魔法はとけない 魔法无法解除
⚠️潔と凛、二人が同性愛者の設定で、そんな二人が同性愛者向けのマッチングアプリでマッチングする話です。
⚠️洁与凛,设定为同性恋者的两人,在同性恋交友软件上配对成功的故事。
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俺の恋愛対象は昔から男だった。 我从小就喜欢男生。
初恋は幼稚園の年中さん。一つ上の年長さんの中にとびっきりカッコ良い男の子がいた。背も高くて、年齢の割に大人びた雰囲気の大人しい男の子で、その子はよく俺と一緒にサッカーをして遊んでくれた。俺はその子が大好きで、毎日その子に会いにいくために幼稚園に通った。4歳の俺はこの胸のときめきが恋だなんてまだ分からなかったけれど。
初恋是在幼儿园中班时。大班里有个特别帅气的男孩,个子高高的,有着超越年龄的沉稳气质,是个安静的孩子。他经常陪我踢足球玩。我特别喜欢他,为了每天能见到他,连上幼儿园都变得积极起来。虽然四岁的我还不知道这种心跳加速的感觉就是恋爱。
ただ、そんな俺の淡い初恋は、男の子が幼稚園を卒園してしまって物理的に距離が空いてしまったことで、あっけなく終わってしまった。
然而这段纯真的初恋,随着那个男孩毕业离园,物理距离被拉远,就这样草草结束了。
その後、小学校、中学校、高校と進学していくたびに俺は恋に落ちた。相手はもちろん男の子ばかりだった。決まって、顔がカッコよくて、背が高くて、ちょっとクールでサッカーが上手な男の子を好きになった。もちろん、そのことは本人どころか友達にも言ったことはない。そもそも、俺が好きになった時にはそういう男の子には既に彼女がいたからだ。まあそりゃそう。そして毎回「何で俺ってモテそうな男の子ばっかり好きになっちゃうんだろう」と自分にガッガリした。俺って面食いなんだ。
后来升入小学、初中、高中,我每次都会坠入爱河。对象当然清一色都是男生。总是会喜欢上长相帅气、个子高挑、有点酷又擅长足球的男生。当然,这件事别说当事人,连朋友都没告诉过。毕竟每次我心动的对象早就名草有主了。唉,这也是理所当然的吧。每次我都会懊恼地想"为什么我总喜欢上这种受欢迎的类型啊"。看来我就是个颜控。
可愛い女の子に生まれたかった、と思ったこともあったけど、そしたら今みたいに好きになった男の子と一緒にサッカーは出来ないから、まあそれなら一生独身のままでも良いか、と思っていた。
也曾想过"要是能生为可爱的女孩子就好了",但那样的话就没法像现在这样和喜欢的男孩子一起踢足球了,所以转念一想,就算一辈子单身也无所谓。
高校2年の時、俺はブルーロックに召集され、そこで人生で何度目かの恋に落ちてしまった。相手は糸師凛。顔がカッコよくて、背が高くて、おまけにサッカーが上手い。今までの片思いしていた男の子とはレベルが違う。俺は凛に夢中になった。頭の中はサッカーと凛のことでいっぱい。でもこの恋は最初から諦めていた。なんたって相手は凛。凛はそもそも人を好きになる――恋愛を出来るようなタイプなのか疑問。しかも男相手なんて、この恋が成就する確率はゼロどころかマイナスに振り切れている。だから俺はいつものように、恋心は完全にひた隠しにしてただ友達として凛に接した。たまに抑えきれず好き好きオーラが漏れ出てしまった時もあったけど、凛は素っ気なく俺をあしらうので、俺は特に勘違いもせずにすんだ。
高二那年,我入选蓝色监狱计划,在那里经历了人生中不知第几次的怦然心动。对象是糸师凛。长相帅气,身材高挑,足球还踢得特别好。和以往暗恋过的男生根本不在一个层次。我彻底迷上了凛,满脑子都是足球和凛。但这段恋情从一开始就注定无望。毕竟对方可是凛——他究竟是不是会产生恋爱感情的类型都值得怀疑,更何况对象还是男性。这段恋情成功的概率别说归零,根本就是负值。所以我像往常一样,把爱慕之情完全隐藏起来,只以朋友身份与凛相处。偶尔抑制不住漏出爱慕气息时,凛冷淡的态度也让我不至于产生误会。
ブルーロックプロジェクトが終了後、俺は欧州のプロチームと契約した。凛も1年遅れで渡欧してきたけど、俺の所属するチームとは国は違った。凛とはブルーロックを出て以来、没交渉だった。俺の中で凛は、憧れでもあり不動の片思いの相手でもあったが、この恋が成就する可能性はない。成人も過ぎ、流石の俺も恋人が欲しくなったので、マッチングアプリというものに登録した。ゲイ向けのマッチングアプリだ。そこで何人かとマッチして会ってみた。俺は幼・小・中・高と常に誰かしらに片想いしてきたので、何人かに会えばそのうちの一人くらいは好きになれるだろうと思っていたのに。
蓝色监狱计划结束后,我签约了欧洲的职业球队。凛晚一年也来到欧洲,但和我不在同一个国家。离开蓝色监狱后我们就断了联系。凛在我心中既是憧憬的对象,也是永恒的暗恋目标,但这段恋情绝无可能实现。成年后,连我也开始渴望恋人,于是注册了交友软件。是专门面向男同的匹配软件。和几个人配对见面后,原以为从小到大多次单恋经历的我,只要多见几个人总会遇到心动的对象。
俺は、顔が良く、背が高く、筋肉質で、インテリそうな雰囲気の人をよく選んで会っていた。みんな優しくして紳士的だったけど、何故か誰にも心惹かれることがなかった。2,3回会ったらみんなすぐキスをしてこようとするんだけど、俺はいつもそれを反射的に避けてしまう。そのせいでなんだかギクシャクしてしまい、次第に会わなくなるのがいつものパターンだった。
我总爱挑选长相好、个子高、肌肉结实、看起来有学识的类型见面。虽然大家都温柔绅士,但不知为何始终无法心动。通常见面两三次对方就会想接吻,而我总是条件反射般躲开。这种尴尬局面往往导致关系逐渐疏远。
今日もマッチングアプリで出会った人と3回目のデートだったんだけど「そろそろ家に来ない?」なんて誘ってきた相手の言葉を反射的に断ってしまって、気まずい感じで相手とはお別れした。家に帰ってため息を吐く。俺って一生恋人とか出来ないのかも。
今天和交友软件上认识的人第三次约会,对方突然来一句"要不要来我家坐坐?",我条件反射地拒绝了,最后在尴尬气氛中道别。回到家叹了口气,我这种人大概一辈子都找不到对象吧。
シャワーを浴びて夕飯を食べてベッドに寝転ぶ。スマホを見たら今日のデート相手の男から一応『今日はありがとう』の連絡が着ていたけど、きっとこの男とはもう音信不通になるだろう。俺も『こちらこそありがとう』とだけ送ってスマホをベッドに放り投げた。
洗完澡吃完晚饭瘫在床上。看了眼手机,今天的约会对象倒是发了条"今天谢谢你"的消息,不过估计这人以后也不会联系了。我也只回了句"我也要谢谢你",就把手机扔床上了。
そもそもこういうマッチングアプリで会う場合、会ったら即セックスが基本のようだ。3回会っても手を出してこなかった今回のデート相手はまだ紳士的な方だった。それなのに俺はどうしても気乗りしない。セックスをするのが。してみたい気持ちはあるし、アナルは自分で開発済みなんだけど、病気も怖いし、変なプレイをして怪我でもしたらサッカーに関わるし。もうアプリなんて辞めちゃおうかな、でもそうしたら一生一人か……なんてウダウダしていると、ブブッとスマホが振動した。
说到底在这种交友软件上认识的人,见面就上床好像是默认规则。这次约会对象见了三次都没动手已经算绅士了。可我就是提不起兴致。虽然也有想做的心情,后庭自己早就开发好了,但又怕得病,万一玩太嗨受伤还会影响踢足球。要不干脆卸载软件算了,可这样下去真要孤独终老吗……正胡思乱想时,手机突然震动起来。
ベッドの上に投げ出していたスマホを手に取る。開くと、先ほどまで開いていたマッチングアプリの通知が着ていた。今日のデート相手からの返信かな?もう連絡ないと思ったんだけどな、なんて思いながら開くと『Euleさんがあなたをいいねしました』というメッセージが届いていた。
抓起扔在床上的手机。解锁后发现是刚才还在看的交友软件通知。难道是今天约会对象的回复?明明以为不会再联系了。点开一看,跳出一条消息:"Eule 给您点了喜欢"。
いつもこの通知が着た時は新しい出会いに嬉しくなるんだけど、今日はちょっと気が重い。どうせいつもの繰り返しで、この人とも結局上手くなんていかない。俺は取り敢えずそのEuleさんとやらのプロフィールページに飛んだ。すると。
每次收到这个通知时,本该为新的邂逅感到欣喜,但今天心情却莫名沉重。反正又是老一套,和这个人最终也发展不出什么结果。我姑且点开了那位名叫 Eule 的个人主页。结果——
「……嘘だろ」 「……开玩笑的吧」
Euleさんはプロフィール写真として上半身裸の写真を公開していた。顔は映っていない。上半身には綺麗に筋肉が付いている。うっとりするほど綺麗な身体だ。Euleさんは洗面所で鏡越しに自分の裸を撮影していた。左手はスマホ、右手の親指で少しだけズボンを引っ掛けてズラしている。あと少しで大事なところが見えそうだ。
Eule 居然把赤裸上半身的照片设为头像。虽然没露脸,但上半身肌肉线条分明。那具令人恍惚的完美躯体,正对着浴室镜子自拍。左手举着手机,右手拇指勾住裤腰微微下拉。再往下一点就能看到关键部位了。
「……エッロ」 「……太色了」
こんな素敵な人が何故俺をいいねしてくれたんだろう。こういうアプリでは顔を載せるか、Euleさんみたいに少しエッチな画像を載せた方がマッチング率が上がるからみんなそうしているけど、俺が公開しているプロフィールは最低限で、載せている写真も顔を切り取った全身の写真が1枚だけ。故に俺のマッチング率は低い。今までマッチングしてくれた人たちは「控えめな子が好きなんだ」とか「日本人が好きなんだ」とかそんな理由だった。
这么优秀的人为什么会给我点赞呢。在这种交友软件上,要么像大家那样上传露脸照片,要么像 Eule 先生那样放点性感照片,配对率才会高。可我的资料页面只填了最基本信息,上传的照片也只有一张裁掉脸的全身照。所以我的配对率一直很低。之前匹配到的人都说"喜欢含蓄的类型"或是"就爱日本人"之类的理由。
俺は取り敢えず震える手でEuleさんをいいねした。お互いがいいねをするとマッチング成立だ。Euleさんの公開しているプロフィールは少ない。身長は190近いようだ。年齢は俺の一つ下。タチ役希望。そして、日本人。
我用颤抖的手指给 Eule 先生点了赞。双方互赞就算匹配成功。Eule 先生公开的资料不多。身高将近 190。年龄比我小一岁。希望当攻方。还有,是日本人。
「あ、この人も日本人なんだ」 "啊,原来这人也是日本人"
なんとなくEuleさんが俺をいいねしてくれた理由が分かった。異国の地で同じ日本人を見かけたのでいいねしてみた、くらいの気安いものかもしれない。もしかしたらホームシックとか?親近感が沸いているとEuleさんからDMが届いた。
我似乎明白 Eule 先生给我点赞的理由了。大概只是在异国他乡看到同胞就随手点赞的程度吧。说不定是思乡病发作?正想着,Eule 先生发来了私信说觉得特别亲切。
『こんにちは』 『你好』
その一言だけ。慣れてないのか?俺は取り敢えずそれに返信した。
就这一句话。是不习惯吗?我姑且回复了他。
『こんにちは。いいねありがとうございます。同じ日本人なんだね?』
『你好。谢谢你的点赞。你也是日本人吗?』
『そう』 『是的』
『Euleさんってどこに住んでるの?俺はドイツの××ら辺。分かる?』
Eule 你住在哪里呀?我在德国××附近。知道吗?
流石に初対面の人間に詳細な住所を教えるのは怖いのでふんわりとした場所を教えた。Euleさんの家が近いと良いなぁと思っているとすぐに返信が着た。
毕竟刚认识的人就告诉详细住址有点可怕,所以只含糊地说了个大概位置。正想着要是 Eule 家离得近就好了,立刻就收到了回复。
『分かる。俺はフランスの▫︎▫︎の近く』 知道。我在法国▫︎▫︎附近
「えっ!?」 "诶!?"
俺は思わず声を出していた。Euleさんが言った地名は近いどころではなく、そもそも俺が住んでいる国と違った。隣国である。こういうアプリで出会う場合、ほとんどの場合、居住地が近い人間を検索する。俺も今までマッチングした人たちは、せいぜい電車で1時間圏内の人たちばかりだった。
我不由得惊呼出声。Eule 小姐所说的地名不仅离我很远,甚至根本不在我居住的国家——那是邻国的城市。使用这类交友软件时,大多数人都会优先搜索居住地相近的对象。迄今为止和我匹配的用户,最远也不过是电车一小时生活圈内的人。
「会えないこともないけど……。冷やかしかなぁ」 "倒也不是完全见不到面......该不会是在戏弄我吧?"
俺は内心ガッカリした。それと同時に、会えなくてガッカリするということは俺はEuleさんに会えることを楽しみにしていたのか、と自分に少し驚く。なんと返信しようと考えていると、Euleさんから追加でメッセージが届いた。
我内心涌起一阵失落。与此同时,我惊讶地发现自己竟会因为无法见面而感到沮丧——原来我一直在期待着与 Eule 小姐相见吗?正当我思索如何回复时,Eule 小姐又发来一条消息。
『ドイツにはたまに仕事で行く』 『我偶尔会因工作去德国』
そう言われて、Euleさんが全く俺と会う気がないわけではないのだとホッとする。
听她这么说,我松了口气,看来 Eule 并非完全不想见面。
『そっか。ねぇ、俺、顔写真とか送った方がいい?』 这样啊。对了,要不要我发张照片给你?
今までマッチングしたら、わりかしすぐに『顔が見たい』と言われることが多かった。顔を見せてOKそうだったらとんとん拍子で会う話になるし、ダメそうだったら向こうからの返信はなくなる。今回もそういう流れになるだろうと思っていたのにEuleさんの返信は意外なものだった。
以往配对成功后,对方多半会很快提出"想看看长相"。如果觉得颜值过关就会顺理成章约见面,要是看不上眼对方就会直接消失。本以为这次也会是同样的流程,没想到 Eule 的回复出乎意料。
『それはいい。別に顔に興味はない』 不必了。我对长相没兴趣
「顔に興味がない……?」 “对脸没兴趣……?”
それはそれで少し悲しいんだけど。隣国の人間とマッチするし、顔に興味はないとか言うし、この人は何が目的なんだ、と思っていると、Euleさんは言った。
虽然这么说有点让人难过。但既然能和邻国的人匹配成功,又说对脸没兴趣,这人到底图什么呢?正这么想着时,Eule 小姐开口了。
『それより身体が見たい。身体の写真を送ってくれ』 『比起脸,我更想看看身体。发张身材照过来』
そう言われて、そっちか……と思った。このアプリ、ヤリモクで使っている人も多い。割合で言うと恋人探し半分、ヤリモク半分といったところだろうか。俺はなんだかガッカリしてしまった。俺の目的は恋人探しだ。Euleさんと俺では目的が違う。
听到这句话,我恍然大悟——原来是这种目的啊。这个交友软件里,很多人都是冲着约炮来的。按比例来说,大概一半找恋人,一半求艳遇吧。不知为何我突然感到泄气。我是来找恋人的,看来和 Eule 小姐的目标并不一致。
『そういうの無理。俺は恋人を探してるんだ』 这种事不行。我在找恋人
正直にそう返すと、Euleさんからはすぐに返信が着た。
我老实这么回复后,Eule 先生立刻发来了回信。
『それなら俺と並行して恋人探しを続ければ良いだろ。お前が写真を送ったら、俺もお前に写真を送ってやる』
那你可以一边和我交往一边继续找恋人啊。你给我发照片的话,我也给你发我的照片
そう言われて少しドキッとした。Euleさんの写真。欲を言えば見たい。上半身の写真を見たけど、Euleさんの身体は俺の好みドンピシャだ。引き締まっていて、筋肉が浮いていて、俺のことを包み込んでくれそうにデカい。ズクッと身体が疼く。俺は思わず送っていた。
听到这话我心跳微微加速。Eule 先生的照片。说实话很想看。虽然只看过上半身的照片,但 Eule 先生的身材完全是我的理想型。精瘦结实,肌肉线条分明,看起来能把我整个包裹住的大块头。身体不由得燥热起来。我下意识就发了过去。
『どういう写真が欲しいの?』 『想要什么样的照片?』
Euleさんの要求は『顔は映さなくて良いから裸の写真を送ってくれ』だった。顔いらないって少し傷付くけどまあ仕方がない。俺は着ていた服をペラッとめくり、顔の下、胸元と腹筋が映る写真を撮ってEuleさんに送った。
Eule 的要求是『不用露脸,发张裸照过来就行』。虽然不需要露脸有点受伤,不过也没办法。我掀起穿着的衣服,拍了张从脸部下方到胸腹肌的照片发给 Eule。
既読はすぐに着いたけど、返信はなかなか返ってこなかった。俺も普段から鍛えているし、胸筋と腹筋には多少自信がある。Euleさんほどではないけど。そんなガッカリされるような写真ではないはず、と思っていると、Euleさんから返信が着た。
已读标记立刻显示,但回复迟迟不来。我平时也有锻炼,对胸肌和腹肌还算有自信。虽然比不上 Eule 就是了。正想着应该不至于让人失望到这种程度时,Eule 的回复来了。
『エロい』 『好色』
その一言で頬がカァッと熱くなった。エロい、なんて初めて言われた。今までマッチングアプリで裸の写真なんて送ったことないし、マッチングアプリで出会った人の前で裸になったこともなかったからだ。人生で初めて性的な目で見られて評価された快感。しかも相手は(身体だけしか知らないけど)すごく好みのタイプだ。
这句话让我的脸颊瞬间发烫。被人说"好色情"还是第一次。毕竟我从来没在交友软件上发过裸照,更没在匹配对象面前赤身裸体过。人生首次被用性意味的目光审视评价的快感。更何况对方(虽然只了解身体)完全是我的理想型。
『次は太ももが見たい。下着は脱がなくて良い』 『下次想看看大腿。不用脱内裤』
俺は言われるがままにボトムスを脱いだ。太ももまわりの筋肉も割と自信がある。足を開き、下着の膨らみを少し強調しつつ写真を撮って送る。Euleさんからすぐに返信が着た。
我依言脱下外裤。大腿肌肉线条还算有自信。分开双腿,略微凸显内裤隆起处拍照发送。Eule 先生立刻回复道。
『触って勃たせろ』 『摸着自己硬起来』
なんでこの人こんなに命令口調なんだ、さっき初めて知り合ったくせに、と思わなくもないけど、自分が性的に求められているという状況の誘惑に抗えない。俺は下着の上から自分のものを触り始めた。
虽然心里不免嘀咕"这人怎么这么爱用命令语气,明明才刚认识",却抵挡不住被对方渴求的性诱惑。我开始隔着内裤抚摸自己。
『いま触ってる』 正在摸
『ネタがいるか』 需要素材吗
そう言われて送られてきたのは男性の下半身の写真だった。下着姿だ。Euleさんのだ、とすぐに分かった。下着は不自然なくらいに盛り上がっていた。
收到的是男性下半身照片。穿着内裤。我立刻认出是 Eule 先生的。内裤被顶起不自然的隆起。
『デカ』 『好大』
俺は思わずそう送っていた。少しだけ見える太ももが太い。それと真ん中の盛り上がりもすごくデカい。その写真を見ていると、俺もどんどんエッチな気分になってきた。
我不假思索地回复道。隐约可见的大腿很粗壮。中间那处隆起更是大得惊人。盯着这张照片看,我也渐渐变得情欲高涨起来。
Euleさんから返信が届く。 Eule 发来了回复。
『少し触っただけだ』 『只是稍微碰了一下』
「少し触っただけでこんなにってどんだけデカいんだよ……」
"只是稍微碰一下就变成这样……到底是有多大啊……"
息が上がる。俺は下着から正気を取り出して直接触り始めていた。
呼吸变得急促。我把手从内裤里抽出来,开始直接触碰。
『興奮してきた』 『开始兴奋起来了』
『ちゃんと触ってんのか』 『你有在好好摸吗』
『触ってる。直接』 『直接触碰』
『それ送れ』 『发过来』
そう言われて少し躊躇う。直接性器の写真なんて送って良いんだろうか。なんか法律に抵触したりとかしないのか。不安だけど欲望には抗えなかった。俺は片手で性器をしごきながらその写真を撮って送った。
听到这句话我有些犹豫。直接发送性器官照片真的合适吗?会不会触犯法律什么的。虽然不安却无法抗拒欲望。我一边用单手撸动性器,一边拍下照片发了过去。
Euleさんからは数分後、写真だけが送られてきた。
几分钟后,Eule 只发来了一张照片。
骨張った大きな手のひらの上に白い液体がべったりと付いている。俺はその画像を見ながら自分の欲望を吐き出した。
骨节分明的大手掌心上沾满了白色黏液。我一边看着那张照片,一边宣泄着自己的欲望。
Euleさんとはその後、2,3日に一度は連絡を取ってエッチな写真を送り合った。Euleさんとは生活リズムが合うらしく、俺が送ればEuleさんからもすぐに返信があったし、俺が暇をしている時にEuleさんからたまたま連絡がくることも多かった。
后来我和 Eule 保持着两三天联系一次的频率互发色情照片。我和 Eule 的生活节奏似乎很合拍,每次我发过去 Eule 都会秒回,而当我闲下来时也常会碰巧收到 Eule 的消息。
様々な写真を送り合ったが、Euleさんから顔写真を要求されることはなかった。むしろ顔は入れるな、と毎回指定されるくらいだ。
我们交换过各式各样的照片,但 Eule 从未要求过我发露脸照。不如说每次都会特意强调"别把脸拍进去"。
俺はEuleさんと並行して何人かの人とマッチングして、そのうちの一人とデートをしたのだが、その日のデートは久々に最悪だった。会って早々にホテルに誘われたし、それを断ったら罵倒された。街中で。
在保持和 Eule 联系的同时,我还匹配过其他几个人,其中一位约会当天的体验堪称近期最糟。刚见面就被拉着去开房,拒绝后竟在闹市街头遭到辱骂。
傷心で家に帰ってシャワーを浴びて夕飯を食べてベッドに寝転ぶ。何かに癒されたい、と思った俺はEuleさんに連絡していた。
伤心地回到家,冲完澡吃完晚饭瘫在床上。渴望得到某种慰藉的我,给 Eule 发了消息。
『今日、デートしてきたんだけど最悪だった』 今天去约会了,结果糟透了
Euleさんとはエッチな写真を送り合うだけで雑談なんてほとんどしたことがない。こんな話題には乗ってくれないかもな、と思ったけどEuleさんからはすぐに返信が着た。
我和 Eule 平时除了互发色情照片几乎不闲聊。本以为她不会接这种话题,没想到 Eule 立刻回复了。
『何があった』 发生什么了
『会ってすぐホテルに誘われてさ。断ったら怒鳴られた』
刚见面就约我去酒店。我拒绝后就被吼了
『ヤリモクだったんだろ。会う前に確認しろよ』 那家伙就是冲着约炮来的吧。见面之前就该确认清楚啊
『メッセージでは割と紳士的だったんだよ。俺が経験ないってのも伝えてたし』
他发消息时还挺绅士的。我也说过自己没经验...
『お前、経験ないのかよ。一度も?』 你居然没经验?一次都没有?
確かにEuleさんとはエロい写真を散々やり取りしているし、Euleさんからしたら俺が未経験なのは意外かもな、と思った。
确实和 Eule 交换过不少色情照片,在她眼里我居然还是处男可能挺意外的吧。
『経験ない。何人かとは会ってるけど、誰ともそういうことしたことない』
没经验。虽然见过几个人,但和谁都没做到那一步
『モテねぇのか』 你不受欢迎吗?
直球の質問に思わず笑ってしまう。モテない、と思ったことはないけど「何人かに会って誘われたりするけど気分が乗らないので全部断っている」というのもそれはそれで酷い話なので特に否定しなかった。
这个直球提问让我忍不住笑了。倒不觉得自己没人气,但"见过几个人被邀约过但都因为没兴致全拒绝了"这种说法本身也挺糟糕的,所以就没特别否认。
『そうかも。Euleさんはモテそうだね』 也许吧。Eule 先生看起来就很受欢迎呢
身体しか見たことないけど、Euleさんは絶対顔もカッコいい。雰囲気でわかる。写真越しに見る部屋の内装もシンプルでどことなくオシャレだし。多分、服もオシャレ。基本的に裸の写真しか見たことないから想像でしかないけど。
虽然只看过身体,但 Eule 先生的脸肯定也很帅。从气质就能看出来。透过照片看到的房间装修简约中带着时尚感。衣服应该也很有品位吧。虽然基本上只看过他的裸照所以纯属想象。
『モブに好かれても、好きな奴から好かれないなら意味がねぇ』
被路人喜欢有什么用,得不到心上人的青睐就毫无意义
その言葉に、お?となった。 这句话让我"哦?"地来了兴趣。
『Euleさん好きな人がいるんだ』 『原来 Eule 有喜欢的人啊』
『悪いかよ』 『不行吗』
『アプリやってるくらいだから片想いだよね?なんか意外。Euleさんモテそうだから』
『都用上恋爱 APP 了说明是单恋吧?有点意外。感觉 Eule 应该很受欢迎才对』
『ノンケなんだよ。相手』 『对方是直男啦』
そう言われて納得する。わかる。俺も好きになるのはノンケの人ばかりだ。Euleさんに急に親近感が湧いてくる。
听她这么说我恍然大悟。我懂。我也总是喜欢上直男。突然对 Eule 产生了亲近感。
『相手はどういう人なの?聞きたい。アドバイスとか出来るかも』
对方是什么样的人?想听听看。说不定能给你建议
俺、恋愛経験0だけど。Euleさんは断ってくるかと思いきや、意外にも普通に返信が届いた。
虽然我恋爱经验为零。本以为 Eule 会拒绝回答,没想到意外地收到了正常回复。
『別に。普通のやつ。顔も背も性格も普通。普通過ぎて特徴がないくらい普通』
没什么特别的。就是个普通人。长相身高性格都普通。普通到毫无特点的那种普通
「なんだそれ」 "那是什么啊"
思わず笑ってしまう。でもEuleさんが片想いするくらいだからよっぽど素敵な人なんだろうとは思う。
我不由得笑了出来。不过既然能让 Eule 小姐单相思到这种程度,想必是个相当出色的人吧。
『とこに惹かれるの?』 被他哪一点吸引了呢?
『自分でも分かんねぇ。顔を見たらムカついてイライラして、最初は俺はアイツのことを嫌いなんだと思ってた』
我自己也搞不懂。看到那张脸就来气烦躁,最开始还以为自己很讨厌那家伙
『ふーん』 『哼——』
なんだか普通に恋愛相談が続いていて嬉しい。Euleさんも気分が乗ってきたのか俺が促さなくても勝手に喋り始めた。
不知为何普通的恋爱咨询能持续下去让我很开心。Eule 小姐似乎也来了兴致,不用我催促就主动说了起来。
『環境が変わって、アイツに会えなくなってやっと気付いた。今まで誰かを好きになるってことがなかったからこれが恋愛感情だと気付くのに遅れた。気付いた時にはもう会えなくなってた』
『环境改变后见不到那家伙,我才终于意识到。因为至今为止从没喜欢过谁,所以发现这是恋爱感情时已经太迟了。等察觉时已经再也见不到了』
『連絡先は知らないの?』 『不知道联系方式吗?』
『知らない』 『不知道』
『友達伝いとかで連絡取れないの?』 『不能通过朋友之类的联系上吗?』
『取ろうと思えば取れると思う』 『想联系的话应该能联系上』
『じゃあ連絡してみなよ』 『那你就试着联系下呗』
ポンポンと続いていたラリーがそこで急に途絶えた。あ、踏み込み過ぎたかな?と焦っていると、しばらくしてスマホが震えた。
连续不断的对打突然中断了。啊,是不是我太冒进了?正感到慌张时,手机过了一会儿震动起来。
『そんな勇気ねぇ』 『我可没那种勇气』
それからEuleさんとはエロい画像を送り合うより、Euleさんの片想いの相手の話をすることが増えた。
后来和 Eule 桑的交流中,比起互相发送色情图片,更多是聊起 Eule 桑单恋对象的话题。
『片想いの相手の人にセクシャリティ確認してみたことある?』
『你有向单恋对象确认过性取向吗?』
『ねぇけど"よく笑う人が好き"って言ってたから俺はアイツのタイプじゃないと思う』
你不是说过'喜欢爱笑的人'吗,所以我觉得自己不是那家伙喜欢的类型
『Euleさんも笑顔の練習してみなよ』 Eule 你也该练习下怎么微笑啊
『無理』 做不到
『Euleさんってこのアプリで俺以外の人と連絡取ってるの?』
Eule 你在这个软件里还和其他人保持联系吗?
『前は取ってたけど最近は面倒臭くてお前としかやり取りしてない』
『以前倒是会聊,最近嫌麻烦就只和你联系了』
『誰かと会ったりしてみたことある?』 『有试着和别人见面吗?』
『ない。アプリなんかにいる奴と会いたがる人間の気がしれねぇ』
『没有。完全搞不懂那些想和社交软件上的人见面的家伙』
『それを俺に言うのか……』 『你居然对我说这种话……』
『片想いの人のどんなところが好きなの?』 『单相思的人哪一点让你着迷?』
『なんでお前にそんなこと教えなきゃなんねぇんだよ』
『我凭什么非得告诉你这种事啊』
『暇だから』 『因为闲得慌』
『死ね』 『去死吧』
『顔はどんな感じ?可愛い系?綺麗系?カッコいい系?』
长相属于哪种类型?可爱型?漂亮型?帅气型?
俺はカッコいい系が好きだけど、なんて心の中で言ってみる。Euleさんは俺には興味がないので『お前はどうなんだ?』なんて質問が返ってくることはない。
我其实更喜欢帅气型的——我在心里默默说道。不过 Eule 对我没兴趣,自然不会反问"那你呢?"这种问题。
『その中でどれか選べって言えば可愛い系』 如果非要选的话,应该是可爱型
『へぇ。可愛い系が好きなんだ、Euleさん』 诶~原来 Eule 喜欢可爱型的啊
『別に。たまたまアイツの顔がそういう系統だったってだけだ』
『没什么。只是碰巧那家伙长着张那样的脸而已』
『身体は?見たことある?』 『身体呢?见过吗?』
『ある』 『见过』
『どんなシュチュエーション?』 『什么情况下见的?』
『大浴場で見た。あとシャワー室でも』 在大浴场看到的。还有淋浴室也是
『大浴場……?旅行?』 大浴场……?去旅行了吗?
『違う。寮みたいなところにいた』 不是。是在宿舍之类的地方
『なるほど。好きな人と一緒の寮って良いよね。いつでも会えるし』
原来如此。和喜欢的人住同一个宿舍真好啊。随时都能见面
『でもその時はまだ恋愛感情を自覚してなかった』 但那时候还没意识到那是恋爱感情
『そっかー。まあ、ある意味それで良かったというか……。好きだって自覚してる時に一緒の風呂に入るのって結構しんどいよ』
这样啊。不过某种意义上来说那样反而更好...意识到喜欢之后一起泡澡真的很煎熬啊
俺も片想いの相手――凛とは何度かブルーロック内の大浴場やシャワー室で鉢合わせしたことがある。なるべく時間はズラすようには自分なりに配慮はしていたんだけど、どうしても会ってしまう時は会ってしまう。そういう時、無防備な凛相手に邪な目を送るのはやめようと自分に言い聞かせるんだけど、やっぱ無意識のうちに目で追ってしまうんだよな。そしてちょっとエッチな気持ちになったりして。あの時は本当大変だった。
我也曾和暗恋对象——凛在蓝色监狱的大浴场和淋浴间偶遇过好几次。虽然自己尽量错开时间,但该碰上的时候总会碰上。这种时候总会告诫自己不要用下流的眼神看毫无防备的凛,可视线还是会不自觉地追着他跑。然后就会产生些色色的念头。那时候真是够呛。
『片想いの人の裸はどうだった?』 暗恋对象的裸体是什么样的?
気になって聞いてみる。 忍不住开口询问。
『当時は貧弱だなとしか思ってなかった』 当时只觉得他瘦弱得可怜
『今思い出すと?』 现在回想起来呢?
『今思い出すと興奮する。アイツのせいで俺は自分が男が好きなんだと気付いた』
现在回想起来会兴奋。多亏那家伙,我才意识到自己喜欢男人
今までマッチングアプリで出会った人と恋バナをしたことは何回かあるけど、初恋の人がきっかけで自分のセクシャリティに気付いたっていう話はよく聞く。Euleさんもそうらしい。俺もそうと言えばそうかもしれない。
虽然之前也跟交友软件上认识的人聊过几次恋爱话题,但常听说有人因为初恋对象而意识到自己的性取向。Eule 先生似乎也是这样。要说的话,我可能也属于这种情况。
Euleさんから続けざまにメッセージが届く。 Eule 先生接连发来好几条消息。
『アイツはお前にちょっと似てる』 『那家伙跟你有点像』
俺?と思った。俺、一般男性に比べると割と筋肉はついてる方だと思うけど。まあEuleさんと比べたら貧弱といえば貧弱かもしれない。
像我?我暗自思忖。虽然比起普通男性,我觉得自己还算有点肌肉。不过要是和 Eule 先生比起来,说瘦弱也确实挺瘦弱的。
『もしかして好きな人と似てるから俺とマッチングしたの?』
该不会是因为我和你暗恋的人长得像,你才匹配到我的吧?
そう聞くとEuleさんからは『そうだ』と返ってきた。
这么一问,凛月立刻回了句"没错"。
『居住地が近いとすぐに会おうって言われる。それが面倒だったからそうそう簡単には会えないところを指定して検索したらお前の写真が出てきた。アイツに少し雰囲気が似てたからマッチした』
住得近的家伙总想马上见面。我觉得麻烦就设置了匹配范围,结果刷到了你的照片。那家伙和你气质有点像就右滑了
正直に言われて思わず笑ってしまう。Euleさんはとことん俺に興味がないらしい。会う気もないと釘を刺された気分。それと同時にそれだけEuleさんは片想いの相手に一途なんだなと思った。ヤリモクばかりに当たっている俺はEuleさんの片想いの相手が羨ましくて仕方がない。
过于直白的回答让我笑出声来。看来凛月对我完全没兴趣,还提前堵死了见面可能。但转念一想,能让他这么专一暗恋的对象可真让人羡慕啊——毕竟我匹配到的尽是些只想上床的烂人。
『Euleさん、俺の画像と好きな人のこと重ね合わせてるんだろ』
优尔小姐,你是在把我的照片和你喜欢的人重叠在一起看吧
きっとそうだ。だから毎回『顔を写すな』と指定されるんだ。顔が写っていたら好きな人を重ね合わせられないから。
肯定是这样。所以每次都会要求"不要拍到脸"。因为如果拍到脸的话,就没法把喜欢的人重叠上去了。
『わりぃかよ』 这样很抱歉吧
『別にいいよ。Euleさんの好きな人の話もっと聞かせてよ』
没关系啦。再多跟我说说优尔小姐喜欢的人的事吧
Euleさんは嫌がるかと思ったけど、ポツポツとメッセージを送ってくれた。
本以为 Eule 会拒绝,但她还是断断续续地发来了消息。
『背が俺より低い。抱き締めたら腕の中にすっぽり入と思う』
『个子比我矮。要是抱住的话感觉能整个圈在臂弯里』
『誕生日で言えば数ヶ月しか変わんねぇのに年上面するのがウゼェ』
『按生日算明明只差几个月却总摆年上架子烦死了』
『アイツは香水とかつけるタイプじゃねぇから基本的に無臭だったけど、たまにシャンプーの匂いがした。あと汗の匂い。アイツが話しかけてきた時、わざと顔を近付けてその匂いをよく嗅いでた』
『那家伙不是会用香水的类型所以基本没味道,偶尔能闻到洗发水香气。还有汗味。每次他凑过来搭话时,我都会故意贴近闻那个味道』
『声が通るから、離れた場所にいてもアイツの声が耳に届いてウザかった』
因为声音传得远,就算隔得老远也能听见那家伙的声音,烦死了
『大部屋の時、アイツの寝顔をたまに眺めてた』 在大通铺睡觉时,偶尔会偷看那家伙的睡颜
『試合して汗だくになった時、汗が首に垂れていくのがエロいと思ってた。正直に言うと舐めてみたかった』
比赛完浑身是汗的时候,看着汗珠顺着脖子流下来觉得特别性感。老实说...想舔一口试试
最後のメッセージに「ん?」となる。試合?何かスポーツをやっているのだろうか。俺は詮索するわけではなく、ただの世間話のつもりで言った。
最后这条消息让我发出"嗯?"的疑问。比赛?他们是在玩什么运动吗。我倒不是想打探隐私,只是当作普通闲聊随口问道。
『汗舐めたいってだいぶ変態じゃん。ってか、試合ってことは何かスポーツしてたの?』
想舔汗什么的也太变态了吧。话说比赛,你以前是练什么运动的吗?
Euleさんからのメッセージが途絶える。漏らすつもりはなかったのだろう。俺は慌てて送った。
Eule 的消息突然中断了。他大概本没打算说漏嘴吧。我慌忙发去消息。
『ごめん。触れられたくないところだった?特定するつもりとかはないから』
抱歉。是触及到不想提的事了吗?我没有要打探的意思
しばらくしてEuleさんから『ならいい』とだけ返事が返ってきた。その日はそれっきりやり取りは終わってしまった。俺はベッドに入りながら何となく不完全燃焼感にモヤモヤしていた。もっと惚気聞きたかったなぁ。Euleさんの惚気は生々しくて、聞いてるこっちも身に覚えのあるようなものばかりなのだ。俺も、凛に抱き締められたら身体がすっぽり包まれそうだな、と思ったりだとか、凛と話している時、不意に凛が顔を寄せてくるのにドキッとした記憶があった。あと凛と大部屋だったこともあるし。俺は凛の寝顔を見る勇気なんてなかったけど。
过了一会儿 Eule 只回了句"那就好"。那天的对话就此结束。我躺在床上,莫名有种意犹未尽的烦躁感。真想多听听他秀恩爱啊。Eule 的恋爱故事总是鲜活生动,听着那些似曾相识的片段。我也会想,要是被凛抱住的话,整个人大概都会被包裹住吧;或是和凛说话时,他突然把脸凑近的瞬间让我心跳加速的回忆。还有和凛同住大通铺的时候。虽然我根本没勇气看他的睡颜。
不完全燃焼感をどうにかしたくて俺はEuleさんとのやり取りを遡った。じきに現れるちょっとエッチな画像たち。これで抜いて寝ようかなぁなんて思っていると、俺はあることに気が付いた。
为了排解那种欲求不满的感觉,我开始回溯和 Eule 的聊天记录。很快那些略带情色的照片就出现了。正想着靠这些解决完就睡觉时,我突然注意到一件事。
Euleさんの送ってくれたエロ写真。いつも寝室で撮ってるんだろうと思う。微かに見える部屋の様子はシンプルで家具とか装飾品もそんなに写っていない。でもとある日の1枚の画像。ベッド脇の棚の上にボトルが置いてあるのが見えた。多分、寝起きの水分補給のために置いているのだろう。そのボトル、見覚えがあった。白地に青い文字で英字が印刷されている。一見どこにでもあるような普通のボトルだ。角度的に英字は全部は読めない。けど、拡大すると「Blue」という文字だけ読めた。
Eule 发来的色情照片。应该都是在卧室拍的吧。隐约可见的房间陈设很简洁,家具和装饰品都没怎么入镜。但某天的一张照片里,我看到床头柜上放着一个瓶子。大概是为了起床后补充水分准备的。那个瓶子,我总觉得在哪里见过。白底瓶身上印着蓝色英文字母。乍看就是随处可见的普通瓶子。拍摄角度导致字母看不全。不过放大后能辨认出"Blue"这个词。
俺はそれが、ブルーロックの中で配られた水分補給用のボトルにとてもよく似ている、と思った。
我意识到它和蓝色监狱里发放的补水专用瓶简直一模一样。
ブルーロックの水筒ボトルはグッズ化されているらしいし、一時期中高生のサッカーファンの中で持つのが流行っていたと聞いたことがあるから、Euleさんはもしかしてサッカーファンなのかもしれない、と思った。Euleさんのこぼした"試合"という言葉や"寮のようなところで共同生活をしていた"という情報。もしかしてスポーツに力を入れている強豪校とかに所属していたのかも。そう考えるとEuleさんのムキムキの身体にも説明がつく。今も何かスポーツをしているのかな。Euleさんは俺の一つ下だった。つまり世代的にもブルーロックを観ていた可能性は非常に高い。俺のことも知ってるかもなぁ、と思うと少しだけ自分の素性をバラしたい気持ちになった。そしたら俺に興味が出て会ってくれるかも、なんて。
听说蓝色监狱的水壶周边曾经流行过一阵子,在中学足球迷中风靡一时,所以 Eule 说不定是个足球迷。联想到 Eule 说漏嘴的"比赛"这个词,还有"在宿舍般的环境里集体生活"的信息。或许她待过注重体育的强校?这么一想 Eule 那身结实肌肉也说得通了。现在还在从事什么运动吗?Eule 比我小一届。从年龄来看极有可能看过蓝色监狱。说不定也知道我呢——这么想着突然有点想自曝身份。说不定会因此对我产生兴趣愿意见面呢。
『Euleさんの好きな人って今でも独身?』 Eule 小姐喜欢的那个人现在还单身吗?
今日も夜の暇な時間にEuleさんにメッセージを送った。Euleさんは意味のない雑談には全然返信してくれないけど、好きな人の話なら割と乗ってくれる。
今晚闲暇时我又给 Eule 小姐发了消息。虽然她对无聊的闲聊从不回复,但只要是关于她心上人的话题,她总会接茬。
『今のところ独身。ただ、彼女くらいはいるだろうな、アイツのことだから』
目前还是单身。不过那家伙的话,应该至少有个女朋友吧
『モテるんだ?』 他很受欢迎吗?
『人当たりだけは良い。あと職業的にも女にモテる要素はある』
就是待人接物还不错。再加上职业因素,确实有吸引女生的条件
『へぇ』 哦?
『どうせそのうち、そこら辺のモブ女ところっと結婚するタイプだ。アイツは』
反正迟早会随便找个路人女结婚的类型。那家伙就是
『寂しいね』 真寂寞啊
Euleさんの気持ちは分かる。凛もめちゃくちゃモテる。彼女がいるって話は聞いたことないし、凛が誰かを好きになるっていう想像は全く出来ないんだけど、成人して数年経ち、流石の凛もティーンエイジャーの頃より丸くなったのではないか。まわりもぼちぼち結婚し始める年齢に差し掛かってきたし、凛もそのうち結婚――なんてこともあり得なくはない。
我理解 Eule 的感受。凛确实超级受欢迎。虽然从没听说过她有对象,也完全无法想象凛会喜欢上谁,但毕竟成年都好几年了,就算是凛也该比青少年时期圆滑些了吧。周围人也都到了陆续开始结婚的年纪,说不定凛哪天也会结婚——这种事也不是完全没可能。
『もうこの話はやめろ』 这个话题到此为止
Euleさんが話題を切り上げてくる。話しても虚しくなるだけだから俺も『そうだね』と言った。
Eule 主动结束了对话。反正继续聊下去也只会徒增空虚,我也附和道"是啊"。
『最近、アナルいじってるか』 最近有在玩后面吗
話題を変えるようにEuleさんから着たメッセージににわかに俺の身体が疼いた。最近はエロ画像を送り合うより雑談がメインになってきていた。今日のEuleさんはエロいことをしたい気分らしい。俺は『今日触っちゃおうかな。準備してくる』と返信してバスルームに向かった。
为了转移话题,Eule 发来的消息突然让我身体一阵燥热。最近我们比起互发色图,更多是在闲聊。看来今天的 Eule 似乎想做些色色的事。我回复道"今天要不要摸摸看?我去准备下"就走向了浴室。
アナルは毎日はいじっていない。いじったところで誰かがここに突っ込んでくれるわけでもないし。たまに気分が乗った時に昔買ったオモチャを突っ込んで刺激するくらい。Euleさんの送ってくれる画像が頭を掠める。Euleさんのペニスってめちゃくちゃデカいんだよなぁ。硬度もありそう。ああいうのでぐちゃぐちゃにされたいな、なんて恥ずかしい考えが浮かぶ。
肛门并不是每天都会玩弄。毕竟就算弄了也没人会插进来,只是偶尔兴致来了会把以前买的玩具塞进去找点刺激。Eule 发来的图片在脑海中闪过。Eule 的那里真是大得离谱啊,硬度看起来也很棒。想着被那样的东西弄得乱七八糟,这种羞耻的念头就冒了出来。
穴を洗浄して寝室に戻る。ローションとオモチャを用意してベッドに座ってスマホをいじった。Euleさんから『まだか』と催促のメッセージが着ていた。
清洗完后面回到卧室。准备好润滑液和玩具坐在床上摆弄手机时,收到了 Eule 催促的消息"还没好吗?"
『いま洗ってきたところ』 刚洗完过来
『遅ぇ』 『好慢啊』
『もうちょっと待って。慣らすのにも時間かかる』 『再等我一下。适应也需要时间』
そう言ってスマホを放り投げてローションを手に取る。洗浄するのも慣らすのも時間が掛かるからアナルをいじるのって本当面倒。ただ、その先の気持ち良さはペニスをいじってるだけじゃ味わえないんだけど。
说着便把手机扔到一边拿起润滑液。无论是清洁还是适应都要花时间,开发后庭真是件麻烦事。不过,那种阴茎按摩无法带来的极致快感就在这麻烦之后。
ある程度指で穴を広げた後にオモチャを挿入する。角度を調節して抜き差しすると、腰から力が抜ける。
用手指将穴口扩张到一定程度后,开始插入玩具。调整角度反复抽插时,腰肢顿时就失了力气。
「あっ……やば」 「啊……要命」
久しぶりだからすげぇ気持ち良い。頭の中でEuleさんのペニスを想像すると余計に興奮する。このまま気持ち良くなってしまいたいけど、スマホの向こうで待っているであろうEuleさんの存在を思い出してオモチャを動かすのを止める。
因为太久没做,感觉特别舒服。在脑海里想象 Eule 先生的阴茎就更兴奋了。虽然想就这样沉溺在快感里,但想起手机那头可能正在等待的 Eule 先生,还是停下了玩弄玩具的动作。
スマホを手に取り、ローションボトルを支えにしてスマホがシーツの上で自立するように立てかける。インカメでちゃんと映っているのを確認してアナルからオモチャを抜いた。スマホの録画ボタンを押す。
拿起手机,用润滑液瓶子作支架把手机竖立在床单上。确认前置摄像头能拍清楚后,把玩具从后穴抽了出来。按下手机录制键。
まず、何も入っていない穴を見せつけて焦らす。穴はさっきまでオモチャが入っていたので、ヒクヒクと震えている。我ながらエロい穴だと思う。色もピンクで縁はぷっくりしている。初めてEuleさんにアナルの画像を送った時には『処女のくせにエロいまんこしやがって』と言われたっけ。
先展示空无一物的穴口进行挑逗。因为刚才还插着玩具,穴口正微微抽搐着。连自己都觉得这穴很色情。颜色粉嫩,边缘微微鼓起。第一次给 Eule 先生发送后穴照片时,他曾说过『明明是个处女却长了这么淫荡的小穴』呢。
その穴にオモチャの先っぽを当てる。そのままズズズッとオモチャを中に突き立てる。
将玩具的尖端抵在那个洞口。就这样缓缓地将玩具推入体内。
「……っぁ、ん」 「……啊、嗯」
中に入ってくる瞬間がいつも好きなんだよなぁ。俺のアナルは精一杯口を開けてオモチャを頬張る。縁が広がって、ピンクだった色が少しだけ赤っぽくなる。
我向来最喜欢被进入的瞬间。我的后穴竭力张开口腔吞咽着玩具。边缘被撑开,原本粉嫩的色泽逐渐泛出绯红。
そのままオモチャを抜き差しする。中がめくれてぐちょぐちょで肉厚な俺のまんこもよく見える。そのまま数分動かして俺はスマホの録画を止めた。Euleさんはずっと待っていたのだろう。その録画を送るとすぐに既読が付いた。
开始反复抽插玩具。内壁翻卷着露出湿漉漉的厚实肉褶,我的小穴清晰可见。这样动作几分钟后,我停止了手机录像。Eule 先生想必等候多时。刚发送录像,已读标记立刻浮现。
既読がついたけど返信はない。Euleさんに"使ってもらっている"最中なのだろう。Euleさんのオナネタになれるのは嬉しいけど、いつも俺ばっかりなんだよなぁ、と俺は思った。
消息显示已读却没有回复。Eule 大概正在"使用"我吧。虽然能成为 Eule 的自慰素材很开心,但为什么每次都是我啊——我忍不住这样想。
Euleさんも画像は送ってくれるけど、動画は送ってくれない。やっぱ画像と動画じゃ興奮度が違う。俺は思わずメッセージを送っていた。
Eule 虽然会发照片过来,但从来不发视频。果然照片和视频的刺激程度完全不同。我不由自主地发了条消息。
『Euleさんも動画で送ってよ。俺ばっかりじゃん送ってるの』
『Eule 也发点视频嘛。每次都是我在发好不公平』
ちょっと文句っぽくなっちゃったかなと思ったけど、これくらいなら俺だって言っていいはずだ。
虽然感觉语气有点抱怨的意思,但这种程度的要求我应该有资格提吧。
『動画って言ってもちんこしごいてる動画くらいしか撮れねぇ。面白くもなんともないだろ』
虽说要拍视频,我也只能拍些撸管的视频。既不有趣也没什么看头吧
『それでも良いよ。ちょっと腰振ってる感じに撮ってくれたら嬉しいかも』
那样也行啊。要是能拍出轻轻扭腰的感觉,说不定我会很开心呢
『変態』 变态
はぁ?そっちこそ人のアナルでオナってるくせに、とイラっとする。なんかちょっと萎えちゃったな、なんて思っているとEuleさんから動画が届いた。
哈?明明你自己都在用别人后穴自慰,还好意思说——想到这里不由得火大。正觉得有点扫兴时,Eule 发来了视频。
「え」 「诶」
マジで撮ってくれたんだ。送られてきた動画をタップすると、いつもと画角が違った。スマホを立てかけるのにベッドの上は不安定だったんだろう。
居然真的拍下来了。点开发来的视频,发现拍摄角度和平时不太一样。大概是因为把手机竖着放在床上不太稳当吧。
立っているEuleさんを斜め上くらいからスマホが撮影している。もちろん映っているのはEuleさんの腰と性器のみ。Euleさんがゆるく勃ち上がった性器を片手で扱いている。何回か手を動かして完全に勃たせたところで片手を輪っか状にしてそこに向かって腰を振り始めた。
画面从斜上方拍摄着站立的 Eule 桑。当然入镜的只有 Eule 桑的腰部和性器。Eule 桑正用单手抚弄着微微勃起的性器。来回撸动几次完全勃起后,便用单手圈成环状开始对着那里摆动腰肢。
「うわー、エロ……」 「哇啊,好色……」
腰を振ってる動画はいつもの静止画の100倍エロい。俺はその動画を見ながらオモチャを抜き差しした。息が上がる。
扭动腰肢的视频比静态画面色情百倍。我一边看着这个视频一边抽送着玩具。呼吸变得急促。
Euleさんとエッチしてみたいな、と俺は思った。一晩だけの遊びで良い。俺はもうEuleさんのことをほとんど好きになりかけていた。身体も好みだし、好きな人に一途なのも良い。恋人にならなくても良いから、一晩の思い出で抱いてくれと言ったら抱いてくれないだろうか。
好想和 Eule 做爱啊,我这样想着。哪怕只是一夜情也好。我几乎快要喜欢上 Eule 了。身体很合我口味,对喜欢的人一心一意这点也很棒。就算不成为恋人,如果我说想要一夜温存的话,会不会答应我呢。
頭の中でEuleさんの顔を想像する。逞しい身体に相応しく顔付きも精悍なはずだ。そうするとどうしても凛の顔が浮かんできてしまう。
在脑海中想象 Eule 的脸。那副健壮身躯应该配着张精悍的面容。可想着想着,凛的脸总会不由自主地浮现。
「凛……っ」 "凛……"
ガニ股になって足の指先が丸まる。ラストスパートに向けて激しく抜き差しをするとすぐに絶頂が訪れた。
双腿大张着,脚趾蜷缩起来。在最后冲刺时激烈地抽插几下后,高潮立刻降临了。
「……っはぁ」 "……哈啊"
開いた方の手で出てきたものを受け止める。ぽやぽやした頭のまま精液とオモチャの処理をする。
用空着的那只手接住射出的液体。脑袋还晕乎乎的,就忙着处理精液和玩具。
服の乱れも正してベッドに寝転んだ。 整理好凌乱的衣服后躺倒在床上。
「Euleさんに会ってみたいなー」 「好想见见 Eule 小姐啊」
先ほどEuleさんから送られてきた動画を再び再生する。抜いてスッキリした後に再び見てもやっぱりエロい。俺の想像の中の凛の裸はこんな感じ。Euleさんの腰付きはエロくてこれからしばらくはこの動画で抜けそう。
重新播放刚才 Eule 发来的视频。即使发泄过后再看依然色气十足。我想象中凛的裸体就是这种感觉。Eule 扭腰的姿态实在太涩了,接下来这段时间估计都要靠这个视频解决了。
「あ、この動画、音声ついてる……」 「啊...这个视频...居然有声音...」
再生している動画から微かに音が聞こえる。俺はEuleさんに動画を送る時、声が漏れたりするのが恥ずかしくて音声をオフにして送るんだけど、Euleさんから送られてきた動画には音声がついていた。微かに聞こえるその音を聞きたくて俺は音量を上げた。
正在播放的视频传来细微声响。我给 Eule 发视频时,总觉得发出声音太羞耻所以都是静音发送,但她发来的这个视频却带着音轨。为了听清那若隐若现的声音,我把音量调大了。
聞こえるのは水音とEuleさんの息遣い。Euleさんが何か呟いている気がする。
耳边只有水声和 Eule 的呼吸声。总觉得 Eule 在低声说着什么。
『エッロ……』 『好色……』
聞こえてくる音声。Euleさんの声だ。初めて聞いたその声に俺の心臓がドキンと波打った。
传入耳中的声音。是 Eule 的声音。初次听见这个声音时,我的心脏扑通扑通地狂跳起来。
スマホの音量を更に上げる。Euleさんの声はどこかで聞いたことのある声な気がする。
我把手机音量调得更大。Eule 的声音总觉得在哪里听到过。
『……っ、くそ』 『……靠』
なおも聞こえてくるEuleさんの独り言。俺の息が止まった。俺はこの声を聞いたことがある。昔、何度も。俺がその声を聞き間違うはずがない。
依然能听见 Eule 小姐的自言自语。我的呼吸停滞了。这个声音我曾听过。很久以前,听过无数次。我绝不可能听错这个声音。
『挿れてぇ……』 『想要……插进来……』
欲望丸出しの掠れた声。俺はスマホに耳を近づけた。 毫不掩饰欲望的嘶哑嗓音。我把手机贴近耳边。
『……っいさぎ』 『……洁』
その声を最後に動画は止まった。 随着这最后一声,视频停止了播放。
俺はその後、何度も動画を見返して音声を聞き直した。何度聞いてもEuleさんの声は俺が長年恋焦がれている相手――凛によく似ていた。
之后我反复观看这段视频,一遍遍重听那个声音。无论听多少次,Eule 小姐的嗓音都与我多年魂牵梦萦的那个人——凛如此相似。
Euleさんが公開しているプロフィールを見返してみると、フランス在住であることを始め、身長、体重、年齢、国籍。全て凛の公式プロフィールと一致している。今まで気にならなかったんだけど"Eule"ってどういう意味なんだろう、と調べたらドイツ語で「フクロウ」という意味らしい。そういえば、凛はフクロウが好きだと何かのアンケートで答えていた気がする。もしもEuleさんが凛であるなら、ブルーロックの公式ボトルを持っているのもおかしい話ではない。
重新查看 Eule 小姐公开的个人资料,从法国居住地到身高、体重、年龄、国籍,每一项都与凛的官方资料完全吻合。虽然以前从未在意过,但"Eule"究竟是什么意思呢?查询后得知这是德语中"猫头鹰"的意思。说来凛似乎曾在某个问卷调查里回答过喜欢猫头鹰。如果 Eule 小姐真是凛的话,持有蓝色监狱官方周边也就说得通了。
俺はEuleさんから送られてきた数々の画像や動画を遡った。顔は徹底的に写っていないけど、凛かもしれないと思うと最早そうとしか思えない。ブルーロックの大浴場で見た凛の裸より少し逞しさは増しているけど、どこか既視感がある。
我回溯着优勒小姐发来的众多照片和视频。虽然脸部完全没有入镜,但想到可能是凛之后,就再也无法当作别人了。比起在蓝色监狱大浴场见过的凛的裸体,现在的身形更健壮了些,却莫名有种似曾相识的感觉。
全ての情報を統合して確信する。俺が今までやり取りしていた相手――Euleさんは凛だ。緊張と衝撃で手にじわりと汗が滲む。
整合所有信息后我确信无疑。至今与我往来的对象——优勒小姐就是凛。紧张与震惊让手心渗出细密的汗珠。
ただ、そうなると動画の最後に入っていた「いさぎ」というセリフが問題になる。俺の名前だ。
但这样一来,视频最后那句"いさぎ"的台词就成了问题。那是我的名字。
最初、凛はアプリでやり取りしている男が潔世一だと気付いているのか?と思った。
起初我怀疑:凛是否早就发现应用里交流的对象是洁世一?
ただそれなら、片思いの相手の相談を凛は俺になんかにするだろうか、という新たな疑問が浮かぶ。今までのやり取りを鑑みると、凛はゲイのようだ。そして同じ同性に片思いをしている。凛の性格からして、この二つの情報は他人には死んでも知られたくない情報だろう。
如果真是这样,凛又怎么会向我这种家伙咨询单恋对象的事呢?这个新的疑问浮现在脑海。根据至今为止的互动来看,凛似乎是同性恋。而且他单恋的对象也是同性。以凛的性格来说,这两条信息恐怕是死都不愿让别人知道的秘密吧。
でも凛は、俺に片思いの相手の話をたくさん聞かせてくれた。凛の片思いの相手は、凛曰く顔も性格も普通。普通過ぎて特徴がない、と言っていた。連絡先は知らない。凛より背が低くて、年上で、ブルーロックで同室になったことがある。
但凛却向我透露了很多关于他单恋对象的事。据凛所说,他单恋的对象长相和性格都很普通。普通到毫无特点——他当时是这么形容的。不知道联系方式。比凛个子矮,年长一些,曾经在蓝色监狱当过室友。
「誰だよ」 "到底是谁啊"
凛の片思いの相手がめちゃくちゃ気になる。最初、蜂楽かな?と思った。けど、蜂楽は顔も性格も普通とは言い難い気もする。
我实在太在意凛单恋的对象了。最初怀疑过蜂乐?但总觉得蜂乐的长相和性格很难用"普通"来形容。
他に凛は片思いの相手のことを何と言っていたかな、と過去のやり取りを遡る。すると、凛の片思いの相手の好みのタイプが「よく笑う人が好き」だと言っているという会話が残っていた。
他回忆着凛曾如何描述自己暗恋的对象。翻找过往对话时,发现凛确实说过心上人喜欢的类型是"爱笑的人"。
俺はにわかに心臓が波打つのを感じた。 我的心脏突然剧烈跳动起来。
あれはブルーロックにいたころ、何かのアンケートで「好みのタイプは?」と聞かれて俺は「よく笑う人」と答えた気がする。正直なところ、俺のタイプは「俺より背が高くてカッコよくてサッカーが上手いクール系の男の人」なんだけど、そんなこと言えるわけがないので無難にパッと頭に浮かんだものを答えたはずだ。
记得在蓝色监狱时,有次问卷调查问"喜欢的类型",我好像回答过"爱笑的人"。说实话我真正的理想型是"比我高大帅气足球厉害的冷酷系男生",但那种话怎么可能说得出口,当时就随口答了个最先想到的答案。
顔も性格も普通で、凛より背が低くて、年上で、連絡先は知らなくて、ブルーロックで同室になったことがある、好きなタイプが「よく笑う人」と答えたことのある人物。
相貌性格都普通、比凛矮、年长、没有联系方式、在蓝色监狱同住过、曾回答过喜欢"爱笑的人"的对象。
「……俺?」 "……是我?"
急に浮上してきた可能性に混乱する。 突然浮现的可能性让我陷入混乱。
それならば、送ってもらった動画の最後に凛が「いさぎ」と呟いた理由も分かる。凛は俺がアプリ上で送った画像や動画を好きな人に重ね合わせていると言っていなかったか。だから動画の最後に俺の名前を呼んだ?
若是这样,就能理解视频最后凛为何会低语"洁"了。凛不是说过会把我在应用里发送的图片视频投射到喜欢的人身上吗?所以才会在视频最后呼唤我的名字?
「マジか……」 "真的假的……"
俺はベッドに寝転んだまま両手で顔を覆った。 我躺在床上,用双手捂住脸。
これまでの情報を集め合わせると出てくる結論。 综合目前所有信息得出的结论。
Euleさんは凛で、その凛が片思いしている相手は潔世一であるということ。そして凛はアプリ上でやり取りしている相手が潔世一だとは気付いていない。ドイツにいる潔世一とは無関係の日本人とやり取りをしていると思っているはずが、何の因果か本人とやり取りをしていたということ。
Eule 就是凛,而凛单恋的对象正是洁世一。但凛并不知道在应用上和自己交流的对象就是洁世一本人。他本以为自己是在和某个与德国留学生洁世一毫无关联的日本人聊天,谁知阴差阳错竟一直在和正主互通消息。
しばらく脳内整理をしていたが、やはり何度考えても同じ結論に達してしまう。
虽然在大脑里反复梳理了很久,但无论怎么思考都会得出相同的结论。
フランス在住の凛が、謎にドイツを指定してアプリでマッチング出来る相手を探していたのがよく分からなかったけど、それは俺がドイツにいるからではないか。凛は俺がノンケだと思っているみたいだけど、もしかしたら――本当に万が一の可能性を考えてドイツで検索してみたのではないか。そして凛のその気まぐれは、何の運命の悪戯か、本当に潔世一本人とマッチングしてしまった。
住在法国的凛,莫名其妙地把配对软件的地区限定在德国寻找对象,我一直没想明白为什么——该不会是因为我在德国吧?凛似乎以为我是直男,但说不定...他真的是抱着万分之一的可能特意搜索了德国地区。而命运弄人,他这番心血来潮的举动,竟真的匹配到了洁世一本尊。
なんだかにわかには信じられないけれど、この結論に思い至ってしまった今、逆に他の可能性が思い付かない。俺はEuleさんに以前よりもずっと強く会いたくなった。確かめたい。Euleさんが本当に凛であるのかどうか。
虽然难以置信,但得出这个结论后,反而想不出其他可能性了。我比以往任何时候都更想见到猫头鹰小姐。必须确认——猫头鹰小姐究竟是不是凛。
俺はふと思い立って、凛の所属しているチームの試合日程を調べた。
我忽然灵光一闪,查了凛所属球队的赛程表。
「凛、今月末ドイツに来るじゃん……」 "凛这个月底...要来德国比赛啊......"
凛の所属するチームはチャンピオンズリーグに出場が決まっていて、今月末にちょうどドイツに遠征予定だった。あいにく、そこで対戦するチームは俺の所属しているチームではないので俺と凛が直接会う予定はないのだが。
凛所在的球队已确定参加冠军联赛,正好计划在本月底远征德国。不凑巧的是,他们将对阵的球队并非我效力的队伍,所以我和凛并没有直接会面的安排。
「この日、会えないかな……」 "今天,能见到他吗……"
俺は思った。今月末、ドイツに来る予定ならそのタイミングでランチに誘えば会ってくれないだろうか。Euleさん――もとい凛はマッチングアプリ上でやり取りしている俺とは会う気は全くないようだが、ここ数ヶ月のやり取りで以前よりかは距離が縮まった気もするし、あの時とは心境が変わっているかもしれない。
我暗自思忖。既然他计划这个月底来德国,趁那个时机约他吃午饭的话,应该能见上一面吧。Eule 桑——不对,凛在交友软件上虽然看起来完全没有要和我见面的意思,但这几个月的交流让我感觉距离比之前拉近了些,或许他的心境也和那时不同了。
善は急げとばかりに俺は凛にメッセージを送った。 说干就干,我立刻给凛发了消息。
『Euleさん。前、仕事でドイツに来たりすることもあるって言ってたよね?直近でドイツに来る予定ってある?』
『Eule 桑。之前你说过有时会因工作来德国对吧?最近有来德国的计划吗?』
凛からの返信はなかなかなかった。寝ているのか、会うのが面倒でシカトしているのか。30分近く経った頃、ようやくスマホに通知が届いた。
凛迟迟没有回复。是睡着了,还是嫌麻烦故意已读不回?等了将近 30 分钟,手机终于弹出通知。
『お前とは会わねぇぞ』 『老子才不见你』
ちょっと会わない?と提案する前に一刀両断されてしまった。一瞬心が折れかかりそうになるも、俺はなんとか食い下がった。
还没等我说出"就见一面好不好",就被干脆利落地拒绝了。虽然瞬间有点受打击,我还是硬着头皮继续纠缠。
『別にセックスしようとか言ってないじゃん。ちょっとランチしない?昼間に少し会うだけ』
『又不是要约炮。就一起吃个午饭?白天见一小会儿』
『会ってなにするんだよ。お喋りかよ。そこまで暇じゃねぇ』
见面能干嘛?就聊天?我可没闲到那份上
『良いじゃん。お喋り。俺、日本人と会話するのに飢えてるんだよ。こっちにも一応友達はいるけど、日本人の友達はいなくてさ。Euleさんは口が悪いし素っ気ないけど、それを抜きにしてもやっぱり話しやすいんだよね。1時間とかで良いから少し時間取れない?場所と時間はそっちの都合に合わせるから。なんなら朝食でも良いよ』
聊聊天不挺好嘛。我超想和日本人说说话的。这边虽然也有朋友,但没一个是日本来的。Eule 虽然嘴毒又冷淡,但抛开这些不说,和她聊天确实挺自在的。就抽一小时不行吗?地点时间都随你定。要不一起吃早饭也行
凛が出場予定の試合のキックオフは20時過ぎだ。試合後は近くのホテルに1泊するだろう。試合の次の日、少しでも良いから会えないだろうか。
凛要参加的比赛晚上八点多才开场。赛后肯定会在附近酒店住一晚。比赛第二天,哪怕就见一小会儿也行啊。
凛からの返信はない。俺は焦って追加でメッセージを送った。
凛一直没回消息。我着急地又补发了一条。
『朝なら大丈夫そう?どっかのカフェで軽く朝食を取るのとかどうかな?Euleさんが泊まってるホテルの近くまで行くよ』
『早上应该没问题吧?要不要找个咖啡厅简单吃个早餐?我可以去 Eule 住的酒店附近』
我ながら性急に事を進めすぎだった、と気付いたのは凛からの返信が途絶えて1時間ほど経ってからだった。
直到凛的回复中断约一小时后,我才意识到自己操之过急了。
結局、その日の晩、凛からの返信が返ってくることはなかった。俺はベッドに横になって暗闇を見つめながら、会おうなんて言ったからもしかしたらブロックされたかも、という可能性に思い当たって自分の行動を心底後悔していた。もしブロックされていたら、数年ぶりにようやく繋がったと思えた凛との関係も切れてしまう。もっと他に方法はあったはずなのに。もう少し時間をかけてメッセージのやり取りを繰り返して、心の距離を縮めてから「会おう」と言えば良かった。俺はベッドで何度も寝返りをうちながら、なかなか寝付けない夜を過ごした。
最终,那天晚上始终没等来凛的回复。我躺在床上凝视着黑暗,突然想到自己贸然提出见面可能已被拉黑,顿时对冲动行事感到无比懊悔。若真被拉黑,好不容易才重新连接、时隔数年与凛建立的关系又将断裂。明明有其他更稳妥的方式——本该多花些时间互发消息拉近距离,等心灵距离缩短后再提出见面。我在床上辗转反侧,度过了难以入眠的夜晚。
次の日の朝。寝不足の眼をしょぼしょぼさせながらスマホを見て、俺は一瞬で目を覚ました。
次日清晨。当我揉着惺忪睡眼查看手机时,瞬间清醒了过来。
マッチングアプリの通知が届いていたからだ。慌ててアプリを開くと、昨日、死ぬほど待ち侘びた凛からの返事が着ていた。
手机突然弹出配对软件的提示。我慌忙点开应用,发现昨天苦苦等待的凛终于回复了消息。
『1時間だけなら会ってやる』 最多见你一小时
Euleさんが指定してきた日時は、まさに俺の読み通り、凛の所属するフランスのチームがドイツに遠征してくる日の次の日の朝で、場所はスタジアムの近くのカフェだった。チームでその近くのホテルに泊まっているのだろう。やっぱりEuleさんって凛じゃん、という確信が強くなった。
Eule 先生指定的时间地点,果然如我所料——就在凛所属的法国队远征德国比赛后的次日清晨,地点选在体育场附近的咖啡馆。他们团队应该就住在周边酒店吧。这下我更确信 Eule 先生就是凛本人了。
俺は凛に会う日の前の晩、凛が試合しているスタジアムの近くのホテルを取り、そこのテレビで試合を観た。凛は1ゴールを決め、試合自体もフランスのチームが勝った。明日の凛は機嫌が良いかもしれない、と思った。フランスが負けてしまったら、機嫌を損ねた凛が『やっぱり会わない』なんて言い出すかもしれない、と思っていたのでそこはホッとした。
见面前一晚,我特意订了球场附近的酒店,通过客房电视观看了比赛直播。凛踢进关键一球,法国队最终获胜。想到明天他心情应该不错,我暗自松了口气——要是法国队输了,闹别扭的凛说不定会突然改口"还是不见了"。
次の日の朝、俺はホテルを出る時にアプリ上で凛に『今からそっち行く』と送った。凛からの返信はなかった。もしもすっぽかされたら、縁がなかったとして諦めよう、と俺は思った。
第二天早晨,我离开酒店时在 APP 上给凛发了条消息"现在过去找你"。凛没有回复。要是被放鸽子的话,就当作没缘分放弃吧——我这么想着。
凛から指定されたカフェに着いたのは意外と時間ギリギリだった。少し道に迷ってしまったのだ。遅刻はしなかったけど、早めに着いて凛を待ち構えている予定だったので少し焦ってしまった。カフェに足早に近づいた時、俺はすぐに気が付いた。
赶到凛指定的咖啡店时意外地卡在最后时限。因为稍微迷了路。虽然没迟到,但原本计划提前到达等着凛的,所以有点着急。当我快步走近咖啡店时,立刻注意到了。
凛がテラスのテーブルの1つに座ってコーヒーを呑んでいた。服装はスポーティーな感じで、ジャージのようにも見える。アプリの奴には全く興味がないが、昨日の試合は悪くなかったし、気分も良いから日課のロードワークのついでに少し会ってやるか、みたいなノリなのかもしれない。
凛正坐在露天座位喝着咖啡。穿着很运动风,看起来像穿的是运动服。虽然对 APP 上那家伙完全没兴趣,不过昨天的比赛打得不错心情也好,就当日常路跑的顺便见个面吧——大概就是这种随意的感觉。
俺は凛まであと数メートルというところで立ち止まってしまった。
在距离凛还有几米远的地方,我突然停下了脚步。
数年ぶりの凛だった。ブルーロックを出て何年になるだろうか。試合はチェックしていたけど、生身の凛に会うのは本当に久しぶりだ。ティーンの頃よりも身体付きが明らかにがっしりしている。背も数センチ伸びたのかもしれない。長い足を投げ出して退屈そうな顔をして遠くを見ている横顔に心臓がキュッと鳴った。
时隔数年再次见到凛。离开蓝色监狱已经多少年了呢?虽然一直有关注比赛,但亲眼见到凛本人真的是久违了。比起十几岁时,他的体格明显更结实了。个子似乎也长高了几公分。那双修长的腿随意伸展着,他百无聊赖眺望远处的侧脸让我的心突然揪紧。
数秒ほど、立ち止まったまま凛を眺めていたが、そろそろ行かないと凛が帰ってしまうかもしれない、と思う。1歩踏み出そうと足を上げたところで不意に凛がこちらを向いた。
我驻足凝视了凛几秒钟,想着再不过去他可能就要离开了。刚抬起脚准备迈步时,凛突然转向这边。
凛と目が合う。凛は俺の姿を認めて目を思いっきり見開いた。「なんでここに」という驚愕の表情だ。俺は心臓をドキドキさせながら凛に近づいた。
与凛四目相对。认出我的身影后,凛猛地睁大了眼睛。那是"你怎么会在这里"的震惊表情。我心跳加速地向凛走去。
「……久しぶり」 "……好久不见"
へへっと笑う。少し照れながら。凛は俺の姿を頭の先から足の先まで見た後にもう一度俺の顔を見た。
嘿嘿笑着。带着些许羞涩。凛从头顶到脚尖打量了我一番,然后又看回我的脸。
「……潔」 "……洁"
「びっくりしたろ?」 "吓一跳吧?"
アプリの相手が俺で、そう続けようと思ったのに、凛がそれを遮った。
本想接着说"APP 匹配对象就是我",却被凛打断了。
「何でテメェがここに?」 「你他妈怎么在这儿?」
凛は俺から目線を外して俺の背後に目をやった。何を探しているんだろうと思っていると凛が言った。
凛将视线从我身上移开,看向我身后。正疑惑他在找什么时,凛开口道。
「一人か?なんでこんな時間に……?テメェの本拠地はここじゃねぇだろ」
「就你一个?大半夜的……?你的老巢可不在这块儿吧」
俺は目をぱちくりとさせた。凛はなおも訝しげな表情だ。
我眨了眨眼睛。凛仍是一脸狐疑的表情。
俺はその顔を見てようやく理解した。凛はアプリの男が俺だと未だに結びついていない。今日、朝食を食べる約束をした相手がまさか俺だとは思わずに、俺がたまたまここに現れたと思っているのだ。
看到那张脸时我终于明白了。凛至今都没把软件里的男人和我联系起来。她根本没想到今天约好一起吃早餐的对象就是我,只当我是碰巧出现在这里。
俺は一瞬で考えた。ここで「今までアプリ上でお前がやり取りしていた相手は俺だよ」とバラすことにメリットはあるだろうか。エロい写真やら動画を送ったり、過去の恋愛の話をしてみたり、とてもじゃないけど片想いの相手にはバレたくない話ばかりしていた。それは俺だけじゃなくて凛もそうだろう。
我瞬间思考起来。现在揭穿"之前在软件里和你聊天的人就是我"有什么好处吗?那些色情的照片视频、过去的恋爱经历,全都是绝对不想让暗恋对象知道的内容。不仅是我,凛应该也一样吧。
凛は俺がアプリの相手だったと知って喜ぶことはあるだろうか。むしろ「今まで騙してたのか」と俺に怒りを抱く可能性の方が高い気がする。
凛知道软件里的人是我会高兴吗?不如说更可能会对我发火,觉得"你一直在骗我"。
それに気付いた時、俺は「アプリの男が俺だとはバレてはいけない」と思った。
意识到这点时,我下定决心"绝不能让她发现软件里的男人就是我"。
「……凛に会いたくて」 “……想见凛”
咄嗟に出てきた言葉に俺は自分でも驚いてしまった。無意識のうちに出てきてしまった言葉だけど、確かにこれは俺の本音だった。ずっと凛に会いたかった。ブルーロックを出て以来、ずっと。叶わない片想いだと分かっていたけど、友人としてたまに会うくらいは出来ないだろうか、と思いつつ、連絡先も知らないし、凛の連絡先を知っていそうな誰かに凛の連絡先を教えてくれ、と言う勇気もなかった。俺も凛と同じだった。
脱口而出的话语让我自己都感到惊讶。虽然是无意识说出口的话,但这确实是我的真心。一直都想见凛。自从离开蓝色监狱后,就一直想见。明知是不会有结果的单相思,却总想着至少作为朋友偶尔见个面也好,但又没有凛的联系方式,更没有勇气向可能知道凛联系方式的人打听。我和凛其实是一样的。
凛は俺の言葉に驚いた顔をして、すぐに怒ったような顔になった。なんだ?その表情?と思ったら凛がぼそりと言う。
凛听到我的话先是露出惊讶的表情,随即又变成像是生气的神色。搞什么?这副表情?正想着,听见凛低声嘟囔道。
「……昨日の試合、観てたのかよ」 “……昨天的比赛,你看了吗”
「?うん。観てたよ。凄かった。凛。さすがだな」 "?嗯。看了哦。太厉害了。凛。真不愧是你"
そう言って笑いかける。そして言った後に気付いた。凛はもしかしたら、俺が昨日スタジアムまで観に行ったのかと思っていないか?というかそう考えるのが自然だ。凛に会いたくて、と言った奴がまさかスタジアムには行かずに近くのホテルのテレビで試合を観ているとは思わないだろう。
他这么说着露出笑容。说完后我才意识到——凛该不会以为我昨天是去体育场看的比赛吧?或者说这么想才正常。毕竟没人会想到,那个说着"想见凛"的家伙居然没去体育场,而是在附近酒店看电视转播。
訂正しようかと思ったところで、凛が言った。 正当我犹豫要不要解释时,凛先开口了。
「……先に言えよ」 "......你倒是先说啊"
凛の表情は不機嫌そうだったけど、それはどことなく照れているようにも見えた。
凛的表情看起来不太高兴,但总觉得也带着几分害羞。
「……だって、凛の連絡先知らないし」 "……毕竟,我也不知道凛的联系方式"
「今ここに来たのはたまたまか」 "你现在出现在这里只是巧合吗"
「うん、まあ。たまたま。……凛はロードワーク中?」
"嗯,算是吧。巧合……凛是在进行路跑训练吗"
そう言うと、凛は小さく頷いた。その妙に素直な仕草を見て確信する。凛は照れている。
凛闻言轻轻点了点头。看着他这异常坦率的举动,我确信了——他正在害羞。
俺は空いている椅子を指さして聞いた。 我指着空椅子问道。
「もしかして誰かと待ち合わせしてる?俺、邪魔かな?」
"该不会是在等人吧?我打扰到你了?"
凛はすぐには答えなかった。一瞬、アプリで会う約束をした男のことが頭を掠めたはずだ。ただ、すぐに凛は首を横に振った。
凛没有立刻回答。那一瞬间,他脑海里应该闪过了通过交友软件约见的男人。但很快,凛就摇了摇头。
「そんなんじゃねぇ。……空いてるから、座れば良いだろ」
“不是那样的。……有空位,你坐就是了。”
アプリの男との約束は、現実の俺を前にしたらもうどうでもよくなってしまったようだった。俺はこくんと頷いて凛の隣に座った。
和 APP 里那个男人的约定,在现实中的我面前似乎已经变得无关紧要了。我轻轻点头,在凛身旁坐下。
ドイツ語で書かれたメニューを俺が解説してあげて、取り敢えず二人分の朝食を頼んだ。俺は改めて横に座る凛の顔を見上げた。
我用德语解释着菜单内容,先点了两份早餐。我再次抬头望向坐在身旁的凛。
「なんだよ」 “干嘛”
凛も横目でこちらを見て言う。ぶっきらぼうなその言い方がとても懐かしく感じる。
凛也用余光瞥向这边说道。那种直来直去的说话方式让人倍感怀念。
「いや、なんか背が伸びた?身体もがっしりしてる気がするし」
"咦,你是不是长高了?感觉体格也结实了不少"
「そりゃあプロになれば身体も変わるだろ」 "成为职业选手后身体当然会变化啊"
「そうだよなぁ。俺も割と増量した方だけど」 "说的也是。虽然我也增重了不少"
凛の肩まわりは前よりもずっと大きくなっている。胸元も腕まわりも、一回りくらいは大きくなっている気がする。俺は無意識のうちに凛の二の腕に手を伸ばしていた。
凛的肩膀轮廓比从前宽厚了许多。胸围和臂围似乎都大了一圈。我无意识地伸手触碰了凛的上臂。
「あ、マジでデカくなってる」 "啊,真的变壮了"
脂肪じゃない。筋肉の硬さがする。「すげぇな、凛」と言いながら顔を上げる。と、凛が俺が今まで見たことのない表情をしていた。不機嫌そうな表情は先ほどから変わらないが、目に熱が籠っている気もする。
不是脂肪的触感。能感受到肌肉的硬度。"太厉害了,凛"我边说边抬起头。这时看见凛露出了我从未见过的表情。虽然从刚才起就维持着不悦的神情,但眼中似乎燃烧着热度。
不意に思い出す。動画を送ってもらった時。凛は俺の名前を呼んでいた。Euleさんが凛だということは確定したが、凛がずっと片想いをしているという相手は本当に俺で合っているかどうかはまだ分からない。ただ、確かなことが一つある。凛はオナニーをしながら俺の名前を呼んでいたということ。
突然想起收到视频的时候。凛当时呼唤着我的名字。虽然能确定 Eule 就是凛,但凛一直单恋的对象是否真的是我仍不得而知。不过有一点可以确定——凛是在自慰时呼喊着我的名字。
俺は凛の胸にも手をスライドさせた。 我的手也滑向了凛的胸膛。
「同じチームの奴の筋肉も凄いけど、日本人とは骨格が違うからあんまり参考になんねぇんだよなぁ。まあでも同じ日本人でも凛と俺の筋肉も違うな、こうやって触ってみると」
"虽然同队那些家伙的肌肉也很厉害,但和日本人骨架不同没啥参考价值啊。不过就算同样是日本人,凛和我的肌肉触感也不一样呢"
なんて喋りながら凛の身体をペタペタと触る。 我一边这么说着一边啪嗒啪嗒地摸着凛的身体。
凛の筋肉をなぞりながら上目遣いで凛を見つめる。凛はあからさまに動揺した顔をした。
指尖描摹着凛的肌肉线条,同时抬眼凝视着他。凛明显露出了动摇的表情。
(可愛い……) (好可爱……)
俺はそう思った。凛は俺に身体を触られて明らかに動揺している。嫌がっている表情ではない。凛は本気で嫌なら、俺の手を振り払うことを躊躇う奴ではないからだ。
我不由这么想。凛被我触碰身体后明显动摇了。但那并非厌恶的表情。因为凛若是真的抗拒,绝不会犹豫甩开我的手。
俺は凛の太ももに手を置いた。凛の足がピクリと動く。
我将手掌覆上凛的大腿。他的腿轻轻颤了一下。
「昨日の試合、めちゃくちゃ興奮した。流石、凛だな。カッコよかった」
"昨天的比赛看得我超兴奋。不愧是凛啊,帅呆了"
「……そうかよ」 "……这样啊"
そう言って凛はコーヒーに手を伸ばす。俺の手は凛の太ももに乗ったままだ。それでも凛は振り払わない。俺の記憶の中にある凛はこんな無意味な触れ合いを許すタイプじゃなかった。
凛说着伸手去拿咖啡。我的手还搭在凛的大腿上。即便如此凛也没有甩开。我记忆中的凛可不是会允许这种无意义肢体接触的类型。
「俺、凛の試合とか欠かさずチェックしてるよ。流石に毎回リアルタイムは無理だからアーカイブで観たりしてるだけだけど」
"我可是场场不落追凛的比赛。虽然没法每次都看直播,但至少会补录像"
「……当たり前だろ。ライバルの試合をチェックするのは」
"……这不是理所当然的吗。关注劲敌的比赛"
凛はそう小さな声で呟く。俺はその言葉に嬉しくなった。凛の中で俺は未だにライバルとして認定されたままのようだ。
凛用那么小的声音嘟囔着。听到这句话我很开心。在凛心中,我似乎依然被认定为他的对手。
「凛も俺の試合観たりしてた?」 "凛也看过我的比赛吗?"
「……たまに」 "……偶尔"
「そっか。嬉しい」 "这样啊。我很高兴"
俺はそう言って凛の太ももに乗せたままだった手をスッと退けた。もちろん、退ける際にわざと太ももを撫で上げることは忘れなかった。凛は俺の手が退いたことによって、心なしが少しだけホッとしたような顔をしていた。
我这么说着,把原本搭在凛大腿上的手悄悄收了回来。当然,收回时没忘记故意沿着他的大腿摩挲而上。凛因为我的手离开,脸上隐约浮现出些许安心的神色。
その後、俺たちは朝食を食べながらポツポツと喋った。最初はぎこちがなかった凛も時間が経つにつれてリラックスした表情を見せるようになった。
之后我们边吃早餐边断断续续地聊天。起初还显得拘谨的凛,随着时间推移也逐渐露出了放松的表情。
朝食を食べ終わり、食後のコーヒーをおかわりしてそれを飲みながら考える。おそらくこの後、凛はホテルに戻り、チームと共にフランスに帰国するだろう。このカフェでゆっくりしている時間はあまりないはずだ。そう考えると少し焦る。朝食を食べれただけでも嬉しいけれど、このまま解散してしまうのは名残惜しい。俺は凛の顔を見つめた。
用完早餐,我续了杯餐后咖啡边喝边想。估计过会儿凛就要回酒店,和团队一起返回法国了。在这家咖啡馆悠闲相处的时间所剩无几。想到这里不免有些焦躁。虽然能一起吃早餐很开心,但就这样分别实在令人不舍。我凝视着凛的脸庞。
「……なんだよ」 "......干嘛"
凛が言う。俺は「んー」と言いながら目線を逸らした。
凛说道。我"嗯——"地应着,移开了视线。
「凛、なんか変わったなと思って。ブルーロックの時より」
"凛,总觉得你变了呢。和蓝色监狱时期比起来"
「そりゃあ、あれから何年経ってると思ってんだよ」 "废话,你以为从那之后过了多少年啊"
「そうだけどさ。……凛って結婚すんの?」 "话是这么说......凛你要结婚了吗?"
「は?」 “哈?”
凛が心底驚いた声を出す。俺はその顔を横目でチラッと見て言った。
凛发出难以置信的声音。我用余光瞥了一眼他的表情说道。
「いや、凛ってこの前、熱愛報道出てなかった?結婚秒読みとかなんとか」
“不是,凛你前段时间不是刚爆出热恋新闻吗?说什么结婚倒计时之类的。”
プロになって数年、凛はしょっちゅう熱愛報道で日本の週刊誌及びお茶の間を賑わせていた。つい先月もモデルの誰々が凛の試合を観戦しているのを撮られて「熱愛発覚!結婚間近」などと報道されていたばかりだ。凛は呆れたように言った。
成为职业选手几年间,凛经常因绯闻登上日本周刊杂志和电视节目。就在上个月,还被拍到某位模特来观看他的比赛,随即爆出"热恋曝光!婚期将近"之类的新闻。凛一脸无奈地回应道。
「……んなわけねぇだろ。何見て言ってんのか分かんねぇが」
"……开什么玩笑。完全不知道你在看什么胡扯"
「知らねぇの?自分の熱愛報道」 "你不知道吗?关于你自己的绯闻报道"
「根も歯もなさすぎて一つも確認してない」 "毫无根据的谣言,我一条都没确认过"
「そっかー」 "这样啊"
凛の熱愛報道が出るたび「あの凛が?」と半信半疑ではあったが、凛だって男だし、めちゃくちゃモテるだろうし、そりゃあいつかは結婚するだろう、と毎回新鮮に傷付いていたのだ。今回根も歯もない、と本人の口から聞けたことに俺は心底ホッとする
每次看到凛的热恋报道时,虽然都会半信半疑地想着"那个凛居然?",但凛毕竟也是个男人,肯定超级受欢迎,迟早会结婚的吧——每次想到这个都会重新被刺痛。这次能亲耳听到他本人说"纯属无稽之谈",我打心底松了口气
「……そういうお前はどうなんだよ」 "……那你呢"
凛がぼそりと言う。俺は首を捻った。 凛低声嘟囔道。我歪了歪头。
「俺?俺にそんな報道出たことないだろ」 "我?我可从没上过那种报道吧"
「……くだらねぇネットニュースに出てなくても、付き合ってる奴くらいはいるんだろ」
"......就算没上过那些无聊的网络新闻,至少也该有个交往对象吧"
そう決めつけられて何となく違和感を抱く。なんでそんな風に思うんだろう。
被这样武断地认定,总觉得有些违和感。为什么会这么想呢。
そういえば、アプリでやり取りしていた時もそんなことを言っていたな、と思い出す。凛は片想いの相手のことを『人当たりだけは良い。あと職業的にも女にモテる要素はある』と言っていなかったか。それと『どうせそのうち、そこら辺のモブ女ところっと結婚するタイプだ。アイツは』とも言っていた気がする。
说起来,用 APP 聊天时他也说过类似的话。凛不是评价过那个单恋对象"只是待人接物比较圆滑。再加上职业性质也有吸引女性的要素"吗?好像还说过"反正迟早会随便找个路人女结婚的类型。那家伙就是"之类的话。
そうだった。今の俺は凛が同性愛者だと知っているけど、凛は知らない。俺が男が好きだということを。
原来如此。现在的我知道凛是同性恋,但凛并不知道——不知道我喜欢男人这件事。
俺はじわりと手に汗をかくを感じた。言ってしまっても良いだろうか。凛に、俺が同性が好きなんだと。時間はあまりない。どうしても今日のうちに少しでも凛との仲を発展させたい。凛の片想い相手が俺だろうということは確信がなかったけれど、今話している感じでは凛は割と俺のことを受け入れてくれている感じがする。朝食を共にするのも、身体を触るのも拒否されなかったし。
我感到手心渐渐渗出汗水。说出来应该没关系吧?告诉凛我喜欢同性这件事。时间所剩无几。无论如何都想在今天之内推进和凛的关系。虽然不能百分百确定凛的暗恋对象就是我,但从现在的交谈氛围来看,凛似乎相当接纳我的存在。共进早餐也好,肢体接触也好,他都没有拒绝。
今すぐにでも言ってしまいたい。俺はブルーロックで初めて会った時から凛に片想いをしているのだと。
恨不得现在就脱口而出。告诉他从在蓝色监狱初次相遇时起,我就一直单恋着凛。
「……いるわけないじゃん恋人なんて」 "……怎么可能有恋人啊"
俺は言った。我ながら思ったよりも沈んだ声が出てしまった。凛もその声色に不可解そうな顔で俺を見た。
我说道。连自己都觉得声音比想象中更低沉。凛也因这语气露出困惑的表情看向我。
「……俺、ゲイだし」 "......我是同性恋"
続く俺の言葉に、凛の息を呑むような音が聞こえた。俺はとてもじゃないけど凛の顔を見れなくて、目の前のコーヒーカップを見ながらひと思いに続けた。
随着我继续的话语,听见凛倒吸一口气的声音。我实在没勇气看凛的脸,盯着眼前的咖啡杯一口气说完。
「俺、男が好きなんだよ。だから、恋人とかもなかなか出来なくて。欲しいなとは思ってるんだけど。まわりには仲間はいないし。……マッチングアプリとか登録してみたりもしたけど」
"我喜欢的是男人。所以一直很难找到恋人。虽然心里也渴望能有。周围没有同类。......也试过注册交友软件之类的"
「はぁ?」 「哈?」
凛がキレたような声を出す。思いっきり凛に肩を掴まれてこちらを向かされた。凛はイラついた顔で俺のことを見ていた。
凛发出像是发火的声音。被他用力抓住肩膀强行转向他那边。凛正用烦躁的表情瞪着我。
「……マッチングアプリ?」 「……交友软件?」
そう聞き返されて、ヤバい喋り過ぎた、と気付く。自分でも自分の顔がサァッと青ざめたのが分かった。凛はそんな俺の表情を見て、俺の肩を掴んでいた手を離した。
被他这么反问,我才意识到糟糕说漏嘴了。连我自己都能感觉到脸色刷地变白了。凛看着我这副表情,松开了抓着我肩膀的手。
「ごめん、凛。喋り過ぎた」 “抱歉,凛。我说太多了”
「……で?」 “……然后?”
「え?」 “诶?”
「だからアプリとやらに登録したんだろ」 “所以你才注册了那个什么交友软件吧”
「あ、うん」 “啊,嗯”
どうやら凛は続きが聞きたいらしい。俺は弁解するように言った。
看来凛似乎想继续听下去。我像是辩解般说道。
「登録してみたけど、全然ダメだった。恋人とか一回も出来たことない」
“试着注册了,但完全不行。连一次恋爱都没谈成过”
「……ふん。そりゃそうだろ」 “……哼。那当然了”
「なんだよそれ」 "这算什么啊"
お前に恋人が出来るわけないと言われているようでムッとする。凛は先ほどの怒ったような表情を一転させてけろっとした顔で言う。
感觉就像在说"你怎么可能有恋人"一样让人火大。凛突然转变了刚才生气的表情,若无其事地说道。
「あんなアプリ、ヤリモクしかいねぇ」 "那种交友软件上只有想约炮的家伙"
「……なんで、凛が知ってんだよ」 "……为什么凛会知道啊"
「……別に。何となく予想はつく」 "……没什么。大概能猜到"
そうじゃなくて、自分がまさにヤリモク――というよりエロ目的?でアプリを使ってたからだろ、と俺は内心思ったけど言わないでおいてやった。
其实不是这样吧,我暗自心想,你自己不正是为了约炮——或者说性需求?才用那个 APP 的吧,不过我没把这话说出口。
「で?何人くらいに会ったんだ」 "所以?见了多少人"
凛はなおも続きを促してくる。俺の予想以上にマッチングアプリの話題に食い付いてくるのに戸惑いながら「分かんねぇ」と言った。
凛继续追问。他对交友软件话题的热衷程度超出我的预料,我困惑地回了句"记不清了"。
「数えてないし。5、6人は会った気がする」 "没数过。大概见过五六个吧"
「ドイツでか」 "在德国吗"
「まあ。近くの奴を検索しないと会えないじゃん」 "是啊。不搜索附近的人就见不到嘛"
「……ふん」 "……哼"
凛が気に入らないと言うように鼻を鳴らす。俺はそんな凛に反撃するつもりで言った。
凛像在表达不满似的哼了一声。我打算反击这样的凛,于是说道。
「そういう凛も恋人いないんだろ」 "这样的凛不也没有恋人嘛"
熱愛報道は根も歯もないと言っていた。だから凛だって恋人はいないはずだ。それに俺は知っている。凛もマッチングアプリに登録している。それに俺よりよっぽどタチが悪いことに、凛は会う気もないのに相手にエロ画像やエロ動画を送らせるのが目的だ。恋人を真剣に探していた俺の方がまだ真っ当な使い方をしていると思う。
他曾说过那些热恋报道纯属子虚乌有。所以凛应该也没有恋人。而且我知道,凛也在配对软件上注册了。更恶劣的是,凛明明没有见面打算,却以索要色情图片和视频为目的。认真寻找恋人的我好歹还算正当使用。
「……別に俺はお前に恋人がいないことを馬鹿にしてるんじゃねぇ。マッチングアプリに手を出したのが最悪だって言ってんだよ。アプリで恋人が出来るわけねぇだろ。ヤリてぇだけの奴しかいねぇよ。お前みたいな奴は恰好の餌食だ」
"......我又不是在嘲笑你没有恋人。我是说用配对软件最糟糕了。那种软件怎么可能找到恋人?全是只想上床的家伙。像你这种家伙就是绝佳的猎物"
ボロクソに言われてイライラする。アプリで恋人が出来ない、と凛は言うが、俺が今まで何人か会った人たちの中にはアプリでの出会いで数年付き合った、みたいな話もよく聞いた。その話をしてやろうか、と思っているとさっきまでバッサリと俺を切っていた凛が、急に聞きづらそうに口ごもりながら言った。
被人说得一无是处真是火大。凛总说交友软件找不到真爱,可我之前见过的人里,通过软件相识恋爱好几年的例子比比皆是。正想拿这些例子反驳他,刚才还对我冷嘲热讽的凛突然支支吾吾地开口了。
「……それより」 "……比起那个"
「なに?」 "什么?"
「……お前はどっち側なんだ」 "……你到底是哪边的"
「どっち側?」 「哪一边?」
凛は「察しろよ」みたいな顔をしている。そんな顔をされても、未だに凛が何を言いたいのかよく分かっていない俺を見て、凛は舌打ちをした。
凛摆出一副「你该懂的吧」的表情。但即便他这样看着我,我还是没明白他想说什么。见状,凛咂了下舌。
「……だから、男を抱きたいのか抱かれたいのかってことだよ」
「……所以是问你想抱男人还是被男人抱啊」
俺はぽかんと口を開けて凛を見つめた。言葉の意味を理解してジワジワと頬が熱くなってくる。
我呆呆地张着嘴看向凛。等理解话中含义后,脸颊渐渐烧了起来。
「……なんでそんなこと聞くんだよ。凛に関係ねぇだろ」
"……干嘛突然问这个。跟凛没关系吧"
そうか。一言にゲイだと言っても、男を抱きたい男と男に抱かれたい男がいるのか。当たり前の話なのに頭からスッポリ抜け落ちていた。確か、凛はタチ役だとアプリに登録していたはずだ。
原来如此。虽说都是同性恋,但既有想攻的男人也有想受的男人啊。这么简单的道理我却完全没意识到。记得凛在 APP 上注册的是攻方角色。
――俺は抱かれたい。 ——我想被上。
口を開けてそう言おうとしたが、恥ずかしさが勝り声にならなかった。自分が男に抱かれたいと思っていることを改めて宣言をする――しかも長年の片想いの相手に――という状況が無性に恥ずかしくなる。
我张了张嘴刚要这么说,羞耻感却压倒了勇气让声音卡在喉咙里。要向暗恋多年的对象亲口承认自己想被男人上——这种状况让我莫名感到羞耻难当。
なかなか言わない俺を凛が急かす。 凛催促着很少开口的我。
「どっちなんだよ」 "到底是哪边啊"
「……言ったらどうなるんだよ」 "……说出来会怎样"
「どうなるって……」 "会怎样……"
「……抱かれたいって言ったら凛が抱いてくれんのかよ」
"……要是我说想被你抱,凛会抱我吗"
思い切って一思いに口にすると、心臓があり得ないほど早鐘を打った。ああ言ってしまった、と凛の顔をチラリと見る。
鼓起勇气脱口而出时,心脏以不可思议的速度狂跳起来。说出来了啊——我偷瞄着凛的表情。
凛は片方の口角を微かに上げて目を細めて俺を見ていた。俺は凛と出会って数年経つが、凛が笑うのを初めて見た。
凛微微扬起单边嘴角眯眼注视着我。虽然和凛相识已有数年,但这还是我第一次看见他笑。
「……抱かれたいのか」 "……想被我抱吗"
凛の声が低い。その声に背筋がゾクっとした。凛が明確に俺をロックオンしたのが分かった。
凛的声音低沉。那声音让我脊背发麻。我清楚地意识到凛已经锁定了我。
「お前はどんな奴が好みなんだよ」 "你到底喜欢什么样的家伙"
凛が俺の耳元に顔を寄せて聞く。明らかにさっきよりも距離が近い。
凛把脸凑到我耳边询问。明显比刚才的距离更近了。
凛はこうやってセックスしたい相手を口説くのか、と思った。
我心想,原来凛是这样勾引想上床的对象啊。
「……別に。そんな好みとかないけど」 "……没什么特别的偏好"
「誰でもいいのかよ」 "所以是谁都可以吗"
「いや、そんなわけないじゃん。……年は出来れば近い方が良くて。あと背は俺より大きい方が好みだから180以上とかで検索したりしてた」
"不,怎么可能……年龄最好是相近的。还有身高比我高的话会更好,所以会筛选 180 公分以上的"
言いながら少し恥ずかしくなる。なんで俺、凛相手にこんな話をしてるんだ。凛は「ふーん」と言いながら椅子の背もたれに寄り掛かった。
说着说着有点难为情起来。为什么我要和凛说这些啊。凛"嗯——"地应着声,把身子靠在了椅背上。
「お前より背が高くて、年が近い男なんて死ぬほどいるだろ」
"比你高又年纪相仿的男人不是一抓一大把吗"
「え?まあ、そうだな。ドイツの人って背が高いし……」
"啊?呃...确实。德国人普遍都挺高的..."
「じゃあ、なんで経験ないんだよお前は。いつも土壇場で怖気づいてんのか?本当は男が好きじゃねぇとかじゃないのか」
"那你为什么还是处男啊?每次都临阵退缩吗?该不会其实根本不喜欢男人吧"
確かに言われてみるとその通りだ。アプリで今まで会った人たちは俺の『好み』の条件で検索して、メッセージのやり取りをして会った人たちばかりだった。でもセックスをするのはダメだった。
仔细想想确实如此。交友软件上认识的人都是按我"喜好"筛选的,也都是聊过天才见面的。但真到要做爱时就退缩了。
「……なんかダメだったんだよな。なんでだろ」 "……总觉得不太行啊。为什么呢"
「本当は好みじゃなかったんだろ。要するに」 "其实根本不是你的菜吧。说白了"
凛はそう断言するとテーブルの下で俺の手を握ってきた。俺は息が止まった。凛が俺の手を握っている。あの凛が?凛は顔を近づけて耳元で囁く。
凛这么断言着,在桌下握住了我的手。我呼吸一滞。凛正握着我的手。那个凛?凛把脸凑近在我耳边低语。
「お前の本当の好みは、身長がどうとか年がどうとかそんなくだらねぇことじゃねぇってことだよ」
"你真正的喜好,根本不是什么身高年龄之类的无聊条件啊"
すぐ近くの凛の顔を見る。凄く綺麗だ。目が合うと、心臓がヒュッと潰されたかのように痛くなる。
凝视着近在咫尺的凛的面容。美得令人窒息。当目光交汇时,心脏仿佛被猛地攥紧般疼痛起来。
「お前の本当の好みはなんだ?」 "你真正的喜好是什么?"
凛が真っ直ぐに俺を見て聞く。 凛直视着我问道。
その顔を見ながら俺は思い出した。 望着那张脸,我突然想起来了。
幼稚園の頃、初めて男の子を好きになった時から、俺が好きなタイプは、背が高くて、無口で、顔がカッコよくて、サッカーの上手い男の子。
从幼儿园时期第一次喜欢上男孩子开始,我中意的类型就是个子高、话不多、长相帅气、足球踢得好的男生。
「――凛、かも」 "——说不定是凛"
俺は無意識のうちに呟いていた。 我无意识地喃喃自语道。
そうだ、俺の好みはまさに凛だった。幼稚園の頃から何度も恋には落ちたけど、ブルーロックで凛にあって以来、俺は誰のことも好きになることが出来なかった。
没错,凛完全符合我的喜好。虽然从幼儿园起经历过无数次心动,但自从在蓝色监狱遇见凛后,我就再也无法喜欢上任何人了。
凛の前では、それまでの淡い片想いなど色褪せて思えた。きっとあれが俺の人生で最後の恋だった。
在凛面前,之前那些淡淡的单相思都显得黯然失色。那一定是我人生中最后的恋情了。
凛は俺の答えに満足そうな顔をすると、握ったままだった俺の手を引っ張って立ち上がった。
凛对我的回答露出满意的表情,拉着我一直握着的手站了起来。
「出るぞ」 "走吧"
俺はどこに連れて行かれるかも分からないまま、ポーッと凛の顔を見たまま頷いた。
我茫然地望着凛的脸点了点头,完全不知道会被带去哪里。
ホテルの扉を閉めた途端、凛が俺の身体を正面から抱きしめた。凛はロードワークの後だったから、香水なんかも付けてない。服の柔軟剤の匂いにまじって凛の匂いがした。
关上酒店房门的瞬间,凛从正面抱住了我的身体。因为刚结束公路训练,凛身上连香水都没喷。在衣物柔顺剂的清香中混杂着他特有的气息。
カフェを出た後、腕を引かれるまま連れて行かれたのは凛がチームで泊まっているホテルだった。ロビーや廊下でたまにチームのスタッフやチームメイトとすれ違ったが、その度に凛がさりげなく俺を隠してそのまま通り抜けた。
离开咖啡馆后,被他拽着手腕带到了球队下榻的酒店。虽然在大厅和走廊偶尔会碰到球队工作人员或队友,但每次凛都会不着痕迹地把我藏起来快步通过。
凛の唇が俺の耳を優しく愛撫する。吐息が耳をくすぐって背筋がゾクゾクと震えた。
凛的唇瓣温柔地爱抚着我的耳垂。呼出的气息搔得耳廓发痒,脊背窜过一阵酥麻的颤栗。
「シャワー浴びるか」 "要一起冲澡吗"
低い声がそのまま俺の耳に流される。凛の手が俺の腰を撫でてそのまま尻をなぞった。俺は凛の胸元を押して距離を空けながら言った。
低沉的声音直接流入我的耳中。凛的手抚过我的腰际,顺势滑向臀部。我推着凛的胸口拉开距离说道。
「……シャワー貸してくれる?準備してくる」 "……能借我冲个澡吗?我去准备一下"
「手伝ってやる」 "我来帮你"
「それは……ちょっと恥ずかしいかも。凛、時間ないんだろ?俺がシャワー浴びてる間に帰る準備でもしとけよ」
"那个......可能会有点害羞。凛,你不是没时间了吗?趁我冲澡的时候去做回家的准备吧"
凛は言わないけど、きっとこのホテルを出発するまでそう時間はないはずだ。俺は夕方の飛行機を予約しているからまだ余裕だけど、チームで移動する必要がある凛は時間の融通は効かない。きっと1回抱かれたらそのままサヨナラだろう。甘いピロートークなんてものも期待出来そうにない。凛は少し迷ったような顔をして部屋の奥を見た。俺がチラリと見た限り、凛の私物がまだ部屋の中に残っている。すぐに部屋を出発出来る状態ではないはずだ。凛もそう思ったのだろう。眉を顰めて俺から離れた。
凛虽然没说,但距离我们离开这家酒店应该没多少时间了。我订的是傍晚的航班还算宽裕,但需要随队行动的凛可没时间耽搁。估计做完一次就得直接告别了吧,连温存的情话都别指望能听到。凛略显犹豫地望向房间深处,从我瞥见的情况来看,他的私人物品还散落在房里,显然没做好立刻退房的准备——他应该也意识到这点,蹙着眉头从我身边退开。
「すぐ戻る」 "马上回来"
俺はそう言ってそのまま廊下の途中にあったシャワールームに入った。服を脱ぎながら、自分の手が震えているのが分かった。
我边说边走进走廊中段的淋浴间。脱衣服时才发现自己的手在发抖。
ずっと片想いをしていた凛にこれから抱かれるのだ。嬉しいことは嬉しい。ただ、凛の気持ちが分からない。凛も俺のことを好きなはずだと思っていたけど、それはただの俺の予想で、肝心の凛本人からは直接的なことは何も言われていない。
马上就要被暗恋多年的凛拥抱了。开心固然是开心的,可我看不透他的心思。原以为凛肯定也喜欢我,但那不过是我一厢情愿的推测,关键是他本人从未明确表态过。
抱かれた後、俺と凛の関係はどうなってしまうんだろう。
被拥抱之后,我和凛的关系会变成怎样呢。
複雑な気持ちのままアナルを洗浄し、自宅から持ってきていたローションで少し穴も解す。凛に会うから、と思ってそっとバッグの奥に忍ばせたローションだ。荷物の中に入れる時には、本当にこれの出番があるとは思ってはいなかった。
怀着复杂的心情清洗后庭,用从家里带来的润滑剂稍微扩张了穴口。这是想着要见凛,才悄悄塞在包深处的润滑剂。收拾行李时,根本没想过真的会派上用场。
部屋に戻ると、凛はキャリーケースの前に立っていた。部屋の様子から見て帰国の準備は出来たらしい。凛は振り返ると、そのままベッドに向かう。
回到房间时,凛正站在行李箱前。从房间状况来看似乎已做好回国准备。凛转过身,径直走向床铺。
「来いよ」 "过来"
ベッドの淵に腰掛けた凛が言う。俺は腹を括って頷いた。
凛坐在床沿说道。我下定决心点了点头。
凛に抱かれたいか抱かれたくないかと言えば抱かれたい。正直、今すぐにでも欲しい。抱かれた後のことは抱かれた後に考えれば良いのだ。
要说想被凛抱还是不想被凛抱,那当然是想。说实话,现在立刻就想要。被抱之后的事等被抱了再考虑也不迟。
凛の隣に座ると、凛が俺の肩に腕を回した。 我刚在凛身旁坐下,他就伸手环住了我的肩膀。
「準備出来たか」 "准备好了吗"
「うん。出来た」 「嗯。可以了」
「……本当に誰にも抱かれたことねぇのか」 「……真的没被任何人抱过吗」
凛が俺の首筋に顔を埋めながら言う。俺は熱っぽい息を吐きながら頷いた。
凛把脸埋在我的颈窝里问道。我呼着灼热的气息点了点头。
「うん。ない」 「嗯。没有」
「アナルは慣れてんのか」 "你后穴已经习惯了吗"
「……まあ、自分では、触ったりしてるし……」 "......算是吧,我自己也会碰那里......"
言いながら頬が熱くなる。凛が俺の肩に回していない方の手で俺の顎を掴んで自分の方に向けながら言った。
说着脸颊就烧了起来。凛用没环住我肩膀的那只手捏住我的下巴转向他,低声道。
「潔」 "洁"
凛の唇が合わさる。凛は俺を認識している。今から自分が抱くのが他でもない潔世一だと理解している。そう思った時に、少しだけ胸のつっかえが取れるのが分かった。好きな人に名前を呼ばれるってこんなに嬉しいのか。ブルーロックで毎日顔を合わせていた時には何とも思っていなかったのに。
凛的嘴唇贴合上来。凛是认得我的。他清楚地知道此刻要拥抱的不是别人,正是洁世一。想到这里时,我发觉胸口那点郁结稍稍消散了些。被喜欢的人呼唤名字原来是这么令人欢喜的事。在蓝色监狱日日相见时明明毫无感觉。
「凛」
キスの合間に俺も囁くと、凛の口角が少し上がったのが分かった。凛も同じことを考えている。名前を呼ばれるのって嬉しい。
在亲吻的间隙里我也轻声呼唤,看见凛的嘴角微微上扬。原来凛也怀着同样的心思——被叫名字确实令人欢喜。
俺は凛の首に腕を回した。 我将手臂环上凛的后颈。
「……何時にここ出発?」 “……几点从这儿出发?”
凛は俺の頬を撫でながら言った。 凛轻抚着我的脸颊说道。
「……あと1時間もねぇ」 “……不到一小时了”
「そっか。急がないと」 “这样啊。得抓紧了”
凛が俺の身体を押す。俺はそれに逆らわずにベッドの上に横たわった。
凛将我的身体推倒。我没有反抗,顺势躺在了床上。
凛の動きは性急だった。最初は時間がないからか、と思っていたけど、途中で凛の息遣いが荒いのに気付いて「興奮してるんだ」と分かった。
凛的动作很急切。起初我以为是因为时间紧迫,但中途注意到他粗重的喘息声,才明白"原来他这么兴奋"。
あっという間に服を脱がされてキスをされながら、わけが分からないまま身体中を愛撫された。凛のキスは執拗で、お互いに一言も喋れなかった。
转眼间衣服就被剥光,在接吻的同时,莫名其妙地被抚遍全身。凛的吻很执着,我们谁都没能说出一句话。
身体をひっくり返されて四つん這いにされる。ようやく唇が離れたかと思ったのに後ろを無理やり向かされてまたキスされた。凛ってキスが好きなんだな、なんて呑気にもそう思った。
身体被翻转过来变成趴跪姿势。刚以为终于能离开他的嘴唇,却又被强行扭过头继续接吻。我甚至悠闲地想着,原来凛这么喜欢接吻啊。
凛がアナルに指を這わす。誰にも触られたことのないそこを刺激されて喉が鳴った。そんな俺の声に興奮したのか、凛の息が更に荒くなる。
凛的手指在我的后穴游走。从未被人触碰过的部位受到刺激,让我忍不住发出呜咽。听到我的声音,凛似乎更加兴奋,呼吸变得愈发粗重。
俺の性器は自分でも分かるくらいにびちょびちょに汁を垂らしていた。恥ずかしくて仕方がない。凛には見られたくない。凛の指がぬるっとアナルの中に入ってくる。
我的性器早已湿得一塌糊涂,连自己都能感受到黏腻的液体不断渗出。羞耻感几乎要将我淹没,实在不想被凛看见这副模样。就在这时,凛的手指突然滑进了我的后穴。
「……あ、っ」 「……啊、嗯」
凛の手の動きは的確で、コイツこんなことも上手いのかよと思った。気持ちいいけど同時に少し焦る。
凛的手法异常娴熟,我不由想着这家伙连这种事都这么擅长吗。快感如潮水般涌来的同时,心底却莫名泛起一丝焦躁。
「……っ、凛、俺、経験なくて。全然良くなかったらごめん」
"……凛、我、没有经验。如果表现很差的话对不起"
本音をこぼすと、凛は背中から俺を抱き締めてくれた。
听到这句真心话,凛从背后紧紧抱住了我。
「そんなこと考えんな」 "别想那些没用的"
アナルに凛の性器が当たったのが分かる。熱くて硬くて凛のもぬるぬると濡れていた。
我能感觉到凛的性器抵在我的后穴上。又热又硬,还湿漉漉地泛着水光。
「お前は余計なことを考えなくていい」 「你不用想那些多余的事」
「……凛が気持ち良くなかったらどうしよう」 「……要是凛觉得不舒服怎么办」
「テメェは寝てるだけでいいんだよ。気が逸れるからこれ以上ペラペラ喋んな」
「你他妈只管躺着就行。再说废话会让我分心」
「寝てるだけは流石にダメだろ……」 「光躺着也太不像话了吧……」
凛は俺の身体をひっくり返すと、前から俺の顔を見つめた。
凛把我的身体翻转过来,从正面凝视着我的脸。
「お前だろうが。俺に気付かせたのは」 "就是你吧。让我注意到这件事的"
「……え?」 "……诶?"
凛が何を言っているのか分からなくてぽかんとしてしまう。凛は俺の性器に自分の性器を擦り付けながら言った。
我完全不明白凛在说什么,只能呆呆地发愣。凛一边用他的性器摩擦着我的,一边说道。
「ブルーロックの時、テメェの寝息のせいで眠れなかった時があった」
"在蓝色监狱的时候,有次因为你的呼吸声害我睡不着"
「え?あ?大部屋の時?イビキとかかいてた?俺」 "哈?啊?大通铺的时候吗?我打呼噜了?"
「そういう意味じゃない。……大浴場で見たお前の裸が忘れられなかった」
"不是那个意思。......在大澡堂看到的你的裸体让我忘不掉"
そう言って凛が手を伸ばして俺の乳首を摘む。ピリッとした快感が走った。
凛说着伸手捏住我的乳头。一阵刺痛般的快感窜过全身。
「あ、ヤダ……っ」 「啊,不要……嗯」
「ヤダじゃねぇよ。かわい子ぶんな。エロ乳首」 「少装纯了。色情乳头」
エロ乳首ってなんか前にも言われたことあるな、と思って思った。アプリの中で凛に画像を送った時、エロい乳首だと言われたことがあった気がする。自分で触ってんのか、と言われて恥ずかしくなった。確かに俺は自分で乳首を触るのが好きで、それのせいでちょっとだけ乳頭がぷっくりしている。
"色情乳头"这个说法好像之前也被人说过,我恍惚想着。记得在 APP 里给凛发照片时,就被说过乳头很下流。还被问"该不会是自己摸的吧",顿时羞得不行。确实我很喜欢自己玩弄乳头,导致乳尖有点微微发肿。
「ヨガの時、ベタベタ触ってきやがって」 「练瑜伽的时候,黏黏糊糊地摸过来」
それは自分でも記憶にある。凛の身体に興味があったから、ヨガを教えて欲しいという名目でよく凛の身体に触れていた。当時、凛はどんなに俺に身体を触られていても涼しい顔をしていたけど、もしかして内心は動揺していたのか?
这件事我自己也记得。因为对凛的身体感兴趣,所以借着教瑜伽的名义经常触碰他的身体。当时无论我怎么摸凛的身体,他都一副若无其事的样子,但说不定内心其实很动摇?
「全部テメェのせいだよ、人の性癖狂わせやがって」 "全都怪你这混蛋,害得我性癖都扭曲了"
凛が俺の擦り付けている性器は俺に負けず劣らず汁を垂らして俺の腹を濡らしていた。ピキピキと血管を浮かせて、早く射精をしたいと訴えているようだ。
凛那根蹭着我的性器正和我的一样不断渗出液体,把我的腹部都弄湿了。青筋暴起的模样仿佛在诉说着想要快点射精。
凛が昔の話をするから、それに釣られて当時の記憶をまざまざと思い出された。ブルーロックにいた時、凛の姿を見ただけで、胸が張り裂けそうだった。好きだとバレないようにしないといけないと分かっていたのに、でもたまに凛の腕に触れながら、この想いが少しで良いから伝わってくれないだろうか、とも思っていた。
因为凛提起往事,我也被勾起鲜明的回忆。在蓝色监狱时,光是看到凛的身影就让我胸口快要裂开。明明知道不能暴露这份喜欢,可有时摸着他的手臂,又会忍不住想:这份心意哪怕能传达一点点也好啊。
「……凛、俺、ブルーロックの時からずっと凛が好きだった……」
“……凛,我从蓝色监狱时期就一直喜欢着你……”
興奮で息を切らしながら俺は凛に言った。凛の手を掴むと、それに応えるように凛が手を握り返してくれる。
我喘着粗气向凛告白。抓住凛的手时,对方也回握了过来。
「おせぇ。言うのが」 “太慢了。现在才说”
「……凛だって」 “……凛不也是”
「……俺は気付くのが遅かったんだよ。お前は自覚があったんなら早く言え」
“……我察觉得太迟了。你既然有自觉就该早点说啊”
これまでのまわりくどい凛の言葉を整理するに、凛は俺のことが好きなようで、だから俺は寝てるだけで良いと言ってくれているらしい。
整理凛至今拐弯抹角的话语,他似乎喜欢我,所以才说只要我躺着就好。
全ての答え合わせが済んだので、もはや俺の脳内には「凛が早く欲しい」ということしか残っていなかった。
所有答案都已核对完毕,此刻我脑海里只剩下“想要凛快点”这个念头。
「凛、早くちょうだい」 “凛,快点给我”
足を広げて尻を振ってアナルを見せつける。ここもアプリで凛に「エロいまんこ」って言われたっけ。凛もまさに今そう思っているようで、凛の性器がピクリと揺れた。
张开双腿摇晃臀部展示着后穴。这里也是用 APP 被凛说过"色情小穴"的地方吧。凛现在似乎也正这么想着,凛的性器微微颤动了一下。
そのまま凛が俺のアナルに性器を突き立てた。足を持ち上げられて体重がグッとかけられる。
就这样凛将性器插入了我的后穴。双腿被抬起,体重完全压了上来。
「……あっ、あ゛……っ!」 "……啊、啊……!"
目の前に星が散った。初めての時は痛いらしい、と聞いていたけど、俺はおもちゃで散々鳴らしていたので痛みはほとんどなかった。
眼前迸发出星光。听说第一次会很痛,但我早就用玩具玩过无数次,几乎没感到疼痛。
「ひっ……ぁ」 「嗯……啊」
「潔……っ、潔」 「洁……洁」
凛が呟いている。俺は凛の顔に手を伸ばしていた。凛が分かってると言わんばかりに身体を倒して唇を寄せてくる。
凛低声呢喃着。我向凛的脸伸出手。凛仿佛心领神会般倾身凑近双唇。
凛の頭に腕を回して凛の髪を両手で掴む。あ、凛、この後に移動なのに髪の毛ぐちゃぐちゃにしちゃってごめん、なんて妙に冷静な部分と、もうこのままこの男の全てをぐちゃぐちゃにしてしまいたいという欲望が湧く。
我环住凛的后脑,双手攥紧他的发丝。啊凛,明明待会还要出门却把你的头发弄乱了对不起——这样异常冷静的念头,与想要就此将这个男人的一切都彻底搅乱的欲望同时涌现。
凛が俺の背中に腕を回して、俺の穴に腰を打ちつける。獣みたいなセックスだなと思った。
凛把手臂环上我的后背,将腰身撞进我的穴口。这简直像野兽般的交合啊。
「潔……っ。テメェもうアプリなんかで男漁んなよ」 "洁……你他妈别再用什么软件钓男人了"
キスの合間にそう言われて頭がついて来なかった。何の話?アプリ?
在接吻的间隙听到这句话时,我完全没反应过来。什么软件?他在说什么?
「あっあ゛っ」 "啊…啊!"
「浮気したら殺す」 「敢出轨就杀了你」
浮気、の単語に少しだけ正気が戻ってきた。浮気って。
"出轨"这个词让我稍微恢复了点理智。出轨啊。
「……っあ、凛、俺と付き合ってくれんの……?」 「……啊、凛、你愿意和我交往吗……?」
「っ、この後に及んですっとぼけてんじゃねぇ。死ねよ」
「靠,都到这份上了还装傻。去死吧」
凛が鬼の形相で俺を見ている。真面目に会話をしたいから一旦ピストンを止めてくれ、と思ったけど、絶対止めてくれそうにない。
凛正用恶鬼般的表情瞪着我。虽然想认真对话希望他先停下活塞运动,但看来他绝对不会停手。
「凛っ、好きっ、大好き……っ」 "凛...喜欢你...最喜欢你了..."
俺の言葉に凛が小さく「殺す」と呟いた。好きって言っても言わなくても殺されるんじゃん俺、なんて思う。
听到我的告白,凛低声嘟囔了句"杀了你"。无论说喜欢还是不说都会被干掉吧,我暗自想着。
「イク、イク……っ、もうイクっ」 "要去了...去了...已经不行了..."
快感の頂点に登り詰めるのが分かって俺は無意識に「イク」と何度も呟いていた。凛の腰がガツガツと奥を穿つ。俺はそのまま絶頂を迎えた。
我知道自己即将攀上快感的巅峰,无意识地反复呢喃着"要去了"。凛的腰肢激烈地穿刺着深处。我就这样迎来了高潮。
出発の5分前ギリギリまで凛は俺の身体を離さず、散々俺の中に欲望を吐き出して、最後は別れの言葉もそこそこに部屋を出て行った。ちなみにコンドームなんて持っていなかったから全部中に出された。アイツ最低だな、なんて一人でベッドの上でぼんやりしたまま、凛の消えて行った扉を見ながら思う。きっとそのうちこの部屋に清掃も入るし俺も長居はしていられない、と分かっているけど腰がガクガクで動けそうにない。もうこれは清掃の人と鉢合わせするしかないか、と覚悟していたらスマホが鳴った。
直到出发前五分钟凛都不肯放开我的身体,在我体内尽情宣泄欲望后,最后连像样的告别都没有就离开了房间。顺带一提因为根本没准备避孕套,全都射在里面了。那家伙真是差劲透了,我独自瘫在床上,望着凛消失的房门发呆。虽然知道很快会有清洁人员进来,我也不能久留,但腰软得根本动不了。正做好要和清洁工撞个正着的觉悟时,手机突然响了。
『その部屋の清掃は後回しにしてもらった。もう少しゆっくりして良い。後始末しなくて悪かった』
我让他们延后打扫那间房了。你可以多休息会儿。没做清理很抱歉
先ほど交換したばかりの連絡先からのメッセージに少しだけホッとする。凛が『悪かった』なんて俺に謝るのは初めてかもな、と思った。
看着刚交换联系方式就发来的消息,我稍稍松了口气。凛居然会对我说"很抱歉",这恐怕还是头一遭吧。
『やり逃げだろコレ』 『这根本就是睡完就跑吧』
『時間なかったから仕方ねぇだろ。悪かったって言ってんだろうが』
『当时没时间了我也没办法啊。不是都道歉了吗』
後半は完全に逆ギレしてて、これでこそ凛だよなと思って少し笑える。しばらくベッドでゴロゴロして、身体の火照りが落ち着いたところでシャワーを浴びた。
后半段完全变成了恼羞成怒,这种反应才像凛嘛,想着想着不禁觉得有点好笑。在床上翻滚了一会儿,等身体的燥热消退后去冲了个澡。
何とか着替えてホテルを出る。そのまま空港へと向かうために電車に乗った。ひとまず座席に座って落ち着いたところで時計を見たらまだ午前中で、すごく濃密な数時間だったなと思った。サッカーの試合中ぐらい1分1秒にたくさんのことが詰め込まれていた。今朝、数年ぶりに凛と再会して、朝食を食べて、想いを伝え合って、セックスをした。未だに身体にはその名残があるくらいだ。それがこのたった数時間ほどの間に全て詰め込まれている。
勉强换好衣服离开酒店。为了赶往机场直接坐上了电车。刚在座位上安顿下来看了看表,发现居然还是上午,这几个小时真是信息量爆炸。就像足球比赛里每分钟都塞满了各种事件。今早和时隔多年的凛重逢,共进早餐,互诉衷肠,还做了爱。现在身体里还残留着当时的触感。所有这些竟然都压缩在这短短几小时内。
その時に手に持ったままだったスマホが震えた。凛かな、と思うと案の定、凛からだった。メッセージと共に画像が一枚送られてくる。
这时握在手里的手机突然震动。凛发来的吧,果然不出所料,真是凛的消息。伴随着文字还发来一张图片。
『またそっち行く。この便で行くから空港まで迎えに来い』
『我又要去你那边。坐这班飞机,来机场接我』
メッセージを読んだ後に画像を見ると、フライト情報のスクショだった。2週間後の日付だ。
读完消息后点开图片,是航班信息的截图。日期显示在两周后。
『お前、俺の予定も聞かずに航空券取るなよ』 『你这家伙,都不问我的安排就擅自订机票啊』
『この日、お前は試合ねぇだろ。遠征もないから移動もないはずだ』
今天你没有比赛吧。也没有远征任务,应该不需要移动
凛は俺のチームの試合スケジュールと自分のチームのスケジュールを照らし合わせて勝手に会う日を決めてしまったようだ。俺は苦笑した。念の為自分のスケジュール表を見ると、その日は午前中に練習が入っているだけの日だった。
凛似乎对照了我所在球队的赛程表和自己球队的赛程,擅自决定了见面日期。我苦笑着。为防万一查看自己的日程表,发现那天确实只有上午安排了训练。
『まあ良いけど。スポンサーの仕事とか取材とか入ってる日もあるからさ。これからはあらかじめ連絡してな』
倒也无所谓。不过有时候会有赞助商工作或者采访安排。以后记得提前联系
『分かった』 知道了
思いの外、素直な返信が返ってきた拍子抜けする。その後、凛は『今から飛行機に乗る』と送ってきたのでやり取りは終わった。
出乎意料地收到了坦率的回复,让我有些泄气。之后凛发来"现在要登机了",对话就此结束。
俺のフライト予定にはまだ時間があったので、電車を降りた後、空港に行く前に途中でカフェに寄った。チェーン店ではない、こぢんまりとした昔ながらのカフェって感じだった。カウンターの奥で店主が暇そうに店内のテレビを眺めている。
我的航班还有段时间,下电车后去机场前顺路去了家咖啡馆。不是连锁店,是家小巧的老式咖啡馆。店主在柜台后百无聊赖地看着店内电视。
身体は疲れていたけど、不思議と眠気もなく、しんどいとかもなかった。これが恋の力か、なんて柄にもなく思う。コーヒーを頼んだ後に、手持ち無沙汰にスマホいじる。すると、マッチングアプリのアイコンが目に入った。
身体虽然疲惫,却莫名没有睡意也不觉得难受。这莫非就是爱情的力量,我不合时宜地想着。点了咖啡后无所事事地摆弄手机,突然瞥见交友软件的图标。
そういえば、と思って俺はそのアプリを開いた。昨日までやり取りしていた男――Euleさんのプロフィールを見ようとすると、プロフィールの代わりに表示される『退会済』の文字。俺はそれにふっと笑った。凛は早々にマッチングアプリを消したらしい。おそらく俺にアプリを使ってることがバレる前に消してしまおうと思ったのだろう。
说来也是,我点开那个应用。想查看昨天还在聊天的男性——Eule 先生的资料时,却只看到"已注销"的提示。我不由轻笑出声。看来凛早早删掉了交友软件。大概是想在被我发现使用这个应用前就销号吧。
今朝、アプリ上の男と朝食の約束をしていたことを凛は憶えているのだろか、と思った。まあ多分忘れてるだろうな。散々エロ画像やらエロ動画やらを送らせて、会う約束までしたのに直前で連絡もなしにすっぽかすなんて酷い男だ。
凛还记得今早和软件上那个男人约好吃早餐的事吗?我猜他大概忘了吧。明明让我发了那么多色情图片和视频,连见面都约好了,却在最后关头音讯全无地放鸽子,真是个过分的男人。
その時、店主が俺のコーヒーを持って来てくれたので、俺はスマホを置いてお礼を言いながら顔を上げた。店主越しに天井近くに設置されているテレビが目に入る。そこにはニュースが映されていた。昨晩行われたチャンピオンズリーグの結果を報じている。俺はそれを見ながらコーヒーを啜った。
这时店主端来了我的咖啡,我放下手机道谢抬头。越过店主肩膀,看见天花板附近悬挂的电视正在播放新闻——报道昨晚欧冠联赛的结果。我一边看新闻一边啜饮咖啡。
『対戦相手のフランスチームは先ほど帰国しました』とアナウンサーが伝えるのと同時に空港の映像が流れる。フランスチームが連れ立って空港の中を歩いている。その中に、先ほどまで俺と一緒にいた男の姿を見つけた。
"对手法国队已于稍早前启程回国"的播报声与机场画面同步出现。法国队成员列队穿过航站楼,我在人群中发现了方才还与我共处的那个男人。
散々俺が乱したはずの髪は、テレビの中ではそんな形跡を一つも残さずいつも通りに綺麗にセットされている。
明明被我揉得凌乱不堪的头发,在电视画面里却看不出丝毫痕迹,依旧保持着完美造型。
昨晩の試合で1ゴールを決めて勝利に貢献した男は、空港に集まったファンには目もくれず、耳にイヤホンをさして無表情で群集の中を通り抜けている。そんな澄ました恋人の顔を見ながら、俺はスマホに手を伸ばした。
昨晚比赛中攻入制胜一球的男人,对聚集在机场的粉丝视若无睹,戴着耳机面无表情地穿过人群。望着恋人这副冷淡的模样,我伸手摸向手机。
そういや、凛は「マッチングアプリなんかで恋人が出来るはずがない」と言っていた。ただ、実際のところ、俺と凛の関係を繋げてくれたのはこのアプリだった。
说起来,凛曾经说过"怎么可能靠交友软件找到恋人"。但实际上,连接起我和凛之间关系的正是这款应用。
――まあ、そのことを凛には一生言うつもりはないけれど。
——不过,这件事我打算对凛保密一辈子。
そう思いながら、俺は先ほどまで見ていたアプリをアンインストールした。
这样想着,我卸载了刚才还在浏览的应用程序。
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最後まで真実を凛に言わない潔が最高すぎました、構成が天才すぎる
直到最后都没向凛坦白真相的洁实在太棒了,剧情构思天才至极