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【6/30JB2024】カイザーの夏休み/おもち的小说

【6/30JB2024】カイザーの夏休み  【6/30JB2024】凯撒的暑假

7,422字14分钟

6/30 JUNE BRIDE FES 東1ホール ア25a
6/30 六月新娘祭 东 1 展厅 A25a

にて頒布を予定しました。  预计将在该处发布。

「カイザーの夏休み」全年齢  《凯撒的暑假》全年龄向
web再録+書き下ろし  网络再录+新写
A6/56p  A6/56 页
【booth】
https://omochi1lap.booth.pm/items/5873593

オフシーズンを日本で過ごすカイ潔の短編集。  在日本度过休赛期的凯洁短篇集。
山に登ったり、コイン精米に行ったりします。  去爬山,去碾米厂。

上げているカイ潔夏休み話(novel/20717210)に加筆修正し、書き下ろしを追加して1冊にしました。
在原发布的凯洁暑假故事(novel/20717210)基础上进行增补修订,并新增未公开内容集结成册。

表紙イラストは伊藤止めさん(user/777230)です。素晴らしいカイ潔をありがとうございます!
封面插画由伊藤止め(user/777230)绘制。感谢您带来如此精彩的凯洁同人图!

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ミッション:ぬいぐるみを生まれ変わらせよ  任务:让玩偶重获新生


「よっちゃん、このぬいぐるみ覚えてる?」  “小耀,还记得这个玩偶吗?”
 練習から帰って昼飯を食べて、ひと休みしていたところに伊世がやってきた。薄い緑色のもこもこしたものを抱えている。
从训练场回来吃完午饭,正休息时伊世过来了。怀里抱着个浅绿色的毛绒绒的东西。

「……なんだっけそれ……」  “……那是什么来着……”
「やっぱり覚えてないかぁ。よっちゃんすぐ飽きちゃったものね」
“果然不记得了啊。小耀总是很快就对东西失去兴趣呢”

 受け取ってみると、デフォルメされたトリケラトプスなのか、可愛らしい恐竜のぬいぐるみだった。おすわりができるようなポーズで、表面はふわふわとしている。
拿到手里才发现,原来是个造型夸张的三角龙,一只可爱的恐龙玩偶。它保持着能坐立的姿势,表面毛茸茸的。

「なんとなく覚えてるようなそうでないような……」  "总觉得好像记得又好像不记得......"
 目の前に掲げてみても初対面な気がするが、伊世の手前、ぼやかした言い方をする。
虽然举到眼前也感觉像是初次见面,但在伊世面前还是含糊其辞。

「親戚の子がぬいぐるみ好きらしくてね。あげようかなって」
"亲戚家的小孩好像很喜欢玩偶呢。想着要不要送给他"

 伊世がちょっとくたびれたぬいぐるみの頭を撫でながら言う。
伊世轻轻抚摸着那个有点破旧的毛绒玩具的头说道。

「この子、お母さんとしては『かわいい!』って一目惚れしてよっちゃんに買ったんだけど、よっちゃんたらえびさんばっかり可愛がってたから、その子はすぐ飽きちゃったみたいで。もったいなくて取って置いたんだけど、あげるにはちょっと古いかしら」
"这孩子啊,作为妈妈的我当时觉得'好可爱!'就一见钟情买给阿良了。可是阿良那孩子只顾着宠爱虾先生,好像很快就对它失去兴趣了。我觉得太可惜就收起来了,不过现在要送人的话是不是有点旧了?"

 一部始終を聞いていたカイザーがこちらに手を伸ばした。トリケラの角の部分をむんずと掴んで世一の手から奪うと、そのままもこもこと握りつぶす。
全程旁听的凯撒突然伸手过来。他一把抓住三角龙的角部,从世一手里夺过玩偶,然后粗暴地揉成一团。

「おいカイザー、そんないじめんなって」  "喂凯撒,别这么欺负它啊"
「これなら多分洗える。傷んでなさそうだし」  "这样应该能洗。看起来也没坏"
「え?」  "诶?"
 カイザーがトリケラの角を掴んで立ち上がる。  凯撒抓着三角龙的角站了起来。
「イヨ、食器用洗剤貸してくれ」  "喂,把洗洁精借我用下"

 まずはガムテープでペタペタとほこりを取る。ガムテープをぬいぐるみに当てる前に自分の服に当てて粘着力を落とす小技付きである。
先用胶带粘掉灰尘。凯撒还耍了个小技巧——在把胶带贴到玩偶上前,先在自己衣服上贴几下降低粘性。

 次、風呂場に移動し、洗面器にぬるま湯を溜めて食器用洗剤を少し溶かす。そうしてできた湯にぬいぐるみを沈め、押し洗いをする。
接着转移到浴室,在脸盆里接满温水,溶解少许洗洁精。将玩偶浸入调好的温水中轻轻按压清洗。

 カイザーの手つきが優しくて、チームのやつらが見たら「これホントにカイザー? 夢?」と自分の頬をつねるだろうな、と世一は思った。
世一心想,凯撒手法这么温柔,要是被队友们看见,肯定会掐着脸颊怀疑"这真是凯撒?我在做梦?"吧。

 そのあとは念入りにすすぐ。三回も水を換えてやっと泡が立たなくなった。
最后仔细漂洗。换了三次水才终于不起泡沫了。

 また洗面器にぬるま湯を張り、今度は柔軟剤を溶かす。
又在脸盆里倒上温水,这次加入柔顺剂溶解。

 そこにぬいぐるみを沈めて三十分放置した。   把玩偶浸入其中静置三十分钟。
 放置している間は伊世が「ミーくん働いてくれてるから!」とお中元でもらった高そうなゼリーを出してくれた。しばし休憩。
 等待期间伊世说着"多亏米君在努力工作呢!", 拿出中元节收到的看起来很高档的果冻招待我。稍事休息。

 三十分後、ぬいぐるみを救出しタオルで水気を切る。
 三十分钟后,捞出玩偶用毛巾拧干水分。

 ここではすすがず、そのまま洗濯ネットに入れて洗濯機の脱水に十秒だけかけた。
我在这里没有犹豫,直接把玩偶放进洗衣袋,用洗衣机脱水功能只甩了十秒。

「そんな短くていいの?」  "这么短时间就够了?"
「形崩れるからな」  "时间长了会变形"
 洗濯機から出したぬいぐるみを歯ブラシでブラッシングして、ベランダへ連れて行く。ネットに戻してそのまま物干しの洗濯バサミにぶら下げた。
 把从洗衣机里取出的玩偶用牙刷梳理绒毛,然后带到阳台。重新装进洗衣袋后直接挂在晾衣架的夹子上。

 夏の午後の日差しは眩しいけど、日陰で風に揺れる洗濯ネットは穏やかで、それを二人で眺める。
夏日的午后阳光虽然刺眼,但树荫下随风摇曳的洗衣网袋却显得格外宁静,两人就这样并肩望着它。

「お前、どこであんな技身につけてきたんだよ」  "你从哪儿学来这种本事的啊"
 ちまちまと歯ブラシでブラッシングするカイザーが意外すぎて、世一はちょっとだけ引いた。ちょっとだけ。
看着凯撒用牙刷小心翼翼地刷洗的样子,世一实在太过意外,不由得稍稍后退了半步。真的只是半步而已。

 カイザーが揺れる洗濯ネットから視線を外さずに答える。
凯撒的视线始终没有离开晃动的洗衣网袋,轻声回答道。

「ぬいぐるみなんてどいつもこいつも、すぐに汚すだろう。でも汚れたら新しいのを買ってやればいいってわけじゃない。そうすると洗ってやるしかないからな」
“这些毛绒玩具啊,不管是谁都会很快弄脏的吧。不过弄脏了也不能直接买新的。那样的话就只能乖乖洗了。”

 世一の目が見開かれる。  世一瞪大了眼睛。
 だからあんなに優しい手つきで。  所以才会用那么温柔的手法。
 これまでにどんな人生を辿ってきたか、カイザーは大っぴらにしない。話すことや態度から察せられることはあっても、なかなかカイザーの言葉で聞くことはなかった。
关于自己至今走过怎样的人生,凯撒从不主动提及。虽然能从言行举止中察觉端倪,但鲜少听他亲口诉说。

 これまでのカイザーの人生に思いを馳せてふと瞼を伏せ、そして世一はカイザーに抱きついた。
回想起凯撒过往的人生,世一突然垂下眼帘,然后紧紧抱住了凯撒。

「実はミヒャエル・カイザーって優しいよな。みんなの前でももう少しだけいい子にしてたら、多少は好感度上がるのに」
"其实米歇尔·凯撒很温柔吧。要是在大家面前稍微表现得乖一点,好感度应该能提升不少"

「お前はそんな俺が見たいか?」  "你想看那样的我吗?"
「ははっ、それこそみんな腰抜かすだろうなぁ」  "哈哈,那样大家肯定会吓破胆吧"
 貴重な日本滞在の午後はぬいぐるみ洗濯ミッションで時間が過ぎていったけど、こんな過ごし方も悪くないなぁと世一は思った。
在日本难得的下午时光,世一在清洗玩偶的任务中度过,但他觉得这样的消遣方式也不错。

「ふわっふわなんだけど!」  “虽然软绵绵的!”
 夜間は取り込んで、次の日にまた干したぬいぐるみ。触ってびっくりした。何年前だかの買ってきた時よりふわふわなんじゃないか? と盛り上がる潔親子をふふんと眺めるミヒャエル・カイザー。「私が育てました」と言わんばかりの顔である。
夜间收进来,第二天又拿出去晒的玩偶。摸上去让人大吃一惊——比起几年前刚买回来时,是不是变得更蓬松了?看着兴奋不已的洁父子,米歇尔·凯撒"哼哼"地露出"这可是我养大的"般得意表情。

 ちょっとその顔が憎たらしいと思いつつも、ふわふわから手が離せない。思わずぎゅうと抱きしめて、思わず頬ずりしようとしたところではっとする。成人男性がすることじゃないなと気づいて手を離した。
虽然觉得那张脸有点可恨,却又无法从毛茸茸的触感中抽手。不自觉地紧紧抱住,正要蹭上脸颊时突然惊醒——这可不是成年男性该做的事啊,于是松开了手。

「ミーくんありがとう。明日渡してくるね」  "小米谢谢你。明天给你送过来哦"
 伊世がにこにこと紙袋にぬいぐるみを仕舞う。  伊世笑眯眯地把玩偶收进纸袋里。
 
 カイザーは、それを眺める世一がちょっと寂しそうに見えてしまったから。
凯撒觉得,望着这一幕的世一看起来似乎有点寂寞。

 そして、世一がぬいぐるみをぎゅうと抱きしめているところもばっちり見ていたから。
而且,他还清清楚楚地看到世一把玩偶紧紧抱在怀里的样子。

 それがとんでもなく可愛らしくて、カイザーに僅かばかり備えられた母性に直撃だったから。
这可爱到犯规的模样,直接击中了凯撒心底仅存的那点母性本能。

 カイザーはすっとスマホを取り出して某オンラインストアアプリを開いた。
凯撒迅速掏出手机,点开了某个网购应用。

 数日後、ドイツに帰国する世一の荷物にはぬいぐるみが一匹増えたのであった。
数日后,当世一启程返回德国时,行李里多了一只毛绒玩偶。

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