ミーくんが作る深夜のポニ〇風みそラーメン 小米君制作的深夜豚骨风味味噌拉面
よっちゃんのおしゃべりクッキングシリーズの最新作。
小夜的美食闲聊系列最新作。
世一の作るレンチン料理によってと胃袋を掴まれたカイザー。
凯撒被世一用微波炉料理征服了胃袋。
「愛されてみたい」と願った少年は成長し、サッカーで金を稼いで美味しいものを食べて観光する普通の「人間」でいようとしていた。
渴望被爱的少年渐渐长大,试图通过踢足球赚钱、品尝美食、四处旅游,成为一个普通的"人"。
今回はそんな彼が日本の潔家でインスタントラーメンとおにぎりに挑戦するお話だ!
这次讲述的是他在日本洁家挑战泡面和饭团的故事!
新刊『よっちゃんのおしゃべりクッキング ドッカ~ン!』
新刊《小悠的爆笑料理教室 轰隆隆!》
1よっちゃんとミーくんのおいしい夜食【焼きおにぎりのだし茶漬け】
1 小夜和米米的美味夜宵【烤饭团茶泡饭】
2ミーくんが作る深夜のポニ〇風みそラーメン 深夜由米君制作的萌系味噌拉面
3おにぎりは爆発しません!【ミーくんと潔夫妻と梅シロップ、ついでに寿司―ガチャもな―】
3 饭团不会爆炸!【咪君与洁夫妇的梅子糖浆,顺便还有寿司——扭蛋也有哦——】
その中でミーくんがインスタントラーメン作りに挑戦するお話をまるっと載せます。
这次要完整刊登米君挑战制作方便面的故事。
※どちゃくそ性癖にぶっささるスペインのバニー・イグレシアスも出しちゃいました。潔さん、みんなから愛されております。
※连西班牙的兔女郎伊格莱西亚斯都忍不住被这超变态的性癖戳中。阿洁真是被大家深爱着呢。
今までのお話はこちら! 往期故事请点这里!
「よっちゃんのおしゃべりクッキング」novel/20007247
《小优的闲聊厨房》novel/20007247
「和食の定番をクソ喰らえ! レンチン・サバの味噌煮」novel/21159883
“去他的和食经典!微波炉青花鱼味噌煮”novel/21159883
「レンチンお茶会お菓子・ホットケーキミックスでチョコチップスコーン」novel/23137547
《微波炉茶点·用松饼粉做巧克力碎片司康》novel/23137547
2025/7/13
【星に願いを 2025-day2-】【ブルーローズの浄潔】
【向星星许愿 2025-day2-】【蓝玫瑰的净洁】
スペース:西3 B29b『にゃろんえーす』 空间:西 3 B29b《喵喵天堂》
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丑三つ時の一般的な家庭サイズのキッチン、ぴかぴかに磨かれたシンクの前で男が無言で仁王立ちしている。
深夜三点,在普通家庭规格的厨房里,一个男人正默不作声地伫立在擦得锃亮的水槽前。
レンジフードの照明という小さな灯りの下で確認できるのは、三口のガスコンロにかかった小鍋がひとつ、青い火がついておりぐつぐつと何かを煮立てる音がした。
抽油烟机照明投下的微弱灯光中,可见三口燃气灶上架着一个小锅,蓝色火焰正噗噗作响地炖煮着什么。
「クックックッ……」 「呵呵呵……」
悪役のような笑い声は男から自然と発せられたものだ。
这反派般的笑声是从男人喉间自然流泻而出的。
笑い声で襟ぐりの広いティーシャツが肩までずれて、左の首筋に彫られた青薔薇を浮き立たせる。
笑声让宽松的圆领 T 恤滑落至肩头,露出左颈上那朵醒目的青蔷薇刺青。
「深夜のステルスミッションなんて俺には……ミヒャエル・カイザーにはクソ楽勝……このまま世一に見つからずに、これを完食してやる!」
"深夜潜行任务对我来说...对米迦勒·凯撒来说简直易如反掌...就这样在不被世界第一发现的情况下,把这碗面解决掉!"
男の手に握られていたのは—みそ味のインスタントラーメンだった。
男人手中紧握着的——是一碗味噌口味的方便面。
沸騰したタイミングで袋裏の説明書をスマホで自動翻訳し、もう一度じっくりと読む。
趁着水开的时机,他用手机自动翻译包装背面的说明书,又仔细重读了一遍。
「……あー、湯は500㎖。きっちりしっかり計った」
"……啊——水量 500 毫升。精确测量完毕"
ブルーライトカットの眼鏡をかけていたが湯気で曇ってしまった。指先でワイパーのように軽く拭く。
戴着防蓝光眼镜却被蒸汽熏得模糊。用指尖像雨刷般轻轻擦拭。
「よし……これでいいだろ」 "好了……这样就行了吧"
南国の鳥のように長い尾を持つ金と青いグラデーション髪は邪魔になるのでひとつにまとめた。
为避免金色与蓝色渐变的长发像热带鸟尾羽般碍事,将其束成了单马尾。
「みその粉は三分後に火を止めてから入れる……クソ理解したぞ」
"味增粉要在关火三分钟后放进去……妈的完全懂了"
ぐつぐつと煮えたぎるお湯に投入するのは『みそラーメン』と書かれた日本製の即席袋麺(インスタントラーメン)。
咕嘟咕嘟沸腾的热水里投入的,是包装袋上写着"味增拉面"的日本产方便面。
ドイツでも世一が作り、鍋のままキッチンで立って食っていたアレだ。
连在德国时世一也经常煮这个,直接端着锅站在厨房里吃。
初めてその姿を見た時は泥棒かと思って身構えたが、環境や家庭に恵まれ育った世一の行儀の悪さに少し笑ってしまった。
第一次看见他这副模样时还以为是进了小偷,但想到这个在优渥环境中长大的少爷如此没吃相,又忍不住笑了出来。
世一は「鍋で作るインスタントラーメンはこのスタイルが最高にうまいんだよ!」と悪びれる様子もなく豪快に麺を啜った。
世一毫不客气地豪爽吸溜着面条,还大言不惭道:"用锅煮的泡面这种吃法最香了!"
お行儀が悪いですねーと片言の日本語で笑った行為をまさか、
用结结巴巴的日语笑着说他没教养这种行为,
「俺がここ日本で……イヨとイッセイ不在の潔家で作るハメになるとはな……」
"我居然会在日本...趁着伊代和一世不在的时候在洁家做这种事..."
鍋に落としたばかりの硬い麺をぐちゃぐちゃに掻きまわしてやりたい衝動に駆られたが、一分経ってから麺をひっくり返すらしい。レシピによっては三十秒とウェブサイトに書いてあった。
虽然有种想把刚下锅的硬面条搅得乱七八糟的冲动,但据说要等一分钟才能翻面。网站上写着有些食谱甚至只需三十秒。
「……世一は、何秒待っていたんだ?」 “……世一,你等了多久?”
作っているところを隣で見ておけばよかったと思う。
早知道就该在旁边看着你做。
いや、世一が鍋から直接ラーメンを食うのは、俺がいないときを見計らっての計画的犯行だ。
不,世一直接从锅里吃拉面,分明是瞅准我不在时蓄谋的犯罪。
世一が隠すように捨てた袋麺のゴミが証拠だ。 世一偷偷扔掉的那些袋装面包装就是证据。
麺を茹でる三分か……アディショナルタイムでも長いと感じる。
煮面要三分钟啊……就算是伤停补时都觉得漫长。
キッチンタイマーも冷蔵庫に張り付けてあるが、音が鳴って世一に気づかれれば即ゲームオーバーだ。
虽然冰箱上也贴着厨房计时器,但要是铃声响起被世一发现就立刻游戏结束了。
俺はスマホの時計を見てきっちり三分計っている。 我盯着手机时钟严格掐着三分钟。
待っている間に、つい数時間前に日本に到着した俺と世一の話でもしよう。
等待的间隙,不如聊聊几小时前刚抵达日本的我和世一吧。
有象無象の暇を持て余した輩が「バカンスはスペインで過ごすぞ!」とロッカールームで豪語している隣で、すでにキャリーケースに荷造りを済ませていた俺と世一は最終試合後に空港に直行し、日本に帰ることにした。
一群无所事事的家伙在旁边更衣室里大放厥词"假期要去西班牙过!",而早已收拾好行李箱的我和世一决定在决赛后直奔机场回日本。
「なぁカイザー、なんでドイツ人は夏になるとスペインに行きたがるんだ?」
"喂凯撒,为什么德国人一到夏天就想去西班牙?"
雨ばかりで寒い夏のドイツから逃げるように南へと飛ぶ。
仿佛要逃离阴雨连绵的寒冷德国夏日般向南飞去。
そのため『ドイツ人のハワイ』と言われるスペイン・マヨルカ島にいく連中が多いと聞く。
因此听说很多人会前往被称为"德国人夏威夷"的西班牙马略卡岛。
「クソ興味ない。俺達はジャパンだ」 "关我屁事。我们可是在日本"
「……今の日本、クソ暑いからな。覚悟しとけよ」 "……现在的日本热得要死。做好心理准备吧"
俺にとって気温は関係なかった。 对我来说气温根本无所谓。
一刻も早くあの家に帰りたい「ミーくん」「ミヒャエルくん」と自分を受け入れてくれた潔夫婦に会いたい—ただそれだけだった。
我只想尽快回到那个家——去见接纳了"小米""米海尔"身份的我,去见洁夫妇——仅此而已。
しかし、俺達の帰国日は丁度潔夫妻が旅行中だと判明する。
然而,我们回国当天正好赶上洁夫妇外出旅行。
電話口で予定をすべてキャンセルして空港まで迎えに行くと言ってくれたが、せっかくの旅行を楽しんでほしいと世一と一緒に説得したのだ。
电话里他们说愿意取消所有行程来机场接机,但我和世一一起说服他们继续享受难得的假期。
ドイツ・ミュンヘンから空路で約十八時間。 从德国慕尼黑出发,经过约十八小时的飞行。
ケツが死ぬ前に日本に辿り着くと二人で公共交通機関とタクシーを使って埼玉の家に帰ってきた。
在屁股坐烂之前总算抵达日本,两人转乘公共交通和出租车回到了埼玉的家。
俺はサングラスを外すと潔家の一員として持っていた鍵で「タダイマ」と玄関を開ける。
我摘下墨镜,用作为洁家成员持有的钥匙打开玄关,说了声"我回来了"。
返事は隣の世一が「おかえり」と俺の目をしっかり見て言った。
隔壁的世一注视着我的眼睛回应道:"欢迎回来"。
—俺は世一の持つ素の優しさに触れると、動悸がクソ激しくなって何も言えなくなる。
——每当触碰到世一与生俱来的温柔时,我的心跳就会剧烈到说不出话来。
旅行に出る前の夫妻によって、俺の部屋もすぐに使えるように整えられており、ベッドの上には新品の薄手のスエットやタオル類、リネン等が置いてあった。
出发旅行前那对夫妻已为我整理好房间,崭新的薄款运动服、毛巾和亚麻制品都整齐摆放在床上。
「……これ、カード……ドイツ語だ」 "……这个,卡片……是德语的"
調べて書いたのだろう、拙い文章が桜色のカードに綴られていた。
大概是查了资料写的吧,生涩的文字被誊写在樱粉色的卡片上。
『ミヒャエルくんへ 『致米夏埃尔君:
お洋服、お家にいるときに使ってね。 这件居家服,请在家里穿吧。
歯ブラシも新しい物を洗面台に置いています。 牙刷也换了新的放在洗脸台上。
お土産買ってくるから、よっちゃんと仲良くお留守番していてね。
我会带伴手礼回来的,要和 Yo 酱好好看家哦。
イサギ イヨ・イサギ イッセイ』 伊佐木 伊予・伊佐木 一生』
「ふっ……俺に、留守番? っ、ククッ!」 「呵……让我,看家?呵、呵呵!」
思わず笑ってしまうほど、あの二人が理解できない。
那两人的相处模式简直让人忍俊不禁,完全无法理解。
これが、親からの〝無償の愛〟ってやつなのか? 难道这就是所谓的父母"无条件的爱"吗?
血のつながらない赤の他人でも成立するのだろうか……。
这种感情真的能存在于毫无血缘关系的陌生人之间吗……
「どの本にも明確な答えが載っていない……愛知らない俺が〝無償の愛〟を理解できるのは、いつになることやら」
"所有书里都没有明确答案……像我这样不懂爱的人,究竟要到何时才能理解'无条件的爱'呢"
リモワのポリカーボネート製キャリーケースから一週間分の衣類と球(クソブツ)を出していると、コンコンと部屋をノックする音が聞こえる。家には世一と俺しかいない。
正从 Rimowa 聚碳酸酯旅行箱里取出积攒一周的衣物和球状物(垃圾)时,突然听见咚咚的敲门声。家里只有世一和我两个人。
「カイザー、荷ほどき終わったら飯食いにいこうぜー」
"凯撒,收拾完行李就去吃饭吧——"
「ああ、わかった」 "啊,知道了"
俺はさっきのメッセージカードをパスポートに挟んだ。
我把刚才的留言卡片夹进了护照里。
日本食が食いたいという世一のリクエストで近所の定食屋に出かける。だいぶ日が傾いたがまだまだクソ暑いと感じた。
应世一"想吃日本料理"的要求,我们去了附近的定食屋。虽然太阳已经西斜,但依然感觉热得要命。
少し早い夕飯を世一は煮魚の定食、俺はハンバーグ定食にした。目玉焼きがのっているやつだ。
晚饭吃得略早,世一点了煮鱼定食,我选了汉堡肉定食。就是上面盖着荷包蛋的那种。
しっかりとボリュームがあるが肉汁がじゅわじゅわで卵の黄身が肉に絡みつき、濃厚なデミグラスソースでかきこむ白米はとても美味かった。
分量相当扎实,肉汁滋滋作响,蛋黄裹着肉块,配上浓稠的多蜜酱扒饭,简直美味至极。
世一の煮魚と一口ずつ交換したが、これもうまかった。
和世一的煮鱼互相尝了几口,这个也相当好吃。
世一の作る味じゃねーけど、しょうがの効いたしょうゆ煮だった。
虽然不是世界第一的手艺,但也是姜香四溢的酱油炖煮。
帰りにスーパーマーケットに寄って食べたい物を見境なくカゴに入れていく。外の暑さのせいで高価なアイスをたくさん選んだ。豪遊している気分だと世一はクソガキみたいに笑った。
回家路上顺道去了超市,把想吃的不管三七二十一都往购物篮里扔。因为外面太热,选了好多高价冰淇淋。世一像个臭小鬼似的咧嘴笑着,感觉自己在大肆挥霍。
しかし、某駄菓子が値上がりしており「俺がガキの頃は少ないおこづかいでもこいつを買えたんだけどなー」といいつつも面妖な顔の油菓子を全種類一つずつカゴに突っ込んでいた。余ったらチームメイトへの土産にするらしい。
不过某款廉价零食涨价了,"我小时候用零花钱也能买得起这个啊..."他边嘟囔边把货架上所有种类的油炸点心各拿一个塞进篮子。说是吃不完就带给队友当伴手礼。
こっちでもエコバック制度が根強いな。 这边环保袋制度也推行得很彻底啊。
俺達はそれぞれ両手に石油王のように買いまくった食い物が入ったバッグを抱えながら「暑い暑い」と文句をもらしつつ帰宅した。
我们俩像石油大亨一样疯狂采购,双手抱满装满食物的袋子,一边抱怨着"热死了热死了"一边往家走。
いや、石油王なら召使に全部持たせるだろうな。 不过话说回来,要是真石油大亨肯定会让佣人拎所有东西吧。
フットボールで何億も稼いでも、根が庶民なのだ。 就算靠踢足球赚了几个亿,骨子里还是平民百姓啊。
(世一も……俺も、か……) (世一也是...我也是呢...)
家に帰って冷蔵庫に食べ物をしまい、交替で風呂に入る。
把食物放进冰箱收好,轮流洗完澡。
冷房の効いた部屋に戻れば時差ボケもあってすぐに寝てしまった。
回到开着冷气的房间,时差反应让我倒头就睡。
俺の身体を受け止めるシーツは知らない柔軟剤の匂いのはずなのに、なぜか懐かしいと思った。
包裹身体的床单明明散发着陌生柔顺剂的香气,却莫名觉得怀念。
そして、夜中にふと覚醒する。 然后在深夜里突然醒来。
「—腹が…減った」 "——肚子...好饿"
夕飯をしっかり食べたはずなのに腹の虫がくぅくぅと切ない声をあげる。
明明晚饭已经好好吃过了,腹中的馋虫却发出咕噜咕噜的可怜叫声。
無視してまた布団をかぶるが、腹の虫は睡眠を妨害する大音量をたてた。
试图无视它再次蒙上被子,可腹中的馋虫却用足以干扰睡眠的音量大声抗议。
クソうるさい。 真是吵死人了。
昔はどんなに腹が減っていても球(クソブツ)を抱いて眠るしかなかった。
曾经无论肚子饿得多厉害,也只能抱着那个球(垃圾玩意儿)入睡。
今も余裕で可能と思ったのに、食欲を知った身体は大人しく寝かせてくれないようだ。
明明现在应该也能轻松做到才对,可这具尝过食欲滋味的身体却不肯乖乖安睡。
「……クソッ!」 "……该死!"
しかたないので水でも飲もうとなまぬるいベッドから出て、階下のキッチンへと向かったのだ。
无可奈何之下,只好从微温的床铺爬起来喝水,朝着楼下的厨房走去。
深夜の静寂に包まれた間接照明のひとつもない真っ暗闇だという廊下。
被深夜的寂静笼罩着,连一盏间接照明都没有的漆黑走廊。
だが、眼が青い俺はわずかな灯りの中でも本を読むコトができるほど夜目に長けている。
但拥有青色眼眸的我,在微光中也能读书,夜视能力极佳。
そのかわり太陽の光が明るすぎて耐えられない。サングラスしないとすぐに目の前が見えなくなるのだ。
不过阳光对我来说太过刺眼难以忍受。不戴墨镜的话很快就会眼前发黑。
ダイニングのテーブルの上には買い物をしてそのまま放置したエコバックがあった。菓子類ばかりで常温で保存と世一がいっていた物たちだ。
餐桌上放着购物后随手搁置的环保袋。里面全是些世一说过可以常温保存的零食点心。
菓子の山の中、真っ先に目に入ったのは—インスタントラーメンの袋だ。
在一堆零食山中,最先映入眼帘的是——方便面的包装袋。
スーパーの即席麺コーナーで発見した世一が興奮気味に「これ! 俺これのみそ味がめっちゃ喰いたかった!」そういってかごに入れたものだ。
在超市速食面区发现这个时,世一兴奋地说"这个!我超想吃这个味噌味的!"边说边把它扔进了购物篮。
手軽に食えるカップラーメンではなく、わざわざ鍋を使う袋麺を買うのは何故か。洗い物がクソ増えるだけじゃねーか。
明明有开杯即食的杯面,为什么非要买这种还得用锅煮的袋装面。不就平白多出一堆要洗的碗筷吗。
だがパッケージの見た目から俺の空腹をダイレクトに刺激してくる。
但包装上的视觉效果直接刺激着我空荡荡的胃。
食欲の満たし方を知っている男の行動は早かった。 深知如何满足食欲的男人行动总是迅速。
「……作るか」 "……来做吧"
こうして勝手知ったる潔家のキッチンに舞い降りた皇帝は、レンジフードの間接照明だけをつけて初めて袋ラーメン作りをすることにした。
就这样,这位驾轻就熟降临在洁家厨房的帝王,只打开了抽油烟机的间接照明,决定首次尝试制作袋装拉面。
何度かイヨの手伝いで食器を洗ったことはあるが、調理目的で立つのは初めてだ。
虽然曾多次帮伊代清洗过餐具,但为烹饪而站在这里还是头一遭。
エプロンも畳んで置いてあったが、これはイヨ専用の戦闘服だ。
围裙也叠好放在一旁,这可是伊代专用的战斗服。
用意された部屋着姿で調理開始することにした。 我决定穿着准备好的家居服开始烹饪。
「インスタントラーメン、みそ味……どんなもんか、俺が食ってやる!」
"方便面,味噌口味……让我来尝尝看是什么味道!"
こうした経緯でミヒャエル・カイザーが潔家のキッチンでぐつぐつと煮えたぎる小鍋の前に立っている。
就这样,米迦勒·凯撒站在了洁家厨房里咕嘟咕嘟沸腾的小锅前。
いつもここにはエプロンをつけたイヨが立っていた。その小さな後ろ姿はどこか世一に似ている。
往常站在这里的总是系着围裙的伊代。那娇小的背影不知为何与世一有几分相似。
いや……世一がイヨに似ているのだ。 不对……应该说世一长得像伊代才对。
親子なのだから当然だ—そう心のうちで思っただけなのに、ブーメランだな。
毕竟是母子,理所当然——虽然只在心里这么想着,却像回旋镖般扎了回来。
(……あの女と俺は、外見だけは似ているらしい) (……那个女人和我,似乎只有外表相像而已)
母親を知らない俺にとって、イヨとエプロンをつけた世一の後ろ姿は、まさに物語に出てくる幻想の母親像だ。
对于从小失去母亲的我来说,系着围裙的世一背影,简直就是故事里幻想的母亲形象。
「フッ……ああ、そうだ、ラーメンのトッピングだったな……えーと」
"哼……啊对了,说到拉面配料来着……呃"
世一が「朝は卵かけごはんが食べたい!」とスーパーの中で一番高級な卵を買って冷蔵庫に入れていた。
世一喊着"早上想吃生鸡蛋拌饭!"在超市买了最贵的鸡蛋放进冰箱。
ドイツとは卵の種類と保存方法、売り方がクソ違う。
德国和这里的鸡蛋种类、保存方式、售卖形式都他妈完全不一样。
ドイツでは土や羽が付いている卵が紙パックに入って売っており、基本は常温保存だ。
在德国,沾着泥土和羽毛的鸡蛋是用纸盒包装出售的,基本上都是常温保存。
これが日本と違って生食できない理由の一つだろう。
这大概是与日本不同、不能生食的原因之一吧。
他にも気を付けるべき点は、卵が割れていることもあるからパックを開けてきちんと中身を確認してから購入するのだ。
其他需要注意的点是,有时鸡蛋会破损,所以打开包装仔细确认内容物后再购买。
「値段はあっちとさほど変わらないのに、卵を生で食えるとはなぁ」
"价格和那边差不多,却能把鸡蛋生吃啊"
ドイツでは食べることが絶対に不可能な生卵かけごはんはクソうまい。
在德国绝对吃不到的生鸡蛋拌饭简直美味到爆。
卵とごはんのハーモニーがこんなに素晴らしいとは思わなかった。
没想到鸡蛋和米饭的搭配竟能如此美妙。
卵かけごはん専用の醤油まであるんだぞ? 日本の生食に関する意欲がクソやばい。
居然还有专门用于拌饭的生食酱油?日本人对生食的执着简直疯狂。
みそ味の即席麺のパッケージ写真、堂々とセンターを飾っているのも卵だ。
味噌口味方便面包装上,堂堂占据 C 位的配料依然是鸡蛋。
「……あー、ポニョもこんなの入っていたよな?」 "……啊,波妞的拉面里也放了这种配料吧?"
世一の付き合いで何度か見た日本のアニメーション映画を思い出す。
他想起因为世一的缘故看过几次的日本动画电影。
あれには茹で卵が半分ずつ入っていた。他にもトッピングがあったような気がする。
那碗面里放了切成两半的溏心蛋。似乎还有其他配料的样子。
こうして三分後、みそラーメンが完成一歩手前まで来ている。
三分钟后,味噌拉面已接近完成状态。
鍋を覗き込むがまだ乾麺しか茹でていないので匂いはしない。
锅里只有刚煮好的干面,凑近闻了闻还没什么味道。
蒸気で曇るブルーライトカットの眼鏡がクソ邪魔になり外すことにした。
防蓝光眼镜被蒸汽熏得雾蒙蒙的,碍事得要命,干脆摘了下来。
「……drei, zwei,eins」 "……三、二、一"
スリーカウント、きっちり三分で火をとめた。 默数三下,掐着整整三分钟关掉了火。
説明書通りみその粉をふりかけて、ぐるぐると混ぜる。
按照说明书撒上味噌粉,然后咕噜咕噜地搅拌。
しかし、 但是,
「チッ……なんで粉のダマができるんだ? クソッ」 「啧……为什么会有粉疙瘩啊?妈的」
あまり鍋の中に麺を置いておくと伸びてしまう。パスタ類もそうだが、のびきった麺はクソ不味い。
面条在锅里放太久会变软。意大利面之类的也是,煮过头的面条难吃得要死。
しばらく混ぜてダマが消えた瞬間に卵を片手で割って落とす。
搅拌片刻待面疙瘩消失的瞬间,单手磕开鸡蛋落入锅中。
ちょうど狙った真ん中に落とすことができた。 鸡蛋不偏不倚正中靶心。
1ゴールだな。 这球进了。
ちなみに世一は卵を片手では割れない。 顺带一提,世界第一(的厨师)可不会单手打蛋。
「俺も絶対にできる!」と負けず嫌いな世一くんは何度かチャレンジしたが、黄身ごと爆発させたようなクソ残念な割り方になった。
"我绝对也能做到!"不服输的世一君尝试了好几次,结果蛋黄整个爆开,成了惨不忍睹的失败品。
顔をシワシワにして残念がる世一は実に滑稽だったなァ。
世一皱着脸懊恼的样子实在滑稽得很呐。
卵を片手で割る—これは俺だけが使える小さな(物理)魔法だ。
单手打蛋——这是只有我能施展的小小(物理)魔法。
生食も出来る高級な卵はふっくらとした黄身、白身だけがゆっくりと余熱で固まっていくがわかる。
选用可生食的高级鸡蛋,能清楚看到蓬松的蛋黄,唯有蛋白在余温中缓缓凝固。
「フン、クソ楽勝」 "哼,简直易如反掌"
みその粉の中に乾燥ねぎのようなものが入っており、うっすらとみそのスープの中に緑、卵の白と黄色があって彩りもすばらしいだろう。
味噌粉里混着类似干燥葱花的配料,淡绿色的味噌汤中漂浮着蛋白与蛋黄,色彩搭配堪称绝妙。
即席袋麺(インスタントラーメン)、こんなにクソ簡単なら世一にねだらずとも自分でも作れるな。
速食袋装面(泡面),既然简单到这种程度,就算不缠着世界第一也能自己动手嘛。
「フッ……俺特製みそラーメンの完成だ。ハァーイ、ラーメンイッチョーオマタセー、だろ」
"呵……我特制味噌拉面完成啦。嘿——欢迎光临拉面摊老板,对吧"
初挑戦でも完璧な出来栄えに『クックックッ』と勝利を確信した嗤い声が喉奥から漏れる。
初次尝试就完成得如此完美,喉咙深处不由得漏出"咯咯咯"确信胜利的窃笑。
初めて作ったので一枚だけ写真に収めた。映えないな、とは思う。
因为是第一次做所以只拍了一张照片。虽然觉得不上镜。
だが、この無骨な茶色と卵がクソ最高だろ。 但这朴素的茶色汤汁和鸡蛋简直绝配啊。
さて、熱いうちにさっさとみそラーメンを食べて証拠隠滅をしないといけない。
好了,得趁热赶紧把这碗味噌拉面吃掉毁灭证据才行。
俺専用のフォークの収納場所を探していると…… 我正在寻找专属于自己的叉子收纳处……
「……飯テロの匂いがする」 “……闻到美食犯罪的气息了”
腕を組んで俺を殺意マシマシの冷たい目線で睨むのは、半そで短パンという部屋着姿の魔王・潔世一—ヤツが気づかないうちに俺の真後ろに佇んでいたのだ。
抱臂用充满杀意的冰冷眼神瞪视我的,是身穿短袖短裤居家服的魔王·洁世一——这家伙不知何时已悄然伫立在我正后方。
怒りによって頭の双葉が逆立っているように見える。
愤怒使得他头顶的呆毛都像要倒竖起来。
「よっよ よよいよ よよいよ よよい……世一⁉」 "哟哟 哟咿哟 哟咿哟 哟咿哟……世一⁉"
「風の又三郎の『よ』バージョンかよ。俺が言わなきゃ絶対に誰も気づかない地味ネタだな」
"这该不会是《风之又三郎》的'哟'字版本吧。我不说肯定没人能发现这种冷门梗"
俺としたことが、声を掛けられるまでまったく気づかなかった!
我居然直到被叫住都没注意到!
クソっ……そうだ、ラーメンの匂いと出来栄えに納得し、フォークを探すことに全集中していたからだ!
可恶...对了,都怪拉面的香气和卖相太诱人,让我全神贯注在找叉子这件事上了!
世一のこの態度、勝手に好物のインスタントラーメンを開けて食ったことを怒っているのだろうか。
世一这副态度,是在气我擅自拆了他最爱的泡面来吃吗?
食べ物のことが絡むと性格が変わるのは知っている。
我早知道他一旦牵扯到食物就会性格大变。
万が一『今すぐ家から出ていけ』なんて言われたら、俺は……想像しただけで自然と指先が冷たくなっていくのを感じた。
万一他说出"现在就给我滚出去"这种话,我……光是想象就感觉指尖开始发凉。
「へぇ~、お前すげぇよ! 日本のインスタントラーメン作れるんだな!」
"哇靠!你牛逼啊!居然会做日本泡面!"
「…………は?」 "…………哈?"
だが、俺の予想は違い、世一は怒りで足や手を出すことはなく……俺の背に優しく手を添え、俺の料理を褒めたのだ。
但出乎我的预料,世一并没有愤怒地拳脚相向……而是温柔地将手搭在我的背上,称赞起我做的料理。
「あ、ちょいタイム!」 "啊,稍等一下!"
俺に指示した世一は手早く冷蔵庫をあさる。 给我下达指示的世一迅速翻找起冰箱。
『タイム』と聞いて素直に静止してしまうのはフットボーラーの性だ。
听到"暂停"就条件反射般停下动作,这大概是足球运动员的本能反应吧。
「あったあった! うちの冷蔵庫には小葱とハムが欠かさず入ってんだよ」
"找到了找到了!我家冰箱里常备着小葱和火腿呢"
そういって笑ってラーメンの鍋の中にトッピングをした。
他笑着说完,就把这些配料加进了煮拉面的锅里。
卵と小葱とハム……そうだ、これこそまさにポニョのラーメンだ。
鸡蛋、小葱和火腿……没错,这不正是波妞最爱的拉面嘛。
—世一の、魔法だ。 —这是世界第一的魔法。
そしてキッチンに備え付けの引き出しから俺がこの家で使っているフォークを取り出して手渡す。
然后从厨房内置的抽屉里取出我在这间屋子里使用的叉子递了过去。
俺が探しあてられなかったこいつの居場所も当然のように知っていた。
连我没能找到的这家伙的藏身处,她也理所当然地知晓。
「召し上がれ」 「请用」
世一が作ったわけじゃない、とツッコミする気よりも空腹が勝った。
比起吐槽"这不是世一做的",饥饿感更占了上风。
「……クソダンケ。イタダキマス」 "......真香。我开动了"
俺はまだ箸をうまく使えない。立ったままフォークで小鍋の熱々ラーメンを掬いながらゆっくり食べる。
我还不太会用筷子。就这么站着用叉子慢慢捞着小锅里热气腾腾的拉面吃。
パスタのように巻き付けてしまえば簡単だが、それは俺のラーメン道に反する行為だ。
虽然像卷意大利面那样卷起来吃会更方便,但这违背了我的拉面之道。
ちゅるちゅると長い麺を短く吸って、噛んで、飲み込む。
哧溜哧溜地将长长的面条吸短,咀嚼,咽下。
「ん……ウマイ」 "嗯……好吃"
たった一口でわかる、これはクソうまい、と。 仅仅一口就能明白——这玩意儿简直好吃到爆。
腹に染みわたっていくみそ味に身体が歓喜している。
渗透进胃里的味噌香气让身体欢欣雀跃。
世一と食事を共にするようになり、潔家の一員となって……俺の身体にもみそとしょうゆが血液のように巡っていくようになった証拠だ。
自从开始和世一共进晚餐,成为洁家的一员后……我的血液里仿佛也流淌着味噌和酱油的味道,这就是证明。
「……インスタントラーメンを開発したのは日本人だったな」
"……发明方便面的是日本人吧"
「あー、たしかチキ〇ラーメン作った人だろ。学校の授業で習った。あれもたまに食べたくなるよなー」
"啊,应该是发明了鸡〇拉面的人。学校课上教过。那个偶尔也会想吃呢"
インスタントラーメンにみそ、塩、しょうゆ、豚骨などのバリエーションがあることは知っていたが、チキン味は初めて聞いたぞ。
虽然我知道方便面有味噌、盐味、酱油、豚骨等口味,但鸡肉味还是第一次听说。
(……よし、今回は即席麺をキャリーケースにパンパンに詰めてドイツに帰えろう)
(……好,这次就把泡面塞满行李箱带回德国吧)
そう決意した。 我下定了决心。
「カイザー、その新鮮な黄身を割って、麺に絡めて食ってみろよ」
"凯撒,把那个新鲜蛋黄打散拌进面里尝尝"
俺のペースで食いたかったが……インスタントラーメンにおいては先人の知恵を持つ世一にいわれた通りすると、
虽然想按自己的节奏吃……但在泡面这件事上还是该听从拥有前人智慧的世一建议,
「ッ……これ、クソうまい。麺に新鮮な黄身がからんでとてもマイルドで贅沢な味わいになったぞ!」
"唔……这个,好吃到爆。面条裹着新鲜的蛋黄,口感特别柔和,简直是奢侈的享受!"
「だろー。日本でしか許されない、俺のおすすめの食べ方な」
"对吧——这可是只有在日本才能被允许的,我最推荐的吃法。"
たしかに生卵でしか味わえないだろう。 确实,这种味道只有生鸡蛋才能带来。
それに、溶けだした黄身とトッピングされた小葱とハムも麺との相性もクソ最高。
而且,融化的蛋黄配上作为配料的小葱和火腿,和面条的搭配简直绝妙到不行。
具同士が仲良しすぎて「一生仲仔♡ずっ友だよ♡」—そんな幻聴さえ聞こえてくる。
这些餐具关系好到让人仿佛听见"一辈子做好朋友♡永远都是好朋友♡"的幻听。
深夜のみそラーメンの背徳感、クセになってしまいそうだ。
深夜味噌拉面的罪恶感,简直要让人上瘾。
提案した世一はただニコニコと俺の側に立っているだけなのだが……何故か俺が居た堪れなくなる。
提出建议的世一只是笑眯眯地站在我身边……却莫名让我坐立难安。
ずっと笑顔の世一からは魔王の覇気みたいなものが出ていたように見えた。
始终保持微笑的世一身上,仿佛散发着魔王般的霸气。
「あー……食うか?」 "啊……要吃吗?"
俺の提案に世一は小悪魔のように妖しく微笑んで、すでに取り出していた自分専用の箸を俺に見せつけた。
对于我的提议,世一露出小恶魔般妖艳的微笑,向我炫耀早已取出的专属筷子。
最初から「ひと口ちょーだい♡」と奪う気満々の確信犯は隣に並んで「いただきます」と鍋から豪快にズズッと麺を啜った。
这个从一开始就打着"给我尝一口嘛♡"主意的惯犯,此刻正并排坐在我身旁,对着锅子豪迈地"滋溜滋溜"吸着面条,还不忘装模作样地说"我开动了"。
麺を啜る—簡単そうに見えて俺にはできない芸当だ。
吸面条——看似简单却是我永远学不会的特技。
啜ることによって味覚だけでなく、嗅覚や触覚等も使って麺類をよりおいしく味わうことができるらしい。
通过吸溜面条不仅能品尝味道,还能调动嗅觉和触觉等感官,让面食更加美味。
器用に鍋から箸でラーメンを食う世一がクソかっこよく見える。
看着世一娴熟地用筷子从锅里捞拉面的样子,简直帅到炸裂。
「あぁ~~~、幸せのみそラーメン……俺の身体はみそとしょうゆで出来ていたことを実感する慣れ親しんだ味だー。日本に帰ったらこれが食いたかったんだよ。ダンケ、カイザー」
"啊~~~幸福的味噌拉面......这熟悉的味道让我真切感受到自己就是由味噌和酱油构成的啊。回日本后最想吃的就是这个。谢啦,凯撒"
そういって世一は「ごちそうさま」とシンクに箸を置いた。
说完这句话,世一将筷子放在水槽上说了声"我吃饱了"。
「……もういいのか?」 “……可以了吗?”
「おぅ……一口でも背徳感マシマシだけど、これが止められないんだよなー」
“唔……虽然每一口都充满罪恶感,但就是停不下来啊——”
実際三口は喰っただろ。 实际上已经吃了三口吧。
それでも、あまり具を多く食べずにハムを残しているのが世一らしいな。
即便如此,还是没怎么吃配料,把火腿剩下了,这很符合世一的作风呢。
「クソわかる」 「太懂了」
麺と具をフォークにからめて、スープに浸すように食べる。
用叉子卷起面条和配料,像蘸汤一样吃着。
舌が熱さになれれば、ちゅるちゅるとフォークでも早く食べ進めることができた。
等舌头适应了热度,就能用叉子哧溜哧溜地快速吃完了。
世一は俺が食べ終わるまでリビングの椅子に座って見守った。
世一一直坐在客厅的椅子上守着我吃完。
「もっと半熟の卵が食いたかったら、麺を入れたあとに卵を入れて、蓋をして蒸らすといいんだぜー」
"要是想吃更溏心的蛋,可以在面下锅后把蛋放进去,盖上盖子焖一会儿就行啦~"
なるほど、それはきっとうまいだろうな。 原来如此,那样肯定超美味吧。
「……気が向いたらな」 "……等有心情再说吧"
「もうひとつトリビアな………実は、ポニョに出ていたのは—醤油ベースのラーメンです」
"再告诉你个小知识………其实《悬崖上的金鱼姬》里出现的是——酱油汤底的拉面"
衝撃の新事実を突きつけられる。たしかに、色が少し違うとは思っていたんだ。
一个令人震惊的新事实摆在眼前。确实,我之前就觉得颜色有点不太一样。
「……チッ、今言うなクソ世一ぃ!」 "……啧,现在才说啊混蛋世界第一!"
みそでこんだけ美味いんだ。 用味噌居然能做出这么美味的东西。
醤油バージョンでも「ずっ友」の具で喰ってみたくなるだろう。
就算是酱油版本的,配上"永远的好友"配料也会让人想尝尝看吧。
「あー、卵といえばさ、珍しく凛がSNSにスペインの郷土料理の写真をアップしたんだよ。えっと〝『フラメンコ風目玉焼き』クソ兄貴とウサギ添え〟だって。これも美味そーじゃん!」
"啊,说到鸡蛋,凛难得在社交平台发了张西班牙乡土料理的照片呢。标题是《弗拉门戈风味荷包蛋——附赠混蛋老哥与兔子》。看起来也超好吃的样子!"
世一がこっちに向かってスマホの画像を見せる。 世一把手机屏幕转向我这边。
スペインの郷土料理『フラメンコ風目玉焼き』【ウエボス・ア・ラ・フラメンカ】だ。
那是西班牙乡土料理【弗拉门戈风味荷包蛋】(Huevos a la Flamenca)。
トマトソースをベースにした赤いソースに、パプリカやピーマンなどの彩り豊かな野菜が散りばめられ、中央に半熟卵が乗っている。
以番茄酱调制的红色酱汁为底,撒满彩椒等色彩缤纷的蔬菜,正中央卧着一枚溏心蛋。
たしかスペインに行ったときに食ったな。 记得是在去西班牙的时候吃的。
クソ舌ベロ僧こと糸師凛が撮ったのは料理がメインというよりも、同席している面子にコメントが集中しているようだ。
被称作"毒舌秃驴"的糸师凛拍摄的照片,与其说是以料理为主,不如说评论都集中在同席的那些人身上。
「軽薄発情兎と険悪下まつげ兄弟の兄貴の方」 "轻浮发情兔和险恶下睫毛兄弟中的哥哥"
俺と同じく11傑と呼ばれた男たち—スペイン代表のバニー・イグレシアスと日本代表の糸師冴—が今すぐお互いをブッ殺そうとしているような険悪の雰囲気、そして凶悪の表情で映っている。
和我同样被称为十一杰的两个男人——西班牙代表巴尼·伊格莱西亚斯和日本代表糸师冴——此刻正以一副恨不得立刻宰了对方的险恶氛围,以及凶神恶煞的表情出现在画面中。
(この二人……なんか因縁でもあったか?) (这两个人……是有什么过节吗?)
コメントにも、 评论区里也写着,
『見てくれ! 二人の間にやばいもん映ってるぞ!』 『快看!他俩之间有不得了的东西在闪!』
『なにこれ、どす黒いオーラ?』 『这是什么,乌漆嘛黑的气场?』
『どんな凶悪なスタンド使いだよ⁉』 这得是多凶残的替身使者啊⁉
『心霊写真だ!』 是灵异照片!
『凛選手、気づいて!』 凛选手,快醒醒!
と投稿を見た一般人が気づくほど怨念のこもったオーラが写真にはっきりとうつっているのだ。
照片上清晰映照出的怨念气场,连浏览帖子的普通网友都能明显察觉到。
それこそ、二人のセンターに小さく映った郷土料理の話題など二の次だろう。
在他们俩占据画面中央的情况下,那些关于乡土料理的话题恐怕根本不重要吧。
「カイザー……バニーと凛と冴のこと、そう呼んでるのかよ」
"凯撒...你管兔子和凛还有冴叫这种称呼啊"
世一がこいつらからもバカンス先としてスペインに来いと誘われていたことも、俺は知っている。
我知道世一也被这几个家伙邀请来西班牙度假。
軽薄発情兎と険悪下まつげ兄弟の三人から世一に送られてきた熱烈ラブレターと殺人予告のようなDMの内容もな。
还有轻浮发情兔和险恶下睫毛兄弟三人组发给世一的那封既像热烈情书又像杀人预告的私信内容。
スペインだけじゃねぇ、イングランドにフランス、イタリアと世界各国にいる『エゴイスト・潔世一』の沼に落ちた男たちの引く手数多。
不止西班牙,在英格兰、法国、意大利乃至世界各国,都有男人深陷"利己主义者·洁世一"的泥潭无法自拔。
さらにその沼から雑魚ゾンビみてぇに手を伸ばし、潔世一教に引き込もうとする狂信者共までいる始末。
更有甚者像杂鱼僵尸般从泥沼中伸出手,企图将更多人拖入洁世一教的狂信徒们。
油断も隙もねぇ。 简直防不胜防。
ったく、俺は世界一のストライカーだが、世一の周囲ではDFかSPのようなことまでしている。
可恶,虽然我是世界第一前锋,但在世一身边却总得干些后卫或边锋的活。
「いいよなー、スペイン。試合以外でもちゃんと観光に行ってみたい。あ、カイザーってアウディフ……じゃない『フィデウア』食べたことあるか? パスタのパエリア」
"真好啊,西班牙。除了比赛之外也好想去观光看看。啊,凯撒你吃过那个叫'菲迪乌阿'的奥迪...不对,是海鲜面吗?就是意面版的西班牙海鲜饭。"
スペインの夏の定番家庭料理『フィデウア』。イカ、海老、あさりなどの魚介類にパプリカ、さやいんげん、トマトなどをいれた魚介の旨味がたっぷりのパスタパエリアだ。
西班牙夏季经典家常菜"菲迪乌阿"。这道海鲜意面烩饭加入了鱿鱼、大虾、蛤蜊等海鲜,配以甜椒、四季豆、番茄等食材,充满了海洋的鲜美滋味。
「〝青い監獄〟時代に絵心さんから出された課題で初めてスペインに行ったときに、偶然レストランで会ったバニーに教えてもらったんだけどさ、あれめっちゃうまかったんだ~」
"在'蓝色监狱'时期因为绘心先生布置的课题第一次去西班牙时,偶然在餐厅遇到的兔女郎教我的,那个真的超级好吃~"
潔世一はサッカーで無自覚に人を沼らせていく。 洁世一在足球场上总是不自觉地让人深陷其中。
こいつに『寂しそうに笑うから』なんて少女漫画の台詞を言わせる男、それが嘘つきバニーだ。
这家伙居然说出"因为你笑得那么寂寞"这种少女漫画台词的男人,就是那个骗子兔女郎。
(クソ世一の方から恋に発展させるようなフラグを世界中に巻き散らかしてどうすんだ。男はクソ単純で勘違いしやすい生き物なんだよ……)
(从那个混蛋世一那里到处撒满会发展成恋情的 flag 是想怎样。男人可是超级单纯又容易误会的生物啊……)
少しだけふやけた麺を愚痴ごと飲み込む。 把稍微泡涨的面条连同牢骚一起咽下去。
「……知ってるか世一ぃ。スペインでは鶏・豚・牛以外にも、羊やウサギの肉をよく食ってるんだぜ。シンプルな味付けなのに、クソ豪快に調理して、食材本来の味を楽しんでいるんだとさ。あと煮込み料理なんかも多かったな」
"……知道吗世一,在西班牙除了鸡猪牛之外,还经常吃羊肉和兔肉哦。明明调味很简单,却做得超级豪迈,据说就是为了享受食材本来的味道。另外炖菜之类的也很多呢"
「羊(マトン)はわかるぞ。ジンギスカン食べたことあるし。ウサギ、かぁ……食べたことあったかな?」
“羊肉我懂。毕竟吃过成吉思汗烤肉。兔子肉嘛……好像还真没吃过?”
スペインは試合以外でも行った事がある。ネスが旅行の段取りをして、それにくっついていくだけだった。
在西班牙除了比赛之外也去过其他地方。都是涅斯安排旅行行程,我只是跟着走而已。
バルセロナではそろそろ完成するといわれているサグラダファミリアを見た。クソでかい。海の幸・山の幸で彩られたカタルーニャ料理もうまかった。
在巴塞罗那参观了据说快要完工的圣家堂。真是大得离谱。用山珍海味装点的加泰罗尼亚料理也很美味。
古都トレドはよかった。十六世紀まで宮廷がおかれ、実質的にスペインの首都だった場所だ。マドリードに近く、観光地としても人気だが静かな場所だ。
古都托莱多很棒。这里直到十六世纪都设有宫廷,实际上是西班牙的首都。离马德里很近,虽是热门景点却格外宁静。
美術館も行ったな。二十世紀にピカソ、ミロ、ダリといった著名な芸術家を輩出している。
我们还去了美术馆。西班牙在二十世纪涌现了毕加索、米罗、达利等著名艺术家。
絵画『ゲルニカ』は想像以上にクソでかくて、見ているとゾクゾクした感情が沸き上がってくるようだった。
油画《格尔尼卡》比想象中还要巨大无比,凝视时仿佛有种令人战栗的情感油然而生。
(余談だが『ゲルニカ』の迫力を体験したければ東京丸の内で陶板絵画を見る事ができるぞ)
(顺带一提,如果想体验《格尔尼卡》的震撼力,可以去东京丸之内欣赏陶板复制画)
「生ハムはスペインの国民食ってレベルで、ほとんどの大衆食堂で食えるぞ」
"生火腿在西班牙堪称国民级美食,几乎每家大众餐厅都能吃到"
「あー、生ハムな~。こっちでも食べるけどさ、日本でも『生ハムの原木と暮らしている』ってSNSの投稿で見るよな。生ハムの元っていうか……豚の足ってデカくて迫力あるし、場所もとるだろうな」
"啊~生火腿啊~。虽然在这边也吃,但在日本也经常看到 SNS 上有人发'和生火腿原木一起生活'的帖子呢。说是生火腿的原料...猪腿又大又有冲击力,应该很占地方吧"
そいつが一人暮らしだった場合、食うのにどのくらいかかるんだよ。俺はツッコミを放棄した。
要是那家伙一个人住的话,得吃多久才能吃完啊。我放弃了吐槽。
「……ついでにコーヒーは激甘だ。こっちがブラックを指定しなきゃ砂糖を致死量ほど入れてくる。古城を改装したレストランで飲んだサングリアはうまかった。あと、果物もうまい。スペインはヨーロッパ有数の果樹園地帯をもってて、さまざまな果物を輸出しているからな」
"...顺便说下这里的咖啡甜得要命。不特别要求黑咖啡的话,他们会往里面加致死量的糖。在古城改造的餐厅里喝到的桑格利亚汽酒很棒。还有水果也很好吃。西班牙拥有欧洲数一数二的果园地带,出口各种水果"
うまいものを食って観光をしていると、普通の人間になったような気がした。
吃着美食到处观光时,感觉自己变成了一个普通人。
「……お前、結構料理好きだよな」 "……你还挺喜欢做饭的嘛"
「は?」 "哈?"
世一の突拍子もない言葉に、思わず最後のひとくちを止める。
世一这句没头没脑的话,让我不由自主停下了正要送入口中的最后一筷子。
「スペインの思い出って食っておいしかったものばっかり」
"在西班牙的回忆里全是各种好吃的东西"
いや、声に出さなかっただけで美術館も教会も世界遺産も見たぞ。
哼,虽然没出声,但美术馆教堂世界遗产我可都看遍了。
クソッ、このままでは青薔薇の皇帝ミヒャエル・カイザーが世一のように食い意地の張った落胤を押されてしまい、デジタルタトゥーとなって永久に電子の海に残ってしまう。
可恶,再这样下去青蔷薇皇帝米迦勒·凯撒就要被那个贪吃鬼私生子世一推倒,变成数字纹身永远留在电子海洋里了。
俺の心情など知らない世一は、鼻歌でも歌い出すようにご機嫌に俺の話を続ける。
不知我心情的世一,像哼着小曲般愉快地继续说着关于我的事。
「たしかにカイザーって美味いもん食ってるときとかすげぇ嬉しそうだし、俺がドイツで作る飯も微妙な味付けのもあったりするけど、結局は全部きれいに平らげるじゃん。俺が『デカくて邪魔だから座って待ってろ』って言っても調理工程が気になって側から離れねーし」
"确实凯撒吃到美食时看起来超开心的,虽然我在德国做的饭有些调味很微妙,但最后他都会吃得干干净净。就算我说'你个子太大碍事坐着等吧',他还是会因在意烹饪过程而赖在旁边不走"
世一に言われて、気づく。 被世一这么一说,我才意识到。
俺の中で観光名所を見たことよりも、何かを食ってうまかった記憶の方が強く刻まれていたことを。
比起游览名胜古迹的记忆,那些品尝美食的快乐回忆在我心中烙印得更深。
—自由になって、いっぱい金稼いで、おいしいモン食べて、〝人間〟になろう……そんで叶うなら…誰かに…
——等获得自由后,赚大把钱,吃遍美味佳肴,做个真正的"人"……如果可能的话…还想和某个人一起…
「俺はさ……一緒に飯を作って、お前が美味そうに食ってる姿が結構好きだぜ、カイザー。母さんたちが帰ってきたら張り切ってうまい飯を作ってくれるだろうし、日本にいる間は甘くぬるい幸せに溺れていろよ、クソ皇帝」
"我说啊……其实挺喜欢和你一起做饭,看你吃得津津有味的样子呢,凯撒。等老妈她们回来肯定会大展厨艺,趁还在日本这段时间,你就尽情沉溺在这甜腻的幸福里吧,狗皇帝"
—愛されたい……愛されて、みたい…… —好想被爱……好想被人疼爱……
「……クソ世一」 「……该死的世界第一」
あの日クソガキの俺が願った戯言が、一つずつ着実に叶えられている。
那天臭小鬼的我许下的戏言,正在一件件确确实实地实现着。
フォークをもつ俺の掌が熱いのは、間違いなく世一のせいだ。
握着叉子的我掌心发烫,这绝对都是世一的错。
「ほら、ラーメン最後までおいしく喰っちまえよ」 “喏,把拉面吃得一滴汤都不剩才够味啊”
言われずとも俺のペースで最後のひとくちを食べて、噛んで、飲み込んだ。
不用他说,我也按自己的节奏吃完了最后一口,细细咀嚼,缓缓咽下。
「……ウマカッタ、ゴチソウサマ」 “……真好吃,多谢款待”
レンジフードの照明の下で手を合わせて、俺は初めて自分で作ったみそラーメンを食べ終えたのだ。
在抽油烟机的照明灯光下双手合十,我人生中第一次亲手做的味噌拉面就这样享用完毕了。
「これでドイツに帰ってもインスタントラーメンが作れるな。次はしょうゆかとんこつ、塩もいいんじゃないかなー」
"这样就算回德国也能做方便面了。下次试试酱油味或者豚骨味,盐味的应该也不错吧——"
「トッピングの生卵はクソ無理だろ」 "生鸡蛋当配料也太扯了吧"
「ゆで卵にすりゃいいじゃん。それに、具がなくても全然うまいしなー」
"换成煮鸡蛋不就行了。再说了,就算没配料也超好吃的——"
「映えは重視しないのか?」 "不考虑拍照发 ins 的视觉效果吗?"
「は? 映え? それで腹がふれるかよ」 "哈?拍照打卡?那玩意儿能填饱肚子吗?"
潔世一節が炸裂し、俺は思わず吹き出してしまった。
洁世一的节俭精神大爆发,让我忍不住笑喷了。
「クソ同感♪」 "太他妈赞同了♪"
育った環境が真逆でも、俺と世一には通じる部分がある。
虽然成长环境截然相反,但我和世一在某些方面还真是心意相通。
そう思うだけで俺も確実に〝人間〟へと成長している気がした。
光是这么想着,我就觉得自己确实在向着"人类"成长。
調理で使った小鍋、フォークや箸などの片付けを完璧に終えて、キッチンを後にする。
完美收拾完烹饪用的小锅、叉子和筷子等餐具后,我离开了厨房。
明日にはここにイヨがいるはずだ。 明天伊代应该就会来这里了。
換気扇のおかげでみそラーメンの匂いも残っていない。
多亏了换气扇,连味噌拉面的气味都没留下。
空腹も満たされ、完全犯罪を成し遂げたような爽快な気分で眠れるだろう。
吃饱喝足后,带着完成完美犯罪般的畅快感入睡吧。
洗面所で並んで歯を磨いた。 在洗手台前并排刷牙。
二階に上がって「おやすみ」という世一が、軽く背伸びをして俺の唇に触れたのだ。
上楼时说着"晚安"的世一,轻轻踮脚碰了碰我的嘴唇。
「—ッ⁉」 「——⁉」
日本、ましてや実家ではこういう〈挨拶〉はしないと思っていたのに、
我本以为在日本,尤其是在自己老家,根本不会有这种"问候方式",
「ははっ、もうラーメンの味しねーや」 "哈哈,已经尝不出拉面的味道啦"
薄闇の中でも、俺の青い眼は後ろ手をふって自分の部屋に入っていく世一の頬が赤く染まっていたのがしっかりと見えていた。
即便在昏暗光线中,我那双蓝眼睛也清楚看见世一背着手走进自己房间时涨红的脸颊。
「ハッ……—クソ生殺し」 "哈...这该死的半吊子"
部屋に突撃することも考えたが空腹が満たされた今、時差ボケによる睡眠欲が俺の大半を占めている。
我也考虑过直接冲进房间,但此刻填饱肚子的满足感已被时差带来的困意完全占据。
昼には潔夫妻も戻るはずだ。 洁夫妇应该中午就会回来。
それまでには起きて支度をし、世一と一緒に笑顔で「オカエリ」と出迎えよう。
在那之前我得起床准备,和世一一起笑着对他们说"欢迎回家"。
明日からのバカンスと食事がクソ楽しみだ—なぁ、クソブツ。
超级期待从明天开始的假期和美食——对吧,混蛋。
俺は自分の球を一撫でしてからまだなまぬるい布団にもぐり、ゆっくり呼吸を整えてから眠った。
我抚摸了一下自己的蛋蛋,钻进尚有余温的被窝,缓缓调整呼吸后沉入梦乡。
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- 蛇羅覇 蛇罗霸7月5日回信 7 月 5 日回信
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