものだ。案の定司くんは、その金髪を振り乱しながら身悶える。
而且与射精不同,潮吹的量完全不同,快感会持续好几秒。果然司君甩动着金发痛苦地扭动着身体。

『んがああ゛ああぁッ!!♡っあ゛ぉあああっーーー!♡♡ッあ゛っあああ゛〜ーーー!!!!♡♡♡イッ゛いっやだああっ♡♡♡っぁぐっひぃ、ひぃいいっぐ♡イッ♡でぇっええっ♡♡ッッあ゛っああぁぁ〜ーーーッ!!♡♡ああ゛ッあっがっあ!♡♡っあっうううぅぃいい゛っーーー〜ッ!♡♡』
『嗯啊啊啊啊啊!!♡啊、啊啊啊——!♡♡啊、啊啊啊~~——!!!♡♡♡去了、不要啊啊啊♡♡♡呜、呜咿咿♡去了♡好、好舒服♡♡啊啊、啊啊啊~~——!!♡♡啊啊、啊、啊!♡♡呜、呜呜呜咿咿~~——!♡♡』

司くんがまた勢いよく痙攣する。手足を暴れさせようとしたがこんな体勢だからか、足がかすかにシーツを滑るだけの、意味の無いもがきだ。手は僕がずっと握っているから、どれだけ振りほどこうにも無理らしい
司君又一次剧烈地痉挛起来。他试图挣扎四肢,但或许是因为这个姿势的缘故,双腿只能在床单上微微滑动,做着无谓的扭动。而双手一直被我紧握着,看来无论如何都挣脱不开。

『っはは、あ゛〜、きもちいい、あつい……ね、つかさくん』
"哈啊、啊~、好舒服、好热……呐、司君"

もうこれ以上ないほどナカがしまる。司くんが今感じている快楽の強さを想像して思わず口角が上がった。
体内紧致到无以复加的程度。想象着司君此刻感受到的快感强度,嘴角不禁上扬。

ずっとイッてるんだろう、ポタポタと涙と涎を垂らしながら、司は強い絶頂を何度も重ねていた。結腸をぶち抜いたのだ、きっとあまりの快楽に脳の神経数本が切れるような心地のはずだ。
他一定一直在高潮吧,泪水与唾液不断滴落,司经历了一波又一波强烈的快感。结肠被彻底贯穿了,想必是快感太过强烈,连脑中的几根神经都仿佛要断裂一般。

放物線を描いた潮の少量が類の顔にかかる。司のペニスを弄っていたほうの手で自身の顔を拭うと、手や顔についた司くんの潮をなめとった。
一道抛物线般的少量液体溅到脸颊上。他用刚才玩弄司阴茎的那只手抹了抹自己的脸,又舔净了手上和脸上沾到的司君的爱液。

…ふと司くんが無言なことに気づく。それと同時に司くんが自分のもとへ倒れ込んできた。
……突然注意到司君异常安静。与此同时,司君整个人朝自己倒了下来。

『……っあ゛っ、あっ…はっ、ーーー〜ッ、っはぅ、ぉ゛っっーーー〜〜ッ♡……っ♡……ッ♡ーーーっ♡♡』
「……啊、啊…哈、———~、嗯啊、呜嗯———~~♡……♡……♡———♡♡」

目が緩く上を向いたまま、司くんはピクピクと体を痙攣させていた。まだまだ余韻が残ってるらしい。その余韻さえも凄まじいものであることは、司くんが気絶していながら喘いでいる状態からもわかる。
双眼微微上翻的司君,身体仍在阵阵抽搐。高潮余韵似乎久久未散。光是这份余韵的强烈程度,从昏迷中仍不断娇喘的司君状态就可见一斑。

『ねえ司くん』  "喂,司君"
起きない。頬を優しく叩く。  醒不过来。轻轻拍打他的脸颊。
『おきて』  『醒醒』
あ、目が合った。彼の目尻から涙が溢れた。  啊,对上了视线。泪水从他眼角溢了出来。
『まだ満足できないよ、ね?』  『还没满足吧,嗯?』
司くんの瞳に光がない。それでもちゃんと、僕の方だけを見ている。
司君的眼神失去了光芒。即便如此,他依然只注视着我。

『まだいけるだろう?』  『还能继续吧?』
司くんの口から力無い吐息が溢れた。それは喘ぎ声ではなく悲鳴のようなか細いものだった。
司君口中泄出无力的喘息。那不是呻吟声,而是近乎悲鸣的微弱气息。

『はは、そんなに足を絡めて……』  『哈哈,腿缠得这么紧……』
それでも、司くんはとても――――健気だから。快楽に震える足を自分の足に擦り付けてくる。
即便如此,司君还是如此——惹人怜爱。颤抖着快感的双腿不断磨蹭着我的腿。

『つらいよね、もういやだよね』  『好难受啊,已经受不了了』
でもごめんね。  但是对不起呢。
何度も何度も妄想しても。司くんを頭の中でこんなふうにぐちゃぐちゃにしてもたりないんだ、まったく。
即便在脑海中无数次幻想。把司君这样那样地弄得乱七八糟也还是不够,真是的。


―――――司くんを好きになってから、そんな妄想で抜くようになった。
自从喜欢上司君后,我就开始用这种幻想自慰了。

設計図も描き終わり風呂からも上がってしばらくたつと、突然司くんからメッセージがきた。
设计图画完洗完澡后不久,司君突然发来了消息。

『類!これみてくれ』  『类!快看这个』
そんなメッセージのあとに送られてきたのは、パジャマ姿の司くんが映った動画だった。鷲のポーズをとりながらふふんとでもいうように胸を張って鼻息を『ふんふん』と強く漏らした。その顔を見た瞬間、自分の下半身が屹立する感覚がした。下を見れば、自分のペニスがズボンの布をぐっと突き上げるような状態になっていた。つまり、フル勃起していた。
紧随这条消息发来的是一段司君穿着睡衣的视频。他摆出雄鹰展翅的姿势,像是要炫耀般挺起胸膛,发出"哼哼"的粗重鼻息。看到那张脸的瞬间,我感觉到下半身猛地挺立起来。低头一看,自己的阴茎已经把裤子布料高高顶起。没错,完全勃起了。

司くんと出会って普段の性処理の作法は消え去った。性欲に対してシニカルだった過去の自分は、司くんを思ってシコったティッシュと一緒にゴミ箱に捨てたと言っても良い。
自从遇见司君后,我日常处理性欲的方式便彻底改变了。曾经对性欲冷嘲热讽的那个自己,可以说已经和想着司君自慰后擦拭的纸巾一起,被扔进了垃圾桶。

頭がクラクラするぐらい可愛い司くんをみて思わず思った。
看着可爱到让人头晕目眩的阿司,我不由自主地这样想。

可愛い、汚したい、挿れたい、どこか生意気で、僕が抱いている感情なんて何も知らなくて、何もかも無知で、ただ純粋なだけの司くんを、どうしようもなく乱暴してしまいたいような。『自分の醜さ』を、どうにかして知ってもらいたいような。
想玷污他,想进入他,想对那个带着几分傲慢、对我的感情一无所知、纯粹得不谙世事的阿司做出无法自控的粗暴举动。恨不得让他好好认清「我有多丑陋」。

―――――そんな感覚に支配され続けている。恋愛、性愛至高主義を冷笑していた中学時代の自分が僕に罵声を浴びせてくる。それでも、下半身に手が伸びる。気づけばスウェットをずり下ろして、自分のペニスをしごいていた。
―――――我持续被这种感觉所支配。初中时代那个对恋爱与性爱至上主义嗤之以鼻的自己,此刻正对我破口大骂。即便如此,我的手还是伸向了下半身。回过神来时,我已拽下运动裤,开始撸动自己的阴茎。

『るいー!みてるかー!これは鷲のポーズ第二弾だ!』司くんの声が動画から聞こえる。
"琉依——!看到了吗——!这是鹰之姿势第二弹!"视频里传来司君的声音。

動画はまだ再生されていた。場所は司くんの自室。夜だ。
视频仍在继续播放。地点是司君的卧室。夜晚。

ベッド、結構大きいんだな。押し倒したい、司くんの匂いのこもったベッドで二人くるまりながら、司くんのトロトロの孔にちんぽを突っ込みたい。ほかほかであったかくて、突き上げるとコリコリするところもあって僕を飽きさせないんだろうな、あ゛ーー、司くんが動画の中で口を開けている。真っ赤だ、真っ赤で僕を誘ってるみたい。司くんを押しつぶして、くぐもった声を上げながらひんひん泣き喚く司くんを甚振って、締まるナカに自分のザーメンを気が済むまでぶち込みたい。
那张床,看起来相当大呢。好想把他推倒,在充满司君气味的床上紧紧相拥,将肉棒插入他湿软的穴中。温暖又柔软,每次顶入时还能感受到紧致收缩的触感,绝对不会让我感到厌倦吧,啊——视频里的司君正张着嘴。通红通红的,简直像在诱惑我。好想压垮司君,听着他发出闷哼声呜呜咽咽地哭叫,在那不断收缩的甬道里尽情注入精液直到心满意足。

『っん、ふ、っつかさくん、きもちいい、よ、っは……あ…』
"嗯、呼、司君、好舒服、啊……哈……"

司くんの薄い皮膚に僕の精液を思う存分塗りたくってやりたい。そんな誰もが面を顰める想像に、頭が沸騰しそうなほど興奮した。
我想尽情地将自己的精液涂抹在司君那白皙的肌肤上。这种任谁都会皱眉的妄想,让我兴奋得几乎要脑内沸腾。

僕の匂いまみれになって取れないって泣いたらどうしよう、――――どうしてやろうか?
要是他浑身沾满我的气味洗不掉而哭出来该怎么办呢——我该怎么做才好?

「本当に、かわいい………司くんは、かわいい」  "真的...好可爱......司君,太可爱了"

自分の鼻にかかったような声が聞こえる。もう夢中だった。
耳边传来自己急促的喘息声。 早已意乱情迷。

『ん、つかさくん、すき、すき、すきだ、もう』  『嗯、司君、喜欢、喜欢、最喜欢了、已经』
そう言いながら、乱暴な手つきで自分のちんぽを上下に擦る。手でも気持ちいい、でも司くんのナカの方がもっと気持ちいいんだろう。どんな柔らかさなのだろうか、どんな温かさなのだろう?司くんの泣き顔は普段からよくみる。感情豊かで感受性の高い子だからだ。
一边这样说着,一边用粗暴的手法上下摩擦着自己的阴茎。用手也很舒服,但司君里面应该会更舒服吧。那会是怎样的柔软呢,会是怎样的温暖呢?司君哭泣的脸平时就经常能看到。因为他是个感情丰富又敏感的孩子。

でもきっと男にちんぽ突っ込まれて、赤い乳首も思い切り引っ張り上げられて捻られて舐められて、可愛いちんぽから何も出なくなるまで扱かれて、そんな状況の司くんはまたいつもと違う泣き声なんだろう。絶叫もいい、でもやっぱり、気持ちよさからくる声であってほしいなと思う。
但肯定会被男人用肉棒插入,鲜红的乳头也被狠狠揪起扭转舔弄,直到可爱的小鸡鸡再也射不出任何东西。在这种处境下的司君,想必又会发出与平时不同的哭叫声吧。尖叫也不错,但我果然还是更想听到他因快感而发出的声音。

自分の凶器のようなものが、司くんの慎ましやかなナカに分け入っていく様子を思い浮かべる。
想象着自己那如凶器般的巨物,逐渐侵入司君那娇小紧致的内部。

自分の厚い亀頭が侵入して、司くんが声を上げるんだ。自分はそれを慰めるか、たまに無視をして、遠慮なく押し入ってやる。司くんの柔い肉穴が、この手よりも遥かに熱い肉壺が、自分の何もかもを受け入れて、人と違う所さえも『そんな類が大好きだ』と包み込んでくれる。
我那粗大的龟头侵入时,司君会发出呻吟。我时而温柔抚慰,偶尔也会置之不理,毫不客气地长驱直入。司君那柔软的肉穴,比掌心还要炽热的肉壶,将我的一切都包容接纳,连与众不同的部位也会用「最喜欢这种类型了」紧紧包裹。

きっと、僕の精液を搾り取るように動くんだろう。司くんはどんな反応をするのか想像しながら、下唇を噛んで快楽に耐える。
他一定会像榨取我的精液那样动作吧。一边想象着司君会有什么反应,一边咬着下唇忍耐快感。

『っ、ふ、ふー、んん、ははっ、っ…』  "嗯、呼、呼嗯、啊啊、哈哈、嗯…"
自分の脳内の司くんが乱れに乱れきって、自分のちんぽでよがり狂う。鍛えているのに細い腰が快楽に負けて何度もくねり、体は逃げを打ち、足は飛び跳ねる。喘ぎ声ってどんなものなのだろう、控えめなのか大きな声なのか。
脑海中司君的形象彻底崩坏,正用我的肉棒疯狂高潮。明明锻炼有素却纤细的腰肢在快感中节节败退不断扭动,身体试图逃离,双腿痉挛般踢蹬。他的喘息声究竟会是怎样呢,是隐忍的呜咽还是放浪的呻吟?

動画はもう止まってしまっていた。停止しているのは、黄色いパジャマ姿で鷲のポーズをしている司くんだ。
视频画面早已定格。暂停画面里穿着黄色睡衣的司君正摆出雄鹰展翅的姿势。

その腰。緩くボタンでとめられた胸元、司くんの、顔。眠たいのかな、少し目がとろんとしている。それでも彼の雰囲気としての『清純さ』が、そこにはちゃんとある。
那截腰肢。松散扣着的睡衣领口间若隐若现的锁骨,还有司君那张——是犯困了吗——带着几分朦胧睡意的脸。即便如此,属于他的那份"清纯感"依然鲜明存在着。

それがすごく司くんらしくて、――――突き壊してしまいたい。
这份特质实在太有司君的风格了,让人想要——彻底摧毁它。

『っ、あ゙〜、もう、えろすぎるっ、なんだこれ』  "啊、啊~,不行,太色了,这是什么啊"
類はラストスパートを悟ると、手元にあったティッシュ箱から3枚ほどティッシュを抜き、それをグッと握った。
意识到最后冲刺阶段来临的类,从手边的纸巾盒里抽出三张纸巾,紧紧攥在手中。

司くんはさ、僕がこんな風に君を汚してるだなんて知らないんだろうな。自分がエロい目で見られてるなんて考えもしない。でも僕は君の腹を見るとさ、最近おかしいんだ。僕が突き上げたら絶対、僕の形がぽこりと出るんだろうなって考える。どこまで入るだろうどこまで突けるだろう、どんな奥まで、僕の遺伝子を刻みつけられるんだろうって。
司君啊,大概不知道我正在这样玷污着你吧。根本不会想到自己正被人用下流的眼神注视着。但每当我看见你的腹部,最近就变得很奇怪。总会想着——要是我顶进去的话,肯定会在你身上凸出我的形状吧。能进到多深呢能顶到哪处呢,究竟能在怎样的深处,刻下我的基因呢。

『っは、あ゙〜ー、すき、かわいい、かわいい、可愛い、大好き、すき、すきっ、っぐっ……っ』
『哈啊、啊~、喜欢、可爱、可爱、好可爱、最喜欢、喜欢、喜欢、唔……嗯……』

好きという誰にも聞こえない愛情を連呼しながら、無我夢中でしごく。玉や竿がグッと重くなった。
一边重复着无人能听见的"喜欢"的爱语,一边忘我地撸动着。睾丸和阴茎都变得沉甸甸的。

『くそっ、っぐ……っ』  「可恶、嗯啊……!」
自分の精液で司を孕ませる想像をする。司の悲鳴のような喘ぎ声を何度も何度も頭の中でリフレインさせながら、類はとうとう射精した。
想象着用自己的精液让司怀孕的场景。在脑海中不断回放着司那近乎悲鸣的喘息声,类终于射精了。

興奮で頭がぐらつく。ティッシュは自分の精液で濡れて重くなっていた。風呂に入ったばかりだと言うのに類は汗をかいていた。イカ臭い据えた匂いで、一気に正気へと引き戻される。使用したティッシュを何重にも新しいティッシュでくるんだ後、類は急いでズボンをあげ、手を洗いに行く。冷水に冷やされながら類は項垂れる。頭がぐらぐらとして水分でも取りたい気分だったが、類の手に残る触感やまとわりつくような後味の悪さが類を1歩も動けなくさせる。手を濡らしたまま、類は床にズルズルと座り込んだ。
兴奋得头晕目眩。纸巾被精液浸透变得沉甸甸的。明明刚洗完澡,类却又出了一身汗。精液特有的腥臭味让他瞬间清醒过来。用好几层新纸巾包住用过的纸巾后,类匆忙提上裤子去洗手。冷水冲刷时类垂下了头。虽然头晕目眩想喝点水,但残留在手上的触感和挥之不去的罪恶感让他寸步难行。任由双手湿漉漉的,类就这样滑坐在地上。

『……つかさくん、ごめん』  “……司君,对不起”
それでも、止まらなかった。  即便如此,还是停不下来。
終わったあとはいつもこんな調子だった。あの大きく溌剌とした声を聞く度に罪悪感でどうにかなりそうな気がする。友達として隣に立つにはあまりに不誠実な感情だった。まさか僕があんな風に司くんを汚したいと思っているなんて考えもしないだろうことは、司くんの純粋さからもみてとれた。
每次结束后总是这种状态。每当听到那爽朗洪亮的声音,就感觉要被罪恶感压垮。作为朋友站在他身边时,这份感情实在太过虚伪。从司君纯粹的举止就能看出,他绝对想不到我竟怀着那般玷污他的念头。

辞めるべきだと思う、それらの行為は司くんに対してすごく失礼な事だ。
应该停手的,那些行为对司君实在太失礼了。

『あたま、いたいな』  『头好痛啊』
それでもやめられない。  即便如此也无法停止。
司を好きになってから、類の脳内にはいくつもの変化が起きた。世の中が全て新しく新鮮に色づいたように見える。下を向かず人々の顔そのものを見るようになった。人生が楽しくなった。よく、笑うようになった。
自从喜欢上司后,类的大脑里发生了许多变化。整个世界仿佛都焕发出崭新的色彩。他开始不再低头,而是直视人们的脸庞。生活变得充满乐趣。他常常,展露笑容。

しかし生きやすくなった代償が類をまたもや追い詰める。
然而活得轻松的代价,就是再次将同类逼入绝境。

自分の人生が好転したことで生じた生贄。その生贄はつまらない予定調和の世界に生きてきた類を救ってくれた、他ならぬ司だった。
人生好转所献上的祭品。正是这位名为司的存在,拯救了那些活在乏味宿命世界里的同类。

やめたい、辞めたいのに。好きって言う気持ちさえ無くなれば
想停下,好想停下。要是连这份喜欢的心情都能消失就好了

こんな行為だってしなくて済むというのに。  明明不必做到这种地步的。

「はは……司くんのこと、そんなふうに思っちゃいけないのに、かわいいなあって、思うよ。押し倒したいっておもう、自分を好きでいてくれたら嬉しいし、僕に抱かれて欲しいし、僕だけを見てほしい。僕さえいればもう何もいらないんだって思われたい」
"哈哈……明明不该这样看待司君的,可还是觉得你好可爱啊。想把你推倒,想着如果你能喜欢我就好了,想占有你,希望你只注视着我。好想让你觉得只要有我在就什么都不需要了"

類は目をゆっくりと閉じた。ラウンジに響く放送が今日の日付と施術の空き情報を伝えている。かつて女性にも男性にも興味を抱けなかった。温泉で隣り合わせになっている風呂を覗こうだとか、はたまた同性の裸で興奮して、なんなら襲ってやろうとか、そんな思考は類の頭には全くと言っていいほど存在していなかった。むしろ嫌悪していた節まであった。
类缓缓闭上了眼睛。休息室里回荡的广播正播报着今天的日期和治疗空档信息。他曾经对女性也好男性也罢都提不起兴趣。偷窥温泉里相邻的浴池也好,或是因同性的裸体而兴奋,甚至想要袭击对方之类的念头,在类的脑海中几乎可以说完全不存在。不如说他甚至对此感到厌恶。

しかし、今は違う。  但现在不同了。
「司くんが僕を友人としてみてたころから、僕はずっと司くんを――――犯したいって思ってる」
"从司君把我当朋友的时候起,我就一直想——侵犯司君"

きっと司くんほど流されやすい人のことだ。なんとなく類は妄想を現実にできる気がしていた。
像司君这样容易随波逐流的人,说不定真能把妄想变成现实。

そこまで思って、類は首を振った。  想到这里,类摇了摇头。
「でも1番は、司くんがどう思うかだからさ。体も、司くんを思う気持ちも、とんでもなく逸脱している僕を受け入れられないって言われたら、僕もそれに付き従うしかないよ」
"但最重要的是司君怎么想。无论是我的身体,还是对司君的感情,都已经偏离常轨到离谱的地步。如果他说无法接受这样的我,那我也只能遵从。"

彰人の方を見ながらそう言って微笑んだ類に、彰人は息を飲み動揺していた。
彰人望着说出这番话还微笑的类,倒吸一口凉气陷入动摇。

『犯す』――――いつも言葉遣いだけは丁寧な神代センパイからは想像もつかないほどの暴力性や乱暴さに満ちた言葉だった。理解できない訳ではなかった。男なら大なり小なり乱暴とまでは行かないが、無理やり押し倒して快楽に喘がせるなりを想像したことは誰しもあるだろう。ない人間の方が希少だ。そして彰人は何となく類が希少な後者側であると思っていた。犬に関する配慮といい、女性に対する物腰のやわらかさといい、モテてはいるようだがショーに熱中するあまり女性関係に無頓着であるというのは、彰人の中で、類さえもそう思っているだろうという意味で公然の事実だった。性欲よりショーだ、そう言いながら笑うと思っていた。
"侵犯"——从向来措辞得体的神代前辈口中,竟会迸出如此充满暴力性与粗野的词汇。倒也不是不能理解。只要是男性,或多或少都曾幻想过将人推倒、令其沉溺快感呻吟的场景吧,即便不到粗暴的程度。没有这种念头的人才是少数。而彰人一直隐约觉得类属于稀有的后者。无论是他对犬只的体贴,还是对待女性时的温柔态度,虽然看似受欢迎,却因沉迷演出而对男女关系漠不关心——这在彰人心中,甚至觉得类本人也会这么认为,已是公开的事实。他原以为类会笑着说"比起性欲,演出更重要"。

しかし違うのだ。この男は本気で司センパイの事が好きなのだろう。草薙や鳳、昔馴染みだという暁山に向ける感情とはまったく違っていると思った。もっと深いところにある、性的な熱がある。
然而事实并非如此。这个男人恐怕是真心喜欢司学长的吧。我意识到他对草薙、凤以及那位自称旧识的晓山所抱持的感情截然不同。那是一种更为深层、带有性意味的炽热情感。

その余りの思いの強さに、彰人は息を呑んだ。  彰人被这份过于强烈的情感冲击得屏住了呼吸。
それに――――。  而且——
このセンパイは語るのに夢中で、いや司センパイに夢中で気づいていないかもしれないが、通りかかった若い女たちが神代センパイに釘付けになっていた。その女たちは頬を真っ赤にしながら彼を舐めまわすように見たあと、熱に浮かされたようなしまりのない顔をしていた。
这位学长说得太投入——不,是对司学长太过着迷所以没注意到吧,路过的年轻女孩们都直勾勾地盯着神代学长看。那些女孩面红耳赤地用视线舔遍他全身后,纷纷露出情欲高涨的恍惚表情。

彰人にはその瞳に映っていたものがわかった。欲情だ。この男と1度でいいから交わってみたいという、赤裸々で本能的な願望。彰人がこの場にいなければ神代センパイは女に連絡先交換を打診されていたに違いない。打診されるくらいならまだいいだろう。しかしそれ以上の誘いが起こっても全く驚かない、そんな雰囲気が今の類にはあった。
彰人清楚她们眼里映照的是什么。那是情欲。赤裸裸的本能渴望——哪怕只有一次也好,想和这个男人交融的原始欲望。如果彰人不在场,神代学长肯定会被那些女孩索要联系方式吧。被搭讪还算好的,但就算发生更露骨的邀约也毫不奇怪,此刻的空气里正弥漫着这样的氛围。

舞台に立つ者として、神代センパイが整った容姿をしていることは彰人も認めていた。もちろん冬弥や司センパイ、そして自分だって整った容姿はしているが、普段おちゃらけた様子のセンパイとのあまりのギャップに流石の彰人もたじろいだ。
作为站在舞台上的人,彰人也不得不承认神代前辈拥有出众的容貌。当然冬弥和司前辈,包括自己也都相貌端正,但平时总是一副吊儿郎当前辈模样的神代与此刻形象反差之大,就连彰人也不由得为之震撼。

ちんぽとかそういうことではない、これは色気だ。  这与阴茎无关,这是性感的魅力。
壮絶な、雄としての色気。  作为雄性,这份性感堪称极致。

少し濡れた髪を耳にかけ、切れ長の目もとはほんのりと赤い。伏せ目がちの長いまつ毛の中に閉じ込められた月のような瞳は、司センパイを思ってか、蕩けているようにもぎらついているようにも見える。まつ毛の長さやベルベットの眦のせいかどこか女性的に見える顔の造形すら、その無骨でしっかりとした長い手を見れば、明らかに性的に成熟した男性であることが分かる。制服では隠しきれない男の色気。
微湿的发丝别在耳后,狭长眼尾泛着淡淡红晕。低垂的长睫毛间,如月般清冷的眼眸因思念司学长而显得既迷离又灼热。那纤长睫毛与丝绒质感的眼梢虽让面部轮廓带几分阴柔,但只要看见他骨节分明、修长有力的手,便知这分明是位性成熟的男性。制服也掩不住的雄性荷尔蒙。

正直、高校生とは思えない。  老实说,完全不像个高中生。
彰人は愛おしい相棒のことを思い出していた。そうだ、彼もそんな目を―――――。
彰人回想着自己那可爱的搭档。没错,他也曾有过那样的眼神——————。

だからだろうか、動揺し油断した。思わず身じろいだ彰人の指にものが当たる。
或许正因为如此,他才会心神动摇、一时疏忽。彰人的手指不经意间碰到了某个东西,令他下意识地瑟缩了一下。

ポン。

微妙な空気の中、無機質な音が響いた。  微妙的氛围中,响起了无机质的声音。
類がハッとして音の出処をみる。彰人のスマホから確かにその音は流れた。見慣れない画面に類が手を伸ばす前に彰人がスマホを遠ざける。しかし目敏い類は見逃さなかった。ポップアップにはこう文字が記されていた。
类猛地一惊,循声望去。那声音确实是从彰人的手机里传出来的。在类伸手触碰陌生画面之前,彰人迅速将手机移开。但眼尖的类没有错过——弹窗上赫然显示着这样的文字。

『録音が終了しました』  『录音已结束』

「…いまの、なに?」  "…刚才那是什么?"
類が冷えた声をだした。冗談ぶった声には聞こえない、全く感情の読めない真顔を彰人に差し向ける。
类用冰冷的声音问道。那听不出半点玩笑意味的声线,配上完全读不出情绪的正经表情,直直投向彰人。

「いや、これは」  "不,这个是"
「録音画面だったよね?」  "刚才在录音界面吧?"
「ちが、ちがいますこれには訳が」  「不、不对,这其中一定有误会」
「…………」  “…………”
ビキッ!と音を立てて、類が握っていた牛乳瓶が割れた。中に入っていた少量の牛乳が、類の手に沿ったあとボタボタと床にこぼれ落ちる。
啪嚓一声,类握着的牛奶瓶碎裂开来。瓶中所剩无几的牛奶顺着他的手流淌,滴滴答答地洒落在地板上。

……やべぇ!!!  ……糟了!!!
そう彰人は思った。それもこれも、司センパイの恋人である神代センパイと銭湯にいくのだからと彰人が変な気を利かせてしまったせいだ。関わらなかったらよかったのに!彰人は心中で頭を抱えた。万が一にでも「浮気だ!」と言われてはたまらないと、彰人は司に銭湯の住所とともに「今回の件で嫌っていない証拠があれば送ります」と言ってしまっていたのだ。神代センパイに司センパイの好きなところを挙げ連ねろといったのはつまりそういうことだった。もしあの一件で司センパイが神代センパイに嫌われてしまっていたのなら、彼は司センパイとの馴れ初めや魅力などは語りたがらないはずだからだ。
彰人这么想着。这一切都是因为他多管闲事,非要和司学长的恋人神代学长一起去澡堂。要是没掺和这事就好了!彰人在心里抱头懊悔。万一被误会成"出轨"可就完蛋了,所以他给司发了澡堂地址的同时还说"我会发证据证明这次的事没让你被讨厌"。之所以让神代学长列举喜欢司学长的地方,就是这个原因。如果因为那件事导致司学长被神代学长讨厌的话,对方应该不愿意谈起和司学长的相遇经过和魅力点才对。

それでも盗聴のような真似をするのはやはり気が引けたし、彰人の倫理観も「それはだめだ」と言っていた。そしてなにより神代センパイの言葉は司センパイに直接伝えなければならないような気がしてならなかった。
即便如此,偷听这种事还是让我心生抵触,彰人的伦理观也明确表示"那样不行"。更重要的是,我总觉得神代前辈的话必须直接传达给司前辈才行。

だから録音ボタンは押していなかったのに、いったいいつ押してしまったんだ!?彰人自身も困惑していたが、まずは誤解を解かなければならない。
明明没有按下录音键,到底是什么时候按到的!?彰人自己也感到困惑,但首先必须解开误会。

しかし、それは後の祭りだ。現に今、神代センパイは青筋をたてながら彰人に掴みかかろうとしていた。どう誠心誠意謝ろうか考える前に類が彰人のスマホを掴もうとする。彰人が回避したことでその手は空を切る。その代わりに類は彰人の腕を掴んだ。
但这已经为时已晚。此刻神代前辈正青筋暴起,眼看就要揪住彰人。类还来不及思考如何诚心诚意道歉,就先伸手去抢彰人的手机。彰人一个闪避让那只手扑了个空,结果反被类牢牢抓住了手腕。

「いやこれは消去するつもりだったんです、っ痛っだ!まてまてまてって!」
"不是这本来就是要删掉的啊痛痛痛!等等等等!"

「うん、分かってるから」  “嗯,我知道的。”
「わかってないですセンパイっ!俺が目の前で消しますから!今のセンパイに俺のスマホ触られたら、スマホが壊れます!!!ってぇ!馬鹿力すぎる!」
"前辈你根本不明白!我要当着你的面删掉!要是让现在的前辈碰到我的手机,手机会坏掉的啊!!!呜哇!力气也太大了!"

怒りのあまり類が渾身の力で握りこんだことで、悲惨に割れた牛乳瓶が自分のスマホの末路のように思えて、彰人は必死にその手から逃れようとする。
愤怒之下类用尽全力握紧拳头,那悲惨碎裂的牛奶瓶仿佛预示着自己手机的下场,彰人拼命想从那只手中挣脱。

「信用できると思う?」  "你觉得能相信吗?"
「ほんと、ほんとすみません!!謝ります!!!違うんです、これにはわけが!本当にやるつもりじゃなくて!」
"真的、真的对不起!!我道歉!!!不是这样的,这事有原因的!我真的不是故意的!"

「とりあえず渡してくれ」  “先把它给我”
「やめてください!って、うぉ!?」  “住手!喂、呜啊!?”

2人がもつれ合った拍子に彰人が体勢を崩した。ラウンジのソファから落ちそうになった彰人を類が支えようとする。
两人纠缠间彰人失去平衡。类试图扶住差点从休息室沙发跌落的彰人。

「っ東雲くん!」  “东、东云君!”
「………っ」  "………呜"

そう、それは偶然だった。何から何まで全て。  是的,这一切纯属偶然。彻头彻尾的偶然。

「…っ類ーーーーーー!!!そこにいっ……」  "类——————!!!你在那......"
ここにいるはずのない愛おしい恋人の声が聞こえたことで、類が勢いよく顔を上げた。
听到本不该出现在此处的挚爱恋人的声音,类猛地抬起了头。

「えっ……………」類が絶句した。彰人は声もでなかった。
"诶……………"类哑口无言。彰人发不出声音。

そこには口を固く結びながら呆然と二人を見ている、司がいた。
只见司紧闭双唇,茫然地望着他们两人。

類の天才的な脳が状況を瞬時に整理する。  他那天才般的大脑瞬间理清了状况。
まず場所は銭湯だ。運の悪いことにここはホテルを併設している。今日は金曜日、明日は休みだ。
首先地点是公共澡堂。倒霉的是这里还附带酒店。今天是周五,明天休息日。

そして自分と彰人は濡れた髪に赤く火照った体をして、尚且ついままで暴れ回っていたからか制服が乱れている。
而我和彰人此刻顶着湿漉漉的头发,浑身泛着红晕,再加上刚才那番折腾,制服都凌乱不堪。

なにより体勢が酷すぎた。類が彰人をソファに押し倒すような格好になっている上、類が彰人の頭に片手を添え、その影響か類と彰人の顔はもう少しでキスでも出来そうなほど近かった。
最糟糕的莫过于这个姿势。类以近乎将彰人推倒在沙发上的姿态压制着他,还单手托住彰人的后脑勺——或许正因如此,两人的脸近到仿佛下一秒就要接吻。

そしてもう片方の手は、彰人を助ける際自分も体勢を崩さないようソファの縁を掴んでいた。が、司の声を聞いた瞬間手を離してしまったことで、体勢こそ崩さなかったものの、類の手にベッタリとついた『謎の白く濁った液体』が、しっかり司の目に写ってしまっている。
而另一只手为了在帮助彰人时也保持身体平衡,正抓着沙发边缘。但在听到司声音的瞬间松开了手,虽然身体没有失去平衡,但附着在类手上的"神秘白色浑浊液体",已经清清楚楚地映入了司的眼中。

やばい。これはやばい。  糟了。这下真的糟了。

彰人は類の顔も司の顔も見たくないとばかりに、冷や汗を垂らしながら目を閉じている。
彰人仿佛不愿看到类或司的脸一般,闭着眼睛冷汗直流。

固まる2人を他所に、司がポトンと何かが入った袋を落とした。そこにはお高めのパンケーキ専門店の箱が2つ、類が大好きなラムネジュースが3つ入っていた。
两人僵持之际,司突然啪嗒一声掉落了手中的袋子。里面装着两盒高档松饼店的甜品和三瓶类最爱的柠檬汽水。

「……………」  "……………"
「……………」  "……………"
「つ、つかさく」  "类、类司..."
司の大きな瞳が水分をたくさん含んだことで、キラリと光った。眉が普段とは考えられないほど下がって、やがて目のふちから大粒の涙がポロポロと星のようなきらめきをもって落ちた。司が作った握りこぶしが震えている。喉から捻り出したような悲痛な声で、司は言った。
司那双大眼睛噙满泪水,在灯光下闪闪发亮。他的眉头垂得比平时更低,很快大颗泪珠便如星辰般扑簌簌地从眼角滚落。司攥紧的拳头不停颤抖,从喉咙里挤出撕心裂肺的声音说道。

「…………っ、るい、もうおれのこと、きらいになったのか、っ、しかたないこと、だ、すまない、るい、おれがっ、…っ、すまなっ…、っおしあわせに、っあきとも、っすまない」
“………呜、琉依,你已经讨厌我了吗…呜…这也是没办法的事…对不起…琉依…我…呜…对不起…祝你幸福…呜…秋人…对不起…”

「っえ?ちょっとまって司く、まっ……え」  "诶?等等司君,等……诶"

踵を返した司がゆっくりとした態度で落ちた袋を拾うと、そのまま歩いて玄関口に向かう。その数秒後、ポタリポタリと断続的な水音が硬い床に鳴った。周囲で騒動を見守っていた数人が司の顔あたりを見てぎょっとした顔をする。やがて司は、とぼとぼと背中を丸めながら銭湯を出ていった。
司转身缓缓拾起掉落的袋子,径直朝玄关走去。几秒后,断断续续的水滴声啪嗒啪嗒地砸在坚硬的地板上。周围几个看热闹的人瞥见司的脸,顿时露出惊愕的表情。最终,司佝偻着背,步履蹒跚地离开了澡堂。

………泣いてる。ないてた、僕が泣かせたんだ。  ………在哭泣。正在哭泣,是我让她哭的。

あまりの信じられなさ故同じ体勢のまま硬直した類に、彰人はもう申し訳なさでいっぱいだった。
由于难以置信的事实而僵在原地保持同一姿势的类,彰人心中已充满歉意。

「すんません、ほんと」  “抱歉,真的”
あまりの罪悪感と無力感に声を振るえさせる彰人を起こすと、類は彰人の肩にぽんと手を置いた。本当は司センパイを追いかけたくて仕方ないだろうに、それでもここで自分をを放っておくのも違うだろうと彼は思ってるのだろう。
被强烈的罪恶感和无力感折磨得声音颤抖的彰人刚抬起头,类就轻轻拍了拍他的肩膀。他明明恨不得立刻去追司学长,却还是觉得不该就这样丢下自己不管吧。

類は努めて優しい声で言った。不安で泣きそうな子供をあやすような声だ。
类用尽量温柔的声音说道。那声音就像在安抚一个因不安而快要哭泣的孩子。

「…大丈夫、君は悪くない。もちろん、司くんね」  "...没关系的,你没有错。当然,司君也是。"
「でも俺は」  "可是我..."
「君を銭湯に誘ったのは僕だ。だからこの件に関しては僕が悪い。君が司くんのことを思ってくれていたことは知ってるよ。……「人のためにしよう」って思ったことがから回ってしまって自分の思った通りの結果にならないことは、よくあるものだ。そしてそうなった原因は、本当は自分の心が邪悪だったとか、そういう事じゃないんだ」
"约你去澡堂的人是我。所以这件事是我的错。我知道你是为司君着想的......'想为别人做点什么'却事与愿违,最终没能得到预期的结果,这种事情很常见。而且造成这种结果的原因,其实并不是因为自己内心邪恶之类的。"

「……はい」  “……好”
「結局のところさ、なにごともタイミングと運と、そしてなにより「他人のためになにかしたい」っていう気持ちなんだよ。司くんのために色んなことをしようと君は思った。ちがうかい?だから司くんはここが分かったんだよね。教えてないのに司くんがここに来れた理由は、きっと君が住所を送ったからなんだろう?」
"说到底啊,任何事情都讲究时机和运气,更重要的是'想为他人做点什么'这份心意。你想为司君做各种事情对吧?我说错了吗?所以司君才会发现这个地方。虽然没人告诉他,但司君能来这里的原因,一定是你把地址发给他了吧?"

見抜かれている。そしてその慰めが、まったくもって神代センパイらしかった。彰人は沈んでいた気持ちを抑え、少し顔を上げる。神代センパイの顔には困ったような笑顔が浮かんでいた。
被完全看穿了。而这份安慰,确实很有神代学长的风格。彰人压抑着低落的情绪,微微抬起头。神代学长脸上浮现出困扰般的笑容。

「ふふ…司くんもさ、あの時僕が粗チンでも良いって言ってくれてただろう。それだけで僕は充分嬉しかったんだよ。ねえ、あの会の本当の目的は『トラウマだったら申し訳ないことをした、どうしたらいいのか』それを話し合うことだったんだろう。それに途中、君が真剣に僕のことを庇ってくれてたことも、ちゃんと聞こえていたから、大丈夫だよ」
"呵呵...司君那时候不也说过吗,就算我是早泄也没关系。光是这句话就让我很开心了。其实那次聚会的真正目的,是要讨论'如果造成心理阴影该怎么弥补'对吧?而且中途你认真维护我的那些话,我都清楚地听到了,所以没关系的"

自分の巨根について真剣に悩んでいた神代センパイにとって、司センパイの発言には心をなでおろしたことだろうと思う。司センパイの火に油を注ぐような擁護すら、神代センパイには嬉しかったのだろう。受け止められない辛さを知っているのだろうか。罪悪感がどんどんと募っていく。
对于正为自身巨根而烦恼不已的神代前辈来说,司前辈的这番话想必让他如释重负吧。就连司前辈那火上浇油般的维护,对神代前辈而言也是种慰藉。他是否知晓这份无法承受的痛苦呢?罪恶感正不断在心中堆积。

「………はい、でも」  “………嗯,但是”
『俺が茶化したせいで』その言葉を出そうと思った。それを神代センパイに読まれたのか彰人の、自分を非難する言葉は遮られた。
『都怪我开玩笑』这句话差点脱口而出。不知是否被神代前辈看穿了心思,彰人责备自己的话语被中途打断。

「僕がもし本当に粗チンだったとしても怒ってなかったよ。そして別に、あの時も今も実の所怒ってないんだ。周囲にバレたとしても気にしなかった」
「就算我真的早泄也不会生气的。其实那时候也好现在也好,我本来就没在生气。就算被周围人知道也无所谓」

「…え」
彰人は驚いて類の方を見た。類はまたもや困った顔をしながら彰人に自分の思いを発露する。
彰人惊讶地望向类。类再次露出困扰的表情,向彰人坦露心声。

「……隠したかったはずじゃ」  “……不是应该想藏起来的吗”
類はすこしのあいだ顎に指を当てると、あっけらかんと答える。
她轻轻将手指抵在下巴上,片刻后爽快地给出了回答。

「そもそも人にどう見られたって僕は気にしないしね。もし気にしてたら爆発騒ぎなんて起こせない、違うかい?だから君がどう思うかって話で、そして今君は反省しているじゃないか。ふふ、僕ってあんまり反省してないってよく言われるからなあ」
"反正别人怎么看我根本无所谓。要是在意这些的话,根本闹不出爆炸骚动吧?所以重点在于你怎么想,而你现在不是正在反省嘛。呵呵,大家都说我这个人最不懂得反省了。"

「………」
「それにさ、粗チンがコンプレックスだったとしても、あの司くんの言葉を聞いちゃったら許すしかないだろう。ふふ、プライドとかそんなのは、司くんの前では骨抜きになっちゃうんだ。…粗チンとか巨根とか関係なく司くんは僕を受け止めてくれる、それが分かったからいいんだ。それに今回君は茶化さずに僕の相談に乗ってくれただろう?あまり聞きたい話でもないだろうし銭湯に入る前に逃げ出しても良かったのに。僕をぞんざいに扱った人なんて山ほどいる中で東雲くん、君は違った。君は真面目でいい人間だよ。何かを守るためになにかを蔑ろにしないということは、なかなかできることでは無いよ」
"再说了,就算尺寸小真是我的自卑点,听到司君那番话也只好原谅他啦。呵呵,在司君面前什么自尊心都会被磨平的...不管是大是小,司君都会接纳真实的我,明白这点就够了。而且这次你也没敷衍我,明明可以趁泡澡前溜走的——在那么多轻慢我的人里,东云君你不一样。你是个认真善良的人。能为守护某些事物而不轻视其他,这可不是谁都能做到的。"

「……」
彰人の表情から気張りが抜けたのを見て類はひとつ笑うと彰人と目線を合わせた。やはり、困った顔だった。
看到彰人脸上紧张的神情消退,类微微一笑,与他四目相对。果然还是一副困扰的表情呢。

―――――ああ、やっとわかった。なぜ、惚れたのか。
―――――啊,终于明白了。为何,会爱上你。

「…君って司くんに似てるんだ」  “……你长得有点像司君呢”
「……うれしくないっす、それ」  “……我一点也不高兴听到这个”
「ふふ、そう?僕にとっては最上級の褒め言葉なんだけどな。…ねえ東雲くん、最後に頼んでいいかな?」
“呵呵,是吗?对我来说可是最高级的赞美呢……呐,东云君,最后能拜托你一件事吗?”

類が自分のスマホと鞄を持って立ち上がる。  类拿起自己的手机和包站了起来。
「…はい、なんでも」  "……好,什么事?"
「あの録音した音声、僕のスマホに送っておいてもらってもいいかな」
"那个录音文件,能麻烦你传到我手机上吗?"

やはりそれか。そう思いながらも確認する。  果然是为了这个啊。虽然早有预料,但还是确认了一遍。
「あの音声は絶対聞かれたくないはずじゃないんですか」
"那段录音绝对不想被人听到吧"

「だからだよ」  "所以才要这样啊"
「…!」
「…結局いつまでも秘密を隠し通すことはできないものだね。だからこそ今、司くんへの愛を証明する手段はこれしかない。頼めるかな」
“…终究无法永远隐瞒秘密。正因如此,现在能证明我对司君心意的只有这个方法了。可以拜托你吗”

「もちろんです」  “[R-18] #腐向萝莉控 #♡娇喘 【救命】我的男友可能是小牙签 - 一缕的小说 - pixiv”
彰人は間髪入れずに答えた。よく見ると神代センパイの手は小刻みに震えていた。
彰人毫不犹豫地回答。仔细一看,神代前辈的手正微微颤抖着。

「………神代センパイ」  "……神代学长"
大切な人に自分の本心を打ち明けるのは、辛くて痛くて怖い。自分の欲望や要求を相手に曝け出すのは怖い。拒絶されるかもしれない、嫌われたら大切だと思うほど進めなくなる。かつて、相棒にそう弱音を吐かれたことがあった。この妙に臆病なセンパイも他人に自分の気持ちを打ち明けることが苦手だ。
向重要的人袒露真心,既痛苦又可怕。将自己的欲望和要求暴露在对方面前令人恐惧。可能会遭到拒绝,越是珍视就越害怕关系会因此停滞不前。曾经,搭档也向我吐露过这样的怯懦。这位异常胆怯的学长,同样不擅长向他人敞开心扉。

それなのに、そうか。それほどまでに司センパイが好きなのか。
原来如此。你竟然这么喜欢司学长啊。

離したく、ないのか。彰人は胸が熱くなった。今このセンパイは世界で最もかっこいい人間のひとりだ。
不想...放开我吗?彰人感到胸口发热。此刻的这位学长堪称世界上最帅气的人类之一。

結局、男とはちんぽのデカさではない。今の神代センパイが例え粗チンであったとしても、彰人は「今の神代センパイはかっこいい」と思っていただろう。
说到底,男子气概与阴茎尺寸无关。即便神代学长真是短小,彰人依然会觉得"现在的神代学长帅极了"。

男とは器だ。司センパイと神代センパイ、どちらにもきっと言えることだ。何があってもドンと構えて決して揺らがず、ただ愛情を持って接する。そこにちんぽのでかさなんぞ些細な問題だ。男の生き様にちんぽの長さなど全く関係がないことに、ようやっと気づいた。体や心のコンプレックスが必要な場面はある。思わぬ活力を与えてくれることもあるし、それで自体が好転することももちろんある。だが、何事も結局は自分との向き合い方なのだということに気づいた。この騒動がなければ、思い至ることすら難しい『普通』だった。
男子气概在于器量。无论是司学长还是神代学长都印证了这点。无论发生什么都能岿然不动,始终以爱相待。阴茎大小在这种气度面前根本不值一提。他终于明白,男人的生存之道与阴茎长度毫无关联。身体或心理的自卑感在某些场合确实存在,有时能激发意外活力,甚至带来转机。但最终领悟到,一切都取决于自我认知的方式。若非这场风波,这种"平凡"的真理恐怕永远难以参透。

彰人はいつのまにか悟り、鷹揚に頷いていた。  彰人不知何时已然领悟,从容地点了点头。
真実の愛情を持って、恋人に愛を伝えることのできる男――――それ以上にかっこいい男が、いや『漢』が、いるはずもない。最初は司センパイがそうした。少なくとも、神代センパイにとってはそうだった。なら今度は神代センパイが、司センパイに伝える番だということなのだろうと、彰人は思った。
用真挚的爱意向恋人传递心意的男人——世上再没有比这更帅气、更有男子气概的存在了。最初是司前辈这样做的。至少对神代前辈而言确实如此。那么这次轮到神代前辈向司前辈表达心意了,彰人这样想着。

「じゃあ行ってくるね。あ、掃除も任せることになるね、本当にごめんね」
"那我出门啦。啊,打扫也要拜托你了,真的很抱歉"

「いえ大丈夫です。むしろやらせてください………センパイ!」
“不,没关系的。不如说请让我来………前辈!”

司を目掛けて駆け出していく類に彰人は声をかけた。  彰人对着正朝公司方向跑去的类喊出了声。
魂の叫びだった。自分が今言えることではないかもしれないけれど、でも。
那是灵魂的呐喊。或许此刻不该由自己来说这句话,但是。

「大丈夫です、――――神代センパイの思いは、司センパイに必ず届きます!!
"没关系的————神代前辈的心意,一定会传达给司前辈的!!"




评论

  • かの

    続きを出すとのことをXで拝見いたしまして、、!! ほんとこの話面白くてえろくて大好きなので、すっごく楽しみです、応援しときます✨
    在 X 上看到您说要更新后续!! 这个故事真的又色气又有趣超级喜欢,超级期待呢,我会一直支持您的✨

    7月6日回信
  • aira

    とても面白くて面白いです!終盤まで類の下半身のギャップも面白いと思ってましたwww、最後に類が倒れるのも面白すぎましたww類司二人の恋愛感も萌えました!とにかくこの文章が大好きです! !(表現の下手さに加えて翻訳機を使ったことによる意味のズレが先生にご迷惑をおかけしないことを願い
    太有趣了!直到故事后半段类展现出的下半身反差也让我觉得很有意思 www,最后类倒下的场景也超有趣 ww 类和司两人的恋爱感也超萌!总之我超喜欢这篇文!!(加上我表达笨拙又用了翻译机导致的语义偏差,希望不会给老师添麻烦)

    4月16日回信
  • aira

    (以下の文字は翻訳機を使用していますが、意味がずれているかもしれません!)とても可愛くて面白い文字です! !先生の話はとても面白くて、冒頭の司と彰人のチャットはとてもユーモアがあって、事実を結合して見て更に面白いwww先生の銭湯のあの通行人の男が類の下半身を見る描写がとても好きで
    (以下文字为机翻,可能存在语义偏差!)这段文字超级可爱又有趣!!老师的故事非常精彩,开头司和彰人的聊天对话充满幽默感,结合现实看更有意思 www 特别喜欢老师描写澡堂里那个路人男子偷窥类下半身的情节

    4月16日回信