カイザーが潔の浮気相手に立候補する話【後編】 凯撒主动请缨成为阿洁外遇对象的故事【后篇】
浮気癖のある恋人のいる潔に、カイザーが浮気候補として立候補する話の後編です。
这是关于有出轨习惯的恋人洁,凯撒主动申请成为其出轨对象的故事后篇。
前編に加えてさらに注意事項が増えるので、ご一読いただいてからお進みください。
除前篇外注意事项有所增加,请阅读完毕后再继续。
【注意】
・潔にモブ♂の彼氏がいます。 ・洁有一位路人♂男友。
・潔とカイザーがプロとしてBMに所属している未来を捏造しています。
・捏造了洁与凯撒作为职业选手效力于 BM 俱乐部的未来设定
・書いている人にクラブチームの知識が足りていないです。
・作者对俱乐部球队的认知存在明显不足
・推しカプの倫理観がブルドーザーで耕されたように崩壊しています。
・CP 推的伦理观如同被推土机碾过般彻底崩塌
・よってキャラ崩壊もあると思います。 ・因此可能存在角色形象崩坏的情况
・何があっても浮気が許せない人は見ないことをお勧めします。
・无法接受任何形式出轨情节的读者建议回避
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カイザーと潔の浮気ごっことも呼べない稚拙な遊びから3ヶ月ほどの時間が過ぎ、季節は夏の終わりに近づいていた。
距离凯撒和洁那段称不上出轨游戏的幼稚把戏已经过去三个月,季节已近夏末。
潔は相変わらず例の恋人と付き合っているし、カイザーと潔の周りに流れる空気も何ら変わらない。
洁依然和那个所谓的恋人保持着关系,凯撒与洁之间的氛围也毫无变化。
あの日カイザーに感じた形容しがたい感情は、浮気されたショックから、他にも魅力的な人はいるから悲観することはないと自分自身に思い込ませる防衛反応のようなものだと、潔はひとり納得していた。
洁独自认定,那天对凯撒产生的难以名状的感情,不过是被出轨后产生的防御反应——让自己相信世界上还有其他有魅力的人,不必为此悲观。
度々あの夜のことを思い出してしまうのも、恋愛経験の少ない潔が久しぶりに恋愛感情を模した刺激を浴びたからであって。しかも相手はあのカイザーだ。昔は世界で一番嫌いなやつで、今はサッカーでは高めあい、私生活では誰より頼れるチームメイト。変に意識して気まずくなる必要はない。このまま時間が経てばきっと忘れて、笑い話になるだろう。そう思っていた。
之所以频频想起那晚的事,不过是因为恋爱经验匮乏的洁久违地体验到了类似恋爱的刺激感。更何况对方是那个凯撒。曾经是世界上最讨厌的家伙,如今在球场上互相成就,在私生活中是最可靠的队友。没必要过度在意搞得彼此尴尬。只要时间流逝,这些终将成为笑谈。他原本是这么想的。
「世一、どこにいくの?」 "世一,你要去哪?"
「世一、アドレス帳にいるこの女は誰?いつの間に連絡先交換した?」
"世一,通讯录里这个女人是谁?什么时候交换的联系方式?"
「世一、さっきの電話は誰から?何の話?」 "世一,刚才的电话是谁打来的?说了什么?"
「世一、最近チームの飲み会が増えたんじゃない?もしかして僕に嘘吐いてる?」
"世一,最近球队聚餐是不是变多了?该不会是在骗我吧?"
浮気癖の代償に現れた恋人の束縛癖は日に日に悪化していた。あれから浮気こそしている様子はないものの、潔の一挙一動に疑いの目を向け、すぐに相手の納得のいく回答を出せなければ気が済むまで詰る。
恋人因出轨恶习而滋生的控制欲日渐恶化。虽然之后看似没有再出轨,但对洁的一举一动都投以怀疑的目光,若不能立即给出令对方满意的答复,就会纠缠不休直到自己满意为止。
正直潔は、私生活でも気が休まる時間は少なくなっていると感じていた。
说实话,洁感觉自己的私人生活中能放松的时间也越来越少了。
潔にとって、サッカーに影響が出てしまうのは一番避けたいことだ。自分のやりたいサッカーをするためにチームメイトとの親睦を深めることも潔は大切だと思っているし、そこにすら気を遣わないといけないことに辟易し始めていた。
对洁而言,最不愿看到的就是足球受到影响。为了能踢自己想踢的足球,洁认为加深与队友的友谊也很重要,但连这点都要小心翼翼,让他开始感到厌烦。
「本当にチームの飲み会だよ。チームメイトが結婚するんだ。そのお祝い。」
"真的是球队的聚会。队友要结婚了。是去庆祝的。"
「先週だってチームメイトが失恋したとか言って遊びに出て行ったよね?あんまりチームの中にばかり篭もるのは良くないんじゃないの」
"上周你不是还说队友失恋了要出去玩吗?整天把自己关在球队里也不太好吧"
彼はいつだって殆どサッカーの世界にだけ生きている潔を否定的に見る。普段の潔なら、面倒を避けるべくうまく機嫌をとって、なるべく早く帰るよと彼を安心させていただろう。 ただこの日だけは、束縛に疲れて、面倒な恋人に大切なサッカーの邪魔だけはしないで欲しいという気持ちに支配され、ずっと心の内にあった言葉を苛立ちのままにぶつけてしまった。
他总是对几乎只活在足球世界里的洁持否定态度。若是平时的洁,为了避免麻烦肯定会顺着他的意思哄他开心,说会尽快回去让他安心。唯独这天,被束缚得疲惫不堪的洁满心只想着"别让烦人的恋人来打扰重要的足球",将积压已久的心里话伴着怒火倾泻而出。
「・・・浮気しまくってたお前に俺のことどうこう言う権利なんかあんのかよ?」
"...你个劈腿成性的人有什么资格对我指手画脚?"
パシン。 啪。
乾いた音が響いて、左側の頬に走った一瞬の痛みに、潔は自分が恋人の右手に叩かれたことを理解した。
清脆的声响回荡在空气中,洁世一感受到左脸颊传来瞬间的刺痛,这才意识到自己被恋人的右手扇了一巴掌。
「痛・・・ッ」 "好痛..."
口の中がすこし切れたようで、鉄の味がする。 口腔似乎被划破了些许,泛起铁锈般的血腥味。
「あ・・・ごめん世一・・・でも、お前が悪いんだ・・・今はちゃんと、僕は反省して・・・世一を失いたくないって思ったからこんなに世一だけに尽くしてるのに・・・今更そんなこと言われたってどうしようもないじゃないか・・・」
"啊...对不起世一...但、但都是你的错...我现在明明在好好反省...因为不想失去世一才这么拼命对你好的...事到如今说这种话让我怎么办啊..."
「・・・。もう時間だから行ってくる」 "……时间到了,我走了"
こんな時でさえ、正しいのは自分の方だとでも言いたいのか。
在这种时候还摆出一副自己才是正确方的姿态。
暴力を振るっておいて謝ることすらできない彼が潔との恋人生活の中で変わってしまったのか、元々そういう人間だったのか、今となっては分からない。潔は恋人の制止を振り切り、財布と携帯、家の鍵をひっつかんで逃げるように家を出た。
不知道是他在与阿洁的恋爱生活中改变了本性,还是原本就是这种人——这个既施暴又拒绝道歉的男人。阿洁甩开恋人的阻拦,抓起钱包手机和家门钥匙夺门而出。
全力で走っていると、追いかけてきていた恋人はすぐに撒けた。
全速奔跑之下,追赶的恋人很快就被甩开了。
そもそもプロのスポーツ選手の筋力や体力に敵うはずがない。潔が本気でやり返せば、あんな男、どうにだってなる。それでも黙って家を出たのは、今もじんじんと疼き熱を持っている左頬よりも心の方が痛んで、これ以上あの場に居られなかったからだ。
说到底,职业运动员的体能力量根本不是常人能抗衡的。如果洁认真反击的话,那种男人根本不堪一击。即便如此还是默默离开家门,是因为比起至今仍火辣辣刺痛的左脸颊,内心的痛楚更甚,让他无法继续留在那个空间。
俺たちはいつの間にここまでこじれてしまったんだろう、と潔は考えた。どんなに良い思い出を挙げてみたって、今ではうわべだけの偽物にしか見えない。これまでの潔に見えていた彼の優しい姿はペルソナで、それに応えた潔の気持ちも本当の彼に向けたものでは無かったのかもしれないと。
我们究竟是从何时开始变得如此扭曲的呢——洁思考着。无论列举多少美好回忆,如今看来都只是虚有其表的赝品。或许至今自己所见到的他温柔的一面只是人格面具,而自己回应的感情也并非投向真实的他。
今日の会場は、この秋に結婚が決まっているチームメイト御用達の大衆居酒屋だ。安くて旨い酒とつまみ。常連のよしみで貸し切りにしてもらったんだと乾杯の音頭で言っていたそのチームメイトは、この世の春を全部集めたような様子で、今日は俺のおごりだから吐くまで飲んでいってくれと破顔した。その笑顔が、今の潔には残酷なほど眩しかった。
今天的聚会场所是队友们常去的平价居酒屋,那位今秋即将结婚的队友做东。廉价却美味的下酒菜,靠着老主顾的交情包下了整间店——在祝酒词里这么说着的那位队友,仿佛集世间所有幸福于一身,咧嘴笑着说"今天全算我的,不醉不归"。那笑容对现在的洁而言,耀眼得近乎残酷。
「世一」 "世一"
早くも始まった馬鹿騒ぎの中に、聞き慣れた低めの声。ちびちびと酒をなめていた潔はゆっくりと声の主を振り返った。
在早已开始的喧闹中,传来熟悉的低沉嗓音。小口啜饮着清酒的洁缓缓转头望向声源处。
「カイザー。どうした?」 "凯撒,怎么了?"
乾杯の時には、離れた席にいたはずだ。普段の飲み会でも、席が近ければ2人で話し込んだりするが、わざわざ遠くから潔のところに来たことは今まで無かったので潔は不思議に思った。
明明祝酒时他还坐在远离自己的位置。平日聚会时若座位相邻,两人也会聊上几句,但特意从远处来到洁身边这种事还是头一遭,洁不禁感到疑惑。
カイザーは潔の隣に座っていたチームメイトに声かけし、潔のすぐ左側に腰を下ろす。近頃2人で飲みに行くこともできなかったなあ。久々に近くで見るカイザーの姿に、安心感を覚えるとともに、3ヶ月間ゆっくり話す機会を失っていたことが悔やまれた。
凯撒向坐在洁身旁的队友打过招呼,径直落座于洁左侧空位。最近都没能两人单独去喝酒呢。久违地近距离看着凯撒的身影,洁在感到安心的同时,也为这三个月来错失畅谈机会而暗自懊悔。
するとカイザーは潔の耳元に顔を近づけて、 这时恺撒将脸凑近洁的耳边,
「頬がこちらだけ赤くなってる。何かあったのか」 "只有这边脸颊红了。发生什么了吗?"
と小声で訊きながら、そっと左頬に手をかざした。 一边小声询问,一边轻轻将手覆上他的左颊。
「・・・ちょっと喧嘩しただけ。たいしたことじゃないよ」
"…只是稍微吵了一架。没什么大不了的"
「話す気がないなら飲ませていつものようなクソおしゃべり世一になってもらうだけだ」
"不想说话的话就灌醉你,让你变成平时那个废话连篇的世界第一"
「えー、俺今はそんな気分じゃ」 "诶——我现在可没那个心情"
「そんな気分じゃねぇから飲むんだよ、酒ってもんは」
"就是没心情才要喝啊,酒这东西"
まだ8割方残っている潔のジョッキなんて見えていないかのように、カイザーが店員に追加のビールを2つ注文する。いつもは制止する側のカイザーが潔を潰そうとしているぞ、これは面白い展開だと周りの面々も沸き立った。
凯撒完全无视洁还剩八分满的啤酒杯,又向店员追加了两杯啤酒。平时总是制止别人酗酒的凯撒居然主动要把洁灌倒,这有趣的发展让周围众人都兴奋起来。
カイザーと全く同じ量を飲み切るまで潔は帰れない、というルールがいつの間にかでき、ドイツ人と日本人のアルコール分解能力の差という遺伝子レベルから圧倒的に不利な潔はあっという間にこれ以上ないほどべろべろに酔っ払った。
在"必须喝完和凯撒完全等量的酒才能回家"这条不知不觉形成的规则下,从基因层面就因德日两国人酒精分解能力差异而处于绝对劣势的洁,转眼间就醉得不成人形。
カイザーはやっとほろ酔いという程度だろうか。なんて理不尽な戦いを強いられたんだと思いながらも、みんなでワイワイと話しているこの時間が好きだ、と潔は働かない頭でしみじみ思った。
凯撒大概才刚到微醺程度吧。虽然想着这根本是场不公平的对决,但用已经停止运转的大脑,洁仍深深陶醉于此刻众人热热闹闹聊天的氛围。
「どうしよう・・・俺とんでもない奴と付き合ってたのかも」
"完蛋...我可能交往了个不得了的家伙"
顔を真っ赤にして彼氏の束縛について語っていた潔だが、周りは内容のあまりの重さと暗さにまたもやコメントができないでいた。潔としてはカイザーだけに話していたつもりだったが、酔っ払いの声というのは本人が自覚しているより何倍も大きいもので、その内容は近辺で飲んでいた者にも筒抜けだった。結婚を控えたチームメイトも、潔の幸せそうな時期を知っていただけに、自身のまだ見ぬ将来へを悲観的に見始めたので、周囲はそろそろ潔の口を塞ぐかどうか迷い始めていた。
虽然涨红着脸滔滔不绝讲述男友控制欲的洁本人毫无自觉,但周围人再次被过于沉重阴暗的内容震得说不出话。他本意只想说给凯撒听,可醉汉的音量总是超出自我认知数倍,附近酒客也都听得一清二楚。连即将结婚的队友想起洁曾经幸福的模样,都不禁开始悲观地审视自己尚未到来的婚姻,众人正犹豫着是否该赶紧堵住他的嘴。
「話はまぁ大体分かった。・・・良い時間だし外の空気吸いにでも行くか」
"事情我大概明白了...现在时间正好,要不要出去透透气"
隣に居たカイザーが、自分の頭の重さすら支えられず前後に大きく揺れている潔の肩を抱いて、そのまま立ち上がらせる。
身旁的凯撒搂住连自己脑袋重量都支撑不住、前后摇晃的洁的肩膀,直接把他架了起来。
「おい、カイザぁ、俺はまだ話し足りねんだよ!アイツがどれだけ・・・っぅぷ」
"喂、凯撒...我话还没说完呢!那家伙有多...呕"
「ここで吐くな!トイレまでつれてくから我慢しろ」 "别在这吐!我带你到厕所去,给我忍住"
ネスはこの飲み会でカイザーに甲斐甲斐しく世話を焼かせる潔に憤慨し、既にレッドカードを10枚超出していたが、物理的に割って入ることはしなかった。潔の状況にほんの少しばかり同情する気持ちがあったからだ。
涅斯对洁在这场酒会上殷勤照顾凯撒的行为感到愤慨,虽然已经亮出超过十张红牌,但始终没有真正上前阻拦。因为他内心对洁的处境还存有一丝同情。
口元を押さえた潔を引き摺って、カイザーが歩き出す。2人がトイレに向かうのを止める人間はまたもやおらず、2人の消えた宴会場ではまた少しずつ、幸せな話が飛び交い始めた。
凯撒拽着捂住嘴的洁向前走去。依然没有人阻拦两人前往洗手间,当他们的身影从宴会厅消失后,幸福的对话声又渐渐在场内此起彼伏。
「う~~~吐きたくない、怖い、うう」 「呜~~~不想吐,好可怕,呜呜」
「さっさとしろ、指突っ込んで吐かされたいのか?」 「动作快点,是想让我把手指插进你喉咙里催吐吗?」
「ヤダ、それもヤダ!!」 “不要,那个也不要!!”
トイレの個室でカイザーと潔は攻防を繰り広げていた。潔はここまで限界を超えて飲んだことがなかったので、酔ったことはあっても吐いたことはなかった。カイザーに後ろから支えられて便器の方向を向かされるが、一向に屈もうとしない。潔が反発して背中側にいるカイザーのほうを向いたところで、暴れてさらに酔いが回ったのか、そのままカイザーにもたれ掛かってしまった。
在厕所隔间里,凯撒和洁展开了攻防战。洁从未喝到过如此极限的程度,虽然醉过但从未吐过。被凯撒从背后扶着转向马桶方向,却始终不肯屈服。当洁反抗着转向身后的凯撒时,或许因为挣扎导致醉意更甚,整个人直接靠在了凯撒身上。
「あ、ゴメン・・・」 “啊,抱歉...”
潔がカイザーの顔色を伺うように上を向くと、近距離で目が合った。カイザーはそのまま潔の腰を抱いてまっすぐ立たせたが、潔のことを引き離すことはせず目を合わせ続けている。
洁像是窥探凯撒脸色般仰起头,两人在极近距离四目相对。凯撒就势搂住洁的腰让他站直,却并未拉开距离,依然持续着视线交汇。
(あと少し近づいたら・・・キスしちまいそう) (再靠近一点的话...就要亲上去了)
潔の理性はアルコールで蕩け落ちていた。今、たまらなく目の前の男とキスがしたい。この男が自分とどんな風に唇を合わせるのか知りたい。
洁的理性已被酒精融化殆尽。此刻,他无比渴望与眼前这个男人接吻。想知道这个男人会用怎样的方式与自己唇齿相依。
「世一」 "世一"
「・・・なに?」 "...怎么了?"
「お前の浮気相手になってやろうか」 "要不要我来当你的出轨对象?"
この質問をされるのは、2回目だ。前回は冗談だと疑ったこの言葉に、今回の潔は確かな喜びを感じていた。心の底では、カイザーにまた言われたいと願っていたのだ、と潔は瞬時に理解した。
这是第二次听到这个提问了。上次还怀疑这是玩笑话的洁,此刻却真切地感到了喜悦。他瞬间明白过来——自己心底其实一直期待着凯撒再说出这句话。
「うん。俺の浮気相手になって、カイザー」 "好啊。来当我的出轨对象吧,凯撒"
答えた瞬間、カイザーは少し屈んで、潔の唇を食んだ。カイザーの上下の唇がやさしく潔の下唇を挟んで、軽く吸った。
应答的瞬间,凯撒微微俯身衔住了洁的唇瓣。那双薄唇温柔地含住洁的下唇,轻轻吮吸起来。
「ぁ、んう」 「啊、嗯」
なんだコレ、気持ちいい。ドキドキする。もっと欲しい。たまんない。
这是什么感觉,好舒服。心跳加速。还想要更多。受不了了。
もう何年も見慣れた男がどんな顔をしてキスをしているのか確認したくて、潔は目を開けた。目の前の男もまた、潔のものより透明度の高い青い瞳を情欲で潤ませた、チームメイトとしては一度も見たことのない表情をしてこちらを見ていた。
洁忍不住睁开眼,想确认这个相处多年的男人接吻时是什么表情。眼前的队友正用那双比他自己更清澈的蓝眼睛注视着他,眸中情欲氤氲——那是作为队友时从未见过的神情。
息継ぎの間、照れ隠しに潔が冗談めかして言う。 换气的间隙,洁为掩饰害羞故意用玩笑语气说道。
「初めてするキスが居酒屋のトイレって・・・全然ムードないよな」
"第一次接吻居然在居酒屋的厕所里...这也太没情调了吧"
「浮気相手とはちょうど良いシチュエーションだろ?」
"对偷情对象来说不是正合适吗?"
「じゃあお前は恋人となら夜景の見えるホテルでも選ぶのか?」
"那要是和恋人接吻的话,你会选能看夜景的酒店?"
「そうかもな」 "说不定哦"
「・・・それはなんかいやだ、むかつく」 “……总觉得好讨厌,好火大”
恋人のいる側が浮気相手に独占欲を持つなんて、とんだ矛盾だ。それだけに留まらず更には口に出すなんて倫理を外れた御法度だ、と理解できるような判断力も今の潔には残っていなかった。
明明是有恋人的人,却对出轨对象产生了独占欲,这简直是天大的矛盾。不仅如此,甚至还将这种话说出口,简直是违背伦理的禁忌——如今的洁连这种判断力都不复存在了。
いじけたように眉を寄せながら、潔が誘い込むようにちいさく口を開けると、対照的に上機嫌なカイザーの長い舌が応えるように滑り込んでくる。舌先を尖らせて、潔の口の中を擽るように撫でる。そして、ゆっくりと潔の舌をなぞり、重ね合わせて、絡めた。互いの唾液が混ざって、口からそれが零れることも厭わずに夢中で貪りあう。
洁像闹别扭般皱起眉头,却仍像被引诱似地微微张开双唇。与之形成鲜明对比的是凯撒愉悦伸来的长舌,那舌尖刻意竖起,在他口腔内挑逗般游走。随后缓缓描摹着洁的舌面,交叠缠绕。混合着彼此唾液的交吻如此忘情,甚至无暇顾及从嘴角溢出的银丝。
「は・・・っ」 “哈…!”
(こんなキス、アイツともしたことないかもな・・・)
(这样的接吻方式,说不定连那家伙都没试过呢...)
続いて首筋に落とされるキスに、潔は普段ではあり得ないほど高まった感度のままに、いつ誰が訪れてもおかしくない場所であることも忘れて喘いだ。性器を愛撫されていたり、挿入されているわけでもない。ただカイザーの唇が頸や胸元に触れるだけで、絶頂にも似た高揚が襲ってきて、怖いくらいだった。
随着凯撒的吻接连落在脖颈上,洁在异常敏感的状态下喘息着,甚至忘记了这是个随时可能有人经过的场所。明明没有被爱抚性器,也没有被插入。仅仅凯撒的嘴唇触碰颈部和胸口,就让他体验到近乎高潮的快感,这感觉强烈得令人害怕。
「おお、世一にカイザー。ずいぶん長い便所だったな」
"哟,世一和凯撒。厕所去得可真够久的啊"
さっきの陰鬱な雰囲気を忘れて盛り上がっている会場へ荷物を取りにひっそりと戻ってきた2人は、たまたま気が付いたチームメイトに声を掛けられた。
当两人悄悄返回会场取行李时,早已将方才阴郁气氛抛诸脑后的热闹会场里,恰巧被队友发现了行踪。
「あ、ああ。うん」 “啊,嗯。好”
「世一が赤ん坊のように泣きながら吐くのを嫌がったからな。時間がかかった」
“因为世一像婴儿一样边哭边吐很麻烦。所以花了点时间”
「へぇ。・・・ん?世一、まだだいぶ顔が赤いな。吐いても全然酔い覚めなかったのか」
“诶...咦?世一脸还红得很啊。吐了居然完全没醒酒吗”
実際のところ、潔の酔いはとっくに覚め始めていた。
其实洁的酒早就开始醒了。
「・・・ん、そうかも」 “嗯...也许吧”
「だから俺がまた家まで送って行ってやろうって話してたんだ。なぁ、世一?」
“所以我才说再送你回家。对吧,世一?”
カイザーが潔の顔を覗いて微笑みかける。それ自体は今までもあったことだ。しかし、2人の間では全く違う意味合いに変わっていた。
凯撒探身看着洁的脸微笑。这场景本身以前也发生过。但在两人之间,此刻却蕴含着截然不同的意味。
「うん、宜しく。カイザー」 “好,那就拜托了。凯撒”
潔がカイザーに含みのある微笑みを返したことに、ネスがゲスナーに潰されてさえいなければきっと気付けていたことだろう。
若不是涅斯被格斯特纳干掉,他一定能察觉到洁对凯撒那意味深长的微笑。
店を出てすぐ、潔はカイザーの腕を掴んだ。先ほどまで吐くか吐かないかでウンウン唸っていたとは思えないほど軽い足取りだった。向かう方向はもちろん潔と恋人の家ではなく、カイザーの家。
刚出店门,洁就拽住了凯撒的手臂。那轻快的步伐让人完全想象不出他刚才还在为吐不吐而痛苦呻吟。前进的方向当然不是洁和恋人的家,而是凯撒的住所。
「お前ってさ、なんで寄ってくる女なんか山ほどいるのに俺の浮気相手なんかやろうと思ったの」
"你这家伙啊,明明有那么多女人投怀送抱,为什么偏偏要当我出轨对象?"
「どうしてだと思う?」 "你觉得是为什么呢?"
カイザーはいつもこうだ。質問に質問で返して有耶無耶にするのが得意で。むやみに近づいてこちらの心を乱してくるくせに、こちらの知りたいカイザーの中身のことには何も答えようとしない。潔は今でもカイザーのそんなところは少し嫌いだ。
凯撒总是这样。擅长用问题回答问题来蒙混过关。明明会毫无顾忌地靠近扰乱我的心绪,却对我想要了解的凯撒内心世界绝口不提。洁至今仍有些讨厌他这点。
「暇だったから?」 "因为闲着没事干?"
「じゃあそういうことでいい」 "那就当是这样吧"
「なんだよもう」 "真是够了"
それ以上詮索できなくなり潔が口を閉ざすと、2人の間に沈黙が落ちる。
洁无法继续追问下去,只好闭上了嘴,两人之间陷入了沉默。
潔はカイザーの腕から手を離し、いつかのように隣に並んで歩くことにした。
洁从凯撒的手臂中抽出手,像往常一样与他并肩而行。
(やっぱりそうか) (果然是这样啊)
潔にはカイザーとキスした時から、どうしても訊きたいことがあった。
从与凯撒接吻的那一刻起,洁心里就一直有个无论如何都想问的问题。
それは「恋人」ではなく「浮気相手」に立候補した理由だ。
这正是他参选"出轨对象"而非"恋人"的理由。
2回も立候補してきたということは、カイザーはある程度望んで潔の浮気相手になったのだろうと考える。つまり、潔とキスやセックスをすることに抵抗はないはずだ。
既然两次主动参选,说明凯撒在一定程度上是自愿成为洁的出轨对象。也就是说,他对和洁接吻或发生关系应该没有抵触。
浮気相手にはなれるけど、恋人にはなれない。その心は?
能当出轨对象却不能当恋人。这是为何?
カイザーは潔のことを恋愛感情で好きなわけではないが、普通の恋愛には飽きているので浮気相手としてのスリルを味わってみたい。そして近場に潔という丁度良い相手が居た。これしかないだろう。
凯撒对洁并非怀有恋爱感情,只是厌倦了普通恋爱关系,想体验作为出轨对象的刺激感。而恰好身边就有洁这个合适的人选。没有比这更合适的了。
正直なところ潔は、恋人と別れるつもりでカイザーとキスをした。恋人よりもカイザーに強く惹かれていることを認めたから、浮気相手の先の関係まで期待した。しかしそれが望まれていなかったら、という考えもあった。だから今、確認しようとした。結果、カイザーの変わらない飄々とした態度から、潔はこの考えに確信を持つことになった。
说实话,洁是抱着和恋人分手的决心才与凯撒接吻的。因为他承认自己比起恋人更被凯撒强烈吸引,所以才会期待这段出轨关系能更进一步。但同时也担心这或许并非对方所愿。正因如此,此刻他想要确认这份心意。而从凯撒那始终如一的洒脱态度中,洁终于确信了自己的想法。
(カイザーに浮気相手で居てもらうために、俺は恋人のアイツを利用する。今までアイツにされたことを考えれば、ささやかな仕返しだろ?)
(为了能让凯撒继续当我的出轨对象,我要利用那个恋人。想想至今为止那家伙对我做的事,这不过是小小的报复吧?)
「世一」
そう呼んだのは隣に居るカイザーではなかった。 发出这声呼唤的并非身旁的凯撒。
声のした方をカイザーと2人して振り返ると、目を血走らせた恋人が立っていた。どこから話を聞いていたのか、なぜ家から離れた路地にいる潔の場所を正確に把握できたのか。今日までの潔だったら気が気でなかった筈だ。だが今は寧ろ、今夜このままカイザーの家に行っていたらきっと何も考える暇なく一線を越えていたのだから、いったんお預けを食らわせてくれてくれた彼に感謝すらするくらいの余裕があった。
我和凯撒同时回头看向声音来源,只见双眼通红的恋人站在那里。不知他从何处听说了什么,又是如何准确找到洁离开家后所在的这条小巷。若是从前的洁,此刻必定会惊慌失措。但现在的他反而暗自庆幸——若非恋人突然出现打断,今晚跟着凯撒回家的话,恐怕根本来不及思考就会越过禁忌界线——他甚至有余裕向这个暂时阻止了自己的男人心存感激。
「その男、誰?どこに行こうとしてるの?」 "那男人是谁?你们准备去哪?"
強く噛みしめた唇からは血が出ていた。当然のように恋人の潔を取り返そうと勇んで向かってくる。
他紧咬的唇瓣已渗出血丝。理所当然地摆出要夺回恋人洁的架势冲过来。
カイザーは何も言わず様子を窺っていた。潔がストーリーを作った方が帰ってから言い訳の辻褄合わせに困らないからだろう。
凯撒始终沉默观察着。大概是想让洁自己编造故事,免得事后圆谎时露出破绽吧。
「ちょっと酔ってたから、公園に散歩に行こうかって言ってたとこ。でもお前が迎えに来てくれたんなら帰るよ。もう少ししたら連絡しようと思ってたんだ。ごめんな」
"刚才有点喝多了,正说要去公园散步呢。不过既然你来接我,那就回去吧。本来打算过会儿就联系你的。抱歉啊"
「大事な恋人をお借りして悪かった。邪魔者はここで退散するよ」
"把你重要的恋人借走真是不好意思。我这个碍事的人就先告辞啦"
恋人は黙って、外向けに愛想よく接するカイザーを睨んだ。カイザーはまるで熱い恋人の嫉妬劇場に巻き込まれた部外者のように大げさに肩を竦め、その場を去る態勢をとる。腹が立つほど、演技の巧いヤツ。やはり読めないこの浮気相手の本心に、潔は心の中で密かに悪態を吐いた。
恋人沉默地瞪着对外人总是彬彬有礼的凯撒。凯撒夸张地耸耸肩,活像被卷入热恋情侣嫉妒剧场的外人,作势就要离开。这个演技精湛的家伙简直让人火大。面对这个始终捉摸不透的出轨对象,洁在心里暗暗咒骂。
「ほら、もう行こう?帰ったら話したいこともあるし」
"好啦,我们走吧?回去之后我也有话想对你说"
潔のその言葉に、恋人はびくりと反応した。浮気したこと、束縛したこと、行きがけに暴力を振るったこと。別れを切り出される要素はありすぎるほど。潔の手を引っ張り、一刻も早く潔の心を引き留めるために自分たちの家へ急ごうとするみっともない彼を、カイザーは薄ら笑みを浮かべて見送った。
听到洁这句话,恋人明显浑身一颤。出轨、束缚、临走时还施加暴力——足以导致分手的要素实在太多。看着对方狼狈地拽着洁的手,想尽快把洁带回他们共同住所来挽留他的模样,凯撒浮现出嘲讽的冷笑。
「それで、一昨日の夜はどうだったんだ?」 "所以,前天晚上后来怎么样了?"
「・・・っく、抱かれた、よ。何回も・・・帰ってシャワー浴びるのも待たずに・・・あ・・・絶対別れないからっ、て・・・」
"呜...被、被他抱了...好几次...连回家洗澡都等不及...啊...还说什么绝对不分手..."
「ふーん。良かったじゃないか。愛されてるな」 "哼。这不是挺好的嘛。说明你很受宠爱啊"
「はぁ、・・・今アイツの話、すんの、やめろよ」 「哈...现在别提那家伙的事了」
潔の返答を聞いてカイザーの陰茎がまた大きくなったのを感じて、こいつはなんて性根の曲がったヤツだと潔は思った。
听到洁的回答,凯撒的阴茎又变大了,洁心想这家伙真是个扭曲的变态。
とうに練習時間を終え人の居なくなったロッカールームにぐち、ぬちと水音が響く。何も打ち合わせずとも、潔はしなくても良いロッカー内の整理をして時間を稼ぎ、カイザーは普段の倍の時間を掛けてシャワーを浴びた。そしてロッカールームに2人だけになった瞬間、無言で近づき唇を合わせた。期待し合っていたことは練習後、目を合わせただけで互いに察していた。
早已过了练习时间、空无一人的更衣室里回荡着咕啾咕啾的水声。两人根本无需商量——洁故意磨蹭着整理根本不需要整理的储物柜,凯撒则花了平时两倍时间冲澡。当更衣室只剩他们两人的瞬间,便默契地靠近彼此双唇相触。其实练习结束后只需一个眼神交汇,双方就心照不宣地期待着这一刻。
相変わらず束縛癖を直す気のない恋人にいつの間にか入れられていたGPSのせいで、気安くカイザーの家に行くことはできなかった。それでもチームメイトである限り、場所を選ばなければどうとでもなるのだ。
由于那个毫无改正控制欲的恋人不知何时在洁手机里装了 GPS 定位,让他没法轻易去凯撒家。但只要还是队友关系,只要选对场合就总有办法幽会。
カイザーと潔の先走りで潔の太ももは既に濡れ、その脚の間をカイザーの肉棒を滑らせる。服を着たままズボンを少し下げて行う、擬似的な行為。所謂、素股というもの。
凯撒和洁的急切前戏已经让洁的大腿湿透,凯撒的肉棒在他腿间滑动。他们穿着衣服,只是稍微拉下裤子进行的模拟行为。这就是所谓的"素股"。
ぎりぎり残っていた良心が潔に最後の砦として提案させた、「とりあえず挿入はしない」という約束に、カイザーはあっけなく同意して、今に至る。
洁仅存的良心提出了最后底线——"暂时不插入",凯撒爽快地答应了,于是有了现在的局面。
「あ、・・・カイザー、きもちいい?」 "啊...凯撒,舒服吗?"
「ん。ヨすぎて、うっかり挿れたくなるくらいにはな・・・」
"嗯...太舒服了,差点忍不住想插进去..."
「、だ、めだって・・・」 「不、不行啊…」
後ろから覆い被さった状態のカイザーが、潔のうなじにキスを落としながら、ジャージの中に手を入れて臍から上に向かってまさぐる。その先の乳首をギュッと摘まむと、潔は身体を震わせ、あ、と小さく声をあげた。
凯撒从背后覆上洁的身体,一边亲吻着他的后颈,一边将手伸进运动服里,从肚脐向上摸索。当指尖突然掐住乳尖时,洁浑身颤抖着发出"啊"的细小呜咽。
いざ行為が始まると、潔の恥部はカイザーのものを自分の中に挿れてほしいとひくついている。今、間違えて挿入ってしまったら。そんな妄想だけで潔は痛いくらいに勃起していた。
当真正开始肌肤相亲时,洁的下体正痉挛般渴求着凯撒的侵入。要是现在不小心被进入的话——光是这样的妄想就让洁硬得发疼。
結局あの後、乳首への愛撫を終えたカイザーに前を扱かれて潔はすぐにその手の中で射精まで持って行かれてしまった。
结果在那之后,当前戏告一段落时,凯撒用手掌包裹住洁的前端,转眼间就把他逼到了射精的边缘。
カイザーはというと、潔の服を汚すことになるからと射精する前に行為を中断してしまったので、潔は行為が終わってもなお自分だけが達した罪悪感と次への期待で頭が支配されていた。
至于恺撒,因为担心弄脏洁的衣服,在射精前就中断了行为。所以即便行为结束,洁的脑海仍被只有自己达到高潮的罪恶感以及对下一次的期待所占据。
服を汚さないようにするには次からゴムを用意すればいい話だが、さすがにロッカールームで最後までするのは声を我慢したり人目を気にするのに限界がある気がした。
虽然只要下次准备好避孕套就不会弄脏衣服,但毕竟在更衣室里做到最后,既要忍耐声音又要在意他人视线,感觉实在有些勉强。
(カイザーのちんこが俺のナカに入ったら。滅茶苦茶になるまで突かれて、何度も一緒にイって、そのまま朝まで一緒に眠りに就けたら・・・)
(要是恺撒的那玩意儿进到我里面...被胡乱顶弄到乱七八糟,一起高潮好几次,然后就这样相拥而眠直到早晨...)
家に帰って今日も恋人に抱かれた潔は、ベッドですやすやと眠る恋人に背を向けて自慰に耽った。先ほどどんなに後ろをしつこく責められても射精することができなかったのに、カイザーに抱かれる自分の姿を浮かべて慰めれば、すぐに精液がせり上がってきた。
回到家中又被恋人拥抱的洁,背对着在床上安睡的恋人开始自慰。明明刚才无论被如何激烈地从后方进攻都没能射精,此刻只要想象着被恺撒拥抱的自己,精液就立刻涌了上来。
そんな機会がくるはずはない。カイザーとの挿入寸前のスリルあるやりとり。浮気という最高にタチの悪い、汚れた遊び。恋人へのストレス解消。今はそれだけで十分じゃないか。
这种机会本不该出现。与凯撒近乎插入的刺激互动。出轨这种最恶劣、最肮脏的游戏。对恋人的压力宣泄。现在这样就够了吧。
その時点では、そう思っていた。 当时的我确实是这么想的。
「遠、征・・・」 "远...征..."
「なんだ潔、忘れてたのか?まあ俺もしばらく無かったから、準備するモンとか忘れちゃったよ。来月までには準備しとけよー」
"怎么了洁,忘了吗?不过我也很久没参加远征了,连要准备什么都忘了。下个月之前记得准备好啊——"
チームメイトと談笑していてたまたま出ていた話題に、潔は思いがけず過剰な反応をしてしまった。一緒に話していた彼はちっとも気にしていないようでほっと胸を撫で下ろす。
和队友闲聊时偶然提到的话题,让洁意外地反应过度。好在一起聊天的他似乎完全没放在心上,这才让她松了口气。
カイザーと2人きりで夜を過ごすチャンスは、思いがけず近くに転がっていたのだ。
没想到和凯撒独处共度夜晚的机会,就这么意外地近在眼前。
「来月頭、遠征で家空けるから」 "下个月初我要去远征,家里没人"
潔は恋人と2人、夕食を作りながらなるべく自然な語り口になるよう努めて言った。
洁一边和恋人一起准备晚餐,一边尽量用自然的语气说道。
「・・・そっか」 "……这样啊"
恋人は何か真剣に考え込んでいる風だったが、潔にはどうでもよかった。
恋人似乎正在认真思考着什么,但对洁来说都无所谓了。
今日も練習後、クラブハウスの駐車場の端に停めていたカイザーの車の中でキスをして、抜き合いをして、おしゃべりをした。思い返すと恥ずかしくなってしまうようないやらしい行為を、飽きもしないで日を空けずに続けている。
今天训练结束后,他们又在凯撒停在俱乐部停车场角落的车里接吻、互相抚慰、闲聊。回想起来,这些本该让人羞耻到无地自容的淫靡行为,他们却乐此不疲地几乎每天重复着。
潔の心は、もうとっくに恋人のものではない。潔世一はカイザーに燃えるような恋心を抱いていた。
洁的心,早已不属于恋人。洁世一正对凯撒怀抱着炽热的恋慕之情。
「ねえ、世一」 "喂,世一"
とうとう遠征へ出発する前日の夜、パンとスープ、そして恋人が数日前から赤ワインで漬け込んだザウアーブラーテンが並んだ食事の席についてすぐに、恋人は潔をまっすぐに見据えて呼びかけた。世一は口に肉を放り込みながら、耳を傾ける。
终于到了远征出发前夜的晚餐时分,当面包、汤和恋人用红酒腌渍数日的酸味炖牛肉刚摆上桌,恋人便直视着洁开口道。世一边把肉塞进嘴里,边竖起耳朵听着。
「遠征から帰ったらさ、大事な話があるんだ。きっと世一を安心させてあげられる。だからきっと帰ってきてね、僕たちの家に」
"等远征回来...我有重要的话要说。一定能让你安心的。所以一定要回来啊,回到我们的家"
潔は声が喉に貼り付いてすぐに出てこなかった。さっきまで美味しいと感じていた牛肉が急激にスポンジのように口の中の水分を奪い、耐えられず咳き込んだ。咳が治まってすぐに恋人へ問いかける。
洁的嗓音突然哽在喉咙里发不出来。方才还觉得美味的牛肉突然像海绵般吸走口中所有水分,他忍不住呛咳起来。等咳嗽平息后立刻向恋人追问。
「どしたの、急に改まってさ」 "怎么了,突然这么正经"
「・・・僕、本当に世一には申し訳ないって思ってる。浮気なんて馬鹿な間違いをして、それからも世一を困らせるようなことばっかりしたよね。」
"...我真的觉得很对不起世一。做了出轨这种愚蠢的错事,之后也总是让世一为难。"
「え、なんでそんな、」 "诶,为什么突然..."
「それでもずっと今まで我慢してそばにいてくれた世一のこと、幸せにしたいんだ。僕、変わるから」
"但即便如此,一直忍耐着陪在我身边的世一,我想让他幸福。我会改变的"
彼の目は潤んでいた。きっと今は、本心からそう思っているのだろう。
他的眼眶湿润了。此刻他一定是发自内心这么想的吧。
潔の心には大きな罪悪感が湧いた。もう愛してもいないのに形だけ一緒に居て、とても彼には言えないような行為を他の男と夢中でしていることに。
洁心中涌起强烈的罪恶感。明明已经不爱了却还维持着表面关系,更对另一个男人沉迷到做出难以启齿的行为。
だがそれ以上に、潔の中では恋人への落胆や蔑みの種の感情がどっと押し寄せていた。
但比这更汹涌的,是洁内心对恋人涌现的失望与轻蔑。
(何一人で美談にして気持ちよくなってんだ・・・。お前が過去にやったことが言葉や約束の一つで変わるもんか。俺だってもう引き返せない。お前は俺と同じ地獄にいるべき人間なんだよ・・・)
(少在那里自顾自美化回忆自我感动了...你过去做的事怎么可能靠几句话就一笔勾销。我也已经无法回头了...你这种人就该和我一起下地狱...)
潔の中で、青い炎のような冷めた怒りが満ち満ちていることを、目の前の彼は想像だにしていないだろう。
眼前的他恐怕根本想象不到,洁的内心正充斥着如蓝色火焰般冰冷的怒火。
「そっか。ありがとうな」 "这样啊。谢了"
その全ての感情を隠して、潔は恋人が一目惚れしたという笑顔を向けた。恋人の安堵したような顔にだって、もう腹が立って仕方なかった。
将所有这些情绪隐藏起来,洁对恋人露出了那个令他一见钟情的笑容。可即便看到恋人如释重负的表情,他也已经气得不行了。
朝、遠征のためにチームが貸し切っているバスに乗り込むと、たまたまカイザーの隣が空いていた。
早晨登上了球队为远征包租的大巴时,恰巧凯撒旁边的座位空着。
「隣、いい?」 “坐你旁边可以吗?”
と訊くと、 我问道,
「さっきまで座ろうとしていたネスにブチ切れられても気にしないならいいぞ」
“只要你不介意刚才差点坐下的尼斯暴跳如雷就行。”
と答えた。なるほどネスは座る前に呼ばれたのか、前の方の席で監督と何か話しているようだ。
他回答道。原来尼斯在被叫走前正准备入座啊,现在似乎正在前排座位和教练说着什么。
「じゃ、遠慮無く」 "那我就不客气了"
案の定戻ってきて激怒していたネスをあしらっていると、ネスは他のチームメイトに連れられて別の席へ移動した。
果不其然,怒气冲冲折返的涅斯被我们应付过去后,就被其他队友带到别的座位去了。
バスが動き出してしばらくは、互いに無言で窓の外を見つめていた。
巴士启动后好一阵子,我们都沉默地望着窗外。
もうすっかり冷え込む季節だから、日中の日差しの温かさがありがたい。空港まで十分な時間があるし、一眠りするのもいいな。そう思い始めたときだった。
时值寒意渐浓的季节,白昼阳光的温暖显得弥足珍贵。想着距离机场还有充裕时间,小憩片刻也不错。就在这个念头刚浮现时——
窓側に座っているカイザーの左手が、座席の上に放り出していた潔の右の手のひらを撫でた。今にも微睡もうとしていた潔の意識はそれだけで覚醒し、胸が高鳴る。
坐在窗边的凯撒伸出左手,轻轻抚摸着仰躺在座椅上的洁的右手掌心。原本即将陷入浅眠的洁因此骤然清醒,胸口剧烈鼓动起来。
もうお互いの恥ずかしいところだってここ数ヶ月で数え切れないほど見慣れ、触れ合ったのに、手が触れるだけでどうしてこんなにも心臓が跳ねるのだろう。
明明这几个月来早已看惯彼此最羞耻的模样,肢体接触更是数不胜数,可仅仅是手掌相触,为何心脏仍会如此躁动不已。
潔が恋人と居るとき、心地の良いドキドキは確かにあった。愛を受ける心地よさからくるドキドキ。しかし今カイザーに感じているこれは、全くその比ではない。
与恋人相处时,洁确实体会过令人愉悦的心跳加速。那是被爱意包裹的悸动。但此刻面对凯撒感受到的,却远非那种程度可比。
そのまま手首を掴まれ、カイザーが膝に掛けていたブランケットの下へ誘導される。誰にも見えない布地の裏で2人は手のひら同士を重ね合わせ、指を握りこんで恋人繋ぎに形をつくった。
手腕随即被握住,引导着藏进凯撒膝间的毛毯下方。在无人得见的织物遮蔽下,两人掌心相贴十指交缠,以恋人特有的方式紧紧相扣。
潔はなんとなく気恥ずかしくてカイザーと逆の方向を向いた。カイザーも顔だけはずっと窓の外を見たままだ。
洁有些难为情地扭过头去,避开了凯撒的视线。凯撒也始终把脸朝向窗外。
結局バスを降りる寸前まで手は握ったままだった。 直到下车前一刻,两人的手都还紧紧相握着。
空港に到着しバスが止まったとき、降りがけにカイザーが耳元で、
当巴士抵达机场停稳时,正要下车的洁听见凯撒在耳畔低语:
「試合が終わった日の夜、ホテルの部屋で待ってる」 "比赛结束那晚,我在酒店房间等你"
と告げたので、潔はそれが意味するところを想像して、首まで朱く染め上げた。
因为被告知了那句话,洁想象着其中含义,连脖子都染得通红。
決壊寸前だった理性のダムから、抑えきれない量の水が溢れる。
从濒临崩溃的理性堤坝中,无法抑制的水量满溢而出。
この遠征が終わる頃にはきっと、もう―。 等到这次远征结束之时,想必已经——
潔は両手で自分の顔をぴしゃりと叩いて、目の前の試合に向けて気持ちを切り替えた。
洁用双手啪地拍打自己的脸颊,将心情切换到眼前的比赛上。
試合はバスタード・ミュンヘンの大勝に終わった。勝利に最も貢献したのはやはりダブルエースのカイザーと潔で、チームメンバーからは今日は特に2人が争いあうようでいて、たまに見せる連携がお互いの全てを知っているようだったとまで評された。確かにカイザーはこれまでどおり潔の思考を全て読み取った動きをしていたし、潔だってカイザーの思考を読むのはもうほぼ癖のようなものになっている。それでも改めてこう言われたのは、2人の間に今までにはなかった関係によって生まれた濃密な時間が少なからず影響しているのかもしれないと潔は思った。
比赛以拜塔·慕尼黑的大胜告终。为胜利贡献最大的依然是双王牌凯撒与洁,队友们评价说今天两人看似针锋相对,但偶尔展现的配合却仿佛洞悉彼此的一切。确实凯撒一如既往地做出了完全预判洁思维的动作,而洁也早已养成揣摩凯撒想法的习惯。但被这么重新指出来时,洁心想或许是因为两人之间前所未有的关系催生出的亲密时光产生了不小影响。
そして迎えた夜に、潔は念入りにシャワーを浴びてカイザーの滞在する部屋へと向かった。試合が終わってからというもの、時計の針が進むのがここまで遅かったことはない。それほどまでに待ちわびた時間だった。
当夜幕降临时,洁仔细冲完澡走向凯撒下榻的房间。自比赛结束以来,时针从未走得如此缓慢。这段等待时光竟如此令人心焦。
コンコンコンと軽くノックすると、バスローブを着たカイザーがドアを開ける。
轻轻叩响房门后,身着浴袍的凯撒打开了门。
カイザーが潔の腕を引いて部屋に入れる。どちらからともなく抱き合って深く性急なキスをした。そして唇を重ねたままベッドへとゆっくり移動し、それぞれに我慢できないというようにさっさと服を脱ぎ捨てた。
凯撒拽着洁的手腕将他拉进房间。不知是谁先主动,两人相拥交换了急切的热吻。唇瓣交缠间缓缓移向床铺,迫不及待地互相剥落衣衫。
「・・・今日は、最後までするのか?」 「……今天要,做到最后吗?」
仰向けに寝かされた潔が、馬乗りのような体勢になっているカイザーへ問いかける。カイザーはベッドのヘッドボードに置いてあった、事前に買っていたのであろうローションを上機嫌に手に垂らしている。
被仰面放倒的洁向骑乘姿势的凯撒发问。凯撒正愉快地将事先买好的润滑液从床头柜取来,倒在手上。
潔の瞳にはまだ、期待と不安が入り交じって揺れていた。カイザーは整った顔の口の端をつり上げて、
洁的眼眸中仍交织着期待与不安微微颤动。凯撒俊美的嘴角勾起弧度,
「さあな。気分次第」 「谁知道呢。看心情」
と答えた。 回答道。
ここまでお膳立てしておいて気分次第なんてことはないだろう。分かっていても、確証が欲しかった潔がさらに言葉を紡ごうとするが、その口をカイザーはキスで塞いだ。
都准备到这个份上了,应该不会说看心情这种话吧。虽然心里明白,但渴望得到确认的洁还想继续说些什么,却被凯撒用吻堵住了嘴。
「んっむ・・・ふ・・・」 "嗯唔……呼……"
同時に潔の後孔に指を入れた。そこはしっかり準備されていて、ローションを纏った手ではいとも簡単に侵入できる。すぐに指は増え、前立腺を刺激される。指を入れられることはこれまでの行為でももちろんあった。
与此同时,凯撒将手指探入了洁的后穴。那里早已做好充分准备,沾满润滑液的手指轻而易举就侵入其中。很快手指增加到两根,开始刺激前列腺。虽然之前的性行为中也有被插入手指的经历。
「とめて・・・カイザー!カイザーお願い!いったん・・・んくぅっ・・・」
“住手…凯撒!凯撒求你了!先等一下…嗯呜…”
だが、朝まで何も邪魔するもののない、ベッドで行為にだけ集中できるこの環境が潔の快感を助長させ、こりこりと少し刺激を受けただけだけで潔は早くもイってしまう。
然而这个能让人心无旁骛专注于床笫之欢直至天明的环境,反而助长了洁的快感,仅仅受到些许刺激,洁便早早地达到了高潮。
はあはあと荒い息を吐く潔を、自分の体にも潔の精液がこびりついてしまったことも厭わずに、カイザーが慈しむように眺める。
凯撒毫不在意自己身上也沾满了洁的精液,只是用充满怜爱的目光凝视着气喘吁吁的洁。
「・・・んだよ、馬鹿にしてんのか」 “…搞什么啊,瞧不起人吗”
恥ずかしい気持ちを誤魔化したくて、潔はカイザーを足で蹴るような素振りを見せる。カイザーはその足を片手で受け止めて、太ももからつま先まで見せつけるようにひといきで舌でなぞってみせた。
为了掩饰羞耻的心情,洁作势要用脚踢凯撒。凯撒单手接住那只脚,从大腿到脚尖一口气用舌头舔舐而过,仿佛在炫耀什么。
「ひゃあっ・・・」 「呀啊…」
シャワーを浴びた後とは言え、男相手によくそんなことができるな、と潔は思った。
虽说刚洗过澡,但对着男人居然能做到这种地步——洁在内心暗自咋舌。
「もうここは十分解れてるみたいだが。世一くんはどうしてほしい?」
「这里已经足够松软了呢。世一君想要我怎么做?」
返事を待つ間に、いつものように頸や胸、腹を吸ったり舐めたり。カイザーのこのしつこいくらいの愛撫にも、すっかり慣れてしまった。
在等待回复的间隙,凯撒像往常一样吮吸舔舐着我的脖颈、胸口和小腹。就连他这种近乎纠缠的爱抚方式,如今我也已经完全习惯了。
「だから、挿れるかどうかこっちが聞いてんだろ!」 "所以现在是我在问你到底要不要进来啊!"
「世一がしたいのならいくらでも。俺からは、お前に禁止された手前、手が出せないんだ」
"如果世一想要的话多少次都可以。但按照你定下的规矩,我可不能主动出手呢"
挿入はしないという、潔から切り出したルール。それに今苦しめられているのは明らかに潔の方だった。
这条"禁止插入"的规则本是洁提出的。但此刻显然被折磨得狼狈不堪的,正是洁自己。
「じゃあ、その気にさせてやる・・・」 "那就让你动心吧..."
悔しくなった潔は、ぐっと体重をかけてカイザーと体勢を反転させた。今度はカイザーが潔に押し倒される形になる。そうしてカイザーの腰元まで顔を下ろし、上向きにそそり立っているカイザーのモノにかぶりついた。
不甘心的洁猛地加重力道,与凯撒的体位瞬间反转。这次换成凯撒被洁压倒在身下。他顺势将脸埋向凯撒腰际,张口含住了对方昂扬挺立的灼热。
「ッ・・・」 "嗯..."
突然生まれた意外な刺激に、カイザーはすこし呻いた。
这突如其来的意外刺激让凯撒发出一声轻喘。
潔がこんなふうに自分から動くのはこれまでで初めてだった。いつもカイザーから与えられる快楽に身を委ねているのが主で、それは恋人にも同じ。いくら好きでもできれば男のブツなんて咥えたくはないというのが本音だった。
这是洁第一次如此主动。以往他总是被动接受凯撒给予的快乐,对恋人也同样如此。虽然心里喜欢,但说实话并不情愿含住男人的那东西。
舌を使って裏筋を舐め、口に入りきらない部分を手で扱く。自分が触られて気持ちいいと思う部分は特に触れるようにしていても、如何せん経験が無いのでぎこちない。思っていた以上の質量に息が苦しくなって、溜まった唾液のやり場も分からないままでも、カイザーに潔が欲しいと言わせたくて一生懸命奉仕を続けた。
他用舌头舔舐着沟壑,用手抚弄着无法完全含入的部分。虽然特意照顾着自己被触碰时会感到舒服的部位,但毕竟缺乏经验,动作显得笨拙。超出预期的分量让他呼吸艰难,唾液也不知该如何处理,可为了让凯撒说出想要洁的话语,他还是拼命继续着口交服务。
下手くそなフェラチオを、カイザーはひたすら喜色を浮かべて見守ったが、潔にその表情まで見る余裕はなかった。
凯撒始终面带愉悦地注视着这笨拙的口交,但洁早已无暇顾及他的表情。
「世一」 "世一"
「なんら、ぜんぜんその気になんねっひぇか」 "才、才没有半点那种想法呢"
陰茎を口に含んだまま、潔は自虐的に喧嘩を売った。
含着阴茎的同时,洁自暴自弃地挑衅道。
「逆だ。クッソそそられた」 "相反。我他妈兴奋得要死"
自分でやっておきながら驚いた潔の口から、ペニスが離れた。潔の唾液でてらてらと濡れて光っているソレを、潔は喉を鳴らして見つめた。
虽然是自己主动却还是被吓到的洁松开了嘴,沾满唾液而闪闪发亮的阳具从口中滑出。洁咽着口水凝视着它。
今更ながら、恋人のものとは比べものにならないサイズだ。
事到如今,这尺寸根本不是恋人能比的。
これが自分に入るのかと想像を終える前に、起き上がったカイザーが潔をぎゅうと抱きしめる。
还没等想象完这东西要怎么进入自己体内,起身的凯撒就紧紧抱住了洁。
「挿れてほしいだろ?世一」 "想要我插进来吧,世一?"
「ん・・・」 "嗯…"
素直に認めた潔に気をよくしたカイザーに促され、大人しくまた正常位の体勢に収まる。後孔にさっきまで口に含んでいた凶器を宛がわれて、潔は息を呑んだ。先端が当たる感覚は、次第に身体のナカに侵入してくるゾクゾク感に変わる。圧倒的な存在感に、息もできずに声にならない声を出した。もう今度こそ戻れない。やるべき悪事は今夜、全部やってしまった。
在凯撒的鼓励下,老实地承认了心意的洁顺从地恢复了正常体位。当后穴被方才含在口中的凶器抵住时,洁倒抽了一口气。尖端触碰的感觉逐渐化作侵入体内的战栗。面对压倒性的存在感,他发不出声音,连呼吸都停滞。这次真的回不去了——所有该做的坏事,都在今夜做尽了。
ある程度奥まではいったのだろうか、抽挿が始まった。
约莫进入相当深度后,抽插开始了。
「あっ・・・あっあ、ん、あ」 "啊…啊啊、嗯、啊"
潔はされるがまま、身体を揺さぶられて短い喘ぎ声をあげることしかできない。
洁只能任人摆布,随着身体晃动发出短促的喘息。
力を抜く余裕すら与えない快感の波の中で、カイザーがそっと潔の手を握りこんでくる。
在令人无暇放松的快感浪潮中,凯撒悄悄握紧了洁的手。
半分夢の世界に居るような意識の中で、潔はカイザーと何もせずベッドで隣に眠ったあの日を思い出した。
半梦半醒的意识里,洁回想起了那天和凯撒什么都没做、只是并肩躺在床上的日子。
(あの頃は、こんなにコイツのことを好きになるなんて思ってもみなかった)
(那时候根本没想到,自己会变得这么喜欢这家伙)
身体が繋がった今も、それだけでは足りないと心の奥底が喚いている。だんだん激しくなるピストンに、生理的な涙が流れる。ごちゅごちゅと奥に当たるたびに、今まで出したこともないような高い喘ぎ声が漏れて、恥ずかしさにまた涙が出た。
即便身体已紧密相连,心灵深处仍在叫嚣着不够。随着抽插动作逐渐激烈,生理性泪水夺眶而出。每次被顶到深处时,都会泄出从未有过的甜腻喘息声,羞耻感催生出更多泪水。
「かいざー、」 "凯撒..."
「どうした?痛いのか?」 "怎么了?疼吗?"
「ち、が、あっ」 "不...啊..."
このままでは会話もままならないと気付いたカイザーが抜き差しの勢いを緩める。
意识到这样下去连正常对话都无法进行的凯撒放缓了抽插的力度。
潔の媚肉は、先ほどまでの快感を求めてカイザーのモノを強く締め付けたままだ。もう達するのは時間の問題。そんな中でも、どうしても今言ってやりたい文句があった。
洁的媚肉仍紧紧缠绕着凯撒的阳物,渴求着方才的快感。高潮来临只是时间问题。即便如此,他仍有句非说不可的怨言。
「ど、して、俺の恋人になりたいっていってくんないの」
"为、为什么...不说想当我的恋人啊"
カイザーはここで飛び出た潔からの質問に目を瞠った。
凯撒被洁突然抛出的问题惊得睁大了眼睛。
「どうしてそんなことを訊くんだ?お前には恋人がいるじゃないか」
"怎么突然问这个?你不是已经有恋人了吗"
潔はカイザーのその突き放すような発言に一瞬傷ついたような顔をした。そして縋るようにカイザーの身体へしがみつく。
洁对凯撒那番疏远的发言露出了瞬间受伤的表情。然后像抓住救命稻草般紧紧抱住了凯撒的身体。
「だって、だってお前は浮気じゃないと、俺とこんなことしてくれないんだろっ・・・」
"因为、因为如果不是出轨的话...你根本不会和我做这种事吧..."
「お前にそう言った覚えは微塵もないが」 "我可不记得说过这种话"
「じゃあ、恋人になって欲しいって言ったらなってくれんのかよ」
"那如果我说想和你交往...你会答应吗"
「そうだと言ったら?」 "是又怎样?"
またその言い方だ。潔はたいへん不本意に思ったが、これが肯定の意を示していることは、潔の顔に落ちる影で理解した。
又是这种说话方式。洁感到非常不情愿,但从落在自己脸上的阴影中,他明白这表示对方在肯定。
繋がったまま、キスをした。それは愛して止まない恋人にするような、甘い触れるだけのもの。浮気という関係には似つかわしくない、優しいキス。
他们依然十指相扣地接吻。那是个如同对待深爱恋人般的、仅止于轻触的甜蜜之吻。与出轨关系毫不相称的温柔亲吻。
それを合図に、中断されていた行為が再開する。 以此为信号,中断的行为重新开始。
「おれは、カイザーの恋人になりたい・・・っ彼氏とは別れる!カイザーに、浮気相手じゃ無くて、恋人になってほしいっ・・・」
"我想成为凯撒的恋人...我要和男友分手!不想只当凯撒的外遇对象,想成为他真正的恋人..."
譫言のように必死に言葉を紡ぐ潔に、カイザーは応える。
面对如呓语般拼命编织话语的洁,凯撒给出了回应。
「そりゃ良かった、・・・俺はずっとその言葉を待ってたんだ。好きだ、世一。お前が思うより俺はずっと」
"那太好了...我一直在等这句话。我爱你,世一。比你想象的还要深"
2人同時に絶頂を迎え、潔は襲ってくる疲労感と眠気に耐えられず意識を手放してしまった。
两人同时达到高潮后,洁因无法抵抗袭来的疲惫与睡意,最终失去了意识。
潔の身体に散った精液をタオルで拭い、ナカに残ったモノを掻き出したカイザーは、ベッドに置いてあったスマホをタップする。
用毛巾擦拭着散落在洁身上的精液,又将残留在体内的部分清理出来后,凯撒轻触了放在床上的手机。
現れた通話中の画面。そこにめがけて、眠っている恋人を起こさないように歌うような調子で話しかける。
出现在通话界面的瞬间,他对着屏幕用哼唱般的语调轻声细语,生怕吵醒熟睡的恋人。
「・・・というわけで、世一は俺の恋人になるそうだ。よく聞こえたか?」
"......就是这样,世一决定要当我的恋人了。听清楚了吗?"
電話口の向こうから聞こえる嗚咽は、ついさっきまで潔の恋人の座にいて、たった今そこから引き摺り下ろされた男のものだ。
电话那头传来的呜咽声,来自那个直到刚才还占据着洁恋人位置、此刻却被拽下神坛的男人。
カイザーと潔が公園に散歩に行くつもりだったと嘘を吐いたあの日、潔に気付かれないよう、男は潔の携帯からカイザーの電話番号を抜き取り、潔にこれ以上関わるなと牽制の電話を掛けていた。それが仇となり、男の番号を登録していたカイザー側から電話が掛かり、今回、情事の一部始終を聞かされていたのだった。
那天凯撒谎称要和洁世一去公园散步,其实他偷偷从洁的手机里删掉了凯撒的电话号码,还打了一通警告电话让洁别再纠缠。这个举动反而弄巧成拙——因为凯撒手机里存着那男人的号码,结果这次通话让凯撒听完了整段偷情对话的全过程。
「嘘だ・・・世一、世一・・・・・・アンタ、何が目的で僕たちを引き裂くような真似をするんだ!」
"骗人的...世一、世一...你为什么要拆散我们!"
「それはおかしな言い分だな。俺からすればお前が世一に無駄な寄り道をさせた邪魔者に過ぎないんだから」
"这话可真奇怪。在我看来你不过是个让世一走上弯路的绊脚石罢了"
「意味が分からない。頭がイってるのか?」 "听不懂你在说什么。脑子坏掉了吗?"
じゃあわかりやすく説明しようと、潔の柔らかな髪を弄びながらカイザーは微笑んだ。その雰囲気が電話越しに伝わったのか、男は表情を硬くする。
那我就直说吧——凯撒把玩着洁柔软的头发微笑道。这氛围似乎通过电话传递了过去,男人的表情变得僵硬起来。
「例えば俺から恋人になりたいとアプローチをかけて世一をものにするのは簡単だ。でもそれじゃ到底足りない。世一には、自分から俺と恋人になりたいと思ってもらわなきゃ意味が無いんだ。そのためにじっくりと攻めることにしてたんだよ、俺は」
"比如我主动出击说要交往,拿下世一简直易如反掌。但那样根本不够。必须让世一发自内心地选择和我恋爱才有意义。所以我原本打算慢慢攻陷他。"
「何を・・・」 "你说什..."
「お前みたいな身の程知らずが突然現れて世一の恋人の座に納まったことに腹が立たなかったわけじゃない。でも、世一が他の男を知った上で俺を選ぶシナリオも悪くないと思ってな。路線変更したってワケだ」
"像你这样不知天高地厚的家伙突然出现霸占世一恋人位置,我当然火大。但转念一想,让世一见识过其他男人后再选择我的剧本也不错——这就是我的战略调整。"
「はあ?ふざけるな!まるで最後に選ばれるのは当然自分みたいに・・・」
“哈?开什么玩笑!说得好像最后被选中的理所当然是你一样...”
「だって実際、そうなっただろ?」 “可实际上不就是这么回事吗?”
「それは僕が、気の迷いで浮気したから・・・それがなければ世一と僕はずっと一緒にいただろうし、今だって世一はちょっと気が動転してアンタなんかと浮気してしまっただけで・・・本当に愛しているのは・・・」
“那只是我一时糊涂才出轨...要不是这样我和世一本来会一直在一起的,现在世一也不过是有点动摇才和你这种人出轨而已...真正爱着的...”
「あークソ気色悪い。自信が無いからって愛なんて薄っぺらい言葉を使うなよ」
“啊—真恶心。别因为没自信就搬出爱这种肤浅的字眼”
「ッそんな態度でいられるのも今のうちだ!!・・・週刊誌にお前らのことを売ってやる。2人まとめてサッカーどころじゃない状態にできるんだぞ、こっちは!」
"你这种态度也就现在能嚣张了!!...我要把你们的事卖给周刊杂志。让你们两个都踢不了足球,我说到做到!"
「あぁほら、何も分かっていない」 "啊你看,根本什么都不懂"
「何がっ・・・」 "你说什..."
「世一との愛がどうだと語るくせに、世一が一番大事にしているサッカーを奪おうとする言葉がすぐさま出てくるもんだから、クソ笑えるね。一体世一の何を分かってるんだ?お前は」
"明明在谈论和世一的爱情,却立刻说出要夺走世一最重视的足球这种话,简直可笑至极。你到底了解世一的哪一点?"
男は二の句が継げなかった。潔が本当に愛を語る対象があるとすれば、それはサッカーだ。曲がりなりにも数年一緒に過ごしてきたのだからそんなことは解っている。だが男は潔のそんな部分を認められずに来ていたのだから、潔の恋人に相応しくないというカイザーの言い分に返す言葉がなかった。
男人一时语塞。若要说洁世一真有什么倾诉爱意的对象,那必定是足球。毕竟两人好歹共同生活了数年,这点他心知肚明。但正因他始终不愿承认洁的这个特质,此刻面对凯撒"你不配当洁的恋人"的指责竟无言以对。
「週刊誌に売るでも、クラブチームにタレコミするでも、お好きにどうぞ?ただ、それが俺たちのサッカーまで壊せると思うならとんだお門違いだ」
"卖给周刊杂志也好,向俱乐部告密也罢,随你高兴?不过要是觉得这样能摧毁我们的足球,那可大错特错了"
カイザーはプツリと電話を切る。きっとあの男にそんな大層な仕返しをする度胸も、気力もないだろう。たとえ本当に仕掛けてきたって別にかまわない。今この腕の中には、ずっと望み続け、種を撒いて水をやり育ててきたものが飛び込んできたのだから。
凯撒干脆利落地挂断电话。想必那男人既没胆量也没精力实施什么像样的报复。即便真敢出手也无所谓。此刻他臂弯里正拥着梦寐以求的珍宝——那颗他不断播种浇灌、精心培育至今的种子终于破土而出。
「やっとあるべきところに帰ってきたな」 "总算回到该待的地方了啊"
穏やかな顔で眠る恋人の額に、カイザーはそっと口づけを落とした。
凯撒轻轻吻上安睡恋人光洁的额头。
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