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読み物

ちょっと差がつく
『百人一首講座』  百人一首课程将带来改变

【2002年10月25日配信】[No.080]

【今回の歌】  [这首歌]
後京極摂政前太政大臣(91番) 『新古今集』秋・518
后京极摂政前太政大臣(91番) 『新古今集』秋・518

きりぎりす 鳴くや霜夜(しもよ)の さむしろに
夜里,蚱蜢在霜席上歌唱。

(ころも)かたしき ひとりかも寝む
我的衣服太硬了 我可能会一个人睡

今年は10月に入っても暑い日が続きましたが、ようやくそれも落ち着き、やっと秋らしくなってきました。
今年,炎热的天气一直持续到十月,但终于开始平静下来,终于开始有秋天的感觉了。

こんな異常気象が続くと、細やかな季節感が魅力だった日本はどこへ行ってしまうのだろうと、ちょっと心配になります。
如果这种异常天气持续下去,我有点担心曾经以季节敏感而闻名的日本将会走向何方。

しかし、さすがに高山などでは初冠雪の声が次々に届いています。初霜も降りはじめ、朝晩は晩秋の寒さが身に染みてきた頃。
然而,高山地区已经开始传来第一场降雪的消息。第一场霜冻也已开始降临,深秋的寒意也开始在清晨和傍晚弥漫。

きりぎりすなど、秋の虫の美しい音色も秋の気分をいや増し
蚱蜢等秋季昆虫的美妙叫声也增添了秋天的气氛。

てくれますね。  他们会为您做到这一点。
今回は、晩秋に寂しく一人眠る男の歌です。  这次的歌曲是关于一个男人在深秋独自睡觉的歌曲。



現代語訳  现代语訳

こおろぎが鳴いている、こんな霜の降る寒い夜に、むしろの上に衣の片袖を自分で敷いて、独り(さびしく)寝るのだろうか。
在这样一个寒冷的夜晚,蟋蟀在叽叽喳喳地叫,我不知道他是否独自一人睡在草席上,只摊开一只衣袖。


ことば  

【きりぎりす】  [蚱蜢]
現在のコオロギのことです。  这是指当前的板球。
【鳴くや霜夜(しもよ)の】  [霜夜哭泣]
「鳴く」は動詞の連体形で、霜夜にかかります。「や」は7文字の文字数(語調)を整えるための間投助詞です。「霜夜(しもよ)」は「霜の降りる晩秋の寒い夜」のことです。ここまでで「こおろぎが鳴く霜の降る寒い夜の」という意味になります。
“Naku”是动词的定语形式,与“shimoyo”连用。“Ya”是感叹词,用于调整七个字的长度(词的声调)。“Shimoyo”的意思是“深秋寒冷的霜夜”。在此之前的意思是“蟋蟀鸣叫的寒冷霜夜”。
【さむしろに】  [关于笹原]
「さ」は言葉を整える接頭語です。「むしろ」は藁などで編んだ敷物で、シートのように使われました。「さむしろ」は「寒し」との掛詞になっています。
“Sa”是用来组织词语的前缀。“Mushiro”是一种用稻草编织成的垫子,像床单一样使用。“Samushiro”是“samashii”(寒冷)的双关语。
【衣かたしき】  [衣服很硬]
平安時代は、男性と女性が一緒に寝る場合は、お互いの着物の袖を枕代わりに敷いていました。「片敷き」は自分の袖を自分で敷く寂しい独り寝のことです。
平安时代,男女同寝时,会用对方的和服袖子当枕头。“片式”指的是独自一人睡觉的孤独习惯,每个人都用自己的袖子当枕头。
【ひとりかも寝む】  [也许我会一个人睡]
「独りで寝るんだろうか」という意味です。「か」は疑問の係助詞で「も」は強意の係助詞、「む」は推量の助動詞「む」の連体形です。
意思是“不知道他是否会一个人睡。”“Ka”是疑问词,“mo”是强调词,“mu”是推测助动词“mu”的定语形式。

作者

後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん。1169~1206)
摄政王御京极和前大臣(1169-1206)

本名は藤原良経(よしつね)。関白藤原兼実(かねざね)の子供で、摂政・太政大臣になりましたが38歳で急死しました。早熟の天才で、10代の頃の歌が千載集に7首載せられています。新古今和歌集の仮名序(かなじょ)を書き、号を秋篠月清(あきしのげっせい)といいます。おじいさんが百人一首76番に登場する法性寺忠通(ただみち)で、叔父さんが92番の慈円法師です。
本名藤原义经,是摄政藤原兼真之子,后任摄政兼大臣,38岁时突然去世。他是一位早熟的天才,其青少年时期创作的七首诗被收录于《千载集》。他为《新古今和歌集》撰写了假名序,笔名是秋篠月诚。祖父是法胜寺忠道,出现在《百人一首》第76期,叔父是慈延,出现在《百人一首》第92期。


鑑賞  鉴赏

秋の寂しさがいや増すような一首です。  这首诗更增添了秋天的孤独感。
平安時代は女性と男性がともに寝る時は、お互いの着物の袖を枕にして敷きました。そこでこの歌のように、自分で自分の袖を敷いて寝るのは「わびしい独り寝」だと読めるわけです。
平安时代,男女同寝时,会用对方的和服袖子当枕头。因此,像这首诗中那样,以自己的袖子当枕头睡觉,可以理解为“孤枕难眠”。

山里のような場所で霜が降る寒い夜、むしろにごろりと横になって独り眠る男。恋人につれなくされて心もだえる、というような想像がかりたてられます。
寒风凛冽的山村夜里,一位男子独自躺在草席上入睡,令人联想到一位男子因遭受情人的冷遇而痛苦不堪的画面。

ただ、この歌を作る直前に作者は奥さんに先立たれたそうです。
然而,作曲家似乎在创作这首歌之前失去了他的妻子。

そうなると、ちょっと趣も違ったものに感じられそうですね。
如果是这样,感觉可能会有点不同。

この歌は、前からある2首の歌をふまえて作られた「本歌取り」の歌です。憶えておくとよいでしょう。
这首歌是根据之前的两首诗改编的“本歌”(原诗)。记住它们会很有帮助。

「さむしろに衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」
“今晚,宇治的桥姬穿着笔挺的长袍,在笹原草席上等着我。”

(古今集)  (古金州)
「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」
“芦引山雉那长长的、下垂的尾巴让我整夜都独自入睡。”

(柿本人麻呂・百人一首3番)  (柿本人麻吕・百人一首3番)

宇治の橋姫という言葉が出ましたが、京都府宇治市は源氏物語ゆかりの地として有名で、世界遺産に選ばれた平等院や宇治上神社があります。訪れる場合はJR奈良線宇治駅で下車し、東に向かって歩いて10分ほどです。ちょうど紅葉の季節ですので三室戸寺などの紅葉も見事でしょう。
说到宇治桥姬,京都府宇治市因与《源氏物语》相关的地点而闻名,这里有被列入世界遗产的平等院和宇治上神社。从 JR 奈良线宇治站下车,向东步行约 10 分钟即可到达。现在正值秋叶季节,三室户寺等寺院的红叶景色将美不胜收。

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