【セフィクラ】お題企画物『バカ、意識しすぎ』
【萨菲克劳】主题企划《笨蛋,想太多了》
腐向けでセフィクラで、エロ有り。
腐向萨菲克劳,有 H。
「セフィクラ作品集 第一弾発表会」にて書いたお話のオマケだけ載せてましたが、やっぱり本編ないと不便じゃないかと思い、本編もUPしました。
之前只放了在“萨菲克劳作品集 第一弹发表会”上写的故事的番外,但觉得没有正文会很不方便,所以也把正文传上来了。
りんさんが立ち上げましたグループ内で、名無しの花菱さん主催の「初々しい恋10題」(※お題配布サイト「確かに恋だった」※)よりランダムに選ばれたお題をこなす、というセフィクラ企画で書いたものです。りんさんのところで作品集として様々な方の絵や文章がまとめてUPされているので、セフィクラファンの方にオススメです
这是在凛小姐建立的群组里,由匿名花菱小姐主办的“青涩恋情 10 题”(※主题发布网站“确实是恋情”※)中随机抽取主题来完成的萨菲克劳企划中写下的作品。凛小姐那里汇集了各种画作和文章作为作品集上传,推荐给萨菲克劳的粉丝们。
で、オマケは問題の夜に何があったかというお問い合わせがあって、それを書こうと思って書き始めたんですが、今改めてそれを思い出しました(汗)
然后,关于特典,有人问我那个问题之夜发生了什么,我本来想写那个,也开始写了,但现在又想起来了(汗)。
ザックス君が出て来るまで書こうと思ったのに、その前で途切れてます。でも、エロ書けたので満足。
我本来想写到扎克斯君出场,结果却在那之前断了。不过,写了色色的内容,我很满足。
↑とか思っていましたが、例の夜のネタまで書きたいと思うので、ほんのり続くと思います。制限字数が昔より増えてるので、こちらでほそぼそ更新する予定です。
↑虽然我是这么想的,但因为我想写到那个夜晚的梗,所以大概会隐约地继续下去。因为字数限制比以前增加了,所以打算在这里慢慢更新。
※本編はR15っぽい感じですが、オマケはセフィロスさんのたがが外れているせいでR18仕様になっています。どうぞお気を付け下さい。
※正篇大概是 R15 的感觉,但特典因为萨菲罗斯先生的缰绳脱落了,所以是 R18 规格。请务必注意。
【バカ、意識しすぎ】
【笨蛋,想太多了】
「……ん、……さん、───セフィロスさん」
“……嗯,……先生,——萨菲罗斯先生。”
名を呼ばれ、揺さぶられる。一体何だ?
被呼唤着名字,被摇晃着。到底怎么了?
俺はこのままずっと眠り続けるのだろう。その為の決着であり、そもそもジェノバを星は受け入れはしない。まして化け物が転生なぞ、高望みしすぎだ。
我大概会就这样一直睡下去吧。这是为此而做的了断,而且星球根本就不会接受杰诺瓦。更何况怪物转生什么的,简直是痴心妄想。
「セフィロスさん……ってば、出社に間に合いませんっ!!」
“萨菲罗斯先生……我说,您要赶不上上班了!!”
ぴしゃりと頬を叩かれる。結構本気の力加減に、相手の切実さを感じてしまう。
脸颊被狠狠地拍了一下。力道相当大,让我感受到了对方的迫切。
「あっ、あ─────……あ?」
“啊、啊——————……啊?”
「寝ぼけている場合じゃないです! ………どうかしましたか?」
“现在不是犯迷糊的时候!……您怎么了?”
「…………クラウ…ド?」
“…………克劳……德?”
思わず零れた動揺は、妙なイントネーションで眼前の名前を紡いでいた。
不自觉流露出的动摇,让眼前的名字以一种奇怪的语调被念了出来。
「そうです。セフィロスさんの従卒代理のクラウド・ストライフです」
“是的。我是萨菲罗斯先生的代理传令兵,克劳德·斯特莱夫。”
瞬き一つ。視力は良好、濁りも歪みも全くない。聴力も異常なし。
眨了一下眼。视力良好,没有丝毫浑浊和扭曲。听力也正常。
だが、何故だ?
但是,为什么?
何故か、相手はその後妙に頬を染め、まるで意味深な何かがもう一つ付け加えられるとでもいいたげな雰囲気を醸し出す。
不知为何,对方在那之后脸颊泛起了不自然的红晕,仿佛在说还有什么意味深长的话要补充似的,营造出一种奇妙的氛围。
(いや、いやいやいや────いや、何だこれは? どういうことだ?)
(不,不不不不——不,这是什么?这是怎么回事?)
複数回いやを連発した灰色の脳細胞は、素早く立上がり起動し、意識及び過去から現状までの読み込みを開始する。
灰色脑细胞连续说了好几次“不”,然后迅速启动,开始读取意识以及从过去到现在的所有信息。
ガスト博士が出奔し行方不明になった日。───問題なし。
加斯特博士出走失踪的那天。——没问题。
ソルジャーになった日。───問題なし。
成为战士的那天。——没问题。
ウータイの戦争、そして英雄となる顛末。───問題なし。
与五台的战争,以及成为英雄的始末。——没问题。
第一魔晄炉、ニブルでのあらまし。───問題なし。
第一魔晄炉,尼布尔的始末。——没问题。
そして、クラウドとの一対一の最期の決着の結果、自分は剣で貫かれ倒された。───問題なし。
然后,在与克劳德一对一的最终对决中,我被剑刺穿倒下了。——没问题。
では今は?
那现在呢?
目の前のこれは現実か?
眼前这是现实吗?
死ぬ間際に見る夢にしては大変即物的というか、俗的だと思うのだが。
作为临死前看到的梦来说,这未免也太现实主义了,或者说,太世俗了吧。
「セフィロスさん、もしかして気分が悪いんですか? そ、それとも……あの、……昨夜の、その」
“萨菲罗斯先生,您是不是身体不舒服?还、还是说……那个,……昨晚的,那个……”
(どうして、そこでまた赤くなるんだ、クラウド!!)
(为什么,又脸红了啊,克劳德!!)
ごにょごにょと、不明な言動というか言葉にもならぬ何かを発し、相手は俯いてしまう。耳が赤い。真っ赤っかだ。
他支支吾吾地,发出一些不明所以的言语,或者说根本不成话的什么东西,然后就低下了头。耳朵红了。通红通红的。
年の頃は16歳。ニブルに行く前の彼だ。あどけない少年さがまだまだ十代なのだと知らしめる。鍛えている割に肉付きの良い方ではないのか、軍属という肩書きに似合わず華奢な躯。しかも、今はその細い首筋も鎖骨もはだけているのでよく見える。天然物の金髪に宝玉めいたブルーアイズ。北方の人間に見られる白皙を彩る薔薇の蕾のような口元はものいいたげで、零れる音色も蜜のごとく甘いのかと窺わせる。
年龄大概是 16 岁。是去尼布尔海姆之前的他。稚嫩的少年感让人知道他还是个十几岁的孩子。虽然经过锻炼,但身体并不算强壮,与军人的头衔不符的纤细身躯。而且,现在他那细长的脖颈和锁骨都露了出来,看得一清二楚。天然的金发和宝石般的蓝眼睛。北方人特有的白皙皮肤上,玫瑰花蕾般的嘴唇似乎想说什么,让人不禁猜测他吐露的声音是否也如蜜般甜美。
(────って、どういうことだ! どうして、クラウドは俺のシャツを着ているんだ?)
(────这、这是什么意思!为什么克劳德穿着我的衬衫?)
しかもだ、おざなりにボタンを付けているせいか、露出がきわどい。胸元は勿論、太ももがやばい。やばすぎる。平時に比べて肌色過多の現状にセフィロスはいたたまれない。視線を絶対にそちらに向けぬよう、自分の理性に働きかけた。
而且,也许是因为扣子扣得敷衍,露出的部分有些危险。胸口自不必说,大腿也太要命了。要命过头了。和平时相比,现在肤色暴露过多,让萨菲罗斯坐立不安。他努力控制自己的理智,绝不让视线转向那边。
場所は、多分といわずに確定だ。
地点,不用说也确定了。
密にチェックするまでもない。セフィロスの自宅、神羅が用意した神羅軍将校もご用達の高級マンションだろう。
甚至不用仔细检查。萨菲罗斯的家,神罗为神罗军将校准备的高级公寓吧。
尚且つ、クラウドはセフィロスの寝室に、セフィロスのベッドの中で、セフィロスのシャツを着用し、セフィロス本人と朝一で向かい合っている。相手が異性ならば、ほぼ決定条件だっただろう。
而且,克劳德在萨菲罗斯的卧室里,在萨菲罗斯的床上,穿着萨菲罗斯的衬衫,一大早就和萨菲罗斯本人面对面。如果对方是异性,这几乎就是决定性的条件了。
寝乱れた寝具はここで二人が就寝しただろうことだけを、淡々と物語っていた。
凌乱的寝具只是平淡地诉说着两人曾在此就寝的事实。
* * * *
愛しい顔。
心爱的脸庞。
薄れゆく意識。
逐渐模糊的意识。
大丈夫、これで良かったんだ。語りかける自分の思惟。
没关系,这样就好。我的思绪在自言自语。
神になるなどとほざく狂信の化け物には相応しい幕切れだ。
对于那些叫嚣着要成为神的狂信怪物来说,这是个恰如其分的结局。
仇なす者は報いを受ける。
犯下罪孽的人会得到报应。
RPGなら、さしずめラストバトル。
如果是 RPG 的话,这大概就是最终战了。
モンスターは勇者に倒される。それこそが最善で定石だ。
怪物被勇者打败。这才是最好的、也是最常规的结局。
あとはめでたしめでたしとなり、テロップが流れてお終いだろう。余韻に、主人公と仲間達は幸せになりましたとさという名文を残すのみ。
之后便是皆大欢喜,字幕滚动,故事结束。只留下“主人公和伙伴们幸福地生活在一起”这样的名句,作为余韵。
* * * *
そうなるべきだった。
本该如此。
否、そうなる筈だった。
不,本该如此。
セフィロスは引きつりそうになる顔を平素のままで貫いた。今こそ、表情筋を使うべき場面だ! 悟られるわけにはいかない。
萨菲罗斯努力维持着面无表情。现在正是需要调动面部肌肉的时候!绝不能被看穿。
自分は確かにクラウドの最期の一撃を受け、全てに終わりを打ったはず………が、どうしてこうなった!!!
他明明已经承受了克劳德的最后一击,一切都应该已经结束了……可为什么会变成这样!!!
時の歯車は悪戯に巻戻り、世の理の深遠を見せつける。
时间的齿轮被恶意地拨回,展现出世间法则的深奥。
嗚呼、これこそが星のもたらした懲罰なのか、セフィロスは苦悩する。懊悩した。
啊,这难道就是星球带来的惩罚吗?萨菲罗斯痛苦着。他懊恼不已。
(俺はクラウドとヤったのか、ヤらなかったのか?)
(我到底有没有和克劳德做过?)
とどのつまり、歴史の起点となることは覚えていても、昨夜の行為の有無など微塵も自分は覚えていなかった訳だ。
归根结底,他只记得那是历史的起点,却丝毫记不起昨晚是否发生过那件事。
神羅ビル52階。ソルジャー部門統括執務室。
神罗大厦 52 层。特种兵部门统括办公室。
ここ数日、セフィロスは真剣に悩んでいた。フリではない。断じて違う。撮影用のアンニュイな表情とも違う。素でセフィロスは考えに考え、それでも答えを見いだせないでいた。一体全体何処のSF小説なのだ。というか、もっとSF知識があれば何らかの適切な対処があったのか。
这几天,萨菲罗斯一直在认真烦恼。不是装的。绝不是。也不是为了拍照而摆出的倦怠表情。萨菲罗斯是真的在思考,却依然找不到答案。这到底是什么科幻小说啊。话说,如果他有更多的科幻知识,是不是就能采取一些适当的对策呢?
(……いや、無いな。あったとして、何が出来る)
(……不,没有。就算有,又能做什么呢?)
ナンセンスといえば、もう一つ。否、こちらが本命、大本命だ。
说到荒谬,还有一件事。不,这才是最重要的,最最重要的。
(で、俺とクラウドはどういうことだったのだろう……さっぱり分らん)
(那么,我和克劳德到底是怎么回事呢……完全搞不懂。)
こうなるのならば、例の朝の時にもっと良く観察しておけば良かったと思っても、後の祭り。悔やむあれこれは常に後から来るから、後悔と人はいうのだ。
事已至此,就算后悔当初早上没有好好观察,也为时已晚。令人懊悔的事情总是事后才来,所以人们才称之为后悔。
クラウドの全身をくまなく確かめれば行為の有無が分っただろうが、そこで終わり、ジ・エンド。行為有りの場合は誤魔化せるが、無かった場合どう誤魔化すというのか。上司のセクシャルハラスメントとかいう問題であるし、そもそもクラウドの潔癖さから導き出される答えは『蔑視』しか見つからない。
如果仔细检查克劳德的全身,就能知道他是否发生过性行为,但到此为止,一切都结束了。如果发生过性行为,还可以蒙混过去,但如果没有,又该如何蒙混呢?这涉及到上司性骚扰的问题,而且从克劳德的洁癖来看,唯一的答案就是“蔑视”。
憧れの英雄が粉砕されることだけは確かだ。もしかしたら、反動が酷くてぐれてしまったらどうしようとか、拒否反応が過ぎて何もかも白紙にしてくるかもしれない。嗚呼、何て恐ろしい現実だ。
唯一可以确定的是,他所憧憬的英雄将会被粉碎。也许,反作用力会很严重,导致他堕落,或者反应过度,将一切都化为乌有。啊,这是多么可怕的现实啊。
まあ、一番恐ろしいのはこの瞬間を狙って、遡らせた大いなる意思なのかもしれない。一体どんな目標や思惑があるにせよ、セフィロスが同じ轍を踏むのは難しい。もう一度罪もない村人を焼き殺し、クラウドの人生をザックスの人生を巻き込めるほどの無茶ぶりを披露しなければいけないとか、それこそが無茶ぶりすぎる。
嘛,最可怕的也许是瞄准这个瞬间,让时间倒流的伟大意志。无论有什么目标或意图,萨菲罗斯都很难重蹈覆辙。如果他必须再次烧死无辜的村民,并做出足以将克劳德和扎克斯的人生都卷入其中的荒唐举动,那才是真正的荒唐。
古代種の娘にしても同様、彼女は今もタークスの監視下でスラム住まいをしているのだろう。
古代种的女儿也是如此,她现在应该还在塔克斯的监视下住在贫民窟里吧。
そこで、少しセフィロスの胸が痛む。ちくりとする。もやもやともする。
于是,萨菲罗斯的心口有些疼痛。刺痛。也有些郁闷。
彼はため息をした。
他叹了口气。
(俺に出来るはずがない……もう一度など)
(我不可能做到……再来一次)
たった一度、一度きりの人生だから自分はやり遂げた。この忌まわしい躯と細胞を手土産に、確かに星をも天秤にかけたのはやり過ぎもするが、それでも自分はクラウドに託したのだ。何度彼へ憎悪の種を蒔いただろう。育てただろう。
人生只有一次,所以他完成了。他确实把星球也放在了天平上,把这具可憎的躯体和细胞作为伴手礼,这有些过分,但即便如此,他还是把一切托付给了克劳德。他曾多少次向他播撒憎恨的种子,又多少次将其培养壮大。
最愛の相手の剣で死を望むのは、どの地に伝わる戯曲であったのか。古の人が謳う悲劇の一幕に、それはあるという。
用最爱之人的剑来求死,这是流传于哪片土地的戏曲呢?古人歌颂的悲剧一幕中,据说就有此情此景。
この身が疎ましい厄災なれば、只人であらぬなら、どうして伝えられよう。いえるわけがない───愛していると。
如果这具身体是可憎的灾祸,如果我并非凡人,又怎能传达呢?不可能说出口——说我爱你。
ならば、憎まれて構わないとセフィロスは当時思ったのだ。
那么,被憎恨也无妨,萨菲罗斯当时是这样想的。
憐れなるは忘らるる女と古代の戯曲は語る。
古代的戏曲讲述着,可怜的是被遗忘的女子。
得られる資格を持たぬならと、女は想い人の想う相手を一突きにする。命を狩り、憎しみの苗床を用意した。そして、自らの骸でもって摘み取ったのだ。黒く染まった収穫の麦穂には永遠なる感情が滴り落ちる。憎き女の首を掲げ復讐に燃える想い人のこのひとときは、確かに彼女だけのものだった。
如果得不到那份资格,女人便会一刀刺向心上人所爱之人。她猎取了生命,准备好了憎恨的温床。然后,她用自己的尸骸将其摘取。漆黑的麦穗上,滴落着永恒的感情。高举着可憎女人的头颅,心上人燃起复仇之火的这一刻,确实只属于她。
けれども、セフィロスは同じことがもう出来ない。
然而,萨菲罗斯却无法再做同样的事情了。
この遡った世界は、微妙にセフィロスの知る過去と差異がある。事実、セフィロスはクラウドと何もなかった。勝手にセフィロスがひた隠しながらも少年に懸想していたぐらいだ。笑い話にしかならないが、魔晄炉調査のミッションを終えミッドガルに戻った時に、セフィロスは思い切ってクラウドに想いを打ち明けようと考えていた。
这个回溯的世界,与萨菲罗斯所知的过去有着微妙的差异。事实上,萨菲罗斯和克劳德之间什么都没有发生过。萨菲罗斯只是擅自偷偷地爱慕着那个少年而已。虽然这听起来像个笑话,但当他完成魔晄炉调查任务回到米德加时,萨菲罗斯曾想过要鼓起勇气向克劳德表白。
ミッドガルでは同性婚を認めていないので、女性のように結婚を前提としたお付き合いということにはならないが、同じぐらいの真剣さで自分は告げようと思っていた。多分、あの頃セフィロスは焦っていたのだ。クラウドはあまり故郷のことを語らない。遠くを見つめる蒼い瞳が陰り、ただ母親のことを話すときだけその影が薄まるぐらいだった。
米德加不承认同性婚姻,所以这不会像异性之间以结婚为前提的交往,但萨菲罗斯当时是抱着同样认真的态度去告白的。也许,那时的萨菲罗斯很焦急。克劳德很少谈论他的故乡。他那凝视远方的蓝色眼睛总是蒙着一层阴影,只有在谈到母亲时,那阴影才会稍稍淡去。
だから、セフィロスもあまり聞き出せなかった。それにセフィロス自身、故郷を知らない。幼い曖昧な記憶の中で、それでも自分はミッドガルでは無い場所から来たことだけは分ったが、突き止めるほど確かではなかった。セフィロスもまた故郷のことを問われることを恐れていたのだ。
因此,萨菲罗斯也问不出什么。而且萨菲罗斯自己也不知道故乡在哪里。在幼年模糊的记忆中,他只知道自己并非来自米德加,但又无法确定具体是哪里。萨菲罗斯也害怕被问及故乡。
それがミッションの一週間ほども前に、急にザックスから聞かされた。曰く、今度の魔晄炉調査で行く場所がクラウドの故郷であり、生まれた村なのだと。曰く、そこには幼い頃から仲良くしている幼なじみがいるのだと。曰く、ソルジャーになると誓った相手であり、彼女を守るという約束も交わした仲だと。
大约在任务开始前一周,扎克斯突然告诉了他。他说,这次魔晄炉调查要去的地方是克劳德的故乡,也是他出生的村庄。他说,那里有他从小就关系很好的青梅竹马。他说,那是他发誓要成为战士的对象,也是他承诺要保护的人。
そう、───ザックスがいうには、クラウドには可愛い女性の幼なじみがおり、セフィロスへの憧れもあったが彼女のためというのも理由であったのだ。部下がいうには、そういう年頃にはみんな大なり小なりそんな情熱か何かを持っているもんだと。
是的,——扎克斯说,克劳德有一个可爱的女性青梅竹马,虽然他对萨菲罗斯也有憧憬,但她也是他成为战士的原因之一。部下们说,到了那个年纪,大家或多或少都会有那样的热情。
セフィロスに憧れはない。
萨菲罗斯没有憧憬。
そんな年頃に身に覚えはなかった。ただ昔、良くしていてくれた人がいて、セフィロスは彼を慕っていた。彼は優しくて温かく、セフィロスは彼に応えたかった。彼が望むような結果を得たかった。
他从未有过那样的年纪。只是很久以前,有一个对他很好的人,萨菲罗斯很仰慕他。他温柔又温暖,萨菲罗斯想回应他。他想得到他所期望的结果。
けれども、セフィロスは応えることが出来ず、彼は去った。
然而,萨菲罗斯无法回应,他离开了。
クラウドはソルジャーになれない。それは当時、三ヶ月前にわかったことで、相当クラウドが苦しんだ現実だった。だから大丈夫だと、セフィロスは思った。安堵しようと思った。しかしザックスが漏らした「クラウドの初恋相手かも」との弁で、その安心も揺らいだのだ。
克劳德无法成为特种兵。这是当时三个月前就知道的事,是克劳德相当痛苦的现实。所以萨菲罗斯觉得没关系。他想松一口气。然而,扎克斯无意中说出的“也许是克劳德的初恋对象”这句话,动摇了他的安心。
クラウドは優しい。
克劳德很温柔。
セフィロスを英雄として憧れて止まない所もあるが、彼は英雄と現実のセフィロスとの差異に失望はしなかった。それを否定しなかった。それらに左右されない思いやりが、少年にはあった。ささやかでつまらなく、甘ったれた、けれど心地の良い思いや温もり。
他虽然对萨菲罗斯作为英雄的形象憧憬不已,却并未因英雄与现实中的萨菲罗斯之间的差异而感到失望。他没有否定这些差异。少年心中怀有不受这些因素左右的关怀。那是一种微不足道、平淡无奇、甚至有些娇惯,却又令人感到舒适的思念与温暖。
少年がその瞳を輝かせてくれるなら、窮屈であってもソルジャー・セフィロスであることに苦がなかった。何しろクラウドはソルジャー・セフィロスにも、またただのセフィロスにも等しく変わりなく、労ってくれた。いたわってくれる。
只要少年能让他的眼睛闪耀光芒,即使作为特种兵萨菲罗斯感到拘束,他也不会觉得痛苦。毕竟克劳德对特种兵萨菲罗斯,以及仅仅是萨菲罗斯的他,都一视同仁地给予了关怀。他会体恤他。
クラウドの優しさはセフィロスだけの知るところではない。その幼なじみとやらも知っているだろう。いや、分っていて当たり前だ。クラウドが約束したという相手なのだから。
克劳德的温柔并非只有萨菲罗斯一人知晓。他的那个青梅竹马想必也知道吧。不,知道是理所当然的。因为那是克劳德许下承诺的对象。
また彼はソルジャーになれなかったとしても、反故(ほご)にはすまい。彼女が求めれば、約束を果たすだろう。
即使他没能成为特种兵,他也不会违背诺言。如果她有所要求,他会履行承诺。
ソルジャーになれないと知った彼が、今後どうするのかをセフィロスはまだ尋ねたことがなかった。軍を辞めるとはいっていないので、続けるつもりだとは考えられるが……もし、その彼女がクラウドを求めたときどうするのだろう。
萨菲罗斯从未问过克劳德,当他得知自己无法成为一名士兵后,今后打算怎么做。他没有说要退出军队,所以可以认为他打算继续下去……但如果那个女人需要克劳德,他又会怎么做呢?
結局、セフィロスは怖かったのだ。クラウドが去ってしまうのを、優しかったあの人のように自分の前からいなくなることを。
最终,萨菲罗斯还是害怕了。害怕克劳德会离开,会像那个温柔的人一样从自己面前消失。
そして、それはそのまま神羅屋敷で見つけた書類に直結し、喪失の痛みと世界の欺瞞、得られぬ者の嘆き、三者は怒りと転じ暴走し、あとはもう転がり続けた。
而这直接导致了他在神罗公馆发现的文件,丧失的痛苦、世界的欺骗、求而不得的悲叹,三者化为愤怒并失控,之后便一发不可收拾。
しかし、だ。
然而,事实是。
この二度目では違うようだ。否、この思考回路の時点でもう違う。
这一次似乎不同。不,从这个思路开始就已经不同了。
その為にも自分と少年はどんな関係性なのかが重要だった。あの朝の真実が知りたいところだ。
为此,自己和少年之间是怎样的关系就显得尤为重要。他很想知道那天早上真相到底是什么。
(体液で汚れていたりという単純明快ならば話も早くて済むが、それはなかったな。行為の後、身を清め整えた可能性も否定できないならば、純潔の証拠にはならない。同様にティッシュや避妊具といった分かりやすい相手もなかった。とはいえ、これも寝台を整えた際始末した可能性もある。………ローションも同じだな。それらしいものが無いからといって、行為の完全否定にはならない……何てことだっ!!!)
(如果是被体液弄脏了这种简单明了的情况,那事情就好办了,但并没有。如果不能排除事后清理干净的可能性,那这也不能作为纯洁的证据。同样,也没有纸巾或避孕工具这种显而易见的物品。话虽如此,这些也可能是在整理床铺时处理掉了。……润滑剂也是一样。不能因为没有类似的东西就完全否定行为的发生……这到底是怎么回事!!!)
明日に控えてしまったミッションの書類を眺める。ぼーっと眺めてみる。
他望着明天即将执行的任务文件。他茫然地望着。
駄目だ、自然にため息が零れてしまう。セフィロスは冷めかけたコーヒーを啜った。冷えてもコーヒーは美味しい。
不行,自然而然地叹了口气。萨菲罗斯啜饮着已经凉掉的咖啡。即使凉了,咖啡也很好喝。
クラウドはいつもとそう変わらない。従卒代理として雑事をこなしつつ、セフィロスやザックスの備品破壊を阻止したりもっともな正論をいってみたり、断然美味しい気がするコーヒーを入れてくれたりする。クラウドが入れてくれるとインスタントでも味が急上昇するのはどうしてだろう? これも、恋や愛の妙薬という奴なのだろう。
克劳德和往常没什么不同。作为勤务兵代理,他处理着杂务,阻止萨菲罗斯和扎克斯破坏设备,说出最合情合理的正论,还会泡出感觉格外好喝的咖啡。为什么克劳德泡的速溶咖啡味道会急剧提升呢?这大概就是所谓的爱情灵药吧。
もし違うといえば、目が合うとちょっと照れたり、赤くなったり、または俯いたり、心配げに見られることだ。これが良いことなのか悪いことなのか、経験値の無さが災いして判断出来ない。
如果说有什么不同的话,那就是眼神交汇时会有些害羞、脸红,或者低下头,或者被担忧地看着。这到底是好事还是坏事,因为缺乏经验而无法判断。
大体、ニブルへのミッションの三日前とかいう時期が悪い。これも星が与える懲罰とやらなのだろうか。セフィロスは具体的な何かをクラウドに切り出せることもなく、せいぜいが事務仕事中のクラウドを眺めたり、書類の決裁に来たクラウドを見つめたり、ビル内の廊下を歩くクラウドの背後を見守ったり、ザックスも交えた三人でのランチでそっと観察したりと、本当に見ているばかりである。
话说回来,尼布尔海姆任务前三天这个时机太糟糕了。这难道也是星球给予的惩罚吗?萨菲罗斯无法向克劳德提出任何具体的事情,最多也只是在克劳德处理公务时偷偷看他,在克劳德来批阅文件时凝视他,在克劳德走在楼道里时默默注视他的背影,或者在和扎克斯一起吃午饭时悄悄观察他,真的只是看着而已。
夜になれば、俺は何をしていたのだろうと膝を抱え反省もするのだが、セフィロスはどうにもこうにも進退窮まっていた。
到了晚上,我抱着膝盖反省自己到底做了些什么,但萨菲罗斯却进退两难。
かくして、魔晄炉調査のミッションが始まった。
就这样,魔晄炉调查任务开始了。
クラウドの半端ない乗り物酔いも、件の幼なじみの肌寒そうな衣装っぷりも、ニブル山の吊り橋の危険度も、ザックスの魔晄炉内での失言も、全く変化無しだ。しいて上げるならば、村の入口でのセフィロスのリップサービスはなかった。母親がジェノバとか、父親は知らないなんてことはもうなく、───宝条とかいう壮大なオチは心に痛すぎて呪いに等しい極致だ───、気が付けば檻の中。もとい、神羅屋敷の地下の某所。
克劳德那没完没了的晕车、那位青梅竹马那看起来很冷的服装、尼布尔山吊桥的危险程度、扎克斯在魔晄炉内的失言,都完全没有变化。硬要说的话,就是村子入口处萨菲罗斯的客套话没有了。母亲是杰诺瓦,父亲不认识什么的已经没有了,——宝条这种宏大的结局对内心来说太痛苦了,简直是诅咒的极致——回过神来,发现自己身在笼中。不对,是在神罗公馆地下某处。
言わずと知れた、秘密の部屋というところだ。
不用说,就是那个秘密房间。
実はこれ、宝条が緻密に作ったフェイクだったらどうしようとか今なら落ち着いて考えるわけだが、問題はそこではない。
其实我现在可以冷静地思考,如果这其实是宝条精心制作的假象该怎么办,但问题不在这里。
かれこれ、二日目か。
这已经是第二天了吧。
セフィロスは書類や書物に没頭することもなく、日がな一日ぼーっとここで過ごすのみ。三食きっかりクラウドが運んでくれるので、それは美味しく頂いている。それに食事をすればクラウドが食器を下げにも来てくれるので、一粒で二度美味しい何とやらだ。ザックスの方は勿論心配なんてしていない。単に俺がのんびり休んでいると思っているらしい。まあ、最近は忙しすぎたので確かに身体には良い休息になっている。
萨菲罗斯既没有埋头于文件和书籍,也只是整天在这里发呆。克劳德准时送来一日三餐,他吃得津津有味。而且吃完饭克劳德还会来收走餐具,真是一举两得。扎克斯那边当然不用担心。他似乎只是觉得我正在悠闲地休息。嘛,最近确实太忙了,所以这对我身体来说确实是个很好的休息。
ちなみにザックスは現在、ニブルの七不思議探しとやらに精を出し、一つだけ解けない問題にお悩み中らしい。落ち着いて考えれば分る話で、ただしあれらはランダムだと前にライフストリームから汲み出した知識が語るので、俺が知る前回の答えでは正解しないだろう。
顺带一提,扎克斯现在正致力于寻找尼布尔的七大不可思议,似乎正为其中一个无法解决的问题而烦恼。冷静下来思考就能明白,不过之前从生命之流中汲取的知识告诉我,那些都是随机的,所以即使我知道上一次的答案,这次也未必是正确答案。
まあ、頑張れ! という辺りだ。
嗯,加油吧!大概就是这样。
時刻を確認すれば、そろそろクラウドが来る時間になっていた。今夜は母の手作りのシチューを持ってきてくれて、何ともいえない罪悪で胸が埋まる。それに、来る度に少しずつ不安げな表情になるクラウド。俺は全く進歩がない。そんな顔をさせたいわけではないというのに、またさせてしまった!
看了看时间,差不多是克劳德该来的时候了。今晚他带来了母亲亲手做的炖菜,这让我心里充满了难以言喻的罪恶感。而且,克劳德每次来,脸上都会多一丝不安。我却一点进步都没有。明明不想让他露出那种表情,却又让他露出来了!
階段を下る音。廊下を歩く音。反響で気にしなくとも良く聞こえる。そうして、クラウドはドアの前に立った。
下楼梯的声音。走廊里走路的声音。回响让这些声音即使不特意去听也听得很清楚。然后,克劳德站在了门前。
ノックを数回。
敲了几下门。
「セフィロスさん……お下げしに来ました」
“萨菲罗斯先生……我来取餐具了。”
「ああ……開いている。本当に悪いな、クラウド」
“啊……开着呢。真不好意思啊,克劳德。”
振り返れば金髪のチョコボのような少年が空のトレーを片手に直立不動。書棚に囲まれたデスクに置かれていた食器を回収に来たのだ。一時間ほど前に持ってきたトレーには素朴なパンとキルトに包まれた白いシチューの容器が湯気を上げていて、冷えぬ為の心遣いが嬉しかった。
回过头,只见金发如陆行鸟般的少年手里拿着空托盘,笔直地站着。他是来回收放在书架环绕的桌子上的餐具的。大约一小时前他送来的托盘上,朴素的面包和用棉被包裹着的白色炖菜容器正冒着热气,那份为了不让食物变凉的细心让人感到欣慰。
「……お前の母親はとても料理が上手なのだな。大変美味しかった」
“……你母亲厨艺真好啊。非常好吃。”
「ありがとうございます。そういっていただけると、母も喜びます」
“谢谢您。您这么说,我母亲也会很高兴的。”
空の器をトレーに載せながら、けれどもクラウドは何処か上の空。全てをトレーに収めてもすぐに立ち去らない。微かなため息。僅かな沈黙。
克劳德把空容器放到托盘上,但却心不在焉。即使把所有东西都收进托盘,他也没有立刻离开。他轻轻叹了口气,短暂地沉默着。
クラウドはセフィロスを真剣そのものといった面持ちで見つめた。
克劳德用极其认真的表情看着萨菲罗斯。
「………セフィロスさんは、ここ数日、いえ、ミッションに行く前から変です」
“……萨菲罗斯先生,这几天,不,从任务之前就有点奇怪。”
「そう、クラウドに見えたか?」
“是吗,克劳德也看出来了?”
「そうです! だから、俺……いえ、自分は……心配で……」
“没错!所以,我……不,在下……很担心……”
少年は俯き、両手を無駄に絡ませ言葉の先をまどうよう。
少年垂下头,双手无措地交缠着,似乎在为接下来的话语而踌躇。
「…………何か出来ることがあったら言ってください」
“…………如果有什么我能做的,请告诉我。”
「そうだな…………、何かあったら、その時は頼む」
“嗯,好吧…………,如果有什么事,到时候就拜托你了。”
しかし、零れた台詞にクラウドは一層項垂れる。
然而,克劳德却因脱口而出的话语而更加垂头丧气。
「………やっぱり、俺じゃ頼りになりませんか? ソルジャーにだってなれないし、セフィロスさんの隣に立ちたかったけど、俺なんかじゃ仕方がないですよね。適正で落ちた時、お…俺……八つ当たりみたいなことして……だから……」
“……果然,我还是靠不住吗?我连特种兵都当不上,虽然想站在萨菲罗斯先生身边,但我这样的人也没办法吧。适应性测试落选的时候,我……我……还做了像迁怒一样的事情……所以……”
「そんなことを俺は気にしていない。確かに……俺は今考えていることがあり、迷っている。けれども、それはクラウドがいうようなことではない」
“我并不在意那些。确实……我现在有些想法,正在犹豫。但是,那并不是克劳德你所说的那样。”
「本当ですか?」
“真的吗?”
「あ…ああ」
“啊……啊。”
いきなり覗き込んできた相手に、セフィロスは思わず視線を外す。しまったと思いながらもどうにも出来ない。悲しそうな顔も声もしないで欲しい。出来ることがあれば……なんて、無邪気にいわないでくれ。きっと自分はそのまま抱き寄せてしまいたくなるし、それ以上もしたくなる。
赛菲罗斯下意识地移开了视线,因为对方突然凑了过来。他心想糟了,却又无能为力。别露出悲伤的表情,也别发出悲伤的声音。别天真地说出“如果能做些什么……”之类的话。那样的话,他一定会忍不住抱住对方,甚至想做更多。
「セフィロスさん、どうして顔を合わせないんですか? …………狡いです。俺のことばかり見ているくせに、俺が見たら余所を向くとか……酷いです」
“赛菲罗斯先生,您为什么不看着我呢?……您真狡猾。明明一直看着我,我一看到您,您就看向别处……太过分了。”
「ひ……酷いのか?」
“过……过分吗?”
何か、雲行きがおかしいような気がするのは、気のせいか。はたまた、勘違いか?
总觉得,是不是有什么不对劲?是错觉吗?还是说,是误会?
「ザックスが言ってました。セフィロスさんが俺を見るのは、きっと特別だからだって。……最初、何を言っているのか分りませんでしたが」
“扎克斯说过。他说萨菲罗斯先生看我,一定是因为我很特别。……一开始,我不知道他在说什么。”
今は何となく分るような気もしますと、クラウドは続けた。
克劳德接着说,现在他好像有点明白了。
何が分るのだろうと視界の端で確認すれば、金髪の少年は白い頬を赤く染めていた。夏の海原のごとく澄んだ瞳がセフィロスを見る。熱心に見つめていた。
他用余光看去,想知道他明白了什么,只见金发少年白皙的脸颊染上了红色。他那双像夏日大海般清澈的眼睛看着萨菲罗斯。热切地凝视着。
「……俺、」
“……我,”
「ま、待てっ!!!」
“等、等等!!!”
思わずセフィロスは利き手を上げて、遮った。クラウドの声を中断させるとぎこちなく顔を向けた。潤滑油の切れた歯車みたいに不自然な動きだったが、クラウドは揶揄しなかった。
萨菲罗斯不自觉地抬起惯用手,打断了克劳德的话。他中断了克劳德的声音,然后笨拙地转过脸。那动作僵硬得像齿轮缺了润滑油,但克劳德没有嘲讽他。
「……クラウド」
“……克劳德。”
「何ですか」
“什么事?”
「その……お前は、約束した相手というか、そのだな、道案内をしてくれたお嬢さんだったか、あの可愛い幼なじみが」
“那个……你,是那个约定好的人,或者说,是那个,为我带路的小姐吗,那个可爱的青梅竹马……”
「ティファは関係ありません! 俺が今話をしている相手はセフィロスさんですし、彼女じゃない。誤魔化さないでください」
“蒂法没关系!我现在说话的对象是萨菲罗斯先生,不是她。别想蒙混过关!”
(どうして、俺が今苦境に立たされているのだろう。何か間違っていやしないか?)
(为什么,我现在会陷入困境呢。是不是有什么地方搞错了?)
「悪かったクラウド。失言だった」
“抱歉,克劳德。我失言了。”
「本当に悪いと思っていますか? セフィロスさんは面倒だから謝っておけって、思っているんじゃないですよね」
“你真的觉得抱歉吗?你是不是觉得萨菲罗斯先生很麻烦,所以才道歉的?”
容赦ない突っ込みに、セフィロスは首を横に振り応戦する。というか、防戦一方だ。
面对毫不留情的吐槽,萨菲罗斯摇了摇头,进行反击。倒不如说,他一直处于防守状态。
「そんな失礼な謝罪はしない…ぞ。そうだな……、俺は少し気にして、いや、クラウドは真面目だから、そういった類いの約束事を反故にはしないと思って、だから、だから俺は」
“我不会做出那种失礼的道歉……不。是这样……我有点在意,不,克劳德很认真,所以我以为他不会违背那种约定,所以,所以我……”
「俺はセフィロスさんの従卒代理です。勝手にいなくなったりしません。ちゃんとお側にいます」
“我是萨菲罗斯先生的代理勤务兵。我不会擅自离开的。我会好好待在你身边的。”
デスク越しだった少年はツカツカと回れ右で、セフィロスの目の前までやって来る。革張りの椅子の前まで来てしまうと、照れ隠しのような咳払いを一つした。
隔着办公桌的少年大步流星地转过身,来到萨菲罗斯面前。他走到皮椅前,像是在掩饰害羞般轻咳了一声。
「どんなピンチでも必ず生きて帰ります。諦めたりしません。裏切ったりもしません。いつだって俺はセフィロスさんの味方です」
“无论遇到怎样的危机,我都会活着回来。我不会放弃。我也不会背叛。我永远是萨菲罗斯先生的同伴。”
伸ばされた指が、そっと触れる。長い銀の髪に触れた。
伸出的手指轻轻触碰。触碰到了那头银色的长发。
「もし…万が一、本当に万が一ですが、………ザックスが貴方を裏切っても、俺は側にいます。俺だけは側にいます。親友と敵対したって、セフィロスさんの側にいます」
“如果……万一,真的万一,……扎克斯背叛了您,我也会在您身边。只有我会在您身边。即使与挚友为敌,我也会在萨菲罗斯先生身边。”
「………そんなこと」
“……怎么会。”
「出来ますよ。俺を舐めないでください。貴方の従卒代理に就いた時から、これぐらいの覚悟は当たり前です」
“我能做到。别小看我。从我成为您的代理传令兵那天起,这点觉悟是理所当然的。”
セフィロスは唖然とし、それから少しだけ唇を尖らしかけたが……ゆるむ頬を我慢しなかった。
萨菲罗斯愕然,然后稍微撅了撅嘴……却没有忍住上扬的嘴角。
ああ、全く、何てことだろう。
啊,真是的,这算什么事啊。
口元が綻び、笑んでいく。
嘴角绽开,笑意渐浓。
「もし俺が悪党だったどうする」
“要是我真是个坏蛋怎么办?”
「俺が鉄拳制裁で止めます」
“我会用铁拳制裁你。”
「それは頼もしいな。しかも怖い」
“那可真是可靠啊。而且还挺吓人的。”
「怖くてなんぼです!」
“越害怕越好!”
どうして、俺はあの時思い違いをしたのだろう。
我当时为什么会误解呢?
どうして、彼がいなくなるなどと思ったのだ。
我怎么会觉得他会离开呢?
どうして、彼が離れていくなどと考えたのだ。
我怎么会觉得他会离我而去呢?
彼は、あの人ではないのに、────ガスト博士とは違うのに!
他不是那个人,——他跟加斯特博士不一样!
俺はとんだ愚か者だ!!
我真是个大笨蛋!!
突如笑い出したセフィロスにクラウドがぎょっとする。
萨菲罗斯突然笑了起来,克劳德吓了一跳。
吃驚した顔が可愛くてたまらない。ああでも可愛いといったら、きっと怒るだろう。さっきの男前っぷりならば、激怒するかもしれない。けれども、クラウドは可愛い。とっても可愛い。もの凄く可愛い。
他那吃惊的表情可爱得不得了。啊,但如果说他可爱,他肯定会生气吧。要是像刚才那样男子气概十足,说不定会勃然大怒。但是,克劳德很可爱。非常可爱。超级可爱。
ひとしきり笑い終えると、セフィロスはクラウドを改めて見る。
笑够了之后,萨菲罗斯重新看向克劳德。
クラウドは相変わらずで、セフィロスの行動の奇異についていけなかったのか。パチクリと瞬きし、微動だにしない。従卒代理のくせに減点だなと勝手に採点すると、セフィロスは手を伸ばす。抱きしめた。
克劳德还是一如既往,大概是没能跟上萨菲罗斯的怪异举动吧。他眨巴着眼睛,一动不动。萨菲罗斯擅自给他打了个分,觉得他作为代理随从要扣分,然后伸出手。抱住了他。
「っ!!!!!!」
“嘶!!!!!”
「クラウド、愛してる」
“克劳德,我爱你。”
万感の想いを、耳朶に落とし込む。
万般思绪,尽数落入耳中。
「俺と将来を考えた上で真剣に付き合って欲しい。もし法律が変わるなら、その時には堂々入籍するぐらい俺は本気だ。絶対にクラウドを後悔させない。────愛してる、クラウド」
“我想和你认真交往,以未来为前提。如果法律允许,我甚至想光明正大地和你结婚,我是认真的。我绝不会让克劳德后悔。——我爱你,克劳德。”
膝の上に抱き上げたせいで椅子が軋むが、知ったことではない。
把他抱到膝上,椅子吱嘎作响,但我毫不在意。
それよりもなんだか思った以上に抱きしめると心地良く、若いせいか体温も高く温もりがたまらない。どうして自分はもっと早くこうしなかったのだろうと、詰ってやりたいほどに素敵な心地だった。
更重要的是,不知为何,抱住他比我想象中更舒服,也许是因为年轻,体温也很高,那份温暖令人欲罢不能。我真想责备自己为什么没有早点这样做,这种感觉真是太美妙了。
「温かいな」
“真暖和啊。”
「そ、それ多分……食後で体温が一時的に上昇しているからです」
“那、那个,大概是因为……饭后体温暂时升高了。”
「では、クラウドの顔が赤いのはどうしてだ?」
“那么,克劳德的脸为什么红了?”
「分っていて、そういうことをセフィロスさんがいうからです」
“因为您明知故问,萨菲罗斯先生。”
拗ねたような声が返されて、セフィロスは改めてクラウドを抱きしめ直す。多分赤くなっているだろう素敵な顔を眺められるように、抱き直した。
克劳德带着赌气的语气回答,萨菲罗斯重新抱紧了他。他调整了一下姿势,好能看到克劳德那大概已经红透了的可爱脸庞。
「それは不思議だな。俺はエスパーじゃない。クラウドが俺にどんな返答をするのか知らないし、分らないぞ」
“这可真奇怪。我可不是什么超能力者。我不知道,也猜不到克劳德会给我什么答复。”
「じゃあ、これで考えてください」
“那么,请用这个思考吧。”
クラウドの両手がもぞもぞと動き、セフィロスの拘束から抜け出ようとする。いや、抜け出てさらりと撫でる。側にある長い輝く髪を梳きながら頬に触れ、耳朶に触れ、抱き寄せる。
克劳德的双手不安地动着,试图挣脱萨菲罗斯的束缚。不,他挣脱了,然后轻轻地抚摸着。他梳理着身旁那长长的闪亮的头发,触碰着脸颊,触碰着耳垂,然后将他拥入怀中。
柔らかな感触と温もりがセフィロスの額を掠めた。
柔和的触感和温暖拂过萨菲罗斯的额头。
「…………そこじゃない」
“…………不是那里。”
「む、無茶苦茶いうの、止めてくださいっ」
“唔,请不要再说些强人所难的话了!”
至極残念そうに告げると、セフィロスは逃れた右手左手とお行儀良く拘束する。お返しとばかりにそれぞれの甲に唇を寄せ、わざとらしく口付ける。リップ音のサービス付きの好待遇だ。
萨菲罗斯极其遗憾地说道,然后乖巧地束缚住他挣脱的左手和右手。他作为回礼般地将嘴唇凑到每只手的手背上,故意地亲吻着。这可是附带唇音服务的优厚待遇。
そして、
然后,
「………んっ」
“……嗯。”
お手本とばかりに、クラウドの唇を塞ぐ。
我堵住克劳德的嘴唇,仿佛在做示范。
僅かに漏れた呼気がやはり可愛らしく、啄むつもり程度のものがいつの間にか深くなっていた。
他泄露出的些微气息依然可爱,原本只是想啄吻一下,不知不觉间却变得深沉起来。
二度三度角度を変えて、四度五度、息苦しさにギブアップした隙間を見逃すはずもなく舌を潜り込ませる。
他二度三度地变换角度,四度五度,不放过任何一丝因窒息而放弃的缝隙,将舌头潜入其中。
「……ふ…ん……んっ」
“……呼……嗯……嗯!”
ぴたりと抱き寄せくっつき合う。クラウドに抵抗はなく、それどころか次第に深く変わる行為に身体がしなだれかかる。縋るように、いつの間にか両手がセフィロスの首や背中を抱いていた。
两人紧紧相拥,贴合在一起。克劳德没有抵抗,反而随着行为逐渐深入,身体也随之软化。不知不觉间,他的双手已环抱住萨菲罗斯的颈项和后背,仿佛在寻求依靠。
くちゅりと唾液が音を立てる。
唾液发出“咕啾”的声音。
ふるりとクラウドの身体が震える。
克劳德的身体微微颤抖。
上唇を舐め、どちらのものか分らなくなった液体を舐め、やんわりと口付ける。可愛いリップ音がマシュマロのように甘かった。
他舔了舔上唇,舔舐着不知是谁的液体,然后温柔地吻了上去。可爱的亲吻声像棉花糖一样甜美。
「……セフィロス…さん」
“……萨菲罗斯……先生。”
何物にも染まらない真っ青の双眸が、滲む。
不染任何杂质的湛蓝双眸,渐渐模糊。
綺麗な青は瞬き、その度に艶めいて誘ってくる。
美丽的蓝色眨了眨眼,每一次眨眼都显得光彩照人,充满诱惑。
濡れた唇、濡れた吐息、熱を伴う何処か。
湿润的唇,湿润的叹息,带着热度的某个地方。
「……好き、……愛してます」
“……喜欢,……我爱你。”
濡れた眼差しを向け、クラウドはそう零す。
克劳德带着湿润的眼神,低声说出这句话。
言の葉は媚薬だった。抗いがたき誘惑と清らかな調べを織りなし、セフィロスを虜にする。
言语是媚药。它编织出难以抗拒的诱惑和纯洁的旋律,将萨菲罗斯俘获。
籠絡は予定調和。
笼络是预料之中的事。
セフィロスはクラウドに溺れた。
萨菲罗斯沉溺于克劳德。
「お…れ………こんな事に……なるな…んっ……ん!!」
“我……我竟然……会变成这样……嗯!!”
黒檀のデスクでは白い足跳ね、黄金が寝乱れる。曝かれた肢体は無垢なのだと物語っていた。
乌木书桌上,白皙的双腿跳动,金色的发丝凌乱。暴露的肢体诉说着纯洁无瑕。
全ては杞憂だったのだ。
一切都只是杞人忧天。
「……お、奥、…やらっ………だ、だめ……」
“……哦,里面,……不要啊………不,不行……”
零れた涙を吸い取られ、瞼に口づけを幾度も落とされる。
溢出的泪水被吸走,眼睑上被无数次落下亲吻。
「ぁ……ひぁっ! ……あぁ…ン……」
“啊……哈啊!……啊啊…嗯……”
初な耳朶に囁かれるのは邪な甘言で、質が悪い。けれどもどこもかしこも蕩けたか、熱くてたまらない熱源に焦らされれば嫌はなかった。
初次听闻的耳语是邪恶的甜言蜜语,质量很差。但当他被那无处不在的、融化一切的、炙热难耐的热源所折磨时,他却并不抗拒。
誑かされ、唆されたように啼いてしまう。欲しがってしまう。
他像被欺骗、被唆使一般地哭泣着。他渴望着。
「……いっ、好いで…す、………あああっ、キモチいい、好いから、………もっとシて」
“……嗯、好…了、………啊啊啊、好舒服、好舒服、………再多做点。”
埋め込まれた大きなモノを、ぎゅうぎゅうにクラウドは締め付けていた。
克劳德紧紧地收缩着,将那埋入体内的巨大之物牢牢地夹住。
暫く聞かなかった振動音に目を覚まさせられる。
许久未曾听到的震动声将他从睡梦中唤醒。
セフィロスは朧気な記憶を頼りに、その五月蠅い何かを黙らせるため手に取った。
萨菲罗斯凭着模糊的记忆,拿起那吵闹的东西,试图让它安静下来。
「……何だ?」
“……什么?”
「何、ダンナってばオヤスミ中かよ」
“什么啊,老板你还在睡觉啊。”
「ほっとけ。意味が無いなら切るぞ」
“别管了。要是没意义我就挂了。”
「って、待て待て! それよか、クラウド知らねー? 昨夜家に帰ってなかったみたいで、お袋さんはそれほど心配してねーみたいだけど、まあ、でも一応気になるだろ。だからセフィロス先生ご存じないかな~って」
“等等,等等!比起那个,你知不知道克劳德去哪儿了?他昨晚好像没回家,他妈妈虽然没那么担心,但总归还是有点在意吧。所以我就想问问萨菲罗斯老师知不知道他去哪儿了?”
「死んではいない。………そうだな、お前悪巧みは好きか?」
“他没死。……这样吧,你喜欢搞恶作剧吗?”
「時と場合によります、サー」
“那要看情况,先生。”
「お前も見たアレな。あの元ネタに俺は心当たりがある。だからそれを処分したいが、ただ処分するだけではつまらない。それに復讐は我にあり! と、昔の偉い人も言っている。だから俺はお茶目に報復計画を立てたい。そんなわけで、お前も楽しく腹黒アイディアの一つぐらい考えろ。期日は明日の昼厳守。あと、俺への連絡は明日の昼過ぎまでしてくるな。全力で拒否する」
“你也看到了那个东西。那个原版我有点头绪。所以我想把它处理掉,但只是处理掉就太无聊了。而且复仇是我的事!古时候的伟人也这么说过。所以我想制定一个俏皮的报复计划。既然如此,你也想一个有趣的腹黑主意吧。截止日期是明天中午,严格遵守。还有,明天下午之前不要联系我。我全力拒绝。”
一方的にそう告げると、セフィロスは主電源ごと落とすと適当な場所に置く。
萨菲罗斯单方面地宣告完,便将主电源一并关掉,随意地放在一个地方。
それよりも、探してみればあるものだ。此処は何処のウータイ屋敷なのだろう。まさかと思いつつ、仮眠室はないかと思えばこっそり本棚の影に巧妙に隠された秘密のボタンをぽっちとな。前回は冷静さに欠いていたため見逃したらしい。押せば出て来る出て来る謎の部屋はシャワールームも設置されたワンルームで寝台も備え付き。しかも大変綺麗な状態だった。
比起那个,没想到找找还真有。这里是哪里的五台宅邸啊。虽然觉得不可能,但想着有没有午休室,便悄悄地按下了书架阴影处巧妙隐藏的秘密按钮。上次因为缺乏冷静而错过了。一按,便出现了一个又一个神秘的房间,那是一个带淋浴间的一居室,还配有床铺。而且状态非常干净。
そう、まるで最近誰かが泊まり、もしくは整えたかのよう。
没错,就像最近有人住过,或者整理过一样。
推して知るべきだが、今はどうでもいい。むしろこのベッドが有り難い。
不言而喻,但现在无所谓了。反倒是这张床让我感激不尽。
がっついてしまったので、無理をさせた感があるクラウドを介抱するのに大助かりだった。しかも室内にあるボタンを押せば、勝手に本棚が動きあちらの書斎は元通り。パスワード制のキー設定も出来るため、迂闊に外部からの侵入も防げる。無論、様々な書籍やファイルが密集している書斎のお陰で、この隠し部屋内の音が漏れることもないだろうという、素敵防音効果まである。
我有些急不可耐,所以克劳德似乎有些勉强,幸好有他帮忙,我才能好好照顾克劳德。而且只要按下室内的按钮,书架就会自动移动,那边的书房也会恢复原样。还可以设置密码锁,有效防止外部入侵。当然,由于书房里堆满了各种书籍和文件,这个密室里的声音也不会泄露出去,甚至还有绝佳的隔音效果。
食料がないのが残念無念ぐらいか。仕方が無いので、軽く身支度して迅速且つ見つからぬように上にある非常食を持ってくる予定である。クラウドに評判が悪いチョコレートバーだが、セフィロスは愛情というコーティングで許しを請うつもりだ。
唯一的遗憾就是没有食物。没办法,我只好简单收拾一下,准备迅速且不被发现地去上面拿些应急食品。虽然克劳德不喜欢巧克力棒,但萨菲罗斯打算用爱意作为糖衣来请求他的原谅。
一人にやにやしながら最愛の寝顔を眺めていたセフィロスだったが、先ほどの振動音もしくは会話で起こしてしまったらしい。長めの睫が揺れ、麗しの蒼い瞳が顔を覗かせる。
萨菲罗斯独自一人傻笑着凝视着爱人的睡颜,但刚才的震动声或对话似乎把他吵醒了。长长的睫毛颤动着,美丽的蓝色眼睛探出脸来。
「……ん………セフィ…ロスさん」
“……嗯……萨菲……罗斯先生。”
「クラウド、無理に起きなくていい。まだ眠っていて構わない」
“克劳德,不用勉强自己起来。你还可以继续睡。”
「平気です……」
“我没事……”
そういって、クラウドはまだあどけなさの残る顔を真っ赤に染めていた。自分が全裸であり、セフィロスも同様の姿だと思い到ったのだろう。ついでに、昨夜のことも思い出したのかもしれない。
克劳德说着,稚气未脱的脸上泛起一片潮红。他大概是意识到自己一丝不挂,而萨菲罗斯也同样赤裸着。或许,他还想起了昨晚发生的一切。
「ザックスからの電話ですよね」
“是扎克斯的电话吧。”
「ああ、だが明日の昼過ぎまで会うこともない」
“嗯,但明天下午之前我们都不会见面。”
「悪巧みって何ですか?」
“什么叫‘搞鬼’?”
クラウドは可愛い笑顔で曰ったが、その実全く笑ってもいない。いつぞや備品を壊した時に繰り出された裏拳を思い出す。鉄拳制裁五秒前といったところだ。
克劳德说着,脸上挂着可爱的笑容,但实际上他根本没笑。扎克斯回想起不知何时他弄坏设备时克劳德使出的反手拳。现在大概是铁拳制裁前五秒。
「カクカクシカジカ」
“这样那样。”
「セフィロスさん、俺と別れたいんですネ」
“萨菲罗斯先生,您是想和我分手吧。”
「実はクラウド……俺は100%人間じゃない」
“其实克劳德……我不是百分之百的人类。”
容赦ない脅しに、セフィロスは呆気なく白旗を振る。いいや、それどころではない。うっかり昨日言い忘れたことを今いったに過ぎない。まあ、大体これもクラウドが可愛いからいけないと思うのだが、理由になりませんと従卒代理殿が即切りしてくるのは明白だった。
面对毫不留情的威胁,萨菲罗斯干脆地举起了白旗。不,远不止如此。他不过是把昨天不小心忘了说的话现在说了出来。嘛,他觉得这大概也是因为克劳德太可爱了,但很明显,如果他这么说,他的副官代理大人会立刻打断他,说这不能成为理由。
あっさりといえばあっさりな内容に、クラウドはため息を軽く一つする。ちょっと悩ましげに見えてしまうのは、恋人の欲目か。それとも本能のもたらす欲望のせいか。はたまたどっちだろう。
内容简单得不能再简单,克劳德轻轻叹了口气。他看起来有点苦恼,这是情人眼里的西施,还是本能带来的欲望使然?又或者是两者兼有?
「このタイミングでカミングアウト……しますか、普通?」
“在这种时候出柜……正常人会这么做吗?”
「恋人を取り消すか?」
“要解除恋人关系吗?”
「しません、絶対にしません。でも、自分で怖いと思っていることをわざわざいうのって………セフィロスさんはマゾですね」
“不,绝对不会。但是,特意说出自己觉得可怕的事情……萨菲罗斯先生真是个抖 M 啊。”
さてどうだろうと思いつつ、目の前の美味しそうな白い肌に指を這わせてみる。
我心想,这下会怎么样呢,同时将手指抚上眼前那美味的白色肌肤。
ぴしゃりと一度叩かれるが諦めはしない。つつつと、赤い実を撫でてみた。弾いてみる。
被啪地打了一下,但我没有放弃。我轻轻地抚摸着那红色的果实,又弹了弹。
「クラウドになら刺されても、魔晄炉に落とされても、必殺技を食らっても、ライフストリームの中で殺し合ってもいい。人生二週分の愛情があるからな」
“如果是克劳德的话,就算被他刺死,被他扔进魔晄炉,被他吃下必杀技,甚至在生命之流里互相残杀,我都无所谓。因为我有两辈子份的爱。”
「俺はそんな面倒ごと、お断りです! ……っ、や、ば、ばか……ぁン、あンン」
“我可不要那种麻烦事!……唔,呀,笨、笨蛋……啊嗯,啊嗯嗯。”
ギシリと軋み、白い寝台の中で淫らな吐息が籠もる。きゅっと摘ままれ身をよじり、押しつぶされて甘い声が漏れていく。
吱呀作响,淫靡的喘息声弥漫在洁白的床榻间。被紧紧捏住,身体扭动,被压抑的甜腻呻吟声溢出。
身体が思い出す目新しい記憶に、クラウドの表情も啼き声も忠実だった。
身体回想起的新鲜记忆,克劳德的表情和啼哭声都忠实地反映着。
疼く箇所を押しつけて、実に官能的に揺らめいていく。
按压着疼痛的部位,身体以一种极其感性的方式摇曳着。
「そのうち、俺だけを欲しがるように躾けたくなるな」
“总有一天,我会想把你调教成只渴望我一个人。”
耳朶を這う低い声に「バカ」と短く詰り、従卒代理権恋人殿は再び愛を交わしあう。
耳边低沉的声音传来,他短促地骂了声“笨蛋”,代理侍从兼恋人殿下再次与他缠绵。
ストロベリージャムより甘い甘いお強請りが聞こえ始めるのも、じきだった。
没过多久,比草莓酱还要甜腻的撒娇声便开始响起。
【オマケ】
【附赠】
「……やぁ…ッ!!!!」
“……呀啊……!!!”
寝台が軋む。用途が間違っているのだからしかたない。
床铺吱呀作响。用途不对,也没办法。
ギシギシと奏でる音の淫らさは、籠もった熱と忙しない吐息の相乗効果で毒のように鼓膜を侵す。しなる利き足がシーツを引っかけ、意味深な皺ばかり増やしていく。跳ねる奔放な金髪も同じこと。
吱呀作响的淫靡之音,在密闭的热气和急促的喘息的相乘作用下,如毒药般侵蚀着耳膜。弯曲的惯用脚勾住床单,徒增了许多意味深长的褶皱。肆意飞扬的金色头发也是如此。
クラウドは先ほど伸ばした指先を、またシーツに縫い付けられてむずがった。嫌々と首を振る。
克劳德刚才伸出的指尖,又被缝在床单上,让他感到不适。他厌烦地摇了摇头。
「ば、…ば…かぁ……」
“笨、……笨……蛋啊……”
「違うだろう」
“不对吧。”
言うべきはそれではないと、相手に耳がらを食まれ甘噛みされる。途端、内ももが痙攣し腰が浮くが、それだけだ。そういえば、もう随分前に「躾けたい」とかなんとかいっていたのを思い出すが、焦がす熱源に焼かれクラウドは上手く思惟が紡げない。
他还没来得及说出那句话,就被对方含住了耳垂,轻轻啃咬着。内侧大腿立刻痉挛起来,腰也随之抬起,但仅此而已。他突然想起很久以前对方说过“想调教”之类的话,但被灼热的欲望烧灼着,克劳德无法顺利地组织思绪。
「やっ、ら……らめ…、んっ、ふ、…──ぁン…あぁんっ」
“不、不……不要……嗯、呼……——啊嗯……啊啊嗯!”
浮いた腰が次には沈み、また浮き上がる。擦りつけようとすれば、巧みに相手がかわしてしまう。揺らめく度に掴むシーツの皺が深まった。目眩のを帯びた視界の中で、両足の狭間に突き立てられたのは相手の獣じみた貪欲さ。しかし、呼応すようにクラウドのそこは嬉々として飲み干すのだ。
抬起的腰随即下沉,又再次浮起。他想蹭上去,却被对方巧妙地躲开。每次摇晃,他抓着的床单褶皱都更深了。在眩晕的视线中,插在他双腿之间的是对方野兽般的贪婪。然而,克劳德的那个地方却仿佛回应一般,欣然地将其吞噬。
爛れた情欲がクラウドをより刺激する。欲しがるばかりで、随分な排泄器官である。
糜烂的情欲更加刺激着克劳德。他只知道索取,简直就是个排泄器官。
もう、限界に近い。
已经快到极限了。
もう、勘弁して欲しい。
求求你,放过我吧。
もう、もう…────
求求你,求求你……────
「ゆるし……て」
“原谅……我。”
息もたえたえで、クラウドは告げた。
克劳德气若游丝地说道。
自分の中に居座る相手に、そう懇願した。最早、他の道はない。
他向盘踞在自己体内的对方恳求道。事到如今,已别无他法。
何よりも、昨夜も行った行為のせいですっかりクラウドは分ってしまった。躯も十二分に覚えてしまった。自分のそれよりも大きかったり長かったりするのだとか、カタチとか熱さとか。或いは自分と比べても意味ないとか、体格差があるのだからとか、細々とした思考がどんどん白くなっていく。
最重要的是,克劳德已经完全明白了,因为昨晚也做了同样的事。身体也已完全记住了。比自己的更大更长,形状和热度也不同。又或者,和自己比较毫无意义,因为体格差异,诸如此类的细枝末节的思绪渐渐变得空白。
ドロドロと熔岩のごとく熱いものがつもり積るが、決して流れ出はしない。決壊しかかっているというのに、零れていくことすら無理だった。
炽热之物如熔岩般翻涌堆积,却绝不溢出。即便已濒临溃堤,却连一丝一毫都无法流泻。
それもその筈で、クラウドは再び手を伸ばそうとする。
果不其然,克劳德再次伸出手。
「駄目だ、クラウド」
“不行,克劳德。”
「や…だぁ……、おかしく…な…る」
“不……要……要疯……了……”
「おかしくなどなっていないだろう。まだ、こんなに感じているくせに」
“我才没有变得奇怪。明明现在感觉还这么强烈。”
たしなめると共に、内部の硬い先が一点を擦る。ぐちゅっと音を立てた。
我一边斥责,一边感到内部坚硬的顶端摩擦着一点。发出了咕啾的声音。
「────っっ!!!!!」
衝撃に、クラウドの声なき嬌声が迸り、両足が逞しい腰に絡みつく。それどころか浅ましく腰が蠢き、もう一度と強請るよう。事実、クラウドの美しい双眸が刹那惚けたようにとろけた。
冲击之下,克劳德无声的娇喘迸发,双腿缠上那结实的腰肢。不仅如此,他的腰还可耻地扭动着,仿佛在乞求再一次。事实上,克劳德美丽的双眸在那一瞬间变得迷离而痴呆。
「……クラウド、どうする?」
“……克劳德,怎么办?”
殊更優しい声音は、すぐ側。覆い被さる恋人からもたらされる。
殊更温柔的声音,就在近旁。来自覆在自己身上的恋人。
「このまま、中でイってみるか?」
“要不,就这么在里面射出来?”
そんなのは嫌だ、嫌だといっているのに今更よくいうものだ。
我才不要那样,都说了不要了,现在才来说这种话。
けれどもクラウドは怒鳴る気力も悪態をつけるほどの体力もない。何よりも、その根本的原因になっているモノをどうにかして欲しいかった。
可是克劳德连吼叫的力气都没有,更别说骂人了。最重要的是,他只希望那个根本原因能消失。
ただそれだけ。
仅此而已。
ただ、それだけだ。
就,仅此而已。
また、ゆるりと中が蠢き、合わせてクラウドの下肢も揺れる。無邪気に同じ男のものを頬張り、味わうように締め付ける。もうクラウドには恥ずかしいとか女みたいだとか考えている余裕などなければ、この行為が決して痛くて気持ち悪いというものでもないとも知っている。それこそ、今自分を抱いている相手に教え込まれたばかりだった。
体内又开始缓慢地蠕动,克劳德的下肢也随之摇晃。他天真地含着同一个男人的东西,像品尝一般地收紧。克劳德已经没有余力去思考什么羞耻不羞耻、像不像女人了,他也知道这种行为绝不是痛苦或恶心的。这正是他刚刚被抱着自己的那个人教会的。
昨夜も凄かったが、今夜もどうなってしまうのだろう。白い体液を吐き散らかし、恥も外聞も無く啼かされるのだろうか。
昨晚已经很厉害了,今晚又会变成怎样呢?会不会喷洒出白色的体液,不顾羞耻地啼叫呢?
怖いと思っている端から、いやらしいことでクラウドの頭がいっぱいになる。覚え立ての快楽が、気持ちよさが、理性を食い尽くしていく。口端から絶えず漏れる嬌声が彼の全てだった。
他一边感到害怕,一边又被下流的事情塞满了脑袋。刚刚学会的快感、舒适感,正在一点点地吞噬他的理智。从嘴角不断溢出的娇声,就是他的全部。
ぬちぬちと焦れた相手の動きは本当に最低の最悪なのに、もっと続けて欲しくてどうしようもない。昼間、ローション代わりに持ってきたオイルのせいで、卑猥な音が止ることもない。延々と鼓膜が犯されていた。
对方磨磨蹭蹭的动作真是糟糕透顶,可我却又无可奈何地希望他能继续下去。白天,他用作润滑剂的油让淫靡的声音从未停止。我的耳膜被无休止地侵犯着。
クラウドは恋人を見つめる。
克劳德凝视着恋人。
セフィロスを見た。
他看向萨菲罗斯。
熱が強すぎて零れる涙が、一筋頬を伝う。口元は耐えぬ吐息で濡れそぼる。それでももっともっといやらしくすすり泣く場所がある。
热度太强,泪水溢出,沿着脸颊流淌。唇边被无法抑制的喘息濡湿。即便如此,仍有更下流、更令人抽泣的地方。
「…ひ……紐……とって、」
“……把……把绳子……解开。”
「取るだけでいいのか?」
“只要解开就行了吗?”
「…………い、…いかせて………いっぱい…イク、……いきた…い」
“…………要、……要让我……高潮……好多次……想……高潮。”
「ああ、クラウドが望む以上にイかせてやるさ」
“啊,我会让克劳德高潮到你所期望的程度的。”
耳朶の際、皮膚の薄い場所をキツく唇が吸い上げる。彼の手が乱れた金髪を愛しげに梳く。
唇紧紧吸吮着耳畔皮肤薄弱之处。他的手爱怜地梳理着凌乱的金发。
「ァッ…────ンぁあああああっン!!!」
“啊……嗯啊啊啊啊啊啊嗯!!!”
ズンッとした一突きに声が上がった。
一声沉重的猛烈撞击让他发出了声音。
まま、クラウドの中のモノが幾度も大きく突き上げていく。それに伴い、ずっと、ずっと戒められていた根幹が解かれていた。
接着,克劳德体内的东西一次又一次地猛烈顶撞着。随之,一直被束缚的根基也彻底解开了。
あられもない嬌声は歓喜に震え、白濁したものを迸らせる。
不成体统的娇声因欢愉而颤抖,喷涌出白浊的液体。
クラウドは自身の体液でたっぷりと己を汚しながらも、繰り返されるだろう恋人の行為を望むのだった。
克劳德的身体被自己的体液沾染得湿漉漉的,但他仍渴望着恋人会一再重复的举动。
時刻は不明。
时间不明。
軋むリズムに揺らめく下肢。終わりはまだ見えない。
下肢在吱呀作响的节奏中摇曳。结束仍遥遥无期。
上下に動く胸元には赤い実が凝り、余程丹念に可愛がられたらしい。誓約の印のごとく花弁がたっぷりと刻み込まれていた。
胸脯随着起伏,红色的果实凝结其上,想必是被精心爱抚过的。花瓣如同誓约的印记般,深深地刻印着。
室内で奏でる音は変わらぬまま、淫らに尽きる。いや、むしろ濃厚でまとわりつくように粘ついている。
室内奏响的声音一如既往,淫靡至极。不,倒不如说,它浓郁而缠绵,黏腻得化不开。
「あ、あ、あ……あぁンっ、あン、あッああん!!」
“啊,啊,啊……啊嗯!啊嗯,啊啊嗯!!”
ひっきりなしに続く声は掠れがちで、行為の経過を雄弁に語った。それどころか、トロトロと滴るそれが最早止らない。
连绵不绝的声音带着沙哑,雄辩地诉说着情事的经过。不仅如此,那黏稠的液体已然止不住地滴落。
グリッと強く押し上げられる。
被用力地向上顶起。
「ンァ…ぁあああッ───!!!!」
“嗯……啊啊啊啊啊——!!!”
いつの間にか変わっている体位にも気がつけないほど、クラウドは夢中になっていた。
克劳德沉浸其中,甚至没有注意到两人不知何时变换了体位。
「……クラウド」
「……克劳德。」
甘い囁きは背後から。獣のように番い交わる相手からだ。
甜腻的低语从身后传来。那是像野兽般交合的伴侣发出的声音。
後ろではぐちゅぐちゅと掻き回すような音と、パンパンとぶつかり合う音しかもう聞こえない。
身后只剩下黏腻的搅动声和啪啪的撞击声。
「は…ぁん…」
“哈……嗯……”
クラウドはうっとりと答えた。
克劳德陶醉地回应道。
「気持ち好いか?」
“舒服吗?”
「……イイ…れ…す」
“……好…舒…服…”
中でまた大きくなる。またいかされると、クラウドはうっすらと思う。
他在里面又胀大了。克劳德隐约觉得,又要被他弄出来了。
そして、もうそれが焦がれてたまらない所まで、躯はすっかり学習してしまったのだろう。日の差さぬ部屋では、未だ夜が続くのだった。
而他的身体,大概也已经完全学会了,甚至渴望着这种感觉吧。在阳光照不进的房间里,黑夜仍在继续。
翌日、英雄の素晴らしい回復魔法でただの筋肉痛程度ですんだクラウドは、脱ぎっぱなしのままになっていた軍装に身を包む。どうやら恋人は律儀に畳んでくれていたらしい。皺にならずに助かった。時間の感覚が不明で確認のしようもないが、ザックスとの会話を思いだせば多分三日は経過していまい。
翌日,克劳德在英雄那出色的恢复魔法下,只剩下肌肉酸痛,他穿上随意脱下的军装。看来恋人很规矩地帮他叠好了。没起皱真是帮了大忙。虽然时间感模糊,无法确认,但回想起和扎克斯的对话,大概已经过了三天了吧。
それにしても随分と濃厚な時間だった。改めて考えても、濃いとしかいいようがない。
即便如此,那也是一段相当浓郁的时光。再怎么回想,也只能用“浓郁”来形容。
思わず腰を拳で叩きたくなる。
他忍不住想用拳头捶自己的腰。
───これって、多分若さ故の回復もあるんだろうな。
——这大概也是因为年轻,所以恢复得快吧。
と、クラウドは思うのだ。
克劳德心想。
回復魔法は本来の治癒能力を飛躍的に向上させるのが基本であり、そこへ魔素や魔力値といったものが関係してくるのだが、やはり年齢や体質というものにも影響されるらしい。
恢复魔法的基本原理是大幅提升原有的治愈能力,其中涉及到魔素和魔力值等因素,但似乎也受到年龄和体质的影响。
分かりやすいのがソルジャーだ。ソルジャーの強みは勿論人並外れた身体能力だが、この回復魔法の効果も彼らにはてきめんだ。副作用といっても差し支えない回復後の疲労に関しては、特にそう。ソルジャーの特異体質が成せる技なのだろう。彼らは回復魔法に強く、体力馬鹿だからか後に訪れる肉体疲労を殆ど感じない。
最显而易见的就是特种兵。特种兵的强项当然是超乎常人的身体能力,但这种恢复魔法的效果对他们来说也立竿见影。特别是恢复后产生的疲劳,说是副作用也不为过。这大概是特种兵的特殊体质才能做到的吧。他们对恢复魔法有很强的抗性,或许是因为他们是体力怪物,所以几乎感觉不到之后到来的身体疲劳。
ウータイ戦線でのソルジャーは殆どフルタイムだったという逸話もある。回復魔法による不眠不休の戦いだ。ただし、疲労というものには精神的な蓄積もあり、何割かは心を患い専門の病院に隔離されているとも聞く。
甚至有传闻说,在乌泰战线上的特种兵几乎是全天候作战。这是通过恢复魔法实现的不知疲倦的战斗。然而,疲劳也包括精神上的累积,据说有相当一部分人因此患上心理疾病,被隔离在专门的医院里。
24時間だなんて何処の企業戦士だ!と、懐かしいテレビCMのフレーズを思い出しつつも、今回自分が味わったセックスを思うと……ただの誇張とは思えない。
“24 小时不打烊,这是哪家企业战士啊!”他一边回忆着这句令人怀念的电视广告语,一边想到自己这次体验的性爱……这可不是单纯的夸张。
これに関して、自分が相手についていけるのか大変疑わしい。クラウドは小さくため息を一つした。
关于这一点,他非常怀疑自己是否能跟上对方。克劳德轻轻叹了口气。
「どうした? まだ痛むか? 何処か傷でもあるのか?」
“怎么了?还疼吗?哪里受伤了吗?”
シャワーを浴びてすぐに来たのだろう。濡れた髪のままの恋人が───セフィロスが、背後からクラウドを覗き込む。その表情は真剣そのものだ。戦闘服のコートは未着用の為半裸のままバスタオルを肩にかけ、多分乾かす途中だったのかもしれない。見事な筋肉は芸術の域に近く古代の彫刻めいていたが、クラウドは僅かに照れた。
他应该是洗完澡就立刻过来了。湿着头发的恋人——萨菲罗斯,从克劳德身后探过身来。他的表情无比认真。战斗服外套还没穿,他半裸着,肩上搭着浴巾,也许是正在擦干身体。他那完美的肌肉近乎艺术品,像极了古代雕塑,克劳德却微微有些脸红。
今までは憧れで格好いいが最優先だったのに、この数日で思考は変わってしまった。セクシャルな面を意識してしまい、同じ格好いいでも孕む熱の質が変わってしまった。
以前,他最优先考虑的是对萨菲罗斯的憧憬和帅气,但最近几天,他的想法变了。他开始意识到萨菲罗斯性感的一面,同样是帅气,其中蕴含的热度却变了质。
「セフィロスさんは、」
“萨菲罗斯先生,”
いいかけながら思う。
他边说边想。
恋人同士、プライベート時もさん付けというのは良いのだろうか。堅苦しいと思われないのかと考えつつも、だからといって呼び捨てなどまだまだ無理過ぎて、クラウドには出来ない。
作为恋人,在私下场合也用“先生”称呼对方,这样好吗?他一边想着会不会显得太生硬,一边又觉得,即便如此,要直呼其名也还太勉强了,克劳德做不到。
「何だ?」
“怎么了?”
「……セフィロスさんは……、その、………俺のこと」
“……萨菲罗斯先生……那个,……您对我的事……”
「好きだ」
“喜欢。”
ぽたりと、髪から滴が落ちる。
一滴水珠从头发上滴落。
臆面もなく告げるのは天下の英雄様で、そういうところが実に彼らしい。
厚颜无耻地告白的是天下英雄,这种地方确实很像他。
「クラウドを愛している。足りないなら、もっと告げようか?」
“我爱克劳德。如果不够,要我再多说点吗?”
「そ、そうじゃなくて!」
“不、不是那个意思!”
跪いて一体何をするつもりだとクラウドは慌てて、そして今一度確かめたいことを口にした。
克劳德慌了,跪着到底想干什么,他再次开口确认。
「えっと…えっと、……俺の、」
“呃……呃,……我的,”
ええい! とかなんとか心で意気込んで少年はぶっちゃけた。恋人にささやかな確認作業を行う。
哎呀!少年在心里鼓足勇气,坦白了。他对恋人进行了一番小小的确认。
「お、俺の身体目当て……とかじゃないですよね」
“你、你不是看上我的身体……之类的吧。”
「………」
“……”
「………」
“……”
しばしの沈黙が二人の間を通り過ぎ、しばしの硬直が一方を襲った。
短暂的沉默在两人之间流淌,短暂的僵硬袭向其中一人。
「………過ぎたのか?」
“……过去了吗?”
「え?」
“嗯?”
「ヤリ過ぎたのか?」
“是不是玩过火了?”
流石のセフィロスさんでも顔面蒼白で冷や汗とかあるんだなと、この時クラウドは思ったという。
克劳德心想,就算是萨菲罗斯,也会脸色苍白,冒冷汗啊。