一難去ってまた一難 一波未平一波又起
タグの凛潔は一応つけてますが要素はほぼ無いです 虽然打了凛洁标签但基本没有相关要素
ブルロホラーが好きすぎて書いたけど最終的に意味が分からない物ができてしまった。怖くないと思います。
因为太喜欢ブルロホラー就写了,结果写出了个不知所云的东西。应该不恐怖吧。
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目を開くと見慣れた景色があった。 睁开眼,映入眼帘的是熟悉的景色。
いや、正確に言うならば少し前までは毎日のように見ていた景色が目の前に広がっていた。
不,准确地说,是直到不久前还每天都能看到的风景此刻正展现在眼前。
世間でブルーロックの申し子と呼ばれ世界中の注目を一身に浴びているエゴイストもとい潔世一は一難高校の廊下に立っていた。
被世人称为蓝色监狱的天选之子、集全世界目光于一身的利己主义者——或者说洁世一,此刻正站在一难高中的走廊上。
比喩でもなんでもなく夕焼け色に染まった廊下のなかに1人ぽつんと突っ立っているのである。
毫不夸张地说,他就这样孤零零地伫立在夕阳染红的走廊中央。
(なんで、、ここに (为什么...会在这里
あ、そうか寝ちゃったのか) 啊,原来是睡着了吗)
目の前の光景に困惑した潔だったが直ぐに自分が夢を見ているのだと気づいた。しかし、夢だと気づいたにも関わらず一向に覚める気配はない。
面对眼前的景象,洁一时感到困惑,但很快意识到自己正在做梦。然而即便明白这是梦境,却丝毫没有要醒来的迹象。
潔が廊下の窓から外を見ると、夕日が照らすオレンジ色のグラウンドには帰る人はおろか、部活をする人の影もない。
当洁从走廊窗户向外望去,夕阳映照的橙色操场上别说回家的人,连参加社团活动的身影都不见一个。
(もしかして俺以外誰もいないのかな) (该不会只有我一个人吧)
確かめている間も景色は特に変化せず目の前にはグラウンドと同様のオレンジ色をした廊下が続いていた。
确认期间景色依然毫无变化,眼前延伸着与操场同样橙黄色的走廊。
変わらぬ景色に潔は顔を顰める。 面对一成不变的景象,洁皱起了脸。
いつか聞いた『人は音がないと不快に感じる』という話はどうやら本当のようだった。
以前听说过的"人类在无声环境中会感到不适"这句话,现在看来似乎是真的。
少し迷った後、潔は自分のクラスへと足先を向けた。不安はあったがここで何もしないでいるよりかは遥かにマシな選択に感じた。
犹豫片刻后,洁还是迈步走向了自己班级。虽然心有不安,但比起在这里什么都不做,这感觉是个好得多的选择。
潔の教室である2年A組まではここから階段を一つ上ればすぐのところにある。
从这儿只需上一层楼梯,就能到达洁所在的二年 A 班教室。
廊下には潔の足音だけが静かに響いており、人の気配がまるでしなかった。
走廊里只有洁的脚步声静静回响,完全感受不到其他人的气息。
(多田ちゃん居たりしないかな) (多田同学会不会在呢)
仲の良かったお調子者な友人の姿を思い出す。学校の中にいるからなのか懐かしさと同時に少し寂しさ感じた。
回想起那个总是乐呵呵的、和我关系很好的朋友的身影。或许是因为身处校园的缘故,在怀念的同时也感到一丝寂寞。
階段を登り廊下の角を曲がると教室へはあっという間だ。しかし教室に入ろうと扉に手をかけたそのとき、潔は教室に誰かがいることに気がついた。後ろを向いているため顔はわからないがすぐにその人が一難の生徒ではないことに気づく。
登上楼梯转过走廊拐角,转眼就能到达教室。但当洁伸手准备推开教室门时,突然察觉到里面有人。那人背对着门口看不清面容,但洁立刻意识到——这绝不是一难高中的学生。
(あの人学ランだ) (那人穿着立领制服)
一難高校の制服はブレザーである。 一难高中的校服可是西装外套。
しかし潔はその学ランに見覚えがなかった。水色のラインが入ったずいぶんと洒落た学ランである。
然而洁对这件学生制服毫无印象。这是一件镶着水蓝色滚边的时髦学生装。
しばらく扉越しに見ていると、教室の誰かも潔の気配に気づいたのか勢い良くこちらを振り向いた。
隔着门观望片刻后,教室里的某人似乎察觉到了洁的气息,猛然转头望来。
2人の目線がバチリと合う。潔の目は驚きのあまりまん丸になった。
两道视线啪地交汇。洁惊讶得瞪圆了双眼。
教室にいたのはなんと凛であったのだ。 教室里的人竟然是凛。
潔の姿を見た凛は一瞬おどろいたような顔をしたが、すぐに顔を顰める。
凛看到洁的身影时,脸上闪过一丝惊讶,随即皱起眉头。
潔はすぐにガラリと教室の扉を開け凛に近づいた。 洁猛地拉开教室门,快步走向凛。
「なんでてめぇが居んだよ」 "你这家伙怎么会在这里"
開口一番この口の悪さである。 一开口就是这般恶言相向。
偽物とかそっくりさんだったらどうしようと内心身構えていたがこの口の悪さは凛以外の何者でもないと潔は安心した。
阿洁内心还戒备着"万一是冒牌货或者长得像的人怎么办",但这毒舌的说话方式绝对是凛本人没错,他这才放下心来。
しかし、いつも通りの口の悪さに不機嫌が加わった凛の傍には正直近づきたくはないものである。どうせ夢ならばもっとにこやかな凛を出してくれればいいものを、と再現度が高くて己の夢ながら嫌になる。
但面对这个不仅毒舌还明显心情不佳的凛,说实话他根本不想靠近。既然是做梦的话,好歹给我安排个笑容亲切的凛啊——虽然是自己的梦,但还原度太高反而让人火大。
「それはこっちの台詞だし」 "这话该我说才对吧"
「あ?」 "哈?"
「俺夢に見るくらい凛のこと考えてたっけ?」 "我居然想凛想到做梦的地步了吗?"
「気色悪ぃこと抜かすんじゃねぇよ。だいたいこれは俺の夢だ。」
"少在这恶心人。说到底这是我的梦。"
「え、じゃあ凛が俺のこと夢に見るくらい考えてたってこと?」
"诶,那意思是凛也想过我想到做梦的程度?"
「死ね」 "去死"
話を聞くと、どうやら凛も気がついたらこの場所にいたらしい。潔と同じようにこの状況は夢だと考えていたようだった。
听她讲述后,似乎凛也是回过神来就发现自己身处这个地方。和洁一样,她原本以为这只是场梦境。
「最初は俺の通っていた高校かと思ったが、よく見りゃ知らねぇとこだった」
"起初还以为是我就读的高中,仔细一看才发现是没见过的鬼地方"
そう話す凛は教卓の前に向かう。 说着这话的凛走向讲台。
何をするのかと見ていると、教卓の上にぽつんと置いてあった何かを潔の方にひょいと投げ渡した。
正疑惑她要做什么时,只见她轻巧地将讲台上孤零零放着的某样东西抛给了洁。
「わっ、なにこれクラス名簿?」 "哇,这是什么?班级名册?"
「そこに書いてあんのが正しいならここは一難っつうとこの2年教室なんだろ。んなとこ知らねぇし来たこともねぇよ」
"如果上面写的是真的,那这里应该就是所谓的'一难'二年级教室吧。我可从没听说过这种地方,更没来过。"
凛に投げ渡された名簿をめくるとよく知ったクラスメイトの名前のなかに潔世一の名前を見つける。
翻开凛扔过来的名册,在熟悉的同班同学名字中发现了洁世一的名字。
「あ、俺の名前あった」 "啊,有我的名字呢"
「あ?」 「啊?」
凛は足早に近寄ると潔が見ていた名簿をひったくり食い入るように名簿を見た。
凛快步走近,一把夺过洁正在查看的名册,死死盯着上面的名字。
「お前なぁ、、、」 「你这家伙...」
「、、なんでてめぇの名前が載ってる」 「...为什么上面会有你的名字」
「え?あー、ここオレが通ってた高校なんだよね」 "啊?哦——这里是我以前上的高中"
「、、、、、、、は?」 "、、、、、、、哈?"
「俺一難高校通ってたんだよ。あれ言ってなかったっけ?」
"我上的是第一难高中啊。没跟你说过吗?"
「てめぇの高校なんざ興味ねぇよ」 "谁他妈在乎你上什么破高中"
クソと吐き捨てる凛はいつもより覇気がない、きっと名簿に潔の名前があったことや、来たこともない一難高校が夢に出てきたことに困惑しているのだろう。
凛骂了句"该死",语气比平时少了些气势。想必是因为名册上出现了洁的名字,以及从未去过的一难高中竟出现在梦里而感到困惑吧。
そりゃあ、そうだと潔は思う。急にこんな夢を見たら誰でも困惑する。現に俺も困惑してるのだし。
洁心想确实如此。突然做这种怪梦任谁都会困惑。实际上我自己现在也很困惑。
だが人は自分よりも冷静でない人を見ると段々と頭が冷えてくるものである。潔は廊下に立っていた頃の不安な気持ちが凛のおかげで少し和らいでいた。
但人看到比自己更不冷静的对象时,头脑反而会渐渐清醒起来。多亏了凛,洁站在走廊时的不安情绪稍微缓解了些。
「似てるだけじゃねぇのか?学校の造りなんてどこも一緒だろ」
"说不定只是相似而已?学校的构造不都差不多嘛"
「いや俺の名前書いてあんだろ」 "不是写着我的名字吗"
未だに認めようとしない凛に潔がピシャリと言い放った。
面对至今仍不愿承认的凛,洁斩钉截铁地说道。
凛は潔をギロリと睨むと力が抜けたように机にどかっと腰を落とすとぐしゃりと髪を掻く。
凛恶狠狠地瞪了洁一眼,突然像泄了气般重重跌坐在桌上,烦躁地抓乱了头发。
「んじゃ何だ? ここはてめぇの夢の中だとでも言いてぇのかよ」
"那你倒是说说看?难不成想说这里是你的梦里吗"
ギロリと睨みつける凛に潔は顎に手を当ててううん、と唸った。
凛恶狠狠地瞪过来时,洁用手托着下巴发出"嗯——"的沉吟声。
「確かに最初は俺もそう思ってたけど」 "确实最开始我也是这么想的"
潔は凛の姿をちらりと見る。 洁偷偷瞥了凛一眼。
仮に今目の前にいる凛が本当に潔の夢の中の登場人物だとしたら。潔のもつ凛へのイメージが創り出したのだとしたら、それは。
假设现在眼前的凛真的是洁梦中虚构的人物。如果这是基于洁对凛的印象所创造出来的形象,那么。
「なんか、、こう、違くね?」 "总觉得...好像哪里不太对劲?"
「、、何がだよ」 "...哪里不对劲了"
「いやだってさ俺、凛の制服しらねぇし」 "不是啊,我压根没见过凛穿制服的样子"
「俺だって潔の制服なんかしらねぇわ」 "我也从没见过洁穿制服啊"
「だろ? それにさ俺が凛の夢見るなら絶対サッカーの夢だと思うんだよね」
"对吧?而且如果我能梦见凛的话,肯定也是足球梦啦"
「見る前提で話してんじゃねぇよ気色悪ぃ」 "谁说要梦到你了 恶心死了"
「お前なぁ、、。でも実際そうだろ?凛は見たことないの?」
"你这家伙...不过确实是这样吧?凛你从来没梦到过吗?"
「、、、、、、。」 "........"
凛が苦虫をかみ潰してしまったかのように顔を顰めた。
凛皱起脸,仿佛咬碎了苦虫般扭曲着表情。
「えっ、見たことあんの」 "咦,你见过吗?"
「、、うるせぇよグズ てめぇと一緒にすんな」 "……烦死了废物 别把我和你混为一谈"
「いや俺は見たことないけどさ」 "不,我虽然没见过啦"
「あ?」 「啊?」
「え?」 「诶?」
潔も凛も互いにぽかんとした顔になる。 洁和凛都露出了茫然的表情。
実際、凛の夢には潔が出てくることが何度かあった。 实际上,凛的梦里曾多次出现过洁的身影。
だって潔は憎らしいことに兄に認められたクソ野郎であり、絶対にぐちゃぐちゃにして殺さなければならない宿敵なのだ。
因为洁这个可恨的家伙是被哥哥认可的混蛋,是必须彻底摧毁杀死的宿敌。
そのため、サッカーをしている時もヨガをしているときも、寝る前だって潔を潰すことを考えない日はなかった。
因此无论是踢球时、练瑜伽时,还是睡前,没有一天不在想着如何碾碎洁。
その結果、最悪なことに夢のなかにまで潔が出てくるようになってしまったのだ。それはまるで自虐のように夢をみる自分に凛は心底吐き気がしていた。
结果最糟糕的是,连梦里都开始出现洁的身影。看着做梦的自己如此自虐,凛恶心得想吐。
自分がそんな思いをしているのだ。当然潔も自分の夢を見たことがあるだろうと思っていた。
自己承受着这般煎熬。凛理所当然地认为,洁肯定也梦到过自己。
一方、潔は凛の夢を一度も見たことがなかった。冗談で場が明るくなったらいいな、なんて考えての失言である。
另一方面,洁从未梦见过凛。他本想说句玩笑话活跃气氛,却不慎失言。
(え、まじ?凛って俺の夢見んの?それってやっぱサッカーで俺を倒す!みたいな感じなのか)
(咦,真的吗?凛从没梦见过我?该不会是梦见在足球场上把我干掉之类的吧)
「なあ、それって」 "喂,那个..."
一体どんな夢、と聞くため凛の方を見たことを潔は心底後悔した。目の前の凛は今まで見たことがないほど恐ろしい顔をしていた。
当洁转头想问"到底是什么梦"时,他立刻感到深深的后悔。眼前的凛露出了前所未见的恐怖表情。
「、、なんかごめん」 "、、那个,抱歉"
俺夢忘れちゃうタイプなんだよなと潔は言い訳するように呟いた。今の凛にこの言葉が届くのかは不明であるが本当のことなので一応。
洁像是找借口般低声嘟囔着说自己属于那种会忘记梦境的类型。虽然不确定这句话能否传达给现在的凛,但毕竟说的是事实。
潔とて凛のことを意識していなかった訳では無い。むしろ夢に出てくれるなら一緒にサッカーしたいくらいだったがどうしても起きると夢を忘れてしまうのである。
洁也并非没有在意过凛。倒不如说如果能在梦里相见,他其实很想和她一起踢足球,但每次醒来后总会把梦境忘得一干二净。
凛は潔に背を向けるとスタスタと扉に向かう。どうやら潔の言葉は届かなかったようだ。
凛转身背对洁,哒哒地朝门口走去。看来洁的话语终究没能传达到她耳中。
ガラリと勢い良く扉を開け教室から出ていこうとした凛を慌てて止める。
凛猛地拉开教室门正要冲出去,我慌忙拦住了她。
「おい凛待てよ!」 "喂凛等一下!"
潔が慌てて声を上げたとき、不意に廊下から物音がした。何かが壊れるような大きな音だ。
就在洁慌忙喊出声时,走廊突然传来物体碰撞的声响。那像是某种东西碎裂的剧烈响动。
(なんだ?) (怎么回事?)
潔の位置からは廊下の様子は分からない。しかし凛は扉を開けたところでピシリと固まっている。
从洁的位置无法看清走廊的情况。但凛在打开门后突然僵在原地。
(どうしたんだ) (怎么了)
なんの音か確かめるため潔は凛に近づいた。 为了确认声音来源,洁向凛靠近。
「おい一体なにが」 "喂 到底发生什么了"
潔の声に先程から固まっていた凛がビクリと大きく肩を揺らす。
凛因洁的声音而浑身僵硬,此刻猛地剧烈颤抖了一下肩膀。
かと思えば血相を変えて扉を閉め、内鍵をかけると潔の方に駆け寄り痛いくらい強く腕を掴んだ。
紧接着她脸色大变关上门,反锁后冲到洁面前,用力抓住他的手腕,力道大得生疼。
「痛っ」 "好痛!"
そのあまりの強さに潔は顔を顰め、いきなり何するんだと声を荒らげ抵抗しようとした。しかし、凛の顔を見て何を言う気にもなれなくなってるしまった。それくらい凛の顔色は悪かったのである。
洁被这突如其来的力道疼得皱起脸,正要怒斥"突然发什么疯"并试图挣脱。但一看到凛的脸色,所有话都卡在了喉咙里——她的面容苍白得可怕。
そんな凛の手を振り払うこともできず潔は大人しく腕を引かれ凛の後ろを歩いた。
凛甩不开洁的手,只好乖乖被拽着手腕跟在她身后。
凛は教卓の中に潔をしゃがませると自分も大きな体を隠すように教卓の陰にしゃがみこんだ。2人で息を潜めて大きな体を小さく丸める。
凛让洁蹲在讲台里侧,自己也蜷缩着高大的身躯躲进讲台阴影处。两人屏息凝神,将庞大的身躯蜷成小小一团。
それから十数秒程たった頃、廊下から奇妙な音が聞こえ始めた。微かに聞こえるそれはまるで重いものを引きずっているかのような音だった。
约莫十几秒后,走廊开始传来诡异的声响。那细微的动静,简直像在拖拽什么重物。
(あ、こっちに向かってきてる) (啊...往这边来了)
音はどんどん近くなってきている。 声音越来越近了。
潔の隠れている位置は教卓の中だったためその姿を見ることはできないが、音がちょうど壁越しに聞こえ始めたとき潔は姿を見ようとしゃがんでいる姿勢から手を床に着いて身を乗り出した。
由于洁藏身的位置在讲台内部,无法看见外面的情形。但当声音恰好开始隔着墙壁传来时,洁从蹲伏姿势改为双手撑地,探身向外张望。
教卓から少し頭を出して、扉のガラス越しに何かを見ようとする。
他从讲台边缘微微探出头,试图透过门上的玻璃观察外面的动静。
潔が覗いた時には後ろ姿がちらりと見えたくらいであったが、ソレが人では無いことはすぐにわかった。まるで傷んだ肉のような赤黒い皮膚をしたソレが人間だとは到底思えない。潔は身を乗り出した体勢を元に戻すと凛のほうを見た。凛はアレの出す音で危機を察知し隠れたのか、それとも姿を見たのだろうか。ふと床を見ると教卓の陰からチラリと凛の手が見えた。節のしっかりとした大きな手は少しだけ震えて見えた。
当洁窥视时,只瞥见一个背影的残影,但立刻意识到那绝非人类——那具覆满溃烂血肉般赤黑色皮肤的存在,无论如何都不可能是人。洁缩回探出的身体,转头看向凛的方向。不知凛是凭借那东西发出的声响察觉危机躲了起来,还是已经亲眼目睹了它的模样。低头间,他忽然瞥见凛的手从讲台阴影处微微露出——那只骨节分明的大手正隐约颤抖着。
(凛はアレをしっかり見てしまったんだな) (凛肯定清楚地看到了那个东西)
潔は心底凛に同情した。アレの全体がどうなっているのかなんて自分が見てしまったなら正常な判断ができるだろうか。
洁从心底同情凛。如果换成自己看到那个东西的全貌,恐怕也无法保持理智判断吧。
それからずりずりと音を立てながら過ぎ去っていくのを2人は息を潜めて待っていた。
两人屏住呼吸,听着那拖拽着什么东西的声响渐渐远去。
どれほど時間が経ったのかは分からないが、緊張の糸がほぐれてふっと息を吐き出す。
不知过了多久,紧绷的神经终于松懈下来,两人不约而同长舒一口气。
ようやく音が聞こえなくなったのだ。 终于听不到声音了。
緊張のせいか上手く呼吸ができていなかったようで息を大きく吸うと心臓が今更ながらバクバクと音をたてた。
或许是紧张的缘故,呼吸一直不太顺畅,当深深吸一口气时,心脏这才后知后觉地剧烈跳动起来。
チラリと凛を盗み見る。凛が立ち上がる様子はない。潔は立ち上がり教室の外を確認しようと歩き出した。
偷偷瞥了凛一眼。凛似乎没有要起身的意思。洁站起身,准备走出教室查看外面的情况。
凛が驚き咄嗟に潔を掴もうとするが、動揺が大きいのだろう。いつもより動きが鈍い凛を潔はさらりと避け、扉のガラス越しに廊下を見る。どうやら教室の前で待ち伏せはされていないようだ。
凛惊讶地想要抓住洁,但可能因为太过动摇。洁轻巧地避开了动作比平时迟缓的凛,透过门上的玻璃望向走廊。看来教室前并没有人埋伏。
潔は扉を少し開け周囲を見渡す。隠れているときに聞こえてきた足音の反響的に上の階へ行ったのだろうと予想していたがどうやら当たっていそうだ。
洁将门微微打开一条缝,环视四周。她原本推测刚才躲藏时听到的脚步声应该是往楼上去了,看来这个判断没错。
(逃げるなら今か) (要逃的话就是现在了)
「凛いまなら、、ってどうした」 "凛,现在的话...你怎么了?"
凛のほうを振り返ると教卓の陰に隠れていたはずの凛が複雑そうな顔をしてこちらを凝視している。
回头看向凛时,本该躲在讲台阴影处的凛正用复杂的表情凝视着她。
「お前ホラー映画で最初に死ぬタイプじゃねぇか」 "你这家伙不就是恐怖片里最先领便当的类型吗"
「は?」 "哈?"
「なんでもねぇ」 "没什么"
何の話だというふうに首を傾げる潔に凛は舌打ちをする。凛は潔がサッカーにしか興味のない馬鹿であったことを思い出した。
看着洁一脸茫然歪着头的样子,凛咂了咂舌。她这才想起洁是个除了足球对什么都不感兴趣的笨蛋。
「取り敢えず迂闊なことすんじゃねぇ」 "总之别给我乱来"
問題はそこである。凛は潔のことが死ぬほど嫌いだが勝手に死なれるのは困るのだ。
问题就在这里。凛虽然讨厌洁讨厌得要死,但也不能让他随便死掉。
「確かに迂闊だったごめんな」 "确实是我太鲁莽了,抱歉"
凛の言葉に潔も素直に謝った。 面对凛的责备,洁也老老实实地道了歉。
凛が震えているのを見てから潔は俺が見に行こうと決めていた。自分はアレの姿をちゃんと見ておらず恐怖心が少ないため冷静に行動できるだろうと考えていたのである。
看到凛在发抖后,洁决定由自己前去查看。他认为自己并未亲眼目睹那个东西的模样,恐惧感较轻,应该能保持冷静行动。
しかし、その行為は凛の言う通り危険である。仮に潔の予想が外れ、待ち伏せされていたら危険に晒されるのは潔だけではなかった。凛がサッカーできなくなるのは潔にとって自分がサッカーできなくなるのと同じくらい嫌なことであった。
但这个行为正如凛所说十分危险。倘若洁的预判失误,遭遇埋伏的话,陷入险境的不止他一人。对洁而言,凛无法继续踢足球的后果,和自己不能踢球同样难以接受。
「アイツはもう居なかったよ。上の階に言ったと思う。」
"那家伙已经不在了。我猜是去了楼上。"
「あ? なんでんな事分かんだよ」 "啊?你怎么能确定这种事"
「隠れながら足音の反響とか聞いてた。校舎の構造は分かってるし結構自信あるよ」
"我一边躲藏一边听着脚步声的回音。对校舍结构很熟悉所以还挺有把握的"
廊下に何も居ないことで潔の予想は確信に変わっていた。動くなら今が絶好のチャンスである。
空无一人的走廊让洁的推测转为确信。要行动的话现在正是绝佳时机。
「取り敢えず校舎から出よう」 "总之先离开校舍吧"
「出てどうすんだよ」 "出去之后又能怎样"
「俺の家でも行ってみる? ここからなら15分くらいで着くぜ」
“要不要去我家看看?从这儿走大概 15 分钟就到。”
凛は少し迷っているようだったが潔について行くことに決めたのだろう。何も言わず潔の後に着いてきた。念の為こっそりと廊下に顔を出すと潔の思った通り廊下にはあれはもう居ないようだった。小さく行くぞと声をかけ、潔と凛は教室を後にした。
凛似乎有些犹豫,但大概还是决定跟着洁走吧。她一言不发地跟在洁身后。为防万一,洁悄悄探头看向走廊——正如他所料,走廊上已经不见那个东西的踪影。洁小声说了句“走咯”,便和凛一起离开了教室。
二人で静かに素早く昇降口に向かう。途中あれがひょっこり現れるのではないかとビクビクしていたが、結局戻ってくることはなかった。
两人安静迅速地走向校门口。途中一直提心吊胆生怕那东西突然出现,但最终它都没有再回来。
潔が昇降口の戸に手をかけると重厚な扉には鍵がかかっている、、なんてこともなく扉はするりと簡単に開いた。隣から凛が舌打ちが聞こえる。
当洁把手搭在校门把手上时,原以为厚重的门会上锁……然而什么事都没发生,门扉轻而易举地滑开了。身旁传来凛咂舌的声音。
「何にキレてんだよ」 “你发什么火啊”
「、、、、。」 “、、、、。”
何故かは分からないが隣を歩く凛は不貞腐れたような顔をしていた。
不知为何,并肩走着的凛摆出一副闹别扭的表情。
「おい」 “喂”
「、、あぁ」 "……啊"
2人が静かに校舎からでると凛が潔の肩を軽く小突いた。二人の目線の先にある我が一難高校の校門には何かが寄りかかるようにして突っ立っている。二人は気づかれぬよう近くの自転車置き場の陰に素早く隠れた。校門の影はまだこちらに気づいていないようだ。
两人静静走出教学楼时,凛轻轻戳了戳洁的肩膀。在他们视线前方的我难高中校门口,有个东西正倚着门柱伫立。二人迅速躲进附近自行车棚的阴影里以免被发现。校门处的黑影似乎还没注意到这边。
「なあ、凛」 "喂,凛"
潔は凛に裏門から出ようかと提案するため凛のほうを見ると、凛の手にはいつの間にかシャベルが握られていた。
洁正想提议从后门离开而转向凛时,发现凛手中不知何时已紧握着一把铁锹。
「、、、なにそれ」 "、、、那是什么啊"
「あ?目腐ってんのか。見りゃわかんだろ」 "啊?你眼睛瞎了吗。看一眼不就知道了"
「いやそれはわかるけど」 "不 那个我倒是明白"
そういうことじゃないだろ、と突っ込む。いったい何をする気なのかと潔が目を白黒させていると凛が自転車置き場の影から勢い良く飛び出そうとした。
洁忍不住吐槽"问题不在这里吧"。就在洁瞪大眼睛困惑着对方究竟想干什么时,凛突然从自行车停放处的阴影里猛地冲了出来。
「お、おい凛!何する気だよ」 "喂、喂,凛!你想干什么"
潔は慌てて凛の腕を掴むと凛が潔をギロリと睨みつける。
洁慌忙抓住凛的手腕,凛恶狠狠地瞪了洁一眼。
「何すんだよ」 "你想干嘛"
「いや、こっちのセリフだし!危ないでしょーが!」 "这话该我说才对吧!很危险啊!"
「あ?そんなもん決まってんだろ」 "哈?这不是明摆着的事吗"
凛はまっすぐに校門を睨みつける。 凛直勾勾地瞪着校门。
「殺る」 "杀"
「お前ついにイカれちまったのか」 "你小子终于疯了吧"
凛のまさかの発言に潔は空いた口が塞がらない。 凛突如其来的发言让洁震惊得合不拢嘴。
(もしかして凛なりの冗談なのか) (难道这是凛式的玩笑吗)
潔はもう一度凛の顔を見る。 洁再次看向凛的脸。
「あ?」 "啊?"
しかし、そこにあったのは本気で殺ろうとしてる凛の顔であった。
然而,眼前出现的却是凛那张真心要杀人的面孔。
「いやお前無理だろ!?さっき校舎を徘徊してたやつを忘れたのか!」
"喂你疯了吗!?忘了刚才在教学楼里游荡的那个东西吗!"
潔は先程見た恐ろしい後ろ姿を思い出す。明らかに人間では無いあの容姿の化け物に人が敵うものなのだろうか。
洁回想起方才目睹的那个恐怖背影。那种明显非人的怪物姿态,人类怎么可能与之对抗。
「、、うちの学校には裏門もあるし、そっちから出ようぜ」
"……我们学校还有后门,从那边出去吧"
な、と潔が静かな声で凛に話しかける。凛は潔の言葉を聞くと静かにため息をついた。
"喂,"洁用平静的声音对凛说道。凛听到洁的话后,轻轻叹了口气。
「うぜぇ、、俺に指図すんな」 "烦死了...别对我指手画脚的"
「お前なぁ、、、、」 "你这家伙啊......"
凛は立ち上がるとシャベルを肩に担ぐ。夕日が照らすその後ろ姿は悔しいことにとてもかっこよかった。
凛站起身将铁锹扛在肩上。夕阳映照下的背影,可气的是竟显得格外帅气。
「ビビってねぇで着いてこい」 "别怂了,跟上来"
「、、、わかった」 "......知道了"
凛は先程のように飛び出すのではなく、校門に向かって慎重に歩き始めた。一瞬の躊躇の後、潔も足音を立てぬようにそれに続いた。
凛没有像刚才那样冲出去,而是谨慎地朝校门方向迈步。洁稍作犹豫后,也放轻脚步跟了上去。
「なぁ凛」 "喂,凛"
校門まで残り30メートルもない距離で潔が呼び止めたため二人の動きが止まった。現在二人は隠れながら進んでいるのだが、不可思議なことに校門に寄りかかっている何かを未だにちゃんと見ることができないのである。不自然な逆光に包まれていているかのように真っ黒にしか見えないソイツはとても不気味で潔の心には再び恐怖心が芽生えていた。
距离校门不到 30 米时,洁突然叫住凛,两人的脚步戛然而止。此刻他们正隐蔽前行,但诡异的是始终无法看清倚靠在校门上的那个物体——如同被不自然的逆光笼罩般,只能看见一团漆黑轮廓,那东西散发着令人毛骨悚然的气息,恐惧再次在洁心中萌芽。
しかし流石に凛一人に危ない役目を任せる訳にはいかない。囮くらいにはなれるかもしれないと潔は意を決して凛を呼び止めた。
可终究不能让凛独自承担危险。抱着至少能当诱饵的觉悟,洁下定决心叫住了她。
「、、、、、、、?」 「......?」
しかし潔の前に立っている凛からはいっこうに返事が返ってこない。
然而站在洁面前的凛却迟迟没有回应。
「お、おい凛?」 "喂、喂,凛?"
嫌な予感を感じ恐る恐る凛の顔を覗きみる。が、凛の顔を見た潔は大人しく元の位置に戻った。目を閉じて静かに唱える。
不祥的预感让我战战兢兢地窥探凛的表情。但看到凛面容的洁,却乖乖回到了原位。他闭着眼睛低声念叨着。
(俺は何も見ていない俺は何も見ていない) (我什么都没看见我什么都没看见)
完全に目がキマってしまっている凛なんて俺は見ていないんだ。
我绝对没有看到眼神完全不对劲的凛。
潔は暗示のように心の中で唱えていたが、次第にこの状態の凛ならアイツに勝てるのではないかと思い始めた。
洁如同默念咒语般在心中反复叨念着,渐渐开始觉得处于这种状态的凛或许能战胜那个家伙。
あのおっかなさは影野郎の比ではない。むしろ恐ろしさ具合でいったら10人中13人が凛の顔を恐ろしいと言って震え上がるだろう。
那种骇人程度绝非黑影男可比。若论恐怖指数,十个人里会有十三个被凛的面容吓得发抖吧。
(うん、、!何かいける気がしてきた!!) (嗯...!感觉能行!!)
この状況ではこれが最善の案なのではないかと思い始める潔も既におかしくなっている。そんな自身の状態に気づかずに潔は凛の方をチラリと見る。担いでいたシャベルを持ち直した凛はどうやら今度こそ仕留める気らしい。
在这种局面下,连洁也开始认为这是最佳方案——显然他自己也不太正常了。浑然不觉自身异状的洁偷偷瞥向凛。重新握紧肩上铁铲的凛,这次看来是铁了心要取对方性命。
やはり相手が化け物だとしても今の凛ならいけるかもしれないと再び思う。潔はこの状況にすら適応をしようとしていた。
果然,即便对手是怪物,现在的凛或许也能应付——这个念头再次浮现。洁正试图适应这种极端处境。
そんなことを考えながら影野郎の方へ、ふと目線を向けた時不思議とある疑問が芽生えた。
就在他思忖间,视线偶然投向黑影时,一个奇异的疑问突然萌生。
(、、、なんか見覚えあんな) (……总觉得那东西似曾相识)
何故今まで気づかなかったのだろう。真っ黒な影の中、顔と思われる部分にキラリと2つの丸が光って見える。その丸い反射光にはなんだか見覚えのある気がしてならないのだ。
为何至今都没注意到呢?在漆黑的阴影中,疑似面部的区域闪烁着两点圆形的反光。那对圆润的光斑总让他产生难以言喻的熟悉感。
(何だあれ丸い光が二つ、、めがね、、、え?丸眼鏡かけてね?)
(那是什么,两个圆形的光点...眼镜...咦?戴着圆框眼镜吗?)
潔が考えている隣で凛は遂に影野郎に向かって走り出した。
在洁思考的同时,凛终于朝着黑影男冲了过去。
(よく見りゃ身長は結構あるけど学校で見たやつほど高くない気がするし)
(仔细看的话个子挺高,但感觉没有在学校见到的那家伙那么夸张)
そう学校で見た怪物は天井まで背丈があったのだが、影野郎はそこまで高身長ではない気がしたのだ。
没错,在学校见到的怪物身高几乎顶到天花板,但眼前这个黑影男似乎没那么高大。
(あれ?) (咦?)
その時、潔の中でパズルのピースがパチりとハマる。 就在那一刻,洁的脑海中仿佛有拼图碎片啪嗒一声严丝合缝。
(あれ雪宮じゃね) (那不是雪宫吗)
潔が影野郎のことを雪宮だと認識した瞬間、まるで初めからそうであったかのように真っ黒な姿は雪宮の姿に変化した。
当洁认出黑影男就是雪宫的瞬间,那团漆黑的身影如同原本就该如此般,逐渐化作了雪宫的模样。
しかし凛には雪宮の姿が見えていないのか止まる気配がない。それどころか勢いが更に着いたような気もする。
然而凛似乎没看见雪宫的身影,丝毫没有停下的迹象。不仅如此,反而感觉她的势头更猛了。
(やべぇ!!) (糟了!!)
「凛!それ雪宮! 「凛!那是雪宫!
雪宮!右に避けろ!!」 雪宫!快往右闪!!」
潔が声をはりあげたのと凛がシャベルを振り上げたのと雪宮が驚き振り返ったのはほぼ同時であった。
洁的尖叫声、凛举起铁锹的动作以及雪宫惊愕回头的瞬间几乎同时发生。
「!!」 "!!"
「は?!」 "哈?!"
凛は咄嗟にシャベルの方向をずらし、雪宮は右に思い切り転がった。
凛瞬间偏移了铁锹的挥击方向,雪宫则猛地向右翻滚躲避。
ガンッとシャベルがアスファルトに直撃する鈍い音がなる。
铁锹重重砸在沥青路面,发出沉闷的撞击声。
(あっぶねぇ、、、!) (好险...!)
「いったいどうなってやがる」 "这到底是怎么回事"
「は、、、、?凛君?」 "哈...?凛君?"
「おーい!大丈夫か?」 "喂!你没事吧?"
潔が慌てて2人に駆け寄ると冷静さを取り戻した凛と呆然とアスファルトにしゃがみこむ雪宮が潔の方を同時に見る。
当洁慌忙跑向两人时,恢复冷静的凛和茫然蹲坐在柏油路上的雪宫同时看向洁。
「説明しろ」 "给我解释清楚"
「潔まで、、?いったいどうなってるんだ、、、?」 "连洁也...?这到底是怎么回事...?"
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